雨の日や調子が悪い日に古傷が痛むのはなぜ?セルフケアと神経ブロック注射の方法とは?

再発した古傷の痛みからだの悩み
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天気が悪くなったとき、治ったはずの傷や手術痕が痛むことがありますよね。

今回はこの「古傷がうずく、傷む」現象について、その原因や自分でできる対処法をメインに解説。さらに古傷の痛み軽減のため、医療機関で受けられる治療も紹介していきます。

この記事でわかること
  • 古傷の種類や痛みが現れる要因
  • 自律神経の働きが古傷を刺激するのはどうして?
  • 痛みの改善は血行促進がおすすめ!食事や体ほぐしのポイント
  • 辛い痛みの相談先「ペインクリニック」でできること
  • 神経ブロック療法で使用する薬の種類や効果

古傷がうずいて痛い!どんな傷に注意すべき?

過去に負った擦り傷や切り傷の痕、また打ち身や骨折、凍傷、やけどを負ったところや、手術の痕などを総じて古傷と言います。

古傷とは、必ずしも目に見える傷痕だけを指す言葉ではないのです。

なお古傷の痛みは、実際に損傷を受けた患部の痛み以外の症状で現れることもあります。

痛みを感知する神経は各所とつながっているため、古傷による影響が患部の痛みだけでなく頭痛、吐き気など他の症状を連鎖的に引き起こすケースもあるのです。

古傷が痛むのはヒスタミンと自律神経が原因?天気や体重変化も影響する?

過去に損傷を受けた古傷が痛む原因は、ヒスタミンと自律神経の働きと考えられています。

ヒスタミンは、特定の条件下で興奮状態になると活性化する化学物質です。
普段は不活性の状態で私たちの全身に広く存在し、周辺組織が損傷を受けると血管を拡張させて血流を促し、炎症を起こす作用があります。

このことから、古傷が痛む一因は修復が不完全な組織を「ケガをしている」と感知し、治すために周辺で炎症反応を起こすヒスタミンの作用によるものと考えられます。

また近年の研究により、このヒスタミンが気圧が低下した条件下で過剰分泌されることがわかってきました。

天気が悪い日、低気圧の日の古傷の痛みは、低気圧によって過剰分泌されたヒスタミンの影響かもしれません。

対して自律神経は、交感神経と副交感神経から成る重要な器官です。
呼吸や心拍の維持など、生命活動に欠かせない臓器や神経のコントロールを私たちの無意識下で行っています。

2つの自律神経のうち、古傷の痛みに影響を及ぼすとされるのは興奮状態を司る交感神経。

交感神経が優位になると古傷が痛む?

何かのきっかけで交感神経が優位になり、心身が興奮状態になると血圧上昇、血管拡張などの反応が起こり、古傷が痛むことがあるようです。

メカニズムがわかったところで、以下からは過去にケガをした場合と手術した場合に分けて、古傷が痛む原因やきっかけを具体的に見ていきましょう。

【過去にケガをした箇所が痛む原因】

  • 低気圧による内耳、交感神経への影響
  • ストレスにより、無意識のうちに交感神経を刺激してしまった
  • 古傷が完治していなかったために、血流や筋肉の動きに障害が出た

【過去に手術した箇所が痛む原因】

  • 手術痕で、くっつくべきではない箇所がくっつく癒着が起きている
  • 手術時に傷つけられた神経が、時間を経て痛むようになった
  • 体が冷え、手術紺周辺の血流が滞ったため
  • 体重が増え、皮膚がひっぱられることによる痛み
  • 季節ごとの気圧や気温、湿度の変化に伴い痛みを感じやすくなっている
  • 手術への恐怖心や痛みの記憶が、強くのこっている影響

古傷の痛みを緩和するセルフケアの基本

古傷の痛みを和らげるために、自分でできるケア方法としては以下が挙げられます。

【血流を促進し、体を温める】

痛みの原因である冷え、血行不良への対策です。以下の方法で血行を良くし、冷えを解消して痛みを軽減しましょう。

  • 靴下や腹巻を着用する
  • 腰やおなかにカイロを貼る
  • ぬるめのお風呂に10分以上浸かる
  • 上着やストールを持ち歩き、体温調整しやすくする
  • 古傷周辺をマッサージし、筋肉をほぐす
  • ストレッチなど軽い運動をして、全身の血流を促す

【生活習慣を改善する】

自律神経の調子を整え、体組織の修復を促すことも古傷の痛み緩和に効果的です。
以下を参考に、できるところから生活習慣を見直してみましょう。

  • 食事は1日3食、できるだけ決まった時間に摂る
  • 肉や魚、豆類、海藻類、野菜、穀物をバランス良く食べるようにする
  • 睡眠は1日6時間以上しっかりとって心身を休める
  • 質の良い睡眠をとれるよう、適度な運動と入浴で体を温める
  • 入眠を促すため、寝具や衣服などを工夫して寝室を落ち着く空間にする

【ストレスを溜めず、こまめに発散する】

自分の好きなこと、アロマの香りや人に触れる機会を意識的に作り、ストレスを発散させることで古傷の痛みは起こりにくくなります。
また可能であれば、あなたにストレスを与える人や環境から、距離を置いてください。

できそうなところから普段の生活に取り入れ、古傷の痛みの予防・緩和に努めましょう。

血行促進も大切!血流改善方法とは?

ここでは、特に血行促進を通して古傷の痛みをケアする方法を学んでいきます。

古傷の痛みの一因となる血行不良を引き起こす原因は、以下4つの習慣にあります。

【血行不良を引き起こす原因】

  1. 運動不足による筋肉量の低下
  2. 汗をかかないことによる血液の質の悪化
  3. 偏った食生活による血液の質の悪化
  4. ストレスによる自律神経の乱れ

血行不良の原因を取り除くには、前項で述べた生活習慣と食事の見直しが最も効果的です。

以下に、血行促進のための食事内容見直しのポイント、おすすめの運動方法を具体的に紹介しますので、参考にしてくださいね。

【血行促進に役立つ食事の考え方】

血流を改善するには冬場に旬を迎えるもの、寒い土地で収穫されるもの、色が黒い食材をたくさん摂ると良いそうです。

ニンジンやゴボウ、タマネギなどの根菜、ネギ、ショウガの他、黒ゴマや青魚を食事に取り入れてみましょう。

またおやつには、血行改善効果のあるフラバノール豊富なチョコレートがおすすめですよ。

【血行促進に役立つ運動】

《腰周りのストレッチ》

  1. 床に座り、右足は90度に膝を立て、左足はまっすぐ伸ばします。
  2. 左の肘を右ひざにつけ、押す力を利用して上半身を右側へ捻っていきます。
  3. このときゆっくり息を吐きながら体を捻り、痛みを感じる前の位置で止めてください。
  4. 体勢を戻したら、反対側にも同様の運動を行っていきます。

《ふくらはぎのストレッチ》

  1. 両足のかかとを付けた状態で立ち、前方の壁に手を置きましょう。
  2. そのままゆっくりと前傾姿勢をとりつつ、足を前後に開いていってください。
  3. 前に出した足の膝を曲げ、後ろに出した足のふくらはぎの筋肉をぐーっと伸ばします。
  4. 足をもとの位置に戻し、前後を入れ替えて同じ動きを行います。

《ふくらはぎのマッサージ》

  1. 膝を立てて座り、足首からひざに向け、すねとふくらはぎをやさしく撫で上げます。
  2. 次にすねの骨の両側を数カ所、親指をつって気持ちいいと感じるくらいの力加減で押し、ひざの方へ上がっていきます。
  3. 足首からふくらはぎ、ひざのうらへ向かってふくらはぎ全体をさすります。
  4. 膝裏を押してリンパ節を刺激してください。
  5. 一連の動きを、両足それぞれに行いましょう。

ペインクリニックとは?神経ブロックは古傷の痛みの治療法?

近年、痛みの緩和に特化したペインクリニックと呼ばれる医療機関が注目されています。

【ペインクリニックとは】
診療科目の一種。注射や投薬、手術などさまざまな治療方法を用いて痛みを軽減し、患者の生活の質を高めることを目標としている。

対応する痛みの程度や種類も多様で、以下のような痛み緩和のための治療を行います。

《ペインクリニックの治療対象となる痛み》

  • 頭痛や肩こり、坐骨神経痛などの神経痛全般
  • 背中や首、腰などに現れる脊椎関連の痛み
  • その他上肢、下肢の痛み
  • 古傷の痛み
  • 顔面神経痛、帯状疱疹による痛み  など

ペインクリニックで受けられる治療のうち、最も代表的なのが神経ブロックです。

【神経ブロック治療とは】
痛みがある箇所の末梢神経、またはその周辺に局所麻酔薬の注射や神経破壊の作用、高周波熱凝固、パルス高周波通電などを施す治療法。
処置を施した周辺のみ一時的、または長期的に神経の機能を停止させて痛みを軽減したり、血流を促進する効果が期待できる。

一度の処置で一時的、または長期的に痛みを軽減できるため、神経ブロックは以下のように痛みに悩む人におすすめの治療方法と言えます。

【神経ブロック治療が向いている人の条件】

  • 短期間の治療で、痛みをいますぐに軽減したい
  • 痛み軽減のため手術を受けたいが、長期間の入院はできない
  • 痛み止めの薬を飲んでいるが、効果がなく辛い
  • 電気治療やマッサージを受けても、痛みが軽減されない
  • 手術やケガの後、痛みや違和感がずっとのこっている

神経ブロックの薬の種類

一般的に、神経ブロックでは患者の状態や希望に合わせ、以下いずれかの薬剤を使用します。

【局所麻酔薬】
一時的な痛み緩和に役立つ薬。具体的にはリドカイン、メピバカイン、ロピバカインなど。

知覚神経のみを遮断するなら高濃度で、知覚神経・交換神経両方を遮断するなら生理食塩水で希釈して使用する。
【神経破壊薬】
長期間にわたり神経の機能を止め、痛みを軽減したいときに使う薬。具体的には無水アルコール、フェノールグリセリン、フェノール水などを用いる。

ただし、神経破壊薬を使う前には必ず局所麻酔薬を使ったブロック効果のテストを行い、施術後の感覚を疑似体験してもらって施術の許可を得る。
【副腎皮質ステロイド】
神経の炎症を抑えるために使う薬。主に水溶性のものを用い、場合によっては局所麻酔薬の添加剤とする。
【造影剤】
上記薬剤が正しい方向に流れていくか、また針の位置を確認するために用いられる薬。

治療そのものではなく、治療の前準備に使われることが多い。なおそのまま使う以外に、局所麻酔薬に混ぜて使うこともある。

おわりに:古傷が痛むのはヒスタミンや自律神経の影響!セルフケアと治療で痛みを緩和しよう

ケガや手術の痕は、内部に損傷がのこっていることがあります。このため天気や季節の変化、体の冷え、ストレスがきっかけとなり交感神経の興奮やヒスタミンの過剰分泌が起こると、再び痛みだすことがあるのです。古傷の痛みは、患部周辺を温め血行を促進すればある程度緩和できます。あわせて生活習慣を改善し、痛みが出にくい体をつくっていきましょう。なおあまりに痛みで辛いなら、ペインクリニックで治療を受けることも考えてくださいね。

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