認知症を発症するリスクは、どんな人にもあります。しかし近年、趣味を通して他者と関わる機会の多い人は、認知症の発症リスクが低下することがわかってきました。
今回は趣味がない人と認知症発症リスクの関係を、高齢になってから趣味を持つことの重要性、趣味に関係するおすすめのSNS5選とともに紹介していきます。
- この記事でわかること
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- 男女別、男女共通の認知症発症リスクが低くなる趣味
- 時間を持て余すシニアに趣味がおすすめな理由
- 認知症以外にも注意したい健康リスク
- 生きがいや友人を見つけるきっかけになる無料SNS
趣味があるシニアは認知症リスクが低い?どんな趣味がいいの?
高齢者の趣味の有無や趣味の内容と認知症発症リスクについて研究した結果によると、以下の趣味を持つ高齢の男女には、認知症発症リスクが低いと報告されています。
- 男性
- ゴルフ、パソコン、釣り、写真撮影
- 女性
- 手工芸、園芸、庭いじり
- 男女共通
- グラウンドゴルフ、旅行
(参考:「高齢者の趣味の種類および数と認知症発症JAGES 6 年縦断研究(第67巻 日本公衛誌 第11号 2020年11月15日)」
研究では、その人が持つ趣味の種類・数と認知症リスクの関係にも注目しました。その結果、1週間当たりの趣味に使う時間が長い人ほど認知症リスクが低く、男女ともより多種類の趣味を持つ方が認知症予防効果を期待できるという可能性が示唆されました。趣味をたくさん持つ人は、そうでない人に比べ認知症になる可能性が低いということですね。
趣味は老後のセカンドライフの生きがいにもなる
高齢者、シニアと呼ばれる年代になると、その多くが仕事や子育てに追われる時期を終え、人生における自由時間の割合がぐっと高くなってきます。しかし、仕事や子育ての第一線を退いてから時間を持て余し、塞ぎがちになるシニアは少なくありません。
このためシニアになってから趣味を持てるかどうかは、老後にあたるこれから先の人生において生きがいを持てるかどうかを左右する重要な要素です。高齢になってから趣味を持つことのメリットを具体的に挙げるなら、以下の通りです。
シニアが趣味を持つことのメリット
- 趣味をしている間、生きる喜びを実感できる
- 趣味を通して人と話し、知り合うことで新しい視点を得られる
- 自分個人に向き合い、好きなことに没頭する時間を得られる
- 子どもや仕事に関係ない、個人的な人間関係を築ける
- ストレスや無気力感が軽減され、疾患発症のリスクが減る
アメリカの研究結果では、認知症だけでなく心血管など命に関わる重大な病気の発症率や死亡率も、趣味を持つ高齢者の方がそうでない人に比べ低くなることがわかっています。趣味を持ち、老後の人生に楽しみや生きがいを見いだせるかどうかは、高齢者の心身の健康と密接に関わる問題だと言えるでしょう。
シニアが趣味友達を探すのは今やネット!シニア向けおすすめSNS5選
「趣味をした方が心身に良い」と言われても、具体的に何をすればいいのか、何をしたいのかわからず悩む人も多いでしょう。そこで、ここからはシニアの趣味選びや趣味友達を探すのに役立つ大人向けのSNSを計5つ、それぞれの特徴と一緒に紹介します。
1:趣味人倶楽部(しゅみーとくらぶ)
日記やコメント付きの写真の投稿、ミニメールと呼ばれるダイレクトメッセージのやり取りを通じて、オンライン上で趣味・趣向が近い人と知り合えます。その他、会員主催のコミュニティやイベントの企画・申し込み、サイト側が行うアンケートやモニター企画へ参加することも可能です。
2:らくらくコミュニティ
インターネット上で、共通の趣味・話題を持つ人との交流を楽しめます。脳トレをはじめとしたゲームコンテンツが充実しているうえ、専門スタッフが投稿内容を24時間チェックしているため、個人間でトラブルが起きるリスクが低いのも特徴です。
3:Slownet
特に趣味がなく、話し相手や交流の場が欲しいと考えるシニアに向け「始める」と「繋がる」をテーマに提供されています。利用する個人間で交流できるだけでなく、サイト運営事務局がお金や健康、趣味、体験などのテーマ別にシニアに有益な情報を発信しています。
4:ナビトモ
20年以上の歴史を持つ、アクティブシニアのためのSNSです。主な活動・交流の場は各個人が設けるブログやギャラリーで、これらの場の主催者・訪問者間で評価や声掛けをし合って交流を深めていくことができます。また、サイトの運営事務局が主催するオフ会やイベントに参加すれば、交流者同士リアルな場で会うことも可能です。
5:シニアサークルアッシュ
共通の趣味を持つ友人との出会い、交流を求める40~70代に向け設立された、シニアサークル総合サイト。個人間の交流よりもサークル活動に重きを置いたプラットフォームで、年間を通して開催される飲み会や各種イベント情報の閲覧・参加申し込みができます。
今回紹介したシニア向けSNSは、いずれも登録・利用は原則無料です。これから趣味を持つこと、また一緒に趣味を楽しむ友人を得たいと考えているなら、複数のSNSに登録して、自分のライフスタイルや興味と合うところを探してみるのもおすすめですよ。
おわりに:たくさん趣味を持つ人の方が、認知症発症のリスクが低い!
より多くの趣味を持つ人の方が認知症や心血管疾患の発症リスク、そして死亡率が低くなることは、国内外の複数の研究結果として報告されている事実です。現役を退き、シニアになってから趣味を持つことはその後の健康状態を大きく左右する重大な要素と考えましょう。もし、趣味の始め方や趣味友達の見つけ方がわからないなら、シニア向けのSNSを使うのがおすすめ。いろいろな種類があるので、あなたの好みに合わせて使い分けてください。
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