パパが育児に積極的だと親子関係や夫婦関係にメリットがある!男性の育休取得率や取得のポイントとは

育児に積極的に参加する父親人間関係の悩み
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ママのワンオペ育児が問題視されるなど、ひとりで子育てするのはとても大変です。実際にパパが育児に十分参加していると言える家庭はまだまだ少ないのが現状。しかしパパが育児に積極的なことは、親子関係にも夫婦関係にもよい影響があると考えらえています。

今回は、パパの育児参加が子どもの成長に及ぼす変化や、男性の育休取得のポイントについて見ていきましょう。

この記事でわかること
  • 日本にイクメン男性はどのくらいいる?
  • パパはお風呂や寝かしつけなどどんな育児を担当しているか
  • 叱り方や褒め方など子どもとの接し方のポイント
  • 育休を取得するパパが多いのは大企業か中小企業か
  • 育休の取得条件や申請の流れ

父親の育児参加率はどのくらい?

育児に積極的な男性を指す「イクメン」という言葉が世の中に浸透してきましたが、父親の育児参加率は現状どのくらいなのでしょうか。

日本労働組合総連合会が2019年に行った「男性の家事・育児参加に関する実態調査」によれば、働く父親の1週間の育児時間は平均9.3時間であることがわかりました。さらに、父親の労働時間が長くなるほど育児を行う時間は減ることがわかっています。

仕事がある日に父親が行っている育児の1位は「子どものお風呂」で37.0%、仕事と育児の両立を理想と掲げている人は62.7%と育児に対する意識の高まりは見られるものの、実際に両立できていると答えた人は30.4%にとどまりました。このように、育児に参加したいと考える男性は多いものの、参加できない背景として労働時間の長さが挙げられます。

同調査で、同居している子どもがいる全国の25〜49歳の有職男性(パート・アルバイトを除く被用者)1,000名に1週間の合計労働時間を尋ねたところ、「40時間〜50時間未満」が最も多く57.7%、平均は46.9時間となりました。さらに、11.9%は「60時間以上」と回答しており、働く父親の8人に1人は1週間に60時間以上の長時間労働をしていることがわかります。

働く父親の育児時間、週平均は9.3時間

前述のように、働く父親の育児時間の週平均は9.3時間です。「10〜14時間」と時間をたっぷり取れている人も20.0%いる反面、「4〜5時間」と育児の時間をあまり取れない人も15.1%見られました。

週の合計労働時間別に育児時間と平均を見ると、週労働時間が40時間未満の人では「20〜29時間(17.1%)」「6〜7時間(14.6%)」が他の層と比べて高く、1〜5時間程度の短時間育児は他の層と比べて非常に低い傾向にありました。平均の育児時間も11.6時間と、やはり最も長い結果が出ています。

一方、週労働時間が60時間以上の人では「0時間(20.2%)」が最多となり、5人に1人は全く育児に携わっていないことがわかります。平均の育児時間は労働時間が増えるほど減る傾向にあり、週労働時間が40〜50時間未満の人では10.0時間、50〜60時間未満の人では8.3時間、60時間以上の人では7.1時間となりました。

実際に行っている育児としては、以下のようなことが挙げられています。

父親が行うことの多い育児
  1. 子どものお風呂(37.0%)
  2. 子どもの遊び相手(34.6%)
  3. 子どもを起こす(32.0%)
  4. 子どもの歯磨き(24.5%)
  5. 子どもの寝かしつけ(22.5%)

一方、学校や幼稚園・保育園との連絡帳の記入(4.4%)、子どものプリント整理・記入(3.4%)などは非常に割合が低く、子どもの通う園や学校との連絡事項のやりとりには関わっていない父親が多いようです。また、行っている育児の内容も短時間で完結するものが多く、育児時間の短さとの関連性が考えられます。

「仕事と育児の両立が理想」と考える人は多い

前述のように、働く父親の育児時間はまだまだ全体的に短く、かつ労働時間が長くなるにつれてより短くなる傾向にあります。ただし「仕事を優先したい(19.1%)」「育児を優先したい(14.1%)」に大きく差をつけ、「仕事と育児を両立したい(62.7%)」という回答をみると、ワーク・ライフ・バランスを望む人は多いこともわかっています。

しかし、こうした思いとは裏腹に、現在の状況としては「仕事を優先(56.5%)」が多く、「育児を優先(6.8%)」も一定数いるものの、「仕事と育児を両立(30.4%)」している人は望む人の割合に比べてまだまだ少ないこともわかります。このように、現状では理想と現実の間に大きなギャップがあると言えそうです。

パパと触れ合う時間が多いと子どもによい影響を与える?

パパが育児参加することで、子どもの成長にはどんな影響があるのでしょうか。パパが積極的に育児に参加しない家の子どもと比べて、例えば以下のような良い影響があると考えられています。

自己肯定感がアップする
  • 母親だけでなく、父親にも大切にされていると実感できる
  • 褒めるときは両親双方から褒めると自己肯定感のアップが期待できる
  • 両親どちらも叱るのではなく、どちらかが子どもを叱ったらもう一方がフォローするという関係になれば、子どもの自己肯定感はよりアップする傾向がある
子どもの社会性が高くなる
  • 友人関係、意見を述べる態度、他者への思いやりなど社会性が高くなる
  • 状況によって、相手によって行動を変えることを幼いうちから学びやすい
体力、持久力が上がる
  • 体力に自信がある男性の場合は、子どもと一緒に走ったりボール遊びをしたりできるため、遊びを通して子どもの体が鍛えられる
  • ママができないようなダイナミックな遊びも、子どもは喜ぶ
子どもの体験の幅が広がる
  • パパとママで発想が違うので、子どもがさまざまな体験をできる
  • 一緒に育児することで、夫婦の思いやりや協力を自然と身近で学べる

ママ中心の育児だからといって、必ずしも子どもの自己肯定感が低くなってしまうわけではありませんが、パパが育児に参加することで子どもの自己肯定感はより高くなると考えられています。自己肯定感が低いと、生きていく上で新しいことに挑戦したり、新しい人間関係を築いたりすることに消極的になり、生きづらさを抱えやすくなってしまいますので、注意が必要です。

また、両親がともに育児に参加すると、さまざまな場面で両親はそれぞれ子どもに違った反応を示すことになります。例えば、ママが「危ないからやめなさい!」と言うことに対し、パパが「いいからやってみれば?」と言う、といった場面は日常茶飯事です。すると、子どもは大人がそれぞれ自分に対して異なる期待をする、と次第にわかってきます。

これは、「ママの前ではこう振る舞えば良い」「パパの前ではこう振る舞えば良い」と、行動や言動を相手によってコントロールする、つまり状況を見てそれにふさわしい行動や言動を身につけることにつながります。その結果、パパが積極的に育児参加する家庭の方が子どもの社会性が育ちやすいというわけです。もちろん、幼稚園や保育園などで集団生活を送るようになるとこうした差も縮まってきますが、子どもが早い時期から社会性を学べるのは大きなメリットでしょう。

パパとママの発想が違うことは、子どもの遊びや体験においても大きく幅を広げることになり、外遊びによる体力・持久力の向上、ものづくりなど、子どもにとってさまざまな経験を積むことができます。パパとママが育児に協力したり、お互いに思いやったりしている姿は、子どもに自然と良好な男女関係、人間関係のモデルを見せられることにもなるでしょう。

育児に積極的になるほどパパにもうれしい効果が!

パパが育児に積極的になると、子どもやママだけでなくパパ自身にも嬉しい効果があるとされています。具体的には、以下のような効果です。

仕事のスキルアップにつながる
  • 育児に積極参加するパパは、仕事でマルチタスクをこなす能力が上がる傾向に
  • 育児で視野が広がり、時間の使い方が効率的になれば、仕事にも良い影響がある
運動不足の解消になる
  • 子どもと楽しみながら身体を動かせば、パパ自身の運動不足の解消に
  • 普段運動習慣がない、デスクワークが多いというパパに特におすすめ
ママへの理解が深まり、夫婦間の信頼関係が良好になる
  • ママがいつもしている育児への大変さがわかるので、ママを理解し労る気持ちが生まれる
  • ママの職場復帰の計画が立てやすくなる
  • 夫婦仲が良いことは、子どもの精神的な安定にもつながる

仕事のスキルアップ、運動不足解消による健康維持・増進、家庭内の安泰と、育児に積極参加することはパパにとってもいいことずくめです。ぜひ、少しずつ育児の時間をとってみてはいかがでしょうか。

男性は育児休暇をとりづらい?育休をとっているパパの特徴は?

育児に参加する上で、育児休暇の存在は非常に重要です。しかし、厚生労働省の「雇用均等基本調査」によれば、2019年の育児休業取得率は男性が前年度比1.32ポイント増して7.48%になったものの、女性の83.0%にはまだまだ届きません。いずれも上昇傾向だったのは良いことですが、男性は依然として低い割合にあるのです。

とはいえ、15年前の2004年には男性の育休取得率が0.56%、女性が70.6%だったことを考えれば目覚ましい進歩と言えるでしょう。この間、厚生労働省が両親ともに育休を取得した場合の休業期間を延長したり、育休の給付金を増やしたりして、男性の育休制度や取得推進の施策を拡充してきました。

育児休業制度を取り入れている事業所の割合は、規模別に以下のようになっています。

育児休業制度を採り入れている企業
  • 500人以上:99.8%
  • 100〜499人:98.8%
  • 30〜99人:91.9%
  • 5〜29人:76.1%

規模が大きくなるほど取り入れている事業所の割合も高くなっていますが、5〜29人の小規模な企業であっても7割以上が育児休業制度を取り入れています。また、子どもが何歳になるまで育休を取得できるかについては、法定に沿った「2歳」としている企業が56.7%と最も高く、「2歳未満」は2年前より3.3ポイント減少して33.0%、「2歳を超えて3歳未満」としている企業も1.7%減少して7.5%となりました。

実際に父親が育休を取れるかどうかは勤務先の従業員規模に加え、休暇取得を促進するような制度・取り組みの有無が関係しています。まず、勤務先の従業員規模別に育休取得状況を見ると、子どもの出生後2ヶ月以内に休暇を取得した人の割合は以下のようになっています。

  • 官公庁・その他:66.5%
  • 勤務先の従業員規模が300人以上:66.4%
  • 勤務先の従業員規模が100〜300人未満:56.7%
  • 勤務先の従業員規模が50〜100人未満:51.5%
  • 勤務先の従業員規模が30〜50人未満:52.7%
  • 勤務先の従業員規模が30人未満:42.0%

このように、大企業ほど多い傾向にあり、30人以上の規模の企業では過半数が育休を取得できているものの、従業員規模が30人未満の企業では4割強と半数を割り込みました。妊娠中から休暇を取得した人の割合も同様に、大企業・官公庁・その他で高い傾向にあります。

また、配偶者出産休暇制度に加え、男性の育休取得を促進する勤務先の取り組みや、男性の家事・育児に理解ある上司の条件が揃っている職場では育休取得率が高く、制度はあっても取り組みや上司の理解がない職場では育休取得率が低いこともわかっています。こうした傾向は、育休取得促進のために何が必要かという設問に「休暇が取りやすい職場であれば」と回答した人が5割を超えたことからも明らかです。

さらに、育休取得を考えたきっかけとして、普段からパートナーと会話したり(43.5%)、リクエストを受けたり(32.8%)したことを挙げている父親が多いという調査結果もあることから、育休取得に至るためには社内の人間関係はもちろん、パートナーと普段からよくコミュニケーションを取っているかどうかも重要な要素だと言えるでしょう。

独身でも子どもがいなくてもみんなが理解することが大事!育休の取り方とは

最後に、育休の詳しい要件や取り方についていま一度確認しておきましょう。まず、育休(育児休業)とは、「1歳に満たない子どもを養育する男女労働者は、会社に申し出ることで、子どもが1歳になるまでの間、希望する期間、育児のために休業できる」という制度のことです。育休は法律で定められている権利ですから、本人が希望した場合には会社が拒否することはできません。

育休を取得できない?制度の例外となることがあるの?

就業規則がある会社では、育休についても項目が設定されているでしょう。とはいえ、就業規則に書いていなかったとしても、基本的に法で定められた権利を会社が勝手に拒否することはできません。ただし、以下の場合は育休制度の例外として定められています。

有期契約で働く従業員の場合、以下の要件を満たさなくてはならない
  • 同一の事業主に、引き続き1年以上雇用されている
  • 子どもの1歳の誕生日以降も、引き続き雇用が見込まれる
  • 子どもの2歳の誕生日の前々日までに労働契約の満期が満了しており、かつ、契約が更新されないことが明らかでない
労使協定に記載した場合、以下の従業員を育休の対象外とすることができる
  • 雇用された期間が1年未満である
  • 1年以内に雇用関係が終了する
  • 週の所定労働日数が2日以下

つまり、労使協定がなければ、雇用したばかりの人でも育休を取得する権利があるということです。とはいえ、会社としては雇用してすぐに育休を取得されてしまうと、業務の進行に大きな支障をきたすことになるでしょうから、労使協定を締結しておく必要があります。また、日雇いの場合は育児休業を取得できませんので、注意しましょう。

ちなみに、産休については母体の保護が目的ですから、有期契約であろうとアルバイトであろうと、決められた期間は働くことができません。特に、産後6週間については、本人がどれだけ働きたいと希望していても、会社は休ませる義務があります。

育休取得をするなら申請や会社との相談をどう進める?

では、育休を取得するとき、本人と会社はどのように手続きを行えば良いのでしょうか。

時期本人会社
育休の申し出育児休業の申出期限は、法律で休業開始予定日の1ヶ月前までと定められているため、「休業開始予定日」「終了予定日」などを明らかにした上で、書面などで申出を行う休業中の給与や休業後の配置などについてあらかじめ周知しておくとともに、申出者に対しては、開始予定日や終了予定日を速やかに通知する
育休中復職後、勤務時間帯や残業など、これまでと同じ働き方ができるかどうか考えるとともに、復職後の労働条件について会社に確認する。短時間勤務、所定外労働の制限などを利用することも

育児休業期間を延長する必要がないか考える。もし、子どもが1歳になっても保育所の空きがなく入れないなどの場合、子どもが1歳6ヶ月に達する日まで延長できる(申出は2週間前までに行う)。また、1歳になるまでの間に期間延長を考慮する場合、当初の終了日の1ヶ月前までに申し出る
育休の取得を理由に契約を更新しなかったり、休業を終了する日を超えて休業することを強要したりすることは法律で禁じられているので、注意する

「パパ休暇」「パパ・ママ育休プラス」って?

育児休暇の取得を促進するための制度として、政府は新たに「パパ休暇」「パパ・ママ育休プラス」という制度を打ち出しました。具体的には、以下のような制度です。

パパ休暇
  • 原則として育休の取得は1回までだが、子の出生後、父親が8週間以内に育児休暇を取得した場合、特別な事情がなくても再度育児休暇が取得できる
  • 子の出生後8週間以内に育休を取得・終了していることが要件
パパ・ママ育休プラス
  • 両親ともに育児休業する場合、以下の要件を満たせば育児休業の対象となる子の年齢が1歳2ヶ月まで延長される
  • 配偶者が、子が1歳に達するまでに育休を取得していること
  • 本人の育休開始予定日が、子の1歳の誕生日以前であること
  • 本人の育休開始予定日は、配偶者の育休の初日以降であること
  • ※1人あたりの育休取得可能最大日数(最大1年間)は変わらない

つまり、「パパ休暇」なら出産直後のママをサポートしたのち、いったん復職し、ママの職場復帰をサポートするために再び育休を取得する、といったフレキシブルな育休取得が可能になります。一方、「パパ・ママ育休プラス」の場合、両親が時期をずらして育休を取得することで、子が1歳2ヶ月に達するまで67%給付を受けられる画期的な制度です。どちらの制度を利用するかは、両親の雇用形態や業種によっても異なりますので、ご夫婦にあったものを選びましょう

企業が独自に育児に関する制度や手当を設定していることも!

ここまでご説明してきた育休はあくまでも国が定めたもので、どんな企業でも従業員に取得させる義務があるものです。しかし企業によっては、下記のようなユニークな育児のサポート制度を設けていることがあります。

企業のユニークな子育て支援制度
  • 出産の祝い金
  • 育児休業、休暇中の補助
  • ベビーシッター制度 など

育休を取得しようと思ったときには、ぜひ一度勤務先にどのような制度があるか、会社の人事部などに確認してみましょう。

おわりに:パパが育児に積極的だと、家族全員にメリットがある

「仕事と育児を両立したい」すなわち、ワーク・ライフ・バランスを重視する男性は増えていますが、実際には長時間労働など仕事を優先せざるを得ない状況が続いているようです。とはいえ、パパが育児に積極的なことは、家族全員にメリットがあります。

そのため、法で定められた育休を取得するのがおすすめです。一部に例外はありますが、厚生労働省の施策や企業独自の制度などもありますので、ぜひ一度会社に確認してみてください。

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