仕事をしていると納得がいかないことや理不尽なことも起きますよね。特に自分は悪くないのに謝罪を要求されると辛いもの。ただし仕事をしていると謝罪しなくてはいけないことも。この記事では自分は悪くないのに謝罪が必要になったときの対処法を解説します。
- この記事でわかること
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- 自分が悪くないのに謝罪を求められる原因
- 謝罪をしないことで生じるデメリット
- 誠実な気持ちが伝わる謝罪のポイント
- 謝罪で疲れた心を癒す方法
自分は悪くないのに謝らなきゃいけない状況って?
仕事をしていると謝罪をしなくてはいけないことがありますよね。仕事で謝罪の必要が発生するのはどんな状況なのでしょう。
- ビジネスで謝罪が必要になる状況
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- ミスをしてしまい、迷惑をかけた
- 失言などで怒りを買ってしまった
- 顧客などからクレームが入った
- 部下や後輩がミスをした
- 想定よりも成果が小さかった
- 日程調整など、自分の都合で周囲に手間を取らせた
- 相手の要望や提案を断らなければいけない など
①や②は、自分に非があることが多いかもしれません。わざとでなくとも「数字を間違えて発注した」「クライアントにタメ口をきいてしまった」など、誰でもミスやうっかり発言をしてしまうことはありますよね。
③はケースバイケースですが、顧客などからクレームが入った場合は謝罪をする必要性が高いでしょう。まずは何に対するクレームなのか傾聴し、非が明確である場合は謝罪をします。ただし悪質なクレームや顧客などの勘違いの可能性も否定できません。すぐに謝ったことで「自分は悪くない!」と相手が信じ込んでしまうおそれもあります。顧客との関係性は契約関係でもありますので、謝罪するべきか迷ったときは上司に速やかに相談するのが安心です。
④は、自分のミスではないけれど責任者や監督者として謝罪するケースです。直接的には自分のせいではないかもしれませんが、部下や後輩に対する指導不足が原因の可能性もあるでしょう。
⑤の謝罪は、プロジェクトなどで目標としていた数値や成果が出なかった場合のケースです。成果はさまざまな要因が複雑に絡み合っていますので、誰かが悪いと判断するのは難しいものです。ただし謝罪の言葉を表すことで、悔しい気持ちや責任感の強さが伝わることもあるでしょう。大切なのは、次はよりよい成果が出るように分析したり目標の修正をすることです。
⑥と⑦の謝罪は、人間関係を円滑にするためのコミュニケーションテクニックともいえます。「お手数かけてしまってすみません」「すみません。ご対応いただき助かります」「申し訳ございませんが今回は縁がなかったようで」など謝罪のキーワードがあることで、申し訳ないと思っている気持ちが伝わります。
ビジネスシーンでの謝罪は、状況によって謝罪の深刻度が大きく変わってきます。ただし、明確に自分に非がある場合とそうではない場合がありますよね。
- 自分は悪くないけど謝罪が必要になる状況
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- 相手が非を認めようとせず、感情的になっている
- 怒っている相手が、とにかく謝罪を要求している
- 相手の方が目上で、自分が折れなければいけない
- 厳密にはどちらか一方が悪いわけではないが、場を収めなければいけない
上記のようなケースでは、自分に非がなくても謝罪しなければいけないこともあります。いずれのケースでも事実確認は必要ですが、仕事では人間関係や人間の感情は切っても切り離すことができません。そのため、まずは相手に落ち着いてもらうために誰かが謝罪しなくてはいけない状況になることがあるのです。
謝罪しないせいでトラブルに発展?!
自分は悪くないのに謝罪をして頭を下げるなんて、納得がいかないし謝罪したくないという人もいるでしょう。ところが謝罪を拒否していると次のようなトラブルを招くおそれがあります。
- 謝罪拒否が招く仕事のトラブル
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- 相手の怒りが収まらない、ますます怒りを買う
- トラブルの収拾がつかず、こじれてしまう
- 上司や会社を巻き込むような大きなトラブルに発展する
- 礼儀の無い人だと思われる
- (相手が目上の人の場合)生意気だと思われる
- 融通が効かない、プライドが高いと思われる
- トラブルを収められなかったことから、社内評価が下がる
- 自分に非がないと思っていた後、状況を確認する内に自分の非が見つかった
仕事は持ちつ持たれつの関係性で進むことがほとんどです。そのためクライアントや仕事関係者の怒りを買うと、良好な関係にヒビが入ってしまう可能性があります。場合によっては修復不可能になることも考えられます。会社員の場合は、自分の態度や振る舞い次第で会社へのイメージを左右されることもあります。
時には、あなた自身の人柄やトラブル処理能力に対してネガティブな評価がされることもあるでしょう。
そして最も問題となるのが、自分は悪くないと思っていたものの、その後事実確認を進めていくと自分の非が見つかったケースです。謝罪を拒否したときの態度が悪い印象を相手に与えていた場合はトラブルがこじれる可能性が高いです。自分だけの問題ではなくなってきますので、速やかに上司などに相談してください。
自分は悪くないけど割り切って謝罪するメリット・デメリット
ビジネスにおける謝罪は、感情だけでなく利害調整やコミュニケーションテクニックとしての側面も大きいものです。自分が悪くないけど謝罪することには、メリットとデメリットがあります。
- 自分が悪くなくても謝罪するメリット
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- 相手が謝ってほしいだけの場合、トラブルを速やかに収拾できる
- ほとぼりが冷めた頃に、周囲からの信頼が高まる
- 相手の顔を立てることができ、関係性を維持しやすくなる
- 論理よりも感情が優先されることがあると身をもって経験できる
- 自分が悪くないのに謝罪するデメリット
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- 本当の原因が見えづらくなり、根本的解決が遠くなる
- 「やっぱりあなたが悪い!」と相手の怒りがエスカレートする
- 周囲から責められたり、非難される可能性もある
- 謝罪後もフォローが必要なこともある
- 自己肯定感が低くなる
- ストレスが溜まる
仕事として謝罪が必要であるケースもありますが、謝罪によるストレスや負担も無視できませんよね。どうしても謝罪が必要になる場合は、和解につながるように工夫していきましょう。
和解につながる謝罪のポイント
自分は悪くないからこそ、仕事として謝罪が必要になったならば必ず和解につなげたいものですよね。和解につながる謝罪をするには、下記の謝罪のマナーを抑えましょう。
- ビジネスにおける謝罪のマナー
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- トラブル発生から謝罪まで時間を置き過ぎない
- 可能な限り対面で謝罪する
- 相手の目を見て謝罪する
- 謝罪当日は清潔感があり、カジュアル過ぎない服装にする
- はっきりとした声を出し、相手にきちんと内容が聞こえるように話す
- 相手を責める言い方を避ける
- 相手の怒りが大きい場合、自分以外の第三者にも入ってもらう
- (上司などと相談の上)菓子折りを持っていく
謝罪のマナーや謝罪の気持ちの伝え方に不安がある場合は、上司や先輩に相談しましょう。前述しましたが、仕事のトラブルは自分自身だけでなく、会社の信用にも関わります。自己判断で済ませるのではなく、会社に頼るのもおすすめですよ。
謝るだけが解決法とは限らない!困ったときの相談先は
自分が悪くないことが明らかな場合、相手に非があるのに謝罪を求められている場合は、速やかに上司に相談しましょう。ビジネスでは自分が悪くなくても謝罪が必要なことがありますが、謝罪することで相手に不当に責められるおそれもあります。
トラブルの事実確認などはメールやメッセージで行い書面に残すという方法もおすすめです。電話や対面で確認した後に、状況の整理整頓としてメールやメッセージを送るということもあるでしょう。書面に残すことで、「言った」「言わない」の水掛け論になるのを避けられます。事実関係を書面に残し、相手が不当にこちらを責めるのを予防しましょう。
契約書の内容を確認する必要がある場合は、法務部や弁護士に相談しましょう。契約書の読み取り方には技術や法律知識が必要です。法務部や弁護士であれば内容をしっかりと読み取ることができ、状況整理もスムーズに進むでしょう。
やたらと謝罪を強要するのはパワハラやモラハラかも
相手が過剰に怒りを露わにしたり謝罪を強要したりするようであれば、パワハラやモラハラ、何らかの罪に該当する可能性があるでしょう。たとえ自分に非があったとしても、過剰な要求は不当な行為に当たる可能性があります。
- ハラスメントや不法行為に当たる謝罪要求
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- 暴行や暴言で謝罪を強要する
- 義務ではないのに過剰な謝罪を要求する
- 謝罪に伴い性的な要求をする など
こうした謝罪要求をされた場合は、その通りに謝罪をするのは危険です。速やかにその場を離れ、上司や会社に報告・相談してください。
謝罪の後は気持ちをポジティブに切り替えるのが大切!
自分に非がある・非がないを問わず、謝罪をするのはストレスや心の負担になりますよね。謝罪をして気持ちが落ち込んでいるときは、ストレス発散やリフレッシュをしましょう。自分では平気なつもりでも心が傷ついていることがありますので、謝罪をした後は意識的に心を休ませるのがおすすめですよ。
- 心をポジティブに切り替える方法
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- 趣味を楽しむなど、仕事を忘れる時間を作る
- 運動して汗を流し、心身ともにすっきりさせる
- 旅行に出かけ、非日常をエンジョイする
- 心が落ち着く音楽を聞いたり、アロマの香りに癒される など
おわりに:仕事の謝罪は複雑!謝罪するなら和解を目指してすっきりしよう
仕事をしていると自分は悪くないけど謝罪を求められるケースがあるでしょう。そんなときは事実確認を進めつつ、ケースバイケースで謝罪をしなくてはいけません。謝罪をするならばマナーを抑えて和解を目指しましょう。ただし謝罪によって生じたストレスやモヤモヤは放置せず、心をポジティブに切り替えてくださいね。
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