大人の兄弟コンプレックスを克服する方法は?親や兄弟との接し方とは

兄弟コンプレックスと喧嘩こころの悩み
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兄弟に対して劣等感や競争心、嫉妬の感情を抱える状態を「兄弟コンプレックス」と呼びます。「カイン・コンプレックス」とも呼ばれるこの精神状態では、自己肯定感や自尊感情の低下などメンタルに悪影響を及ぼします。時には仕事・就職、恋愛・結婚で悩みが発生することも。

この記事では、兄弟コンプレックスのデメリットや兄弟コンプレックス克服法、参考書籍や映画を紹介します。

この記事でわかること
  • 兄弟がいることによるメンタルへの影響
  • カイン・コンプレックスの由来と意味
  • 大人の兄弟コンプレックスが就職や結婚に与える悪影響
  • 兄弟コンプレックスを克服する考え方・行動
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兄弟がいることのメリット・デメリット

兄弟がいることによって、次のメリット・デメリットが生じる場合があります。

兄弟がいることのメリット
  • 家の中に遊び相手がいる
  • 一緒に遊んだり生活するうちに協調性が自然と身に付く
  • コミュニケーション能力が磨かれる
  • 上の兄弟をお手本に、いろいろな知識や情報を吸収できる
  • 下の兄弟をお世話することで、やさしさや面倒見の良さが身に付く
  • 兄弟仲がいいと、家族の絆を感じる機会に恵まれる
  • 親からの愛情が分散され、親離れ・子離れしやすい
兄弟がいることのデメリット
  • 兄弟と比較される
  • 兄や弟が優秀な場合、プレッシャーになる
  • 親からの愛情を独り占めできず、寂しい
  • 自分だけ親から褒められないと感じると辛い
  • 服やおもちゃでお下がりで、新品を与えられないことがある
  • 兄弟との格差を感じると、自尊心や自己肯定感が下がる
  • 兄弟の面倒を見る場合、自分の時間がなくなる
  • 兄弟仲が悪いと、相続などトラブルに発展することもある

兄弟がいることで心の豊かさや成長などのメリットが期待できますが、デメリットが発生することもあるのです。兄弟間でネガティブな感情が発生するとき、その心理状態を「カイン・コンプレックス」と呼ぶことがあります。

「カイン・コンプレックス」とは

心理学の言葉で、カイン・コンプレックスという概念があります。

カイン・コンプレックスとは
心理学者ユングが提唱した概念で、親の愛情が兄弟で偏りがある場合、親の愛情をめぐって兄弟間に競争心や嫉妬心が芽生え、敵対的感情を抱いた状態

カイン・コンプレックスの由来は、旧約聖書に出てくる「カインとアベル」の兄弟です。旧約聖書によると、最初の人間はアダムとイブ、その長男がカイン、次男がアベルとなっています。カインとアベルは神への捧げ物を贈ることになり、カインは土の産物を、アベルは羊を捧げました。すると神は弟であるアベルの貢ぎ物だけを喜んだため、兄のカインは嫉妬と憎しみに駆られ、アベルを殺してしまうというお話です。「人類最初の殺人」としても知られています。

前述した通り、兄弟がいることでプレッシャーやストレスを感じることもあります。そうしたネガティブな感情が蓄積すると、カイン・コンプレックスのように競争心や嫉妬、敵対が生まれ、トラブルに発展しかねないのです。

兄弟と比較されるとコンプレックスや劣等感の原因に?

兄弟に対してコンプレックスを抱く場合、親や周囲が兄弟を比較する、自分自身と兄弟を比較することが大きな原因のひとつになります。

たとえば、下記のことについて兄弟で比較されることがあります。

  • 勉強の成績
  • 学歴
  • 就職先の規模・年収
  • 運動の得意・不得意
  • 容姿・容姿が親にどのくらい似ているか
  • 家事の手伝いの頻度
  • 友達の数
  • 恋愛相手・結婚相手
  • 子どもの有無

こうしたことに関して、子どもの頃から兄弟と比較されることもあれば、大人になっても比較が続くこともあります。

毒親は兄弟差別をすることがある

過干渉や暴言・暴力などによって子どもに悪影響を及ぼす親のことを「毒親」と呼びます。毒親の行動はさまざまですが、兄弟の扱いに差をつける「兄弟差別」をする毒親もいます

たとえば、毒親は兄弟を「愛玩子」と「搾取子」に分けて接することがあります。盲目的に可愛がるための子どもが「愛玩子」であるのに対し、「搾取子」は家事を押しつけられたり親への金銭援助を強いられたりします。愛情面のみならず、教育費や生活費にも差をつけられるなど、兄弟差別された場合、その後の人生に大きな影響を与えることもあるのです。

兄弟間の愛情格差のつらさ

親が兄弟に平等に愛情をかけることができたら理想ですが、平等な愛情というのは簡単に定義づけられるものではありません。親も人間ですし、一人目の育児と二人目以降の育児では育児経験や家庭の経済状況などが変わっていることも考えられます。

兄が感じやすい愛情格差
  • 「お兄ちゃんなんだから」と我慢を強いられる
  • 弟が生まれたときに、それまで独り占めしていた愛情を奪われた感覚が生じる
  • 年下である弟の方が、親や周囲から可愛がられることが多い
弟が感じやすい愛情格差
  • 服やおもちゃがお下がりで、新品を与えられるのは兄ばかり
  • 一人目のときと比べると親が感じる育児のプレッシャーが軽くなり、二人目以降は放任主義になる

上記以外にも、親と子の相性の違い、男の子・女の子の育児の違い、祖父母との関係性なども、愛情格差に影響することがあります。

愛情格差は必ずしも親や周囲の人に悪気があるわけではないため、心の折り合いの付け方が難しい場合も少なくありません。

大人になっても兄弟コンプレックスを克服できない場合、就職や恋愛・結婚に影響を及ぼすこともあります。次章からは兄弟コンプレックスが仕事、恋愛・結婚にどんな影響を与えるかを解説していきます。

大人の兄弟コンプレックスが仕事に与える影響

兄弟コンプレックスを抱えていると、仕事や就職に下記の影響を与えることがあります。

  • 学校や職場の先輩・後輩関係にも身構えてしまう
  • (弟がいる人は)後輩や部下に対して過度に厳しく接してしまう
  • (兄がいる人は)先輩や上司に対して過度に反抗心を抱いてしまう
  • 周囲の人にも劣等感を抱きやすく、仕事の嫉妬に苦しむ
  • 成果を出しても、優秀な兄弟と比較して素直に喜べない
  • 兄弟に負けたくないことを理由に就職先を選び、会社との間にミスマッチを感じる

ネガティブな影響を挙げましたが、これは兄弟コンプレックスを抱いている場合の例です。兄からのアドバイスを受けたり、弟の就職を一緒に喜んだり、兄弟がいることでうれしい影響も得られます。

大人の兄弟コンプレックスが恋愛・結婚に与える影響

兄弟コンプレックスを抱いている場合、恋愛・結婚にも影響を与えることがあります。

  • 自分のパートナーと兄弟のパートナーを比べてしまう
  • 兄弟の恋人や結婚相手を奪おうとしてしまう
  • 兄弟の恋人や結婚相手に冷たく接してしまう
  • 自分の子どもと兄弟の子どもを比較してしまう

兄弟コンプレックスは、パートナーや子どもまで巻き込むことがあります。兄弟がそれぞれ独立した人間であるように、パートナーと子どもにもそれぞれの人生があることを忘れてはいけません。

このように、大人になっても兄弟コンプレックスを抱いていると影響はどんどん大きくなるおそれがあります。本人も周囲も楽に生きていくためにも、兄弟コンプレックスを克服するのがおすすめです。

兄弟コンプレックス克服のポイント

兄弟コンプレックスを克服する場合、次の考え方と行動を取り入れてみましょう。

兄弟コンプレックス克服法【考え方】
  • ありのままの自分を受け入れる(理想を高くしすぎない)
  • 自分のいいところ、頑張っているところを認める
  • 自分にも他者にもポジティブな言葉をかける
  • 親から精神的に自立する(親の言いなりにならない)
  • 家族以外の人間関係(友人、恋人、職場)を大切にする
  • 物事を「優れている・劣っている」で評価するのをやめる
兄弟コンプレックス克服法【行動】
  • 兄弟、親と離れて暮らす
  • 親を介さずに兄弟で食事や旅行をしてみる
  • 親の愛情不足を感じていた場合、抱えていた辛い気持ちを伝える
  • 兄弟で話し合いをし、お互いに対する思いを伝える
  • カウンセリングを受けてみる
  • 兄弟コンプレックス克服に関する本から心理を学ぶ

兄弟コンプレックス克服に関するおすすめ本・映画

兄弟コンプレックスや家族関係をテーマとした本や映画にふれることで、兄弟コンプレックス克服のヒントを得られることもあります。

きょうだいコンプレックス』(岡田尊司著、幻冬舎)

『母という病』『父という病』の著者としても評価の高い岡田尊司氏の本。精神科医でもある岡田氏が、兄弟コンプレックスの原因や兄弟コンプレックスの克服法を解説します。兄弟との関係性のほか、親子関係の問題も取り扱った内容となっています。

愛着障害の克服-「愛着アプローチ」で、人は変われる』(岡田尊司著、光文社新書)

兄弟コンプレックスの原因は、愛着障害の可能性もあります。こちらも岡田尊司氏による本で、愛着障害についてわかりやすく解説をしてくれます。愛着障害によって傷ついた心の回復に役立つ内容ですので、辛い気持ちを抱えている人におすすめです。

映画『エデンの東』(1955年、アメリカ)

カイン・コンプレックスの由来ともなった旧約聖書のカインとアベルの物語を、1917年のアメリカを舞台に生まれ変わらせた映画です。優秀で父から可愛がられる兄アーロンに対し、弟のキャルは劣等感と孤独を感じます。物語はアーロンの恋人も巻き込んで進んでいきますが、兄弟がどんな結末を迎えるのかが見どころです。

世界的人気俳優ジェームス・ディーンの初主演作としても有名な作品で、現代でも人気の高い作品です。

おわりに:兄弟コンプレックスを克服して自分の人生を大切にしよう

兄弟コンプレックスは、自分と兄弟を比較したり親からの愛情に格差を感じたりすることが主な原因です。兄弟コンプレックスを抱えたまま大人になると、仕事や就職、結婚にも影響を及ぼすことがあります。自分の人生を楽しむためにも、兄弟コンプレックスを克服するのがおすすめですよ。

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