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【前編】ストレスによる心身の不調を見過ごさないで!SOSのサインと対処法

頭痛と腹痛など体の不調に悩む女性 こころの不調
この記事は約11分で読めます。

精神的なストレスを抱えると、その影響はイライラや情緒不安定など心に出るものだと思われがちです。しかし精神的ストレスは、体の痛みとして症状が現れることも。

そこで、今回はストレスが引き起こす肌トラブル・胃腸の症状・肩こり・頭痛について紹介します。ストレスからくる身体の問題と対処法を知っておきましょう。

この記事でわかること
  • ストレスが体の不調を招く理由
  • 自律神経の乱れが体に与える影響
  • 胃腸が不調のときの食事のポイント
  • ストレスからくる肩こりの緩和法
  • 頭痛の種類と病院の治療法

ストレスなど心の疲れが身体トラブルをまねくのはなぜ?

神経は、体内において各組織と脳をつなぐ連絡経路(ネットワーク)の役割を持っています。神経を通じて脳からの司令や、身体の各組織からの情報が行き来することで、身体を正常な状態に保てるのです。脳や脊髄にある神経を「中枢神経」、全身に散らばっている神経を「末梢神経」と呼び、さらに末梢神経は「体性神経」と「自律神経」に分かれています。

体性神経
運動機能などに関係し、手や足などを意図的に動かすコントロールの働きをする
自律神経
胃腸や心臓、肺、肝臓、血管など多くの内臓器官の機能に関係し、本人の意思とは関係なく臓器の働きを調節する

自律神経には「交感神経」と「副交感神経」の2種類があり、互いにバランスを取りながら全身の臓器の働きを調節しています。ですから、自律神経のバランスが崩れると身体に不調が現れてしまうのです。例えば、ストレスを感じたときは交感神経が活発になりますが、その状態が長く続くと自律神経のバランスが崩れてしまいます。

ストレスを感じると、脳からの指令によって副腎皮質から「副腎皮質ホルモン」が分泌され、さらに副腎皮の中では「アドレナリン」というホルモンが分泌されます。これらのホルモンの働きで血糖値や血圧が上がり、免疫が抑えられ、胃酸の分泌が促され、目が覚めるといった身体の変化が生じます。

一般的に、交感神経は「活動の神経」と呼ばれ、副交感神経は「休息の神経」と呼ばれています。つまり、日中には交感神経が優位になって身体にさまざまな変化をもたらし、活動しやすい状態に導きます。副交感神経が優位になると、身体をリラックスモードに変化させます。

ストレスがかかると、ストレスに抵抗するため交感神経が活性化されて上記のようなさまざまな身体の変化をもたらします。通常はストレスが去った後、交感神経の働きが弱まって自律神経がバランスを取り戻します。ストレスが長期間にわたって続くと交感神経が働きっぱなしになってしまい、リラックス時にもうまく副交感神経が働かなくなってしまいます。

このように2つの自律神経の切り替えがうまくいかなくなり、どちらかの神経だけが働きっぱなしになってしまった状態を「自律神経のバランスが崩れた」と呼んでいます。現代社会では、交感神経が働きっぱなしになってバランスを崩す人が圧倒的に多いです。ストレスの感じ方には個人差がありますので、うまくリラックスして副交感神経を活性化していきましょう。

自律神経の乱れが体に与える影響とは?

自律神経のバランスが乱れて交感神経が優位な状態になると、一般的には以下のような身体の反応が見られます。

交感神経が優位な状態の特徴
  • 瞳孔が開き、眼球は突出する
  • 唾液の分泌が減り、濃度は濃くなる
  • 心拍数が増え、冠状動脈は拡張し、末梢血管が収縮する。そのため血圧が上がる
  • 気管支が拡張する
  • 消化管の運動が抑えられ、消化液の分泌が減る
  • 肝臓でグリコーゲンが分解され、血糖値が上昇する
  • 鳥肌が立つ

また、副交感神経が優位になると以下のような状態に変化します。副交感神経が働きすぎて自律神経の乱れにつながるケースは多くはありませんが、身体の変化を知っておきましょう。

副交感神経が優位な状態の特徴
  • 瞳孔は小さくなり、眼球は引っ込みがちになる
  • 唾液の分泌が増え、濃度は薄くなる
  • 心拍数が抑えられ、冠状動脈は収縮し、末梢血管が拡張する。そのため血圧が下がる
  • 気管支が収縮する
  • 消化管の運動が促進され、消化液の分泌が増える
  • 肝臓でグリコーゲンが合成され、血糖値が低下する

ストレスによる胃腸トラブル – 便秘や下痢、胃腸炎

ストレスで交感神経が優位になると消化管の活動が抑えられ、胃に大きな負担をもたらし、腹圧を高くしてしまいます。胃の中のものが逆流したり、胃酸が過剰に分泌されたりしてしまい、消化機能が不安定になり、吐き気が生じます。

ストレスによる吐き気の特徴は、

  • 胃や胸のムカムカ
  • キリキリとした痛み

などが挙げられます。頭痛と吐き気が同時に生じることも多いとされています。

過敏性腸症候群(IBS)の対処法

過敏性腸症候群(Irritable Bowel Syndrome)とは、お腹の痛みや調子の悪さ、それに関連して便秘や下痢などの排便異常(排便回数や便の形状の異常)が数ヶ月以上続くものの、大腸に腫瘍や炎症などの異常が見られないという疾患です。具体的な診断基準としては、以下のように定義されています。

過敏性腸症候群の診断基準
  • 最近3ヶ月の間に、月に3日以上にわたってお腹の痛みや不快感が繰り返し起こり、下記の2項目以上の特徴がある
  • 1)排便により、症状がやわらぐ
  • 2)症状とともに排便の回数が変わる(増えたり減ったりする)
  • 3)症状とともに便の形状が変わる(柔らかくなったり硬くなったりする)

過敏性腸症候群になる原因はわかっていませんが、細菌やウイルスによる感染性腸炎にかかった場合、回復後に過敏性腸症候群を発症しやすいことがわかっています。感染によって腸に炎症が起き、腸の粘膜が弱くなるだけでなく、腸に住む腸内細菌のバランスが変化し、運動と知覚機能が敏感になってしまうためです。

腸は食べ物を消化・吸収するだけでなく、不要なものを便として体外に排泄する役割も担っています。排泄のためには、食物を肛門方向に移動させるための腸の「収縮運動(蠕動運動)」と、腸の変化を感じ取る「知覚機能」が必要です。蠕動運動や知覚機能は、脳と腸の間の情報連絡によって制御されています。

そのため、脳がストレスを感じ取って不安状態になると腸の収縮運動が激しくなり、痛みを感じやすい知覚過敏状態に陥ります。この状態が強くなると過敏性腸症候群と診断されます。実際に、大腸に風船を入れて膨らませて刺激するという検査を行うと、健康な人では強く刺激しないと腹痛を感じないのに対し、過敏性腸症候群の患者さんではより弱い刺激で腹痛が起こることがわかっています。

過敏性腸症候群の患者さんでは、脳から腸に向かう信号も、腸から脳に向かう信号も両方が強くなっているとわかっています。ストレスで脳から腸に強い信号が向かうと、自律神経や内分泌系の働きを介して消化管運動を変化させます。さらに、食物はその種類と摂取方法によっては腸から脳に向かう信号を強め、知覚過敏状態を引き起こします。

過敏性腸症候群の治療は、過敏性腸症候群そのものをなくすのではなく、上手にコントロールして症状を軽減することが目的です。そのためには、「規則正しい生活習慣で正常な便通のリズムを作ること」と、「スポーツや趣味などでストレスを発散・軽減すること」の2つがポイントです。

過敏性腸症候群改善のための食生活のポイント

  • 神経質になる必要はないが、三食規則正しく食べること
  • 便秘型の人は食物繊維を多く含む野菜や果物(ごぼう、セロリ、人参、りんごなど)を積極的に摂取する
  • 下痢型の人は腸を刺激しやすいコーヒー・スパイス類などを避ける
  • お腹が張りやすい人は、炭酸飲料を控える
  • 没頭できる趣味に集中したり、スポーツで心地よく疲労したりして質の良い睡眠を得るのがおすすめ
  • 同じような境遇の人と話し合ったり、専門家によるカウンセリングを受けたりするのも良い

場合に応じて薬物療法を併用することもあります。鎮痛薬・消化器運動機能改善薬・精神安定剤・漢方薬などが処方されます。過敏性腸症候群の主な原因はストレスと考えられていますので、薬物療法はあくまでも補助的なものと理解し、規則正しい生活習慣の訓練とストレスの解消を怠らないようにしましょう。

ストレスによる胃腸炎の症状・対処法

ストレスが原因で胃酸が過剰分泌されると、胃の免疫力が低下し、ウイルスなどに感染しやすくなり、急性胃腸炎を引き起こすケースがあります。急性胃腸炎を発症すると激しい下痢や嘔吐が生じますので、できるだけ早く消化器科・内科・胃腸科などで診察を受け、早めに治療を行いましょう。

ストレスによる痛みのトラブル – 肩こり

ストレスは自律神経のうち、活動を司る「交感神経」を刺激することから、脳や身体が緊張状態に陥ります。血管が収縮して血流が滞り、その結果肩こりや頭痛、腰痛などさまざまな部位の痛みが引き起こされます。運動不足やデスクワークといった環境的な要因だけでなく、ストレスから肩こりや頭痛・腰痛が引き起こされるケースも決して少なくありません。

肩こりの対処方法

対処法としてはストレスを溜め込みすぎないよう、適度なところで上手に発散していくことが必要です。独自のストレス解消法を見つけている人は意識的に行えばよいのですが、慢性的な不調を抱える人ほど、自分に合ったストレス解消法に出会えていないことが多いのです。

肩こりの対処法としてマッサージや整体、ツボ押しなどに行くのも悪いことではありませんが、これらはあくまでもこりに対する対処療法であり、根本的な原因の解決にはならないこともあります。効果には個人差があったり、通い続けないとならなかったりします。リラクゼーションとしてのマッサージには、医学的な効果・効能が少ないものもありますので、自分が求める効果が得られるか注意しましょう。

ただし、リラクゼーションをストレス解消の目的で利用するのであれば、むしろ推奨できます。岩盤浴や温泉、スパ、アロマなどもリラックスを促し、ストレス解消に導いてくれるでしょう。あくまでも心地よさや気分のリフレッシュのためと割り切って利用するのであれば、リラクゼーションの効果も期待できます。

体ほぐしの自己流ケアのリスクと注意点

セルフケアで体をほぐすこともありますが、やり方を間違えると体に負担をかけてしまいます。次のような方法は筋肉や神経を痛めることがありますので控えましょう。

  • ひたすらぐいぐい押す
  • 関節をボキッと音がするほど強く刺激する

ストレスを解消法として、適度な運動も効果的です。例えば、レジャーに出かけて精神的な休息をとるなどです。特に、少しでも良いので汗をかくような運動を行うと、ストレス解消や自律神経のバランスを整えるのに役立ちます。

運動の種類やメニューは何でも良いのですが、無理なく続けられることが絶対条件です。数回で終わってしまってはほとんど意味がありませんので、日常生活の中に習慣として楽しく取り入れられるような運動が良いでしょう。例えば、好きな音楽を聞きながら20〜30分間、早歩きで散歩するなどは手軽に行えておすすめです。

準備運動として、腕を頭上まで回すと肩甲骨のストレッチ効果があり、首や肩のこりに関わる筋肉に良い影響が期待できます。また、入浴などで動かずに汗をかくより、運動によって身体を能動的に動かして汗をかくほうが効果的だとされています。筋肉の収縮と弛緩が交互に起こるので、ポンプ作用で全身の体液の循環が促され、むくみ対策にもなります。

さらに、運動で適度な疲労を得ると質の良い睡眠につながりやすく、自律神経失調症の症状として現れやすい「寝つきが悪い」「眠りが浅い」などといった睡眠障がいにも良い影響が期待できます。眠れない、夜中に起きてしまうなどの症状に悩んでいる人も、ぜひ適度な運動を生活に取り入れてみましょう。

ストレスによる痛みのトラブル – 頭痛

ストレスによって頭痛が起こることもあります。頭痛には大きく分けて「緊張型頭痛」と「片頭痛」の2種類があり、一般的にストレスで起こる頭痛としては、ストレスによる筋肉の緊張で起こる緊張型頭痛が知られていますが、片頭痛もストレスによって生じるケースがあります。

緊張型頭痛とは?

肩こり、目の疲れ、ストレスなどが原因で筋肉が硬直していると起こりやすい頭痛。
毎日から週2〜3回程度の頻度で起こり、慢性頭痛と呼ばれるます。重く締めつけられる、ぎゅうっと圧迫されるなどと形容される、軽度〜中等度の痛みを感じることがあります。

後頭部の両側や目の奥などが痛み、肩や首のこり、光や音に過敏になることもあります。デスクワークやパソコン作業が多い、ストレスに弱い、メガネが合っていないなどの理由で起こりやすいです。

片頭痛とは?

月に1〜2回から数ヶ月に1回の頻度で起こり、1回あたり1時間、長いときは数日間にもわたって続く頭痛。女性に圧倒的に多い頭痛の一つで、頭部の血管が何らかの要因で拡張し、血液の流入量が増えたり、血管周辺に炎症が起こったりして起こると考えられています。

ズキンズキンと脈打つような痛みと形容され、頭の片側を生活に支障が出るほどの強い痛みが特徴的です。頭の片側、あるいは両側が痛み、吐き気や光刺激への過敏さなどが起こることもあります。

きっかけとなるのは気圧の変化や天気、食べ物、運動、光や音などの刺激、月経前後、睡眠、ストレスなどさまざまです。

辛い頭痛の対処法は脳神経科や頭痛外来に相談!

いずれの頭痛の場合も、脳神経内科・脳神経外科・内科・ペインクリニック内科などを受診すると良いでしょう。普段からかかりつけの医師がいる場合は、相談すると頭痛専門の医師や外来を紹介してもらえます。自分では片頭痛だと思っていても緊張型頭痛だったり、重篤な疾患が隠れていたりすることもありますので、できるだけ頭痛専門医を受診しましょう。

また、受診の際には以下のようなことをメモにまとめていくと、スムーズに診察が行えます。

  • 最初の頭痛はいつ頃始まったか(痛む場所、痛み方、前兆や随伴症状の有無、それ以降の頭痛の頻度)
  • 現在の頭痛について(痛む場所、痛み方、前兆や随伴症状の有無、頻度)
  • 頭痛のとき、温めるのと冷やすのではどちらが楽になるか
  • 頭痛の最中に頭や身体を動かすと酷くなるか
  • 頭痛の最中に光、音、においなどを不快に感じるか
  • 家族や身近な親戚に頭痛持ちの人がいるか

辛い痛みは放置すると悪化するおそれがあります。症状を改善させるためにも、医師のアドバイスを仰ぐことがおすすめですよ。

後編はこちら

【後編】ストレスによる心身の不調を見過ごさないで!肌・睡眠・食欲の異変とは
仕事や人間関係の悩みはストレス蓄積につながります。ストレスを原因とする心身の不調にはさまざまな症状があります。 前編では体に痛みや不調として現れるストレス症状を紹介しましたが、この記事ではストレスが引き起こす肌トラブルや睡眠、食欲の不調について対処法を合わせて解説します。

おわりに:ストレスは辛い体の痛みの原因に!上手にストレス発散しよう

心身にストレスがかかると、自律神経の乱れや肌荒れ、胃腸トラブル、不眠症、肩こり、頭痛、摂食障がいなど、心身にさまざまな不調が引き起こされます。そのため、根本的なストレスを解消することが重要です。後編では、ストレスが肌、睡眠、食欲に及ぼすデメリットを紹介しますので参考にしてくださいね。

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