親離れ・子離れできないと就職や結婚に悪影響を及ぼす?親子が自立する方法とは

過干渉によって親離れ子離れが難しい家族人間関係の悩み
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親離れ・子離れは親子が互いをひとりの人間として認め、人生を尊重できるようになるために必要な過程です。この過程がないまま子どもが成長すると、社会生活にさまざまな問題が生じてきます。

今回は親離れ・子離れができない人の特徴や、仕事や結婚など将来的なトラブル、円満に親離れ・子離れするためのポイントを紹介します。

この記事でわかること
  • 親の顔色や意思を伺ってばかりの子どもの傾向
  • 乳幼児期、学童期、思春期の子どもの心の成長
  • 反抗期のある、なしでどんな違いが考えられるか
  • 親が子育て以外の楽しみを見つける方法
  • 親から離れるのを極端に嫌がる子どもへの対処法

親離れと子離れができないと自立できない社会人になるおそれが!

一般的に親離れ・子離れは、以下のように理解されています。

親離れ
特に思春期以降、子どもが親の干渉や管理下におかれることを嫌がり、自分だけの空間や世界を求め、自己を確立させること。その結果、やがて親元から離れ自立していく。
子離れ
これまで手をかけてきた子どもから、親が物理的・心理的に距離を置くようになること。子どもの心身の成長に合わせて徐々に距離をとっていき、最終的には子どもの意思や個性を尊重し、社会へと送り出す。

親離れ・子離れは、子どもの成長に応じて自然に起こる、家族の関係性の変化です。しかし、なかにはこの関係性の変化がうまくいかず、互いに年齢を重ねても親離れ・子離れできない家族になることがあります。親離れ・子離れがうまくいかない家庭の問題点としては、以下が挙げられるでしょう。

親離れ・子離れできないことの問題点

  • いくつになっても子どもが親の意向を優先して行動を決めるため、自分の意思を表せなくなる
  • 子を心配するあまり、親が子の挑戦する機会を奪い、子どもの精神的な成長を妨げる
  • 親の意向に沿って行動し、守られ過ぎた子どもは親の指示なしに動けなくなる
  • 親を優先するあまり友人や同僚、恋人など、子の親以外の他人との関係が希薄になる
  • 主体的に、積極的に行動する機会を親に奪われ続け、自分で行動できない大人になる

親離れ・子離れができていない家庭の子どもは、自分の頭で考え行動する機会を奪われ続け、やがて「主体性のない人」になっていきます。しかし、社会人として働くようになるとある程度は自分の頭で考えて仕事を進め、自身に与えられた役割を全うする必要が出てきます。
そんななかで主体性がなく、誰かの指示がないと動けない人は自身の役割を果たせなくなりがちです。周囲とうまく関係を築くこともできず、孤立していく可能性が高くなってしまいます。大人として社会生活を営んでいくうえで、親離れ・子離れは欠かせない通過儀礼だと言えます。

なお「トーキョー女子映画部」が実施したアンケート結果によると、以下のタイミングで親離れ・子離れしたと感じる人が多いようです。

親離れ・子離れしたと感じる変化

  • 生活面、経済面で完全に自立する…40.4%
  • 最終決断するのが自分になる…27.6%
  • 親元を離れて暮らす…18.7%
  • 親が知らない事、親に言わない事が増える…8.3%
  • 親抜きで出かける…2.0%

(参考:「トーキョー女子映画部/女子の本音を公開/みんなはどう思う? 93:「みんなの親離れ、子離れ」の実態を調査!/『お母さん、娘をやめていいですか?』関連アンケート」)

子どもが親離れするのは何歳位?思春期や反抗期など子どもとの接し方

子どもは心身の成長段階に応じ、少しずつ自立心を育て親離れしていきます。乳幼児期、学童期、思春期それぞれの自立へのステップと、親としての接し方のポイントを以下にまとめて紹介します。

乳幼児期

この時期に起こる、自立へのステップ
  • 幼稚園や保育園に通う際、はじめは泣いていたのに徐々に泣かなくなる
  • 自分から親の手を放して公園で遊んだり、幼稚園や保育園で過ごせるようになる
親としての適切な接し方
  • 子どもにとって必要な要求には可能な限り答え、しっかり甘えさせる
  • 子どもにとって必要なもの、甘えさせるべきタイミングや事柄は適切に判断する
  • 自分が愛されている、親から大切にされていると子どもに感じさせてあげる
  • そばにいなくても、子どもに「必ず迎えに来てくれる」「待っていてくれる」という安心感、信頼感を持ってもらう
  • 心配でも、子どもが自分から手を放して外の世界へ遊びにいくときは信じて送り出す

学童期

この時期に起こる、自立へのステップ
  • 子どもが「やりたい」と思うことの幅が広がる
  • 子ども自らがお手伝いなどを始めようとする
親としての適切な接し方
  • 危険が及ぶ場合を除き、極力子どもに任せて色々な経験をさせる
  • 挑戦すること、任せることは親が決めるのではなく子どもに決めさせる
  • 親に言われたから、決められたからという理由で「やらせる」ことのないよう注意
  • 安全面などを考慮したうえで、子どもが「やりたい」と言ったことは極力やらせる
  • お手伝いをやらせるときは、本人にやること、担当範囲を決めさせて任せる
  • お手伝いができたとき、頑張ったときは、その過程をたくさん褒めてあげる

思春期

この時期に起こる、自立へのステップ
  • 親への依存を脱し、子どもが個人の価値観や生き方を確立しようとする
  • 親をはじめ学校の先生など、周囲の人へ疑問や批判、不満をぶつけるようになる
  • いわゆる「反抗期」がやってくるタイミングで、親と自分が違う人間であると強く認識し始める
親としての適切な接し方
  • 基本的には子どもを信じ、見守り、共感して考える姿勢で臨む
  • 善悪の基準、許せることと許せないことの基準をしっかりと持って接する
  • 子どもの反応を見ながら、不必要な干渉(過干渉)を避けるよう注意する
  • 子どもが自分の意見を述べているときは、とりあえず最後まで聞く
  • 子どもの名前を呼ぶときは、大事に想っていることが伝わるようやさしい声で呼ぶ

上記のうち、子どものスムーズな精神的自立のために特に重要なタイミングが、10代前半から始まる思春期・反抗期です。親離れの最初の一歩を踏み出す思春期には、子どもに以下のような特徴が見られます。

親離れへ向かう、思春期・反抗期の子どもの特徴

  • 相談や困りごとを話す相手が、親や家族ではなく友達になっていく
  • 親が声をかけてもそっけない態度を取るなど、親と話そうとしなくなる
  • 子どもから親へ話しかける内容が、必要最低限の連絡や要求になってくる
  • 親の言うことに従わなくなり、反発して「うるさい」「うざい」などと言う
  • 部屋や引き出しにカギをかけるなど、自分のプライバシーを守ろうとする
  • 親が自分のプライベートに踏み込むことを嫌がり、親と外出もしなくなる

親にとって反抗期は、従順でかわいらしかった子どもの心と体が変化し、戸惑いを感じるかもしれません。しかし、思春期の周囲への反抗は、自分で考えて行動できるようになるために必要なことです。とても喜ばしい変化であり、子どもの心身が順調に育ち、自立した大人へ向かっている証拠なのです。

逆に、本来なら反抗期を迎えるべき思春期に反抗、自立の兆候が見られない子どもの場合、対人関係において以下のようなリスクが心配されます。

  • 親や他人を恐れ、気を使い過ぎて何も言えない人になってしまう
  • 自分の頭で考え、判断や行動することができず、周囲の言いなりになる
  • 家や学校で必要以上に「良い子」を演じるようになり、不登校や摂食障害になる

反抗期がないからといって、問題があるとは限りません。穏やかな思春期を経て、親子関係が良好なまま大人になることもあります。

社会人が親離れする方法とは?親子円満に自立するには

前章では、子どもが精神的に自立するタイミングの目安が思春期だと説明しました。対して、子どもが経済的にも自立して名実ともに親離れをするのは、社会人になって生活に必要な費用を自力で確保し、暮らせるようになってからです。

そこで以降からは、社会人になってからの子どもの自立・親離れについて解説します。社会人になっても自立・親離れができない子どもの特徴には、以下が挙げられます。

親離れできない子どもの特徴

  • 致し方ない理由もないのに親元を離れず、ずっと実家で暮らしている
  • 親ととても仲が良いため一緒に過ごす時間が多く、よく一緒に外出もしている
  • 親と過ごすことが大好きなため、友人や恋人からの誘いより親を優先する
  • 親密な関係の知人や友人が少なく、他人と関わる機会を持とうとしない
  • たまに友人や知人、恋人と出かけても、親の話ばかりしてしまう
  • ずっと親に頼ってきたため、自分に自信がなく主体性にも欠けている
  • 自分で頑張るのではなく、親など誰かが助けてくれることを期待している

上記の特徴が問題というわけではありません。仲の良い親子、支え合う親子で、自立心しながら上記の特徴を持つ場合もあるでしょう。一方で、自立できないまま親離れ・子離れができなくなり、弊害が発生している場合もあります。
社会人になってから精神的・経済的に親離れし、自立するには、以下に挙げる条件をひとつずつクリアしていきましょう。

社会人が精神的・経済的に自立するために

  • 自分と親は別の人間であり、親の思い通りに生きる必要はないと自覚する
  • 親を「守り導いてくれる存在」と認識するのを止め、人として対等な相手と考える
  • 親の意見や指示にただ従うのではなく、親の発言に対し自分が持った意見も伝えてみる
  • 親から受けた過干渉や嫌なことを許し、過去ではなく将来に目を向けるようにする
  • 自分を他人と比較することを止めて、欠点も受け入れて好きになれるよう努力する
  • 家賃や光熱費、社会保障費など生活に必要な金額を計算し、経済観念を身に付ける
  • 必要な費用を溜め、ゆくゆくは一人暮らしをして物理的・経済的に親から独立する

子離れできない親の特徴とは?結婚後も過干渉になるおそれがある

子どもが親離れするために大切なことがわかったところで、ここからは子離れできない親について考えていきましょう。

うまく子離れができない親には、子どもに対し過度に干渉する傾向が見られます。具体的には「この子は私がいないとダメだから」と強く思い込み、子どもに以下のような態度・言動を取って精神的な成長を妨げるのです。

子離れできない親の過干渉の例

  • 子どもが助けを求める前に、何でも手伝い終わらせてしまう
  • 「失敗するとかわいそうだから」という理由で、挫折や学びの機会を奪う
  • 何かと先回りをしてやってしまい、子どもの自我や自立心の発達を妨げる
  • 子どもの意見を否定し、アドバイスと称した指示で子どもの自主性を奪う
  • 無意識のうちに子どもをコントロールし、親の意思に従わせ続ける

上記のような特徴を持つ親が子離れをするには、以下の方法で親自身が自らの人生を楽しみ、個人として幸せになる必要があります。

過干渉な親が子離れする方法

  • 親自らが精神的自立をめざし、意識的に子どもへの依存状態から脱する
  • 夫婦での旅行や習い事、友人と食事へ行くなどして子どものいない時間を楽しむ
  • 子どもが自立し離れていく寂しさより、自分の人生の楽しみや豊かさに目を向ける

なお子離れができない親は、子どもにとって人生の一大事である結婚にも以下のような悪影響を及ぼします。

子離れできない親が、子どもの結婚に際して起こす言動

  • 何かにつけて「あなたのためだから」と言い、子どもに自分の考えを押し付け続ける
  • 親が設定した条件を満たす相手以外とは、子どもが結婚することを認めない
  • 親に言い聞かされた条件を優先し、子どもが本当に結婚したい人、相性の良い人と結婚できなくなってしまう
  • 子どもの人生を自分の都合の良いように予測し、結婚して家族ができても、子どもが自分の傍にいると疑わずに生き方を強制する

結婚相手の親が上記のような言動をしていたら、子離れできていない可能性があります。現代における結婚は、当人同士の合意によってのみ成立するものです。結婚することに対し、双方の親の了承を得る必要はありません。しかし、結婚相手の家族とは義理の家族となるため、結婚後にはどうしても会う機会が増えてきます
子離れできていない親は結婚後も子どもの家庭に意見する傾向が強いですから、子どもである結婚相手に実家との距離を取ってもらい、子離れを促すと良いでしょう。

親から離れると不安が募る「分離不安障害」って?

分離不安障害とは
愛着のあるものから離れることに強く持続的な不安を感じる状態。子どもの発達段階に現れる反応の一種であり、一般的には生後10~18か月くらいの時期に最も強く現れ、2歳を過ぎると徐々に落ち着いてくるとされる。

多くは乳幼児期に現れる分離不安障害ですが、人によっては思春期以降になっても分離不安障害が見られるケースがあります。

代表的な症状は、家や母親など保護者・保育者から離れることに対して強い恐怖と不安を感じ、必死に離れまいとするというものです。自分から離れようとする家族を泣きすがって引き留め、自身が一人で家や家族から離れるこども極端に嫌がるため、登校や外出はもちろん、個室で眠ることも拒否します。

なお分離不安障害は、必ずしも医療機関での検査・治療が必要な疾患ではありません。ただし、分離不安障害のために子ども本人がひどく苦しんでいる場合は、かかりつけの小児科または小児精神科の医師に相談しましょう。

おわりに:親離れ・子離れは、親子双方の幸せな人生のために必要なこと

人は思春期になると大人の言うこと、やることに疑問を持ち、反抗するようになります。これは子どもが自分の個性や価値観を確立し、精神的に自立し親離れするのに必要な過程です。そして親もまた、子どもの変化を受けて子離れする準備を進めていきます。親離れ・子離れができないままだと、やがて親は子どもの社会生活に悪影響を及ぼす存在となることも。子どもの豊かな人生のために、互いに自立した親子関係を目指してみてはいかがでしょう。

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