離婚をする理由はさまざまです。生活習慣のずれ、喧嘩の増加、性格や価値観の不一致は原因のひとつ。お互いひとりの人間ですので夫婦喧嘩が起こるのは当たり前ですが、夫婦円満に仲良く過ごすためには”どう仲直りするか”がカギになります。夫婦喧嘩でよくある原因や仲直りのコツ、謝り方のポイントを抑えて、いい夫婦関係を築いていきましょう。
- この記事でわかること
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- 金銭・家事分担・育児・価値観など夫婦喧嘩の原因
- 日常生活のどんなクセが相手を苛立たせる?
- 誠意と愛情が伝わる謝り方って?
- 平和な日常を取り戻すためには許し方や譲歩も大切
- プレゼントと一緒に謝るのが逆効果になる?
- 口下手さんが「ごめんね」を伝える方法
- 夫婦関係が破綻したとき離婚弁護士の相談費用って?
夫婦喧嘩の原因で多いのは?
これまで他人だった人間が、結婚したら一つ屋根の下で暮らすわけですから、意見が衝突してしまうのはある意味仕方のないことかもしれません。では、どんなことが原因で夫婦喧嘩が起こるのでしょうか。夫婦喧嘩の原因としてよく挙げられるのは、お金・家事・子育ての3つです。
夫婦喧嘩の原因①:お金の問題
限られた家計の中で、何にどのくらいお金をかけるのかの価値観が異なると、争いのもとになりやすいです。例えば、女性の化粧品にかかる費用や男性の飲み会・ゴルフなど仕事上の付き合いにかかる費用などは夫婦間で価値観が異なりやすい部分です。「無駄遣い」というイメージにならないよう、普段からお互いの必要経費について理解する姿勢を持ちましょう。
また、少ない生活費でいかに節約して貯金するかを考えている人と、すぐ外食や遊園地などお金を使ってしまう人などが一緒に暮らすと、金銭感覚の違いが顕著に浮かび上がります。日常生活における金銭感覚の違いは大きな問題です。奨学金の返済があるのに、給料を「自分で稼いだお金は全部自分の自由になるお金=お小遣い」感覚で浪費してしまう人などは喧嘩の原因を作りがちです。
もし、夫婦で話し合っても互いに譲らず、争いが解決できないという場合は、FPなどの専門家に相談してアドバイスをもらうのも良いでしょう。特に、男性の場合はプロから意見をもらうことで、女性が説明するよりも素直に頭に入ってきやすいこともあるようです。
夫婦喧嘩の原因②:家事の問題
片方が専業主婦(主夫)の場合はともかく、共働きの場合は家事を分担して行うのが、お互いの時間的にも体力的にもバランスがよくなるものです。しかし、実際には家事も子育ても女性が行い、男性は全然協力してくれない、という不満を持ってしまう人も少なくありません。中には、子どもと遊んでいるからと自分のことまで女性に押しつけてしまったり、女性が忙しいときに限って手のかかる家事を頼んでしまったりする男性もいます。
とはいえ、男性も単にやりたくないから押しつけている、という場合ばかりとは限らず、「そもそもやり方がわからなくて手がつけられない」ということもよくあります。そこで、女性も「なんで私ばっかり!」と不満をぶつけるのではなく、してほしい家事の内容や流れを具体的に伝えたり、最初は見本を見せて「次からこうやってね」と伝えたりしましょう。
手間のかかる家事なら「一緒にやろう」「手伝って」と言うと、意外とすんなり手伝ってくれる人も少なくありません。このように少し言い方を工夫することで、夫婦喧嘩を回避するとともに、男性にも家事に慣れてもらえます。ぜひ、お互いに協力して暮らすために実践していきたいものです。
夫婦喧嘩の原因③:子育ての問題
それまでとても仲が良かった夫婦でも、子どもが生まれたとたんに子育ての問題で喧嘩になってしまう、ということもよくある話です。夫婦がともに子どもを愛しているからこそ、子育ての価値観はぶつかってしまうものですが、意見が対立したときこそ「子育てに絶対的な正解はない」という原則を忘れないようにしましょう。
子育ての価値観は、多くが自分の育った家庭や環境によって作られています。そのため、違う地域や家庭で育った夫婦の価値観が違うのは当たり前のこととも言えますので、お互いの子ども時代についてよく話し合うなどすると教育方針やしつけ、子どもへの対応などをすり合わせやすいかもしれません。
その他、夫婦喧嘩の原因になることって?
その他、夫婦喧嘩の原因になることはたくさんあります。しかし、いずれの場合もやはり「価値観の違い」が大きなポイントでしょう。生活習慣に関して「自分の常識が相手の常識ではなかった」という思いが積み重なっていくと、いずれは我慢できず爆発してしまいます。早めに話し合っておくことが、喧嘩や取り返しのつかない食い違いにまで発展してしまわないコツです。
具体的には、以下のような原因が挙げられます。心当たりがある人も、似たようなことについイライラしてしまう人も、ぜひ早めに話し合いの機会を設けましょう。
- トイレのフタがしまっていない、汚してそのままにする
- トイレなど室内でタバコを吸う
- スキンシップや性生活が減ってそっけなくなった
- 相手の話をきちんと聞いていない、聞き流す
- 相手の言葉遣いや物言いが気になってイライラしてしまう
- 実家を優先しすぎるパートナーとの価値観の違い
- 子どもが女性にばかりなつき、男性がいじけてしまう
- 脱いだ服をそのままにしたり、靴を出しっぱなしにしたりしている
特に、片付けができない男性は少なくないようで、脱いだ服をそのままにせず洗濯かごに入れてほしいという女性の意見は多く見られます。そのひと手間で夫婦喧嘩が回避できるのであれば、ぜひ頑張ってみるべきところなのではないでしょうか。
相手に頼み事をするときのコツ
また、価値観の違いをすり合わせるとき、お互いに「自分が絶対に正しくて、相手が絶対に間違っている」という態度は良くありません。自分の気持ちや要望を素直に伝えることを心がけましょう。伝え方のコツとして、相手を主語にせず、自分を主語にして「私は〜してもらうと嬉しい」「私、〜してもらえなくて悲しくなってしまった」という言い方をすると素直に受け取ってもらいやすいようです。
夫婦喧嘩の仲直り方法-思いを伝える謝り方と許し方
上記のように、夫婦喧嘩の原因はさまざまです。回避しようと努力していても、お互いに違う人間である以上、虫の居所が悪い日もありますし、価値観の違いをどうしても上手に伝えきれないこともあります。夫婦喧嘩に発展してしまったら、少しお互いの頭を冷やした後、仲直りをしましょう。
謝るのは勇気がいることですし、「理由があるから怒ったんだ」という気持ちがあると、なかなか素直に謝りにくいものです。そこで、以下のようなポイントに気をつけながら、先に謝り方のイメージを固めておくと、きちんと謝りやすいでしょう。
夫婦仲を修復する謝り方のポイント
- 何に対して謝っているのか、わかりやすく簡潔に謝罪する
- 自分が悪かったことを認める
- 今後どうするのか、はっきり言う
- 相手の気持ちを気にかけ、最後に改めて謝る
例えば、「さっきはカッとなってしまって、ひどいことを言ってごめん。僕が悪かったよ。もう二度とあんなことを言わないよう気をつけるし、冷静に話し合えるよう努力する。嫌な思いをさせてしまって本当にごめんね」といった形です。もちろん心の中では、一言一句発した言葉のとおりのことを思えているわけではないでしょう。
喧嘩が長引くNGな謝り方
しかし、謝罪のときに余計な言葉を挟むと、それが言い訳や免罪符に感じられて、相手の気持ちを逆撫でしてしまい、謝罪していても逆効果になってしまいます。「だって」「でも」といった言葉を挟まず、まずはしっかり謝罪をしましょう。もちろん、自分が悪いと気づいたときは、気づいた時点で素直に、かつ誠実に謝ることが大切です。
謝り方を工夫すれば愛情表現できる?
夫婦ならではのスムーズな謝り方として、謝罪の言葉にスキンシップを添えるという方法もあります。後ろからハグをしたり、前から抱きしめたり、手をつないだり、腕を絡めたり、肩を抱き寄せたり、寄り添ったりと、夫婦の関係性やその場の状況、相手の性格、自分のキャラクターに合わせてさまざまなパターンがあるでしょう。
一般的には、女性は男性の「守ってあげたい」気持ちをくすぐるような、男性は女性の「母性本能」を刺激するような動作をすると、成功率が高いとされています。自分の魅力を最大限に活かし、夫婦間の仲直りをしましょう。
もし、相手から謝られても許せない気持ちがあるときは、以下のような3つのポイントをおさえておきましょう。
怒りの気持ちを抑える許し方3つのポイント
- 無理に許そうとしない
- どうしても許せないときは、正直に「まだ許せない」と伝える
- 何でもかんでも許してしまうと、ただ謝ればいいと思われてしまうかも
- 許せなかった理由を相手にきちんと伝え、相手がしっかり反省してくれたら許す、というステップを踏む
- 冷静になれるまで、距離を置く
- 喧嘩の直後はイライラがお互いに膨れ上がり、冷静な判断ができない
- 5〜10分程度でも、一人になって落ち着いて考えると、意外と怒りが落ち着くかも
- お互いに言いすぎたことに反省できたら、歩み寄る姿勢が大切
- 喧嘩の最中でも、すぐ言い返さず一息つくと少しイライラがおさまる
- 過去の揉め事や不満を持ち出さない
- 些細な喧嘩はつきものだが、過去の揉め事や不満を持ち込むと収拾がつかなくなる
- 今の喧嘩に関係がなくてもまだ気になっていることがある、という場合は、必ず冷静なときに解決するようにする
また、夫婦喧嘩は勝ち負けではないということを普段からお互いによく理解しておく必要があります。喧嘩の最中はとにかく興奮してしまうので、相手が悪いことを認めさせたくなってしまいますが、そもそもは原因や問題を解決するための話し合いであり、意見のすり合わせが目的で、相手を言い負かすことが目的でないことを忘れないようにしましょう。
男性の場合、特に大声を出して威圧感を出す人も多いのですが、夫婦喧嘩でこれをやってはいけません。相手を追い詰めるような言葉や反論できないような言葉を使って「勝ち負け」にこだわってしまうような言い合いをするのも、全く何の解決にもならないのです。我を忘れそうになったら、そもそも夫婦喧嘩は喧嘩が目的ではないことを思い出しましょう。
さらに、一つひとつの喧嘩の原因はたいしたことでなくても、小さな不満が溜まってやがて夫婦の間に大きな溝ができてしまうこともあります。すると、夫婦仲が悪くなるだけでなく、離婚に至ってしまうことも考えられます。そのような取り返しのつかないことになる前に、こまめにコミュニケーションをとったり、相手の考えを理解しようとしたりする努力が必要です。
仲直りは早めに!タイミングやきっかけづくりのコツ
仲直りの言葉を言い出しにくくなる前に、喧嘩が起こったら早めのタイミングで謝ったり、話し合いの時間を持ったりして、仲直りしてしまいましょう。一つひとつの不満は小さいことが多いので、こまめに解決していけばそれほど難しいことではないはずです。
早めの仲直りのためには、気持ちを切り替える努力も必要です。喧嘩をした直後に気持ちを切り替えるのは難しいでしょうが、長く引きずれば引きずるだけネガティブな気持ちが長引いてしまいます。散歩に出たり、バラエティ番組を見て笑ったりして気分転換し、喧嘩した気分を引きずらないようにしましょう。
また、相手の良いところ、尊敬できるところを思い出してみるのも良い方法です。「相手にもたくさんいいところがある、なのに喧嘩したままはもったいない」など、早く仲直りして穏やかに優しく過ごしたいと思えるでしょう。
夫婦喧嘩の仲直り方法-プレゼントや手作り料理で思いを伝える
なかなか口で謝るのが苦手な人は、相手の好きな食べ物を用意するのは非常に有効な手段です。プリンが好き、チョコレートに目がない、といった相手なら、ぜひ仲直りのきっかけとして大好物を用意してみましょう。「ごめんね」という謝罪の意味を込めて特別な食べ物を用意することが合図やきっかけになれば、その後も暗黙の了解とできる可能性が高いです。
食べ物以外にも、ちょっとしたプレゼントを贈るのも有効な方法です。もし、相手の欲しいものがわからなければ、女性にはケーキやお花、男性には好きな食べ物や美味しいお酒が良いでしょう。相手の機嫌が良くなったところで「昨日はごめんね」と素直に謝れば受け入れられやすいです。逆に、プレゼントと謝罪は口下手な相手の精一杯だと汲んであげることも大切です。
喧嘩の後のプレゼント作戦!でも怒りを増幅させてしまうおそれも…
喧嘩の後にプレゼントを渡す方法はたいてい有効なのですが、人によっては逆効果になってしまうケースもあります。謝罪に心が伴っていない場合、とりあえずプレゼントしておけば良いだろうという態度が見え透いてしまう場合などは、プレゼントを贈っても感情を逆撫でしてしまう場合が多いでしょう。
また、何度も何度もプレゼントを贈っている場合は、少し趣向を変えて物質的なプレゼントではなく、手間をかけて手料理を作ったり、休日に家事を代わったりと普段とは違うパターンで謝罪の意思を伝える方がおすすめです。
夫婦喧嘩の仲直り方法-
口下手な人におすすめなもう一つの仲直り方法として、メールや手紙、LINEなどの文章を使う方法があります。喧嘩が長引いて、面と向かって謝りにくいときにも文章で謝るのは良いきっかけになります。文章を書いていると自分の気持ちが整理でき、冷静に要点をおさえて謝罪や今後どうしていくかを話せることが多いからです。
文章で「ごめんね」を伝えるポイント
- 怒りがおさまってから文章を考える
- 自分が悪かったと思う点について謝る
- 素直に自分の気持ちを書く
- 相手に改善してほしい点があれば、具体的に冷静に伝える
- 一度書いたメッセージを読み返してから送る
上記の5つを守って気持ちを伝えることが重要です。ぜひ、文章を上手に使って仲直りのきっかけにしましょう。
怒りが残ったまま感情的に文章を書くのはおすすめできません。相手に怒りをぶつけるだけでは逆効果になってしまいますので、書いた文章は一度落ち着いて読み返し、必要があれば修正し、冷静な文章を送るよう心がけましょう。
メールやLINEなどの文章で送ることの良い点として、形に残るということが挙げられます。言葉だけでは「言った」「言わない」といった争いになってしまうのですが、形に残っていると証拠として見せられますし、忘れた頃に読み返してそのときの気持ちを思い出すこともできます。手書きの手紙は気持ちも伝わりやすいので、特におすすめです。
夫婦仲修復不能の場合は離婚の選択肢も?離婚問題専門家に相談すべき?
夫婦の問題がこじれたとき、どうしても自分たちだけでは解決できないと感じたら、行政書士に相談する方法があります。価値観が違いすぎる、両親と同居するのが難しい、子どもの教育に関して意見が合わないなど、話し合っても夫婦だけで解決するのが難しいようであれば、間に第三者を挟むことで冷静に話し合いができることも多いです。
もちろん、相談に際して個人や家庭のプライバシーはしっかり厳重に守られますので、安心して相談してみましょう。どのような件で相談するにしても、プロが一緒に本人にとって一番良い方法を探してくれます。離婚を視野に入れている場合も相談できますが、離婚を回避して関係修復をはかりたいという場合に特におすすめです。
もうどうやっても関係を修復するのが不可能だ、という場合は離婚問題を弁護士に相談するのも良いでしょう。とはいえ、お互いに離婚するということで意見が一致し、財産分与についても子どもがいる場合は養育費などについても特に揉めていなければ、あえて弁護士を立てずに離婚しても問題ありません。
しかし、以下のようなケースでは、弁護士に相談した方がスムーズに離婚が進むでしょう。
- 夫婦の一方から離婚を切り出されたが、他方は離婚したくないと思っている
- 片方は離婚したいと思っているが、他方は離婚に同意してくれない
- 配偶者が浮気をしたので、配偶者や相手方に慰謝料を請求したい
- 財産分与や養育費について揉めている
- 離婚しても子どもと交流する機会を持ちたい
- 親権がほしい
- 子どもの養育費を配偶者に請求したい
弁護士に離婚問題を依頼するデメリットは特にありませんが、強いて言えば弁護士費用がかかることが挙げられます。大まかに着手金で20〜50万円、解決報酬金で20〜50万円ほどかかりますので、40〜100万円程度と考えておけば良いでしょう。この他、印紙代や交通費などの実費や、遠方への出張が必要となった場合は日当などがかかることもあります。
また、離婚問題に精通している弁護士の見分け方としては、以下の2つのポイントがあります。よく見極めて依頼するようにしましょう。
- 離婚問題に関する知識
- 離婚は単なる男女関係の清算でなく、財産分与・慰謝料・年金分割・親権・養育費などさまざまな問題が絡んでくる
- 一つひとつに精通していなければ、全体を適切に処理できない
- 離婚事件の経験数が多い
- 経験数が多ければ、事件の内容に応じて交渉からスタートすべきか、すぐ調停に移行すべきかなど適切な手続きを選べて時間の節約になる
- 処理の見立て、案件の進行方法、相談者にとって不利になる点とその対策などはケースバイケース
- 実際に多くの経験を積むことで、さまざまなイレギュラーに対応できる
おわりに:夫婦喧嘩は仕方のないこと。毎回ちゃんと仲直りしよう
他人が一つ屋根の下で暮らす以上、価値観の違いから喧嘩が起こってしまうのはある意味、仕方のないことです。重要なのは、喧嘩の後で落ち着く時間を持つこと、落ち着いたら早めに謝り、仲直りすることです。
特に、口下手な人はプレゼントや食べ物を贈ったり、メールや手紙などの文章で謝ったりするのも良いでしょう。とはいえ、プレゼントはときに逆効果になることもありますので、相手の性格やタイミングをよく考えましょう。
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