あなたの職場に性別や血液型、家族構成などで人を決めつけたり、ジャッジしたりする人はいませんか? 仕事の進め方でも「これはこうすべき」など考え方を押し付けられることも。この記事では何でも決めつける人の特徴や心理、決めつける人にストレスを感じたときの対処法、セクハラ・パワハラに該当するのかなどを解説します。
- この記事でわかること
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- 決めつける人の特徴や思い込みの例
- 職場にいる決めつける人への上手な接し方
- 決めつける人に振り回されないためのコツ
- 決めつけがセクハラやパワハラに該当するのか
職場にいる何でも決めつける人の特徴
仕事はさまざまな人と協力して進めていくものですよね。価値観のすり合わせや意見の交換が必須といえますが、職場に何でも決めつける人がいると困ってしまうことも。
- 決めつける人の特徴
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- 自分に自信がある
- 思い込みが強い
- 固定概念が強い
- 自分の考えが正しいと信じて疑わない
- 自分の意見を認めてほしいという欲求が強い
- 他人のことをジャッジする
- 人の話を聞かない
- 一方的にまくしたてるように話す
- 思ったことをすぐに口に出す
- 妄想と現実を混ぜてしまう
- 噂話が好き
- メディアなどの情報を鵜呑みにする
- エビデンスを重視しない
- 視野が狭い
- 過度にネガティブまたは過度にポジティブ
決めつける人は、一度「こうだ!」と思ったらその考えをなかなか変えることができません。思ったことや感じたことをストレートに口に出す人も、決めつけがちです。その内容が事実なのかしっかりと検討せずに、本当のことであるかのように話してしまいます。会話をしているときは、聞き役にまわることよりも話すことの方が多い傾向もあるでしょう。
決めつける人は、ネガティブな場合もあればポジティブな場合もあります。ネガティブな考え方に傾きがちな人は「このプロジェクトはうまく行くはずがない」と決めつけることがあるでしょう。一方でポジティブな考え方が強い人は、「私のやり方なら絶対に大丈夫!」と自信があって魅力的ですが、検証やリサーチが不足しており計画倒れになるケースもあり得ます。
性別や血液型、家庭環境で決めつけることも
職場にいる何かと決めつけてくる人は、性別や血液型、家庭環境などさまざまな固定概念や思い込みを持っています。
- 決めつけ方の例
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- 「気遣いが必要な仕事は女性がすべき!」
- 「男性なんだから力仕事は得意でしょ!」
- 「あの人はB型だから、私と絶対に合わない」
- 「やっぱり末っ子は甘え上手」
- 「あの人は美人だから、プライドが高いに決まっている」
- 「外国人の同僚は日本の文化を理解できっこない」 など
こうした決めつけや思い込みが激しいと、誰がどの仕事を担当すべきかぐちゃぐちゃになったり、決めつける人の裁量次第で仕事がころころ変えられてしまい、混乱が生じます。そもそも、人の人格や持っているスキルを勝手に決めつけることは、会社という場では不適切といえるでしょう。
決めつける人が原因で起こる仕事のトラブル
職場に決めつける人がいると、仕事のトラブルを招くことがあります。
- 決めつける人が原因で起きる職場トラブル
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- 思い込みを修正できず、仕事や会議が進まない
- 他人の人格を決めつけてかかり、正当な評価ができなくなっている
- 勝手な妄想や憶測で噂話を流し、社内の人間関係がギスギスする
- 自分の意見を通すことに夢中で、仕事の優先順位がぐちゃぐちゃになる
- 意見の相違があったとき、上司やクライアントと衝突しやすい
仕事は誰かひとりの力で成立するものではありません。さまざまな人やステークホルダーが存在していますので、意見が食い違うこともあって当然です。意見の食い違いがきっかけとなって、よりよい改善策が見つかることもあります。
ところが決めつける人は、「こうでなくてはならない」「自分の考えが正しいはず」という考えに陥りがちで、仕事の可能性をつぶしてしまうこともあるのです。考え方を修正したり、他の人の意見を受け入れることができないままでいると、本人もなかなか成長できなくなってしまい、長い目で見るとチームや職場のためにならないでしょう。
「あなたって〇〇だよね」と決めつけられたらどうする?
決めつける人は、他人の性格や仕事の向き・不向きなども決めつけることがあります。「あの上司は〇〇」「あなたってこの仕事に向いていない」など言われたとき、心が辛くなることがあるかもしれません。
そんなときは、下記のことを意識してみてください。
決めつける人に流されない
決めつける人が誰かのことを「あの人は〇〇だから」と言っているとき、意識して客観的な視点を持ちましょう。決めつける人が嘘を言っているとは限りませんが、本当のことを言っているかもわかりません。
同調してしまうと、自分も決めつける人になってしまったり、悪口や噂話に参加することが癖になってしまいかねません。
自分で自分を決めつけない
決めつける人から「あなたは〇〇な性格だ」「あなたは〇〇の仕事をすべき」など言われると、戸惑うこともあるでしょう。その言葉が上司や先輩からのアドバイスである場合は、耳を傾ける必要があるかもしれません。
ただし一方的な決めつけは、あなたの自尊心や自己肯定感を低下させたり、成長のチャンスを奪うこともあります。あくまで一意見として受け止め、自分なりに考えてみたり、信頼できる人に「こんなことを言われたんだけど、どう思う?」と相談してみましょう。
職場の決めつける人に疲れたときの対処法
何かと決めつける人と仕事で接していると疲れることもあるでしょう。そんなときは下記のことを試してみてください。
「あなたはそう思うんだね~」と受け流す
社会では人と意見や考え方が違って当たり前です。そうした違いを受け止めることも、ビジネススキルやソーシャルスキル、コミュニケーションスキルとして求められています。決めつける人が意見や考え方を押し付けてきたときは、受け流すことも大切です。
「あなたはそう思うんですね」「そういう考え方もあるかもね」など、一言添えると無視したことにはなりませんので、相手に対して失礼にはならないでしょう。
「考え方は人それぞれだから」と前置きして自分の意見を伝える
決めつける人と意見や考え方が異なる場合でも、自分の意見を伝えなくてはならないこともありますよね。そんなときは、「考え方はそれぞれだから」「あくまで私の意見だけど」と前置きしてみてください。ワンクッション置いた表現になります。
「あなたの意見は間違っている」「全然同意できない」など否定的な言葉から入ると、決めつける人にとっては「否定された!」「攻撃された!」と感じられることも。すると意見の衝突が激しくなったり、お互いが疲労したりしてしまいます。
決めつける人から距離を置く
決めつける人に疲れたときは、距離を置くことも検討しましょう。業務上コミュニケーションを取らなくてはいけない場合を除いて、会話は必要最小限にとどめます。ランチを一人で食べに行ってみたり、会話中に噂話が始まったらそれとなく席を離れたりしてみてください。
決めつける人の思い込みを解く方法はあるの?
決めつける人と一緒に仕事をしているとき、その人の思い込みや主張が原因で仕事がスムーズに進まないこともあり得ます。決めつける人の思い込みを解きたい場合、どのようにアプローチするのが良いのでしょう。
具体例を出して説明や説得をする
決めつける人は、他の選択肢や可能性に気づいていない場合があります。そのため、「実際に、こんな解決法で仕事がスムーズに進んだことがある」など具体例や事案を紹介しつつ、説得を試みてください。
否定から入らない
決めつける人は、自分の意見や考えに対して「それは違いますよ」と言われると、パニックになったり怒りをあらわにすることもあります。思い込みを解くときは、否定的な言葉を避けることを意識してみてください。
「〇〇さんの考え方がぴったりなケースもあるけど、今回は事情が違うみたいで…」など、上手に相手を気遣いながら、考えを修正してほしい理由を説明しましょう。
勝手な決めつけはセクハラやパワハラになることも!?
職場で決めつける人が原因で、不快な思いやストレスを感じている場合、決めつけや思い込みがハラスメントに該当することはあるのでしょうか。
「女性だから〇〇」「男のくせに〇〇」という決めつけは、内容によってはセクハラに該当するケースもあります。厚生労働省『職場におけるハラスメント対策マニュアル』でも「「男らしい」「女らしい」など固定的な性別役割分担意識に基づいた言動は、セクシュアルハラスメントの原因や背景となってしまう可能性があります」と説明しています。
▼ 参考:厚生労働省『職場におけるハラスメント対策マニュアル』
決めつける言葉や思い込みによる言葉が暴言になっていたり、執拗な非難、過度の叱責、人格の否定などになっている場合、パワハラに該当する可能性もあるでしょう。
職場の決めつける人に悩んでいる場合、上司や人事部、ハラスメント対策の相談窓口に相談してみてくださいね。
おわりに:時には受け流すことも大切!決めつける人の言葉に惑わされない!
職場にいる決めつける人への対処法を紹介してきました。本人は悪気がなかったり、正義感から意見を主張していることもありますので、否定的な言葉で対応するのはトラブルの元。クッション言葉などを使いながら、上手に距離を取っていきましょう。
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