大企業や上場企業では内部監査部門を設置していることが多いですが、内部監査の仕事はストレスが多く、つらい・きついというイメージが持たれることもあります。
この記事では、内部監査の仕事のつらさや難しさ、他部署から持たれる印象などを解説します。内部監査の転職やキャリアパスについても紹介しますので、参考にしてください。
- この記事でわかること
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- 内部監査の仕事でストレスに感じること
- 内部監査にコミュ力やメンタルの強さが必要な理由
- 内部監査に向いている人・向いていない人の特徴
- 内部監査のキャリアパスの選択肢
内部監査の仕事がつらい・きついと言われる理由って?
内部監査は、社内規定が正しく運用されているか、財務や業務に問題点や改善点がないかを調査・分析することです。業務の効率化や不正の抑制など、内部監査は会社の健全な経営には欠かせません。
ただし、内部監査の仕事はつらい・きついと考えられることも多いです。客観的な視点が求められること、他部署を調査・分析することから、内部監査の人は下記の悩みを抱える場合があります。
- 監査対象の部署・部門から冷たい対応をされる
- 監査対象の部署・部門が協力的ではない
- 社内の人に資料提出や回答を依頼・催促するのがつらい
- 内部監査以外の部門の業務知識も必要で、知識習得が大変
- 内部監査の業務成果が見えにくい
- 内部監査による改善の結果が出るまで時間がかかる
- 業務に強い責任感が求められるが、やりがいを感じづらい
他部署とのコミュニケーション、良好な関係性構築のほか、業務に関する悩みも挙げられます。次章では、他部署が内部監査に対して抱くイメージについて解説します。
内部監査の仕事内容や向いている人の特徴
内部監査の仕事内容や内部監査に向いている人の特徴については、下記の記事を参考にしてください。
内部監査に対して社内の人が抱くイメージ
監査対象の部門に対して調査を行い、改善点を指摘することも内部監査の仕事です。ただし、現場の担当者からしてみると内部監査の調査や指摘に違和感を覚えたり、内部監査を面倒くさいと感じることは少なくありません。
他部署からすると内部監査は、普段の業務で頻繁にやり取りするというよりは、監査のときに対応する相手であり普段からのコミュニケーションは少なめです。内部監査はどんな仕事をしていて、どんな人たちなのかよくわからないというイメージも持たれがちでしょう。
こうしたことから会社によっては、内部監査は「嫌われ役」を担うこともあります。一方で、内部監査の指摘のおかげで不正の抑制ができたり、業務改善が進んだりした場合は感謝されるでしょう。同じ部署内の人間同士ではなかなか指摘しづらいこともありますが、業務上必要なこととして指摘できるのが内部監査ならではの強みです。
内部監査に向いている人はメンタルが強い?
内部監査の仕事をスムーズに進めるには、メンタルの強さが必要です。他部署から冷たい対応をされたり強めに当たられることがあっても、職務をまっとうしなくてはいけません。時には自分よりもポジションが上の人と対等に話す必要もあります。
人の意見に左右されやすい人、落ち込みやすい人は内部監査の仕事をしていると、ストレスを感じやすいかもしれません。
内部監査に向いている人の特徴には、下記が挙げられます。
- メンタルが強い人
- コンプライアンス意識が高い人
- コミュニケーション能力が高い人
- 分析的視点や思考を持つ人
- 経営や財務に関心がある人
- 裏方の役割が苦でない人
内部監査の仕事の楽しみやキャリア形成のメリットとは
内部監査の仕事はつらいというイメージが持たれていますが、楽しみやメリットもある職種です。たとえば、内部監査の仕事には下記の楽しみやメリットがあります。
- 経営陣に近い立場で仕事をすることが多い
- 会社を俯瞰的な視点で見ることができる
- 分析力や判断力が身に付く
- 高い専門知識と経験を積むと、貴重な人材になれる
- 上場企業や大企業への転職を狙える
経営者に近い目線や分析力・判断力、専門知識や経験を得られます。そのため、実績を積んだり周囲から高い評価を得た内部監査は、重宝される存在になるでしょう。
内部監査の将来性や転職市場の価値
内部監査は新卒で配属されることがほぼない部署です。内部監査経験者の数は比較的少ないのも特徴です。内部監査という部門を設けていない会社もあります。
これからの内部監査の将来性や転職の市場価値について解説します。
内部監査は将来性が高い
内部監査を設けているのは、大手企業や上場企業であることが多いです。不正の防止や業務効率化に対する意識が高く、内部監査が不可欠な部門であると考えられています。
また、ビジネスのIT化やAIの活用が進むにつれて、会社も新しいシステムやルールに対応しなくてはいけません。そのときに頼りになるのが内部監査です。
これからも変化の大きい時代が続くことが予想されますので、内部監査によるモニタリングや業務の効率化・適正化のニーズも高い状態が続くでしょう。
内部監査の経験者は転職が成功しやすい?
内部監査の経験者は比較的少ないため、重宝されやすいキャリアです。ただし、内部監査の求人も多くはありませんので、転職成功は経験や専門知識をどれだけ有しているか、能力を証明する資格を取得しているかなどがポイントになります。
内部監査以外のキャリアパスを描くこともできます。
- 監査法人
- 会計事務所
- コンサルティング会社
- コンサルタントとして独立 など
上記のようなキャリアパスを描きたい場合、内部監査としての経験を積みながら資格取得や人脈構築にも力を入れることをおすすめします。
内部監査以外の職種のキャリア形成って?
これからのキャリアプランを考えている人は、内部監査以外の職種についても知っておくと便利です。こちらの記事ではさまざまな職種の仕事内容や収入、キャリアプランを解説していますので、気になる職種の参考にしてみてはいかがでしょう。
おわりに:内部監査の仕事はコミュ力やメンタルの強さも必須!
内部監査の仕事では、監査対象の部署や部門とのコミュニケーションが重要です。時には冷たい対応をされることもあるため、繊細な人はストレスを溜めやすいでしょう。経営陣と近い距離で仕事をする内部監査には、キャリアアップのためのメリットもあります。内部監査配属を目指す人や内部監査からのキャリアアップを考えている人は、専門知識や経験を磨きながら、コミュ力アップと心のリフレッシュも意識してくださいね。
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