履き心地が良く、デザイン性に優れた靴は、外出をより楽しい時間にしてくれますよね。
しかし、自分にとって本当に歩きやすい靴を見つけるのは難しいもの。最高の一足を購入するには、あらかじめ自身の足のサイズやかたちを知っておく必要があります。
そこで今回は、自分の足に合う靴を選べるようになるためのフィッティングのポイントや、3D測定器を使い足のかたちを知る方法を紹介していきます。
- この記事でわかること
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- 足にフィットしない靴が引き起こす体の不調
- 靴選びで理解しておきたい「サイズ」「ワイズ」の意味
- 普段使いする靴とランニングシューズの選び方の違い
- ゼビオ、アシックス、ニューバランスの3D測定器の特徴
マメやつま先の変形はサイズの合わない靴のせい?
自身の足に合っていない、不適切なサイズの靴を履くデメリットには以下が挙げられます。
- サイズの合わない靴を履くことのデメリット
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- 歩く際の重心移動がうまくいかず、親指や親指付け根に荷重がかかり過ぎる
- 靴の中で足が前にすべり、つま先が詰まりかかとがあがって、不自然な歩き方になる
- かかと、小指から人差し指、最後に親指が着地して地面を蹴る正しい歩行動作「あおり歩行」ができなくなる
また、サイズの合わない靴を履き続けていると、足をはじめ全身に以下のような異常や不調をきたすようになるのです。
- 不適切な靴選びが原因で起こり得る不調の例
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- 足の裏や指にタコ、マメなどができやすくなる
- 足のアーチが崩れて全体が変形し、偏平足や開帳足、外反母趾を発症する
- 慢性的な足や膝、股関節、腰などの痛みを発症する
- 不適切な歩き方が身に付くことで、全身の姿勢が悪くなる
- 姿勢が悪くなったことで筋肉に負荷がかかりやすくなり、足や下半身だけでなく肩や首のこり、頭痛、ひどい倦怠感や抑うつ症状を発することもある
- 下半身の血流が悪化し、筋肉が硬くなって足がむくみやすくなる
靴を買うなら午後がいい?フィッティングのポイント
合わない靴が私たちの体へ与える影響がわかったところで、自分の足に合った靴を購入するための基本的なポイントを見ていきましょう。
靴の大きさを表す「サイズ」「ワイズ」の意味
まず、靴を購入する際に確認すべき指標「サイズ」「ワイズ」の意味を解説します。
- サイズ
- 足の長さのこと。具体的にはかかとから、その人の足で一番長い指の先までの長さを現す。国によって表記方法が異なるが、日本では「23cm」「23.5cm」などcmで表記される。
- ワイズ
- 親指の付け根と小指の付け根、それぞれの最も出っ張っているところに合わせて測った、足の厚みのこと。日本では「E」の単位で表され「2E」「3E」と、Eの前につく数字が大きくなるほど足幅や足の厚みに余裕を持った設計である。
靴を購入する際には自分の足のサイズとワイズに合った靴を選ぶ必要があります。続いて、サイズとワイズの考え方を踏まえたうえで、靴をフィッティングする際のポイントを理解していきましょう。
フィッティングの際、確認すべきポイント
実際に靴を試着するフィッティングにおいて、注視すべきポイントは以下の5つです。
- 1.足の甲の最も高くなっているところ
- ワイズが合っているかどうかを確かめられる箇所。足の幅と、履いている靴の最も幅が広い部分の大きさが合っているか、きつすぎたり大きすぎないかを確認する。
- 2.つま先
- つま先部分に余裕があり、足を傷めるリスクがないかを確認する箇所。靴を履いた状態でも5本の足の指すべてが自由に動くかどうか、指先から靴の先端までに5~10㎜ほどの余裕があるかをチェック。
- 3.土踏まず
- 靴のアーチラインが、自身の土踏まずに合っているかを確認する箇所。あらかじめ靴の中敷きについているふくらみが、土踏まずに触れるか触れないかぐらいで接するのが最も望ましい状態とされる。下からの突き上げが激しく、土踏まずに圧迫感やゆるみを感じるなら合っていない。
- 4.かかと
- 靴に支えられ、かかとが安定した状態で歩けるかを確認する箇所。かかと部分のカーブが自身の足のかかとと一致していて、かかとが靴に食い込んだり、歩く動作をしたときに靴が抜けなければOK。
- 5.履き口
- 靴に足を入れるところ、履き口がくるぶしにフィットしているかを確認する箇所。くるぶしに履き口がぴったりフィットしていて、外側のくるぶしにあたったり、痛みが出たりしなければ問題ない。
5か所すべての感覚をチェックし、違和感や痛み、過度なゆるみを感じられなければ、あなたの足のサイズ・ワイズに合った靴と言えるでしょう。
靴をフィッティングし、購入する時間帯は、最も足が大きくなる午後がおすすめです。人間の足は体重がかかりうっ血するため、夕方には朝よりも5~10㎜大きくなると言われています。
朝一番にフィッティングをした靴では、夕方には足に合わなくなる可能性がありますので、できれば1日のうちで最も足が大きくなる午後にフィッティングするようにしてください。
ランニングシューズは少し大きめがいいの?
続いて、ランニングシューズのフィッティングと購入する際のポイントを紹介します。ランニングを趣味とする人は、専用のシューズを持っていることが多いでしょう。走り続けることに特化して作られたランニングシューズの適切な選び方は、他の靴とは少し異なってくるのです。
まず前提として、ランニングシューズを選びに行く際は必ずランニングソックスを着用してください。裸足とランニングソックスを着用した状態では、当然ながら足のサイズが変わってきます。
このためランニングシューズのフィッテイングでは、実際にランニングをするときと同じソックスを履いた状態で行う必要があるのです。
またランニングシューズの履き方も、一般的な靴とは異なりますので、以下に正しい履き方を紹介しておきますね。
- ランニングシューズの正しい履き方
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- 椅子に座ってシューズのヒモをほどき、全体的に緩める
- 足を入れ、足の付け根と膝、つま先が同じ方向を向いた状態にする
- つま先を上げて、かかとを床にトントンと軽く打ち付ける
- シューズのかかと部分と自分のかかとの隙間を埋める
- つま先を上げたまま、適度に引っ張りながら靴ヒモを結んでいく
上記の履き方をすることで、土踏まずとランニングシューズのアーチ部分のフィット感をより正確に確かめられるようになります。
両足にランニングシューズを履いたら、立ち上がって軽くジャンプしてみましょう。足に体重が乗った状態で履き心地を確かめてみて、違和感や痛みが出なければOKです。
なおランニングシューズを選ぶ際には、サイズの考え方にも注意が必要です。普段歩くときと、ランニングをする際に適した靴のサイズは微妙に異なります。普段使っている靴のサイズにこだわらず、フィッティングをしてみてしっくりきたサイズのランニングシューズを選ぶと良いでしょう。
ちなみに、フィッティングをしたもののしっくりくるサイズが見つからないという場合には、つま先に1~1.5cmの余裕があるシューズを選ぶのがおすすめです。小さめよりも大きめを選んだ方が、足に痛みやマメが出るリスクを低減できますよ。
参考として、以下に大きめと小さめ、それぞれのランニングシューズを選ぶメリット・デメリットをまとめていますので、こちらも確認してくださいね。
大きめのランニングシューズを選ぶ場合
- メリット
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- 指先にゆとりができるため、足の指や爪が圧迫されることがない
- つま先に圧迫感などのストレスを感じることなく、ランニングができる
- デメリット
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- シューズの中に遊びが生まれるため、指先が必要以上に動いてしまう
- 足にかかる摩擦の力が大きくなり、靴擦れやマメ、タコができることもある
小さめのランニングシューズを選ぶ場合
- メリット
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- シューズ内で遊びが生まれにくくなるため、マメやタコができにくい
- 足とシューズのフィット感が高くなり、走りやすいと感じる人もいる
- デメリット
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- 足先のスペースに余裕がないため、つま先が圧迫されて痛みやうっ血、爪の変色、マメができてしまうことがある
- つま先が圧迫された状態で長時間走ると、足の血流が悪くなり足がむくむことがある
3D測定器で自分の足のかたちを知ろう!
最後に、無料で自身の足のサイズ・ワイズを測定してもらうことができる、各社の3D測定器を用いたサービスについて紹介していきます。
高度な機能を持つ機器の力、そして足や靴を知り尽くしたスタッフの力を借りてくる選びをしたいなら、ぜひ利用を検討してくださいね。
1:SUPER SPORTS XEBIO「FEET AXIS(フィートアクシス)」
全国的にスポーツ用品店を展開するゼビオの、3D足形測定サービスです。3D計測器を用いて顧客の足のサイズ、形状、特徴を測定し、数値とスポーツナビゲーターの知識を基に、その人の足に合ったシューズの提案をしてくれます。
2:asics WALKING「3次元足形計測サービス」
大手スポーツメーカー、アシックスが提供する足の計測サービスです。主に同社のウォーキングシューズを扱う店舗において、その人に合った靴を販売するため、専用機器でサイズとワイズ、土踏まずの高さやかかとの傾き、親指の角度などを計測してもらえます。
3:New Balance「3Dスキャン」
スポーツブランドであるニューバランスが、一部店舗で提供する足の計測サービスです。顧客は3Dスキャンの専用機器に乗るだけで、360度全方向から足のサイズとワイズ、土踏まずの高さなどを数値化し、左右の差などから特徴を分析してくれます。
おわりに:サイズだけでなくワイズ、左右の違いも熟知したうえで、履く靴を選んで!
足の長さや甲の高さ、幅、土踏まずの角度には個人差があります。また同じ人でも左右や、時間帯によっても足のサイズは変わってくるため、本当に合う靴を探すには、自分の足について熟知しておく必要があるのです。自身の足を知るために、サイズの考え方やフィッティングのポイントを理解することと併せておすすめしたいのが、3D計測器を使った足の計測です。スポーツ用品店などで体験できますので、取扱い店舗へ行ってみましょう。
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