大学や大学院などに在学中に結婚することを「学生結婚」といいます。社会人になる前に結婚や子育てを経験することにはどんなメリット・デメリットがあるのでしょう。
この記事では学生結婚の特徴やキャリア形成への影響、奨学金や授業料免除について解説します。
- この記事でわかること
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- 学生結婚が向いている人・向いていない人
- 女性の学生結婚がキャリア形成に与える影響
- 学生結婚の金銭的デメリットと学費免除について
- 夫婦でライフプランをしっかり話し合うべき理由
学生結婚の不安や悩みって?若いからこそのメリットも
学生結婚でまず考えらえるデメリットには次のようなものがあります。
希望通り・予定通りの就職が叶わないことがある
これから就職する学生は、就職活動に影響が出る可能性もあります。特に女子学生で妊娠している場合は体に生じる変化が大きく、ホルモンバランスや出産予定日によっては就職活動に影響があるでしょう。
新卒入社一年目から産休・育休をとれるかどうかも会社の規定が異なりますので、ライフプランをどう立てるかしっかり考えなくてはいけません。
男子学生の場合も子育てを意識すると、新卒から収入が高い業界や職種を選ぶ必要が出てきますので、自分のやりたい仕事に進むどうか判断に迫られることがあります。
経済的な負担が大きくなる可能性がある
一般的に、給与は新卒のうちは低めで徐々に上がっていきます。一方で子育てにはお金がかかります。保育園が見つからない場合は、共働きが難しくなることもあります。そのため、学生結婚・出産を経験した夫婦は、子どもが小さいうちは経済面が厳しいと感じることが多いでしょう。
無駄遣いを抑えたり子育て支援制度を活用するなど、金銭面での工夫が必要となります。
社会人になってから後悔する人もいる
学生結婚で良い夫婦関係を築くカップルもたくさんいますが、社会人になると人との出会いが増えるため、結婚は早すぎたと後悔する人もいます。
もしも「これからいろいろな経験を積みたい」という気持ちがあるなら、学生結婚を考え直してみるのもおすすめです。
親から反対される
学生でまだ経済的に自立していない場合は、親から反対されることも多いでしょう。学生の本分を全うできているのか、早くに結婚したい理由は何なのかを説明し、家族からの理解を得てはいかがでしょうか。
人生経験が少なく戸惑うことが多い
学生結婚ともなると、他人との共同生活や親からの経済的自立など、ライフイベントが一気に押し寄せてきます。同世代や友人で結婚している人がなかなか見つけられず、ストレスが溜まっても気持ちをわかってもらえないこともあります。悩みやストレスの解消方法がわからず、疲れてしまう可能性もあるでしょう。
学生結婚のメリットとは
学生結婚にはデメリットが考えられる一方で、メリットもあります。次からは学生結婚のメリットを解説していきます。
早めに人生設計のすり合わせができる
早いうちに結婚すると、2人で歩む人生の時間が多くなります。そのため、出産やマイホーム購入、キャリア形成、老後の貯金など人生計画のすり合わせをする時間が十分あるのです。
将来のための資産形成については、お互いが学生の場合は最初のうちは貯金が難しいかもしれません。しかし家族のためにお金を貯めるという具体的な目標を共有することで、貯金の意識が高められます。
結婚のプレッシャーから解放される
学生結婚することで結婚のプレッシャーから解放されます。30歳前後に差し掛かると親や周囲から「結婚はまだなの?」と迫られる人は多いものですが、学生結婚した人はそうしたプレッシャーをかけられません。
体力があるうちに出産でき、男性も育児参加しやすい
学生結婚ならば、20歳前後や20代前半に結婚する人が多くなります。若いうちに結婚し、さらに妊娠・出産をすることで、体力のある内に子どもを授かれます。
早めに子どもを授かると、次のようなメリットがあります。
- 出産による健康リスクが比較的抑えられる
- 子どもを多く望む場合は、早めの出産もおすすめ
- 体力があるため、子どもと思い切り遊ぶことができる
- 育児参加のための時間を確保しやすい
特に男性の産休や育休は、現代の日本では取得しやすいとは言えません。子どもが小さいうちの育児参加を希望している場合、学生ならば子育てに時間を充てられるでしょう。
女性のキャリアブランクが発生しにくい
育児と仕事の両立には体力が必要ですが、年齢が若いと体力も十分残されているでしょう。夫婦で協力し合い、体力的に余裕を持った子育てが期待できます。
女性からみたメリットとしては、学生結婚・出産は将来のキャリア形成に役立つことがあります。妊娠・出産によって発生する女性のキャリアのブランクが、社会的な問題として挙げられています。特に、20代後半~30代の女性は妊娠・出産によるブランクと復職への悩みを多く抱えています。
学生結婚で若いうちに妊娠・出産を済ませておくと、ブランクが発生しにくくなります。子どもが成長するほど手がかからなくなりますので、学生出産した場合のキャリアプランを練っておくと安心ですね。
また、子育てが一段落するタイミングも周囲より早くなります。20歳前後に出産したとすると、40歳前後には子どもが一人立ちしていてもおかしくありません。40代から自分の時間が増え、働き盛りの時間を有意義に使えるというわけです。
奨学金や社会保険など学生結婚したときに必要になる手続き
学生結婚をすると、学校などへの手続きが必要になります。
学生結婚に伴う学生証などの変更手続き
結婚すると、どちらかの姓が変わります。姓を変更した側は学生証の改姓手続きが必要です。旧姓の使用が認められることがありますので、在籍する学校の学生窓口に相談してみましょう。
学費免除や奨学金の貸与を受けている場合は、所定の窓口で必要な手続きを必ずしてください。公的な書類は姓の変更は必ず申請しなくてはいけません。結婚届を出すことを決めたら、改姓の手続きで何が必要になるか確認してください。
学生結婚すると授業料が免除されることがある?
学生結婚をした場合、授業料が免除される場合があります。ただし、学生結婚したからといって必ず授業料が免除されるわけではありません。学校が定める条件を満たす場合、学費免除の申請ができます。
国公立の大学で授業料の免除を受けるための条件の例を見ていきましょう。
- 親の扶養から外れており、学生が独立して生計をたてている
- 学生が自身で納税している
- 授業料を学生自身が自分で払っている
- 家計基準が規定より下回っている
- 授業料の支払いが経済的に厳しい
- 学業の成績が優秀である など
条件は学校や学部によって異なりますので、自身が所属する学校の規定を確認してください。
おわりに:ライフプラン・キャリアプラン次第では学生結婚のメリットが活かされる
学生結婚のメリットとデメリットを紹介しました。早めに出産することで体力面に余裕があり、その後のキャリアプランを立てやすくなるかもしれません。結婚は当人同士の大きなライブイベントですので、よく考えて決めていきましょう。
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