こんな症状が出たら「心療内科」の受診がおすすめ!精神科との違いや治療対象となる病気とは?

心療内科利用のポイントこころの不調
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ストレス社会とも呼ばれる現代社会では、うつ病など精神的な問題を抱える人も少なくありません。精神科やメンタルクリニック、カウンセリングなど、心の問題の解決にはさまざまな相談先がありますが、今回は心療内科についてご紹介します。

心療内科受診の症状の目安、精神科との違いも含め、治療対象となる症状や病気の範囲について見ていきましょう。

この記事でわかること
  • 心の疲れを感じたときの病院の選び方
  • 腹痛や不眠など放置せずに受診がおすすめされる症状
  • 心療内科の初診と再診の費用相場
  • 自立支援医療の概要とメリット

心療内科・精神科・神経内科の違いとは?

メンタルや心の問題を専門にしている医療機関には、心療内科のほか精神科や神経科、神経内科などがあります。まずはそれぞれの科について、ざっくりと特徴を見ていきましょう。

精神科、神経科、精神神経科
うつ病・統合失調症・神経症性障害など、心の病気を診る医療機関。名前は異なるが、いずれも同じタイプの医療機関。
心療内科
心理的な要因で身体の症状(胃潰瘍・気管支ぜんそくなど)が現れる、いわゆる「心身症」を診る医療機関。実際には心の病気も見ている医療機関が多いが、軽いうつ病や神経症性障害のみ、など、一部にしか対応していない医療機関もあるので注意
神経内科
パーキンソン病、脳梗塞、手足の麻痺や震えなど、脳・脊髄・神経・筋肉の病気を診る医療機関。基本的に心の病気を診る機関ではないが、中には含めているところもある。認知症やてんかんの場合、精神科でも神経内科でも診ている

このように看板に書かれている診療科名がバラバラなのは、かつて心の病気が強い偏見にさらされていたことから、今でも「精神科」と書かれていると受診に抵抗を感じる人も多いためです。このような事情から、近年では「メンタルヘルス科」など、より抵抗を感じにくいような名称を使う医療機関もあります。

もし、看板から判断しにくい場合は直接電話をかけ、どんな病気を診てもらえるのか確かめたり、ホームページなどであらかじめ調べたりすると良いでしょう。各地の精神科病院協会や精神神経科診療所協会のホームページに「(協会に加入している)医療機関リスト」が掲載されていることもありますので、これも医療機関を探すのに役立ちます。

さて、心療内科とは前述のように、基本的には心理的な要因で身体の症状が出る「心身症」を診る医療機関のことです。しかし、近年では軽度のうつ病、パニック障害、不安障害など精神疾患にも対応できる医療機関が増え、実際の治療対象は非常に広くなっています。

一方で、重度のうつ病や双極性障害、統合失調症など長期的な治療や入院治療などが必要になる可能性がある病気については扱っていないこともあります。このように、心療内科が心の病気にどこまで対応するかは各医療機関の方針や医師の専門分野によって変わることも多いため、事前に受診したい医療機関と自分の症状が合っているかどうか確認すると良いでしょう。

心療内科と精神科どちらを受診すればいいかわからないときは?

心療内科と精神科のどちらを受診すれば良いか迷ってしまう、というときは心療内科と精神科の両方を掲げているクリニックを受診しましょう。一つの医療機関で診察から治療まで行える場合があります。心理的な要因による身体の症状を中心に診ている心療内科と、心の症状を中心に診ている精神科の両方をカバーしている医療機関なら、両方の症状に対応しやすいです。

普段からよく受診しているかかりつけ医があるのなら、かかりつけ医の診察をもとに精神科・心療内科を紹介してもらえることもあります。一度、かかりつけ医に相談してみるのも良いでしょう。

心と体が疲れているサインをセルフチェック!受診した方がいい人の特徴

以下のような症状が多い、または強く出ていれば、心療内科の受診を検討しましょう。

  • ストレスがきっかけで、落ち込みが続いている
  • 検査を受けても、原因となる異常が見つからない耳鳴りがある
  • 下痢、嘔吐、便秘などを繰り返しやすい
  • 会議や電車など特定の環境や状況で、腹痛や震えその他の呼吸症状などがある
  • 朝、頭痛やだるさで会社に行けなくなった
  • 食欲が落ち、食べてもなかなか美味しいと感じない
  • 寝ても寝ても疲れがとれず、倦怠感がある
  • 疲れているにも関わらず、夜に眠つけない(入眠困難)
  • 疲れているにも関わらず、眠りの途中で起きてしまう(中途覚醒)
  • 朝早くに目覚めてしまい、再入眠もできない(早朝覚醒)
  • イライラや落ち込みなど、感情の起伏が激しくなった
  • 動悸や胸の圧迫感などがある
  • 手足の痺れ、震えなどを感じる
  • めまいや耳鳴り、喘息などの症状がある
  • 腹痛や下痢など、消化器系に不調がある

症状が多ければ多いほど心身症の可能性が高いと考えられますが、症状が一つしか当てはまらない場合でも、強く生じていて日常生活が困難なら一度心療内科に相談してみると良いでしょう。

心療内科で診断・治療してもらえる病気の種類

心療内科は精神科と同じ診断基準を用いるので、対象となる症状は精神科と重複するものも多く見られます。基本的な治療方法も同じで、薬物療法や精神療法を中心として治療を行います。前述のように両者の違いは、心療内科では心因性由来の身体症状(心身症)が中心であり、精神科では精神症状が中心となる点です。

また、精神科の場合は神経症性障害・発達障害・認知症などを含むすべての精神症状・精神疾患の治療を行います。治療の入口としてどちらを選べば良いかわからない、というときは心療内科・精神科のどちらを選んでも構いませんが、治療できる病気には以下のような違いがありますので、既に心当たりがあるなら

心療内科
心身症、消化器心身症、うつ病、睡眠障害、過換気症候群、拒食症 など
精神科
依存症、うつ病、解離性障害、強迫性障害、睡眠障害、摂食障害、双極性障害(躁うつ病)、適応障害、統合失調症、認知症、パーソナリティ障害、発達障害、パニック障害、PTSD など

心療内科とカウンセリングの違いは?

精神科や心療内科はあくまでも医療ですが、カウンセリングは医療とはやや異なります。

精神科や心療内科の目的
患者さんが訴える症状を治療によって改善・解決すること
カウンセリング
患者さん自身の抱える問題や心理的な葛藤などを対話によって時間をかけて改善・解決していくこと

精神科・心療内科とカウンセリングは根本的に役割が異なります。医師がカウンセリングに対応していたり、病院内にカウンセラーがいたりする場合は同じ病院でカウンセリングを受けられることもありますが、基本的には主治医と相談の上、別にカウンセリングに通う必要があります。もし、最初からカウンセリングも視野に入れている場合は、カウンセリングに対応している医師やカウンセラーのいる病院を選ぶと良いでしょう。

アルコール依存症や認知症は心療内科で治療できる?

アルコール依存症は専門性が高いため、治療にあたってはアルコール依存症を専門に扱っている精神科や心療内科を探しましょう。また、数は少ないものの一般的な総合病院や内科を標榜しているところでも、アルコール専門外来を設けている医療機関がありますので、こうした外来を利用するのも良いでしょう。

一方、認知症の場合は心の病気ではなく脳神経系の病気なので、基本的には「神経内科・脳神経外科・内科」などが良いでしょう。ただし、軽度の場合は精神科でも対応しているところがあります。また、「もの忘れ外来」「メモリークリニック」などを標榜している医療機関でも認知症に対応していますので、こうした医療機関を受診してみても良いでしょう。

また、普段から定期的に診察を受けているかかりつけ医がいるのであれば、内科・外科・整形外科など診療科目に関わらず、相談してみるのがおすすめです。本人の症状に応じて、認知症に詳しい医師や医療機関を紹介してもらえるかもしれません。

心療内科は治療が長期になりやすい?受診費用の相場と医療費負担制度を紹介

精神科や心療内科は、怪我などのように1回通院すれば治るというものではありません。そのため、探すときは「受けたい治療内容(カウンセリング対応など)」「医師の専門分野」はもちろんのこと、「通いやすさ(自宅からの時間や交通の便の良さ)」も考慮して選びましょう。

精神科や心療内科を受診したときにかかる費用は、保険診療(自己負担3割)で以下が目安となっています。

  • 初診:2,500〜5,000円
  • 再診:1,500〜2,500円

このように初診が高くなりやすいのは、十分な時間をとって患者さんのこれまでの話を聞いたり、採血・心電図などで身体症状を検査したり、診断の補助となる心理検査をしたりすることがあるからです。薬代は内容によっても変わりますが、2週間分でだいたい1,000〜2,000円程度となり、合計で3,000円〜6,000円程度となる場合が多いでしょう。

2回目以降の受診の場合、内容にもよりますが一般的には初診から1〜2週間後に再来院となります。このときは再診なのでたいていは初診より安くなり、検査が必要なければ1,500円程度、副作用や症状変化の確認のために再度の検査が必要なときは2,500円程度かかるのが目安です。お薬代は処方によって変わりますので、症状の変化によっては変わることもあります。

心因性の症状や病気を治療するためには時間がかかりますので、精神科・心療内科の通院にかかる費用を軽減するための「自立支援医療制度」という制度があります。他にも、精神科や心療内科などの診療科に関わらず、医療費が高額になりすぎないよう助成される制度もあります。ぜひ、これらの制度を上手に活用していきましょう。

自立支援医療
通常3割の自己負担を、1割まで軽減できる制度
高額医療費支給制度(高額療養費制度)
1ヶ月(1日から月末まで)にかかった医療費の自己負担が高額になった場合、一定の金額(自己負担限度額)を超えた分が後で払い戻される制度。自己負担限度額は、年齢及び所得状況などで細かく設定されている

精神科や心療内科の治療はある程度の時間が必要になることが多いため、どのくらいの期間で治るのか心配になる人も多いです。しかし、病気や症状も個人差もさまざまなので、一概にどのくらいで治るとは言えません。一つだけ言えるのは、症状が悪化してからよりも、軽症の段階で治療を始める方が短い治療期間で済みやすいということです。ぜひ、思い当たる症状があれば早めに心療内科を受診してみましょう。

おわりに:心因性の身体症状が出たら心療内科へ。重度の心の症状は精神科へ

心療内科は、基本的には心理的な要因による身体症状(心身症)を診察・治療する医療機関のことです。しかし、最近では軽度なうつ病など、精神科の領域も取り合っている心療内科もあります。迷ったときは、両方の科を掲げている医療機関が良いでしょう。

また、心療内科や精神科の治療は1回で終わらず、数ヶ月〜数年に及ぶこともあります。そのため、医療機関を探すときは治療内容や専門分野のほか、通いやすさも考慮しましょう。

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