孫育ては楽しいけど疲れる?祖父母が自分の人生も大切にしながら孫育てをするコツ

孫と遊ぶ祖父母こころの悩み
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共働き家庭が多い昨今では、子育てと並び「孫育て」という言葉も使われています。

今回は孫育てがどんなことを指すのか、家族それぞれへのメリットや生じがちなトラブル、孫育てを楽しむために祖父母が知っておきたいことまで、まとめて紹介します。

この記事でわかること
  • 祖父母の育児参加ニーズが高い理由
  • 妊娠・出産中の過ごし方や子育て方針のすり合わせ方
  • 抱っこ紐や赤ちゃんのスキンケアについて
  • 孫育てを支援する自治体の制度事例
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孫育てがパパママ、孫、祖父母みんなのためになる?

孫育てとは、息子や娘が手助けを求めてきたときに、祖父母世代が親世帯の家事や育児の役割を積極的に請け負うことを意味する言葉です。

昭和から平成の初期にかけて、日本では男性が外で働いて現金を稼ぎ、女性が主婦として家事・育児を担う専業主婦家庭が多数派を占めていました。

しかし2021年現在、そのような専業主婦家庭は少数派といえます。代わりに夫婦ともフルタイムで働きながら家事・育児を教育して行う家庭が多くなり、仕事との家庭の両立において夫婦だけでは手がまわらない部分も生じてきました。

そこで必要とされるようになってきたのが、子育て世代の親、祖父母世代による孫育てです。

孫育てには家事・育児への援助を受ける親世代だけでなく、祖父母世代、孫本人にとっても以下のようなメリットが期待できます。

親・祖父母・孫ごとの孫育てによるメリット

親にとっては
  • 子育てによる身体的、精神的負担が軽減される
  • 子どもが急に病気になったとき、頼れる場所ができる
  • 子育てから離れる時間を確保しやすくなり、余裕をもって子どもと向き合える
  • 子育てと家事、仕事との両立がしやすくなる
祖父母にとっては
  • こちらから催促をしなくても、孫に会える機会が増える
  • 孫を介して、夫婦間の会話が増える
  • 元気いっぱいの孫から、良い刺激をもらえる
  • 新たな生きがいを得られることで、老化防止効果も期待できる
孫本人にとっては
  • 両親に加え、祖父母からの愛情も注がれるため情緒が安定しやすいとされる
  • 幅広い年代の人と接し、さまざまな価値観に触れたり経験する機会を得られる

祖父母と親のジェネレーションギャップのトラブル例

親世帯と祖父母、孫と全員にとってメリットが大きい孫育てですが、問題点もあります。

それは、子育ての知識へのジェンレーションギャップが生じやすいこと。子育ての常識は、子どもを取り巻く環境や健康課題の変化、育児に関する研究が進んだことなどにより、ここ数十年で大きく変化しています。

祖父母は、かつて一通りの子育てを経験したいわば先輩。自分達で立派に子どもを育て上げたという自負から、良かれと思って孫育ても過去の経験をもとに進めようとします。

育児のジェネレーションギャップは、祖父母の過去の育児経験と現在の育児の常識が合致しないために起こる、孫育てを代表するトラブルなのです。

昔と今で変わった、妊娠・出産・育児の常識の例育児のジェネレーションギャップについて、具体例を挙げて見ていきましょう。

妊娠中から出産まで

妊娠中や運動を控えるべき
昔は「安定期に入るまでは安静に過ごすべき」とされましたが、近年では妊娠初期でも適度に運動をし、全身の血流を促進することが推奨されています。
本人の体調が良く、医師からの許可も出ているなら、ウォーキングやマタニティヨガ、マタニティスイミングなどで体を動かした方が良いのです。
妊娠中は2人分、たくさん食事を食べた方が良い
妊娠中に増えて良い体重の範囲は、もともとも体重に対して決められています。決められた体重より減り過ぎても赤ちゃんの発育に影響が出ますが、増えすぎても妊娠糖尿病、妊娠高血圧症候群発症のリスクが高まるため、非常に危険です。
妊娠中は栄養バランスが良く、適度にカロリー量の食事を摂る必要があります。

生まれてからの食事について

「ミルクをあげた方がいいんじゃない?」「おっぱいが少ないんじゃ?」は禁句!
2021年現在、栄養価が高く赤ちゃんの免疫力を高めるだけでなく、お母さんの体調ケアにも役立つ母乳を与えての育児が推奨されています。
このため根気強くおっぱいを与え、母乳で育児をしていこうとするお母さんが多いです。
もちろん、医師の指導やお母さん本人の希望、状況によっては粉ミルクを使ってもOK。母乳と、母乳に劣らず栄養価の高いミルク、どちらで赤ちゃんを育てるかの判断はお母さんに委ねられているのです。たとえ祖父母であっても、赤ちゃんに与えるミルクについて口出しする権利はありません。
離乳食を与えるとき、食器を共有するのはダメ!
近年の研究で、子どものむし歯の多くは乳幼児期に大人の口を経由してくる虫歯菌により、発症することがわかってきました。
このため、昔は当たり前だった大人と子どものお箸・スプーンの共有や、かみ砕いて食事を与えること、息を吹きかけて冷ますなども避けるべきとされます。

幼児期の発育について

子どもの心身の成長具合について心配になるのは、親も孫も同じですよね。しかし、他の子どもや知人の孫と自分の孫を比較し、できていないことを見つけて子どもの発達について指摘するのは、両親にとって多大なストレスとなります。

親である娘・息子がきちんと定期健診に連れていき、医師や保健師に相談しているようなら、祖父母が孫の発達具体について神経質になる必要はないでしょう。また、お孫さんが他の子どもと違った脳の働きや特性を持つ発達障害の可能性もあります。

祖父母世代にとっては聞きなれない言葉かもしれませんが、発達障害は近年、幅広い世代に認知されている先天性精神障害の一種です。自身の孫にも発達障害の可能性があるということは、理解して孫育てに臨むべきでしょう。

孫育てで祖父母が理解したい現代の育児法

前章で見た具体例から、祖父母世代と親世代の育児に対する意識の違いが、孫育てにおける最大のトラブル要因だとわかりましたね。

楽しく、円滑に孫育てを行うための基本は「現代の親世代が行う育児と、自分達が経験した育児は別物」と理解し、育児に参加することです。

祖父母世代が、具体的にどんな気持ちで孫育てに参加すべきかはNPO法人 孫育て・ニッポンが「孫育て10か条」にまとめています。

以下に一通り紹介しますので、しっかり確認しましょう。

孫育て10か条(引用:NPO法人 孫育て・ニッポン「孫育て10か条」)

  1. 育児の主役はパパ・ママ、祖父母はサポーター
  2. パパ・ママの話を聞く
  3. 今と昔の子育ての違いを知る
  4. とがめるより、補う
  5. 他の子、親と比べない
  6. 手、口、お金は出しすぎず、心と体力にゆとりを!断る勇気も持とう
  7. 「ありがとう」「ごめんなさい」を言う、親しき仲にも礼儀あり
  8. 孫のほめ役、夢の最強応援団になる
  9. 自分のライフスタイルも大切に
  10. 老いていく姿を見せる

しかし、昔の子育てと今の子育てがどのように違うのかを理解しないと、ジェネレーションギャップやトラブルも避けようがありません。

そこで以下からは、良好な家族関係を維持しながら孫育てをするために理解しておくべき、現代育児の基本を紹介していきます。参考にしてくださいね。

祖父母が知っておくべき、現代育児の常識

  • 授乳はミルクよりも、母乳を使うことが望ましいとされている
  • 布おむつ、紙おむつはどちらも一長一短なので、好みや経済状況に合わせて好きな方を使うと良い
  • 赤ちゃんが泣いて何かを訴えているときは、抱きグセを気にせず抱っこして良い
  • 入浴後には白湯より母乳を与える方が望ましく、離乳食の開始時期に関わらず生後6か月未満の赤ちゃんには果汁を与えない
  • 抱っこ紐の種類は「前抱っこ型」が主流で、おんぶ紐を使う人は少なくなっている
  • 赤ちゃんのスキンケアには、ベビーパウダーではなく赤ちゃん用のオイルやローション、クリームなどを使うのが一般的
  • 食べ物を与えるときは衛生面とアレルギーに配慮し、大人との食器の共有や口移し、かみ砕いたものを与えるのは避けるうえ、親に与えてよいものを確認してから食べさせること
  • 歩行器は歩行訓練のためではなく、おもちゃとして使われるもの
  • 歩行訓練させたいなら、たくさんハイハイさせることが推奨されている
  • 「断乳」よりも「卒乳」という言葉が積極的に使われ、子どもが自主的に授乳を必要としなくなったタイミングで行われることが多い
  • 3歳前後を目安におむつを卒業し、自分でパンツを脱ぎ着して排泄する一連の動作ができるよう訓練することを「トイレトレーニング」と呼ぶ
  • 予防接種には「定期接種」と「任意接種」の2つのカテゴリと、たくさんの種類がある

上記を理解し、妊娠中から乳幼児期まで積極的に孫育てとお母さんのストレス軽減に貢献することができれば、祖父母として理想的な孫育てができるでしょう。

特に出産直後から3か月くらいまでは、お母さんへの手厚い支援が求められます。出産から間もないお母さんは、心身ともに非常に不安定です。体はあちこち痛み、思うように動けないなかで初めての育児が始まるうえ、産後のホルモンバランスの変化についていけず「産後うつ」を発症する人も少なくありません。

産後うつとは
出産後6~8週ごろに発症するうつ病のこと。発症率は9%ほどとされるが、実に70%以上の女性がうつに近い状態、精神的な不安定さを出産直後に経験するとのデータもある。主な症状は感情が不安定になる、判断力の低下、感情の表現が乏しくなる、不眠、食欲の低下など。

出産後の心身の不安定さ、育児への不安感には、祖父母世代にも覚えがあるでしょう。孫育ては孫を育てるだけでなく、親になろうと奮闘する娘・息子をも守り、ケアをする意識で取り組むと良いかもしれませんね。

体力もお金もかかって疲れる!孫育てを断りたいときの対処法

孫育てに積極的な祖父母は、親世帯が生活していくうえで心強いサポーターとなります。このため、娘・息子たちから祖父母が頼られ過ぎるケースも少なくありません。

しかし、祖父母世代にも自分達の生活と人生があります。娘・息子達と良好な関係を維持し、楽しく孫育てをするには、ある程度の線引きとルール決めが必要でしょう。

具体的には親世帯と祖父母、それぞれが互いにストレスや不満を抱えてしまわないよう、以下のポイントについて事前に話し合うことをおすすめします。

孫育ての前に家族で話し合っておくべきポイント

祖父母がどこまで家事に手出しするのか
他人に自宅の収納スペースやキッチンに入られることを、嫌がる人もいます。このため孫育てで娘・息子世帯の家に出入りする場合は、祖父母が家事にどの程度手を出して良いのか、どのエリアまで踏み込んで良いのかしっかり確認しておきましょう。
また掃除や料理、洗濯などの家事を頼まれるようなら、使っていいものとダメなもの、良く使う物の収納場所などもわかりやすいところへ変えてもらってください。
生活リズムなど、子どもの基本情報の共有について
子育ての経験のある祖父母ならわかると思いますが、子どもにはそれぞれ個性があります。好きな遊びやお気に入りのおもちゃの種類、眠くなる時間帯、食べられるものなどには個人差が大きいため、孫育てに際しては子どもの基本情報を共有してもらいましょう。
買い物や支払いを祖父母が行う場合の、お金の扱い
自宅で孫を預かったり、娘・息子達の外出中に親世帯の自宅を訪れて子守りやお出かけ、買い物の代行、荷物の代引きに対応する可能性もありますよね。いくら家族間でも、お金の扱いを曖昧にしておくのはトラブルの元。
親世帯の代わりに祖父母がお金のやり取りをする必要が出てきた場合、そのお金はいつ、どのように返してくれるのか、明確にルール化しておきましょう。
子どもの急病など、緊急時の対応について
小さな子どもは、突然熱を出したり、体調を崩したりするものです。このため孫の面倒を見るなら、緊急時に相談すべきかかりつけの小児科の連絡先と場所、また夜間や休日に診療してくれる医療機関のリスト、受診方法も聞いておく必要があります。

なお、諸々の事情で孫の面倒を見るのが難しいときは、理由を正直に伝えて娘・息子からの依頼を断ってしまいましょう。「娘・息子からの援助要請を断るなんて申し訳ない」「孫を放って、自分を優先して良いものか」と感じるかもしれませんが、孫育てにそこまでの責任を感じる必要はありません。

孫の育児に責任を持つべきはあなた方の娘や息子、つまり孫の親達です。祖父母はあくまでサポート役であり、孫育てへの注力は祖父母の義務ではありません

自分達の生活や体調、楽しみを優先しつつ、精神的・経済的に無理のない範囲で娘・息子夫婦と孫を助けてあげれば、それで十分と考えてください。無理なく孫育て、娘・息子へのサポートを継続的に提供していくためにも、サポートできる範囲や内容をあらかじめ決めておくことは非常に重要です。

まずは夫婦で相談のうえ、娘・息子達とも話し合ってルール化していくと良いでしょう。

孫育て休暇や自治体のサポートで楽しい孫育てを

共働き世帯の増加を受け、各自治体でも孫育てに注目した育児サポートが始まっています。具体例として福井県と岡山県、千葉県流山市が実施している孫育て支援策を以下に見ていきましょう。

福井県による、孫育て支援策「父親・祖父母の育児休暇等取得促進奨励事業」

父親、そして就学前の孫を預かる祖父母が「連続する10日以上の育児休暇等を取得」または「最低5日以上の連続する育児休暇等を2回、計10日間以上取得」した従業員のいる企業に、10万円の奨励金を支給するというものです。

福井県は祖父母・親・孫の3世代同居率が全国2位と高く孫育てに積極的な風土があること、働く高齢者が増えていることを受け、この精度が作られました。

岡山県による、孫育て支援策「孫育て休暇奨励金

従業員が孫を養育するため、1日以上の休暇を取得した企業に対し5万円が支給されます。
「親だけでなく、周囲の家族や地域が子育てに参画できるよう、企業に後押し」してもらうことを目的に設置されたそうです。

ただし、企業がこの奨励金を受けるには自社に「孫育て休暇」を制度として導入する必要がある点で、福井県の育児休暇等取得促進奨励事業と異なります。

流山市による、孫育て支援策「孫育てガイドブックの作成、配布

娘・息子と協力して孫育てをしていくためのポイント、昔と今の育児の常識の違い、子どもとの遊び方などをまとめた冊子を以下の市窓口で無料配布。

  • 市役所子ども家庭課/高齢者生きがい促進課
  • 市内4カ所にある市民課出張所
  • 保健センター
  • 市内8カ所にある図書館、博物館
  • 生涯学習センター
  • 市内7カ所にある児童館、児童センター
  • 市内6カ所の公民館

また、市のサイトではPDFデータとしても孫育てガイドブックを無料で配布しています。

なお地域によっては、祖父母を集めて直接「孫育て講座」を開講する自治体もあります
孫育てのための休暇取得促進策の制定で社会を変え、また孫育てガイドブックの配布で個人の価値観を変えることを通して、各自治体が孫育てを支援しているのです。

おわりに:ルールのもと、無理のない範囲で参加するのが楽しい孫育てのコツ!

共働きする夫婦にとって、緊急時に子どもの預りや家事の代行をお願いできる祖父母は、非常に心強く不可欠な存在です。このように、祖父母が積極的に孫の育児に参加することが近年では「孫育て」と呼ばれ、自治体による子育て支援策の対象ともなっています。しかし頻繁に孫を預かり、面倒を見るのは精神的にも体力的にもきついもの。娘・息子夫婦とも話し合い、祖父母にとって無理のない範囲で行うのが楽しい孫育てのコツを理解しましょう。

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