コミュニケーション能力を上げる方法-成果を出したい人や職場環境をよくしたいにおすすめ

会社のコミュニケーション活性化仕事がうまくいかない
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コミュニケーション能力は「コミュ力」とも呼ばれ、人と人との関係性づくりに長けている能力をいいます。コミュ力は、ビジネスシーンにおいてもやはり重要な能力。企業が採用選考などで重視するポイントの一つでもあります。

では、「コミュニケーション能力」とは具体的にどのような能力のことを指すのでしょうか。また、それをどのようにスキルアップしていけば良いのでしょうか。

この記事でわかること
  • 企業が求めるコミュ力はどんな能力?
  • 一緒に会話したくなる人は「傾聴」力がある?
  • 会話のコツ「ミラーリング」のやり方
  • コミュ力は話下手でもあげられる?
  • コミュ力アップトレーニングや研修の種類
  • 発達障がいの人が仕事の人間関係で悩んだときの相談先って?

企業が求めるコミュニケーション能力とは?

コミュニケーション能力とは、一般的に意思疎通・協調性・自己表現能力において、以下のようなことができていることを指します。

意思疎通
伝えるべきことをきちんと伝え、相手の話にきちんと耳を傾けること、自らがよく考え、他者や組織内の調和を意識した行動をすること
協調性
周囲の考えを理解しようと努力する気持ちを持つこと
自己表現能力
伝えたいメッセージが明確で、説得力を持つよう工夫すること

特に、企業が求めるコミュニケーション能力とは、「組織の中でチームワークを生み出すためのコミュニケーション能力」であり、これまでも企業はこのスキルを重視してきました。今後もやはり「組織や人を管理するマネジメント能力」、「既存の業務を見直して改善する能力」、「新たな発想を生み出したりする能力」などとともに、特に大企業で求められるスキルです。

厚生労働省による「労働経済の分析(平成23年版)」によれば、企業が新卒者や転職者、既卒者の採用にあたって「これまで」重視したことと「今後」重視することを比較したところ、新規学卒者・転職者・既卒者のいずれの採用においても「コミュニケーション能力が高いこと」を重視する企業の割合は上がっていることがわかりました。

これまでは「仕事に対する熱意」や「業務に役立つ専門知識や技能」なども重視されてきましたが、今後はさらにコミュニケーション能力が重要視されるようになってきたと考えられます。企業の一員として業務に取り組む上で、コミュニケーション能力を特に重要なものと位置づける企業は依然として多いと言えるでしょう。

仕事に役立つ言語コミュニケーション能力とは?

言語コミュニケーションとは、名前の通り言葉を使ったコミュニケーションのことで、話し手が言葉を使って相手と会話を行うことを指します。コミュニケーションでは言語のやり取りが重要で、ときには言葉で相手との関係が悪化することもありますよね。

コミュニケーションでは言葉の意味と話し手の心情を伝えると同時に、相手の考えや気持ちを汲み取ることが大切です。会話はキャッチボールに例えられますが、自分の意思と相手の意思をやりとりすることで成立するものです。

それぞれの感情、人生観、立場などによっても言語コミュニケーションは変わってきます。お互いの違いを認め合いながら、会話を広げていかなくてはなりません。そのため、言語コミュニケーションでは言葉の正確さやわかりやすさのほか、相手に対する敬意や親しみやすさなどの要素が重視される傾向にあります。

ビジネスと言語コミュニケーション

ビジネスシーンにおいては、場面や状況に応じて適切な言葉を選ぶことも求められます。相手との適度な距離感を保ちながら、コミュニケーションをはかっていくことが重要なのです。

ビジネスで実践したい思いの伝え方

相手との会話をしっかり成り立たせるためには、自分の意思を明瞭に伝えていかなくてはなりません。特に、自分の価値観と相手の価値観が必ずしも同じとは限りませんので、必要な情報を過不足なく伝え合うことが大切です。また、単なる言葉の正確性だけを求めるのではなく、例え話を交えるなど表現を工夫し、わかりやすく伝えていくようにしましょう。

ビジネスで実践したい「傾聴」

コミュニケーションのためには、自分だけが一方的に話すのではなく、相手の考えを理解するための「傾聴」の姿勢も必要です。

人には誰しも「認められたい」という承認欲求を持っています。話を一生懸命聴いてもらえれば、気持ちが良いと思ってもらえる可能性が高いでしょう。相手の話に全神経を集中させ、一言一句聞き漏らさないつもりで話を聞くと良い関係が築きやすいです。

気軽に話がしやすい雰囲気作りを心がけ、しっかりと「あなたの話を聞いていますよ」という姿勢をアピールしましょう。もちろん、相手が話をしているときには口を挟まず最後まで聞くことが重要です。特に、初対面の相手に対しては会話の糸口を掴むためにも、話によく耳を傾けることを意識しましょう。

言語コミュニケーション能力の上げ方

言語コミュニケーション能力を上げるために最も重要なのが、「言わなくてもわかるだろう」という過信を避けることです。日本は何かと察することが重視され、「不言実行」などの熟語にも代表されるように言葉より行動で示すことが美徳とされる文化を築いてきましたが、意思疎通を正しく確実に行うためには「言わなくてもわかるだろう」はNGです。

特に、重要なことは「数字・日付」などを交えて具体的に伝え、状況に応じてこまめにフォローアップしましょう。また、感謝や謝罪もしっかり言葉に出して伝えなくては意味がありません。いくら自分が感謝や謝罪を心の中で思っていても、伝わらなければ相手にとってはないのと同じですから、必ず言葉に出して伝えましょう。

ビジネスシーンでは、会話のマナーだけでなくビジネスマナーも重要です。特に就活やインターン先で会話をするとき、ビジネスマナーにも気を配れるとよりスムーズに会話が進むでしょう。相手との関係性だけでなく、相手との思いやりを大切にするビジネスマナーを身につけるためには、会話の内容だけでなく正しい敬語の使い方を習得することも忘れてはいけません。

また、会話のコツとして、以下の2つのポイントを心がけましょう。

相手の話をきちんと聞く
  • コミュニケーション能力とは、自分が一方的に喋り続けることではない
  • コミュニケーション能力アップのために必要なのは、「話しかける回数」より、「相手の話をしっかり聞けたかどうか」
  • 相手の話を聞きながら別のことを考えたり、次はこう言おうと考えたりするのはそもそも失礼。相手の話にしっかり聞き入ること
  • できることなら、相手の話が気になって前のめりになるぐらいのテンションでちょうどよい
相手に合った話題を考える
  • コミュニケーション能力の高い人に共通しているのは、「話題提供がうまい」という点
  • 相手との共通点や相手の特徴を考えながら、話が膨らむ話題を探す
  • コミュニケーションのきっかけになりやすい話題:テレビやドラマ、ニュース、天気や気候、休日の過ごし方、出身地や地元、学生時代の勉強、食べ物や食事、お酒、体調や健康、趣味やハマっていること、服装、おしゃれなど

非言語コミュニケーション能力はテクニックも必要?

非言語コミュニケーションとは、言語以外の方法で意思の伝達を行おうとするもので、「ノンバーバル・コミュニケーション」とも呼ばれます。合図やジェスチャー、仕草、表情などでやり取りを行い、言語ではうまく表現できない自分の意図を理解してもらったり、相手の真意を汲み取ったりするのに役立ちます。

しかし一方で、非言語コミュニケーションは伝えたい内容をコントロールするのが難しいという特徴もあります。文化が異なると形式も異なりますので、場合によっては伝わらないケースがあることに注意しましょう。

非言語コミュニケーション能力の上げ方

非言語コミュニケーションの一環として、身だしなみは重要な要素の一つです。特にビジネスシーンでは個性を出すことにこだわりすぎず、場にふさわしい身だしなみを心がけましょう。その他、非言語コミュニケーション能力のアップにつながるポイントとして、以下の4つが挙げられます。

ミラーリング
  • ノンバーバルコミュニケーションにおいて、会話相手と信頼関係を構築するための代表的な技術
  • ざっくり言うと、会話相手のしぐさやポーズを、鏡に映すように真似していくこと
  • 人は自分と似た相手に無意識に惹かれる性質を持っているため、これを利用して好感度を上げるのがミラーリング
  • ただし、全ての動きを真似するのは不自然過ぎるため「相手の特徴的な仕草をたまに真似する」くらいの頻度を心がける
うなずき
  • ミラーリング同様、ノンバーバルコミュニケーションで重要な技術の一つ
  • いくら真剣に話を聴いていても、うなずきがなければ話し手は「聞いてもらっている」という実感が湧かない
  • うなずかれることで、「自分の話が受け入れられている」という安心感を得られる
視線を合わせる
  • 視線を合わせることで、うなずき同様、自分の話を受け入れてもらっているという安心感を得られる
  • 視線が他を向いているといくら真剣に聴いていても、おざなりに扱われているという気分にさせてしまう
  • 人と視線を合わせることが苦手な人も多いが、無理に視線を合わせなくても、相手の「鼻の頭」を見ることで擬似的に視線を合わせられる
  • 相手の心理的距離はしっかり縮まるので、ぜひ試してみて
表情
  • ノンバーバルコミュニケーションにおいて、表情を意識することは欠かせない
  • 人は意識していなくても楽しいときは楽しく、悲しいときは悲しい表情になるものなので、相手の話にしっかり興味を持つことが良い表情を作る
  • 相手の話に興味がない、嫌いな相手の話を聞かなくてはならないという場合は、表情を抑えてイヤな気持ちを悟らせないのも一つの方法
  • 「傾聴」の姿勢で相手の話を聞く

コミュニケーション向上研修・講座の種類や内容は?

コミュニケーション能力を養うためには、研修や講座を受講する方法もあります。最初にご紹介したように、企業が「コミュニケーション能力」を重視しているのは、それがビジネスを行う上で大切な能力のうちの一つだからに他なりません。コミュニケーションなしで成り立つ仕事はほとんどないと言ってもよいからです。

コミュニケーション研修では、普段何気なく行っている意志の伝達で「行き違い」「勘違い」を起こさないよう、コミュニケーションの基礎を改めて理解し、コツやヒントを習得します。ついつい、コミュニケーションというと社外の人や顧客相手のことを想定してしまいがちですが、社内・部署内・上司と部下など、身近な間柄でも非常に大切なことです。

コミュニケーションの目的、大切な点や何が間違っているのか、といった基本的なところを、若い世代や新入社員に限らず、管理職の立場でも積極的に学んでいく必要があるでしょう。このように、コミュニケーション研修を行うことには以下のようなメリットがあります。

業務効率の向上
  • コミュニケーションコストがかかっていると、業務がスムーズに進まず、効率が落ちる
  • 日常業務での意思疎通や連携をするため、仕事の基本となる報告・連絡・相談の質を上げなくてはならない
  • コミュニケーションミスによる失敗が少なくなると、業務のアウトプットの質が高くなる
  • 結果として、企業の業務向上にもつながる
顧客や取引先との関係性の向上
  • 顧客や外部の取引先とも、コミュニケーションで関係性が良くなると期待できる
  • 客先でのプレゼン、取引先との価格交渉、外部とのメールのやり取りなど、日常の業務ではさまざまな場面でコミュニケーション能力が求められる
  • ビジネスコミュニケーションスキルを高めることで、顧客満足度の向上にもつながる

話す力・聞く力を伸ばす研修・講座

コミュニケーション能力として最も基本的な「話す力・聞く力」を伸ばすための研修として、「スピーチトレーニング」と「傾聴研修」があります。スピーチトレーニングはプロのアナウンサーが講師となり、多くの受講者データに基づいて徹底分析されたカリキュラムとメニューで、短期間で技術が定着する効果的なコースを受けられます。

スピーチトレーニング

スピーチトレーニングは、以下の3つのステップで進んでいきます。

STEP1:無料体験、カウンセリング受講(30分)
  • 現状の話し方の改善点について、プロのアナウンサーが考査してくれる
  • 発声方法や発音など、具体的なスピーチ技術をプロがチェックしてくれる
  • 現在の悩みや目標に合わせ、最適なカリキュラム・コースを提案
  • ※対面、オンラインどちらでも可能
STEP2:レッスンコースの選択
  • 「話し方」の用途はさまざま。会話力や話し方の美しさ、プレゼン、司会や面接、結婚式のスピーチ用など
  • 初めて習う人や、話し方に自信がない人は「6時間SPEECHベーシックコース」がおすすめ
STEP3:スピーチトレーニング期間(1〜2週間に1回の受講を推奨)
  • アナウンサーとのマンツーマントレーニング
  • 毎回違ったカリキュラムに沿って、スピーチ技術の向上を目指す
  • カメラ考査と発声発音のトレーニングを組み込み、日々の仕事や生活の中でもトレーニングを意識できるよう工夫されている
  • 話し方の良い状態を維持しながら向上させられる頻度として、1〜2週に1回の受講が推奨される

また、トレーニング中に指摘された箇所や動画、講師のアドバイスは「レッスンノート」で管理されています。アーカイブを見ることで、いつでも自分のパフォーマンスを客観的に復習できます。講師の動画や音声のeラーニング自主トレで滑舌や発声の練習を行い、苦手な箇所を反復練習しておけば、習ったことをしっかり身につけられます。

傾聴研修

もう一つの大切なコミュニケーション能力「聞く力」を伸ばす研修として、「傾聴研修」があります。傾聴とは何か、なぜ傾聴することが必要なのか、傾聴に必要なスキルは何かといったことを学習し、その上で自分の現状の傾聴スキルを把握し、今後の課題を明確にします。そして、実際にグループワークを中心としたカリキュラムで実践し、学習内容の定着をはかります。

対象者は内定者・新入社員・若手社員で、研修として1日(7時間)で行います。特に必要な条件はありませんが、1日あたり150,000円の費用がかかります。

コミュニケーション能力1級認定

コミュニケーション能力を学ぶ方法として、指定の講座を受講して認定を受けるという方法もあります。「コミュニケーション能力認定」には2級・準1級・1級がありますが、日常生活で活かせる2級・準1級に対し、1級ではリーダー・マネージャー層に必要なさらに高度なコミュニケーションスキルも学びます。

具体的には、以下のようなポイントをおさえていきます。

  • 初対面かつ短時間で好印象を伝える、相手から信頼を寄せてもらうといったコミュニケーションの前提条件
  • 「聞いてもらえる」「話しても大丈夫」という安心感を持ってもらう「聞く力」
  • 互いの考えを理解し、認識を共有するための「話す力」
  • 職場の生産性をアップさせるためのコミュニケーション能力
  • 苦手な相手にも嫌われないためのコミュニケーションのポイント
  • コミュニケーション能力を発揮させるための「自分を安定させるテクニック」

受講料は定価22,000円ですが、時期によっては早割などの割引を使って受講することもできます。開催地は札幌・東京・名古屋・大阪といった大都市に加え、オンラインでの受講もできますので、開催地に遠い場合、感染症リスクなどが気になる場合はぜひオンラインでの受講を検討してみましょう。

企業のノウハウを学べる!ANAコミュニケーション研修

ANAは、イギリスのSKYTRAX社が格付けする「エアライン・スター・ランキング」において、最高評価である5スターを獲得しています。SKYTRAX社は1989年に創立し、ロンドンに拠点を置く航空産業コンサルティング・格付け会社です。「ANAコミュニケーション研修」では、世界に認められたANAのコミュニケーション能力を、現役客室乗務員が携わった研修プログラムで受講できます

主な研修内容には、以下のようなものがあります。

ブレークスルー
  • コミュニケーションは、自分が考えていることを言葉で表すことから始まる
  • 慣れた環境から外に踏み出し、自分自身を成長させ続ける「ブレークスルー」が重要
  • 短時間で話をまとめたり、声の抑揚やボディランゲージを活かして自分の考えを的確に表現したりする練習を繰り返し、伝えることの重要性を学ぶ
自分の考えを適切に発言する
  • 顧客や上司、同僚に自分の考えを伝えることを躊躇したり、感情的に要望を伝えたりするのを防ぐ
  • 相手を尊重しながら、自分の気持ちを正しく伝えるアサーティブ・コミュニケーションを学ぶ
苦手な人との関係を克服する
  • ソーシャルスタイル理論に基づき、相手のスタイルに合ったコミュニケーションをとる
  • 苦手な相手との関係を克服し、ある程度の人間関係を築けるようにする
フォロワーシップ
  • 組織で成果を高めるためには、リーダーを補佐するメンバーのフォロワーシップが不可欠
  • 日本人のコミュニケーションの特性を理解し、発言から真意を洞察するプロセスを学ぶ
リーダーに求められるコミュニケーション
  • 企業の信頼や価値を高めるためには、異なる意見が出ても互いが納得するよう話し合って結論を出すことが必要
  • 組織を成功循環に導くリーダーシップコミュニケーションを学ぶ

発達障がいかも?と思ったら就労支援に相談を

コミュニケーション能力が欠如している、と思われる人の場合、疾患や障がいがあってコミュニケーションが上手く取れないというケースもあります。近年ではさまざまな疾患や障がいの研究が進んだことで、コミュニケーションの障がいとなる疾患や障がいが解明され、知られてきました。

特に、よく知られているのが「広汎性発達障がいです。

発達障がいは、かつては自閉症・アスペルガー症候群などの名称で知られてきました。トゥレット症候群(いわゆるチック障がい)、小児期崩壊性障がいなども現在では広汎性発達障がいの一つとされています。

広汎性発達障がいを持つ人は、感覚が敏感であったり、逆に非常に鈍麻であったり、強いこだわりを持ったりする傾向があります。コミュニケーションにおいても他人と関わることを全くしない、または会話がかみあわない、他人と積極的に関わろうとしても自分本位のコミュニケーションに終始してしまうケースもあるなど、症状には個人差があります。

それぞれの症状について、もう少し詳しく見ていきましょう。

自閉症
言語発達の遅れ、コミュニケーション障がい、パターン化した行動、強いこだわりなどが特徴。自分が安心できる場所やよく知っている場所だと落ち着いて行動できたり、やり慣れた作業などに対しては一生懸命取り組めたりするので、環境整備が重要。自閉症と一口に言っても、症状には個人差があることにも注意。
アスペルガー症候群
広い意味で広汎性発達障がいの中の「自閉症」に含まれる。社会性や対人関係の障がい、コミュニケーション障がい、関心の偏りやパターン化した興味・行動が特徴。自分が関心を持つことや好きなことには集中して取り組めるため、特技を集中的に伸ばした結果、周囲から一目置かれる存在になることもある。
注意欠陥多動性障がい(ADHD)
一つの物事に集中できない、じっとしていられない、考えるより先に身体が動いてしまうなどが特徴。注意散漫になって物忘れが重なることがあり、いい加減な人と誤解されてしまうことも多い。他人への気配りや配慮が行き届くのも特徴で、細やかな優しさで周囲との人間関係を築く人も少なくない。
学習障がい(LD)
全般的な知識面での発達遅延はないのに、特定の能力(読む・聞く・話す・計算する・推測するなど)の習得に著しい困難を伴う。ビジネスシーンでは、仕事全般は無難にこなせるのに、会議のメモをとることだけがどうしてもできないといったケースなどが該当する。本人の努力不足と誤解され、見過ごされやすい。
トゥレット症候群
チック障がいのことで、突然素早い運動を繰り返す「運動チック」と、突然素早い音声を繰り返し発する「音声チック」の2種類がある。こうした症状が1年以上続いてしまうと、トゥレット症候群と呼ばれる。本人にはそのつもりがないにも関わらずチック症状が出るため、周囲から迷惑がられたり不審に思われたりしてしまう。孤立した結果、さらにコミュニケーションが取りにくくなる、というケースが多い。
小児期崩壊性障がい
それまで明らかに定型発達していたのに、突然覚えた言葉や排泄能力などを失い、最終的には知的障がいを伴った自閉症のような状態になる障がい。小児の0.005%に発症する非常にまれな疾患で、発症前までは元気に成長する。発症時期はほとんどが3〜4歳までで、常同行動や強迫行為を繰り返すようになることもある。

こうした発達障がいを持つ人は、本人の努力や精神的な発達の程度に関わらず、コミュニケーションをうまく取れない場合があります。他にも、発達障がいではありませんが、吃音や境界性パーソナリティ障がいなどもコミュニケーションに支障をきたすケースがあります。

吃音
いわゆる「どもる」と言われる話し方のことで、言葉と言葉の間に変な間が空いてしまう、音を繰り返したり引き伸ばしたりしてしまうなど、話し方に特徴がある
境界性パーソナリティ障がい
若い女性に多く見られる心の障がいで、神経症や統合失調症との「境界線」にある状態。周囲の状況で気分が変化したり、感情が爆発しやすかったり、空虚感に襲われたり、強いイライラ感があったり、現実認識能力が低下したりする特徴がある

また、対面式のコミュニケーションを取るのが苦手、緊張して異性とうまく話せないなどの特徴を持った人のことを「コミュ障」と俗語として呼ぶことがありますが、これは医学用語の「コミュニケーション障がい」とは別物と考えて良いでしょう。

なぜなら、医学用語の「コミュニケーション障がい」とは、アメリカ精神医学会による診断基準「DSM-5」において「言葉を扱うことに対し、障がいが発生する複数の疾患が一つにまとめられた」総称、と定義されているからです。単に対面式のコミュニケーションを苦手とする人や、異性と話すときに緊張してしまう人はこの状態に当てはまりません。

発達障がいの人が就職したいとき、どこに相談すればいい?

発達障がいの人は、前述のように定型発達の人と比べ、コミュニケーションが苦手な傾向にあります。そのため、就職において何のサポートもない状態では、定型発達の人と比べてどうしても不利になりがちだと言わざるを得ません。そこで、発達障がいの人の就職をサポートしてくれるサービスとして「就労支援」というものがあります

例えば、すぐにでも就職したい、具体的な就職先を紹介してほしい、という人にはハローワークの職業相談や職業紹介がおすすめです。個々の障がい特性に応じたきめ細やかな職業相談を実施してくれるほか、福祉・教育等関係機関と連携した「チーム支援」による就職の準備段階から職場定着までの一貫した支援を行ってくれます。

また、その際に「障がい者トライアル雇用事業」を利用している企業を紹介してもらうのもよいでしょう。

障がい者トライアル雇用事業とは

これは、障がい者を一定期間(原則として3ヶ月)試行雇用することで適正や能力を見極め、求職者と事業主の相互理解を深め、継続雇用への移行のきっかけとすることを目的とした事業です。

じっくり相談に乗ってほしい、少しずつ就職に向けた準備をしていきたい、という人には「若年コミュニケーション能力要支援者就職プログラム」「発達障がい者雇用トータルサポーター」「地域障がい者職業センターにおける職業リハビリテーション」などがおすすめです。

若年コミュニケーション能力要支援者就職プログラム
ハローワークで、発達障がいなどの要因でコミュニケーション能力に困難を抱えている求職者につき、その希望や特性に応じて専門支援機関である地域障がい者職業センターや発達障がい者支援センターなどに誘導する。障がい者向けの専門支援を希望しない人については、きめ細やかな個別相談や支援を行う
発達障がい者雇用トータルサポーター
13地域のハローワークに配置され、発達障がいを持つ求職者に対してカウンセリングなど就職に向けた支援を行う。同時に、事業主に対しては専門的な知見に基づき、発達障がい者の就労における問題解決のための相談援助などの支援を実施している
地域障がい者職業センターにおける職業リハビリテーション
ハローワークと連携の上、地域障がい者職業センターにおいて、職業評価・職業準備支援・職場適応支援などの専門的な各種職業リハビリテーションを実施。障がい者職業総合センターにおける技法開発の成果を活用し、地域障がい者職業センターで発達障がい者に対する専門的支援を実施している

また、職業能力開発のための訓練としては、以下のようなものがあります。

一般の職業能力開発校における、発達障がい者を対象とした職業訓練
一般の公共職業能力開発校において、発達障がい者を対象とした訓練コースを設置し、障がいに配慮した職業訓練を行うもの
障がいの状態に応じたさまざまな委託訓練
各都道府県において、身近な地域で職業訓練が受講できるよう、障がいの状態に応じたさまざまな委託訓練が行われている。居住する地域の企業、社会福祉法人、NPO法人、民間教育訓練機関など

さらに、就職した後にも手厚いサポートが受けられる「ジョブコーチ支援」や「障がい者就業・生活支援センター」もあります。

ジョブコーチ支援
障がい者の職場適応を容易にするため、職場にジョブコーチを派遣してきめ細やかな人的支援を行うもの。ジョブコーチ支援には、地域障がい者職業センターに配置するジョブコーチによる支援のほか、就労支援ノウハウを有する社会福祉法人、事業主が自らジョブコーチを配置し、ジョブコーチ助成金を活用して支援するなどのケースがある
障がい者就業・生活支援センター
雇用、保険、福祉、教育など地域の関係機関ネットワークを形成し、障がい者の身近な地域で就業面・生活面における一体的な相談や支援を行うもの

近年では発達障がいは広く知られるようになり、同時に理解も進んできました。社会で暮らしやすくするために制度を使うのがおすすめです。就職を考える際にはぜひ積極的に相談してみましょう

おわりに:コミュニケーション能力をアップして、人間関係をスムーズに

ビジネスシーンでコミュニケーション能力を必要とする場面は非常に多く、企業においても採用選考などで重視する項目の一つに挙げられています。コミュニケーション能力を上げるためには、言語・非言語コミュニケーションをしっかり理解することや、スキルアップのための講座を受講する方法があります。また、コミュニケーションの問題が発達障がいなどから来ている場合は、ハローワークなどの就職支援を利用しましょう。

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