毎日スマホを使う私たちは、知らず知らずのうちに下を向く時間が多くなっています。
すると首や肩、後頭部の筋肉が凝り固まり、猫背になりやすくなって「ストレートネック」の発症リスクが高くなります。
今回はストレートネックについて、代表的な症状や主な発症原因、症状改善に有効な3つの対策までまとめて学んでいきましょう。
- この記事でわかること
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- 首のコリやだるさ以外のストレートネックの症状
- 片頭痛やヘルニアなどストレートネックと関連のある症状
- 身近なものでできるストレッチ、道具なしでできるストレッチ
- プロならではの施術や治療に期待できる効果
ストレートネックは全身症状を引き起こす!セルフチェックしてみよう
ストレートネックとは、「スマホネック」「スマホ首」とも呼ばれる首の疾患です。その名の通り、何らかの原因で首の骨がまっすぐになることで発症する病気で、以下のような症状を引き起こします。
- 寝違えたような首の痛み、こり、可動域の減少
- 肩のこり、背中のハリ、頭痛や頭が重だるさを感じる
- 目が疲れやすくなり、痛みや目のかすみも出やすくなる
- 食いしばりによる顎関節の痛み、歯の痛み
- 手や腕の痛み、しびれ
- 難聴や耳鳴り、めまい、ふらつき
- 吐き気、胃腸の不調
- 全身の倦怠感
- のぼせ、不眠
- うつのような気分の落ち込み、不安感
- 意識しなくても、後頭部が自然に壁に付いている
- 意識しないと少し浮くが、意識して動かせばすぐ壁に頭を付けられる
- 意識しないと離れてしまうが、頑張れば何とか壁に頭をくっつけられる
- 壁からかなり離れてしまい、どんなに頑張っても後頭部を壁にくっつけられない
- 頭を後ろへ反らしたり、左右にまわすと首が痛い
- 首を動かすとギシギシと音がして、すぐ寝違えてしまう
- 首や後頭部のこりに苦しんでいて、こめかみの周辺に片頭痛が出る
- 目が疲れやすく、かすむようになった
- 猫背を人から指摘された
- 長時間にわたり、デスクワークやスマホ操作を続けたことによる首や肩の疲労
- 読書など、下向きの姿勢で作業をし続けたことによる筋肉のこり、筋力の低下
- 高すぎる枕を継続的に使用したことによる、頚椎や首の筋肉への圧迫
- 女性や子どもなど、もともと首周辺の筋力が低かったことによる影響
- 頚椎症
- 頚椎やその間の椎間板などの変成が原因で、体に痛みやしびれが出る病気
- 胸部出口症候群
- 首と胸の間を通る神経が圧迫され、手や首、肩、腕がチクチク痛む病気
- 頚椎椎間板ヘルニア
- 頚椎の間にある椎間板がはみ出し、神経を圧迫して痛みを生む病気
- 肩関節周囲炎
- いわゆる五十肩のことで、加齢により過多の痛みや可動域制限が出る病気
- フェイスタオル、またはスポーツタオルを用意する
- タオルの両端を持って首の後ろに当て、ゆっくり頭を後に倒していく
- 頭を倒すのに合わせて両手を上へ向けて引っ張る
- 頭を倒し切ったらゆっくりとあごを引き、5秒キープ
- 1~4の一連の動きを、5回繰り返す
- 首をゆっくり左右片側に傾ける動作を、左右それぞれ1回ずつ行う
- 視線は正面に向けたまま、首を左右にそれぞれ1回ずつまわす
- 1~2の一連の動きを、2~3回繰り返す
- 背筋を伸ばし、正面を向きあごを引いて座る
- 手をあごに置いたら、頭ごと動かすようにしてあごを水平に押す
- 押した状態から手を離し、天井を見上げるようにして頭を後ろに倒して5秒キープ
- 1~3の一連の動きを、2~3回繰り返す
- タオルを巻きずしのように棒状に丸め、首の下に置き仰向けに寝る
- そのまま5分間待った後、首を左右に傾けそれぞれ10秒ずつキープ
- 1~2の一連の動きを、1日1回を目安に続けて行う
- ストレートネックの人におすすめの枕の種類
- 頚椎や肩への負担が軽減される、耐圧分散性の高い低反発素材のもの
- 寝返りを打っても頭が枕から外れない、自分の体形に合った高さのもの
- 筋肉を柔らかくするためのツボへの刺激、ドレナージュ
- 体のバランスや骨盤のズレを治すための骨格矯正
- 筋肉、内臓、骨を覆う「筋膜」と言う組織の癒着や緊張をほぐす筋膜リリース
- 首や肩のこり、頭痛などの症状改善に効く猫背矯正
- 主に肩甲骨周辺の血流を促し、筋肉を動かすための運動療法
- 悪くなってしまった姿勢を正し、深部の筋肉を強化するための理学療法
- 飲み薬や注射薬、シップで筋肉の緊張を緩め、炎症や痛みを緩和する薬物療法
- その他漢方薬の処方や鍼灸、パーソナルトレーニングなど
私たち人間の首の骨は本来、頚椎と呼ばれる7つの骨が連なり、緩やかなカーブを描いています。このカーブがクッション性を生み、4~6㎏にもなる重い頭を支えているのです。ストレートネックを発症すると、頚椎がまっすぐに固定されるため柔軟性が失われます。体重の10%にも相当する重さをダイレクトに受けるようになった首は、周辺筋肉の緊張からくる痛みやこりの他、全身の不快な症状や精神的な不調を引き起こすようになるのです。
壁への後頭部の付き方でわかる、ストレートネックセルフチェック法
なおストレートネックを発症しているかどうかは、自宅で簡単にセルフチェックできます。壁を背にして立ち、かかと・お尻・肩甲骨の順に背面を壁に付けていってください。
この姿勢を取って後頭部がどの程度、どうすれば壁に付くかで、ストレートネックかどうかを判断することができます。
以下のうち、1に当てはまる人はストレートネックではありません。2に当てはまる人は発症予備軍であり、3または4に当てはまる人はストレートネックを発症していると考えられます。特に4に当てはまる人は、かなり重症でしょう。
3または4に当てはまる人は、既に以下いずれかの自覚症状が現れているかもしれません。
ストレートネックの自覚症状
ストレートネックの原因と放置するリスク
ストレートネックを発症する原因としては、以下が考えられます。
なおストレートネックを放置していると、以下の病気へと進展していく可能性が高いです。
ストレートネックから発症しやすい病気
【改善法①ストレッチ・体操】タオルストレッチと寝ながらストレッチ
ここからはストレートネックの症状を緩和し、状態改善に役立つ対処法を3つ紹介します。まず紹介するのが「ストレッチ」。首や肩、背中の筋肉のこり、張り、痛みが強く現れるストレートネックには、ストレッチで筋肉の緊張をほぐし、温めるのが非常に効果的です。
以下に、ストレートネック改善に効果的なおすすめのストレッチを4つ紹介しますので、やってみてくださいね。どのストレッチもゆっくりと行い、首の筋肉や神経を傷めないように気をつけましょう。
1:フェイスタオルを使ったストレッチ
2:道具なし、立ったままできるストレッチ
3:道具なし、座ってできるあご押しストレッチ
4:寝ながらできるストレッチ
【改善法②-睡眠時の枕の選び方】枕なしと枕ありどっちがいい?
ストレートネックの改善法として、次に紹介するのは「睡眠環境の改善」です。あなたの体型に対して高すぎる、または低すぎる枕の使用はストレートネックを発症・悪化させる原因となります。ストレートネックの予防と改善に効果的な枕の条件は、以下の通りです。
上記を参考に、できれば店頭で感触・寝心地を確かめたうえで、あなたの体にあった素材や高さの枕を購入してくださいね。なお、体に合ったものが見つからないからと言って、自己判断で枕を使わず寝るのはおすすすめできません。枕を使わずに寝ると後頭部が安定せず、あごを引き下を向いた姿勢になるため、ストレートネックを悪化させる恐れがあります。
【改善法③整体・接骨院や整形外科】どんな施術や治療法があるの?
最後に紹介するストレートネックの改善法は、整体や整骨院、整形外科で「プロの力を借り治療を受ける」というものです。整体院や整骨院、整形外科・クリニックなどの医療機関では、ストレートネックに対し以下のような施術・治療を受けることができます。
整体院・整骨院で、ストレートネックに対し行われる施術や治療
整形外科の医療機関・クリニックで、ストレートネックに対し行われる施術や治療
ストレッチや睡眠環境の改善など、自分でできる範囲で対策をしてもストレートネックの症状が改善されないときは、整骨院や整形外科のクリニックで相談しましょう。
おわりに:首に動かしたときの違和感、痛みがあるならストレートネックかも⁉
ストレートネックはスマホ、パソコンの操作などにより下を向くことの多い現代人が発症しやすい首の疾患です。首の骨である頚椎が誤った位置で固定されることで、肩や首、背中のこりや痛みの他、全身の倦怠感や気分の落ち込みなど幅広い症状を引き起こします。症状を改善するには毎日のストレッチや、睡眠環境の改善が効果的。あまりに症状が重く辛いようなら、整骨院や医療機関の力も借りて改善していきましょう。
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