ドライアイでコンタクトレンズをつけて大丈夫?乾き改善セルフケアと病院の治療って?

点眼薬で目薬の緩和をするからだの悩み
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ドライアイは重篤な疾患ではありませんが、違和感が生じたり、目に小さい傷ができて視力が低下したりと、日常生活に支障をきたす疾患です。治療には病院での指導とセルフケアが欠かせません。

そこで、今回はドライアイの検査方法やセルフケア、コンタクトレンズ使用の注意、治療方法についてご紹介します。また、ドライアイの影に他の疾患が隠れている場合もありますので、一緒に見ていきましょう。

この記事でわかること
  • ドライアイの症状や日常生活のリスクって?
  • 涙の質や角膜の状態を検査する方法
  • 点眼薬ヒアレイン、ジクアス、ムコスタの違い
  • 点眼プラグはどんな症状のときの治療法?
  • コンタクトはハード?ソフト?ドライアイにおすすめなのはどっち?
  • コンタクト着用時に使えるおすすめ市販目薬

眼精疲労はドライアイのせいかも?症状や視力への影響は?

ドライアイとは、涙の分泌量や質が低下して角膜が乾燥したり、目の表面が傷ついたりしてしまう疾患のことです。自覚症状としては、以下のような症状が現れます。

  • 目が疲れる
  • 目が乾いた感じがする
  • ものがかすんで見える
  • 目に不快感がある
  • 目が痛い
  • 目が赤い
  • 目が重たい感じがする
  • 涙が出る
  • 目がかゆい
  • 光を見るとまぶしい
  • 目がごろごろする
  • 目やにが出る

もし、ドライアイかな?と思ったら、簡単なチェック方法があります。それは「10秒間、まばたきをせず目を開けておく」というもので、これができればドライアイではない可能性が高い、と考えられます。

一般的に、ドライアイは失明などにつながるような重篤な疾患ではありません。そのためついつい軽く扱われがちですが、悪化するとVDT症候群(コンピューターのディスプレイの見つめ過ぎで起こる目・体・心などへの症状)のように慢性の頭痛、肩こり、全身の倦怠感、抑うつ状態などに至ることもあります。

また、視力検査では1.5や1.0など、生活上問題ない数値を測定していても、ドライアイによって実際に見える視力は低下しているという場合もあります。こうした状態は「実用視力の低下」と呼ばれ、特に車の運転中などに危険が伴います。車の運転をされる人で、ドライアイのある人は注意しましょう。正しくドライアイのケアを行い、十分な視力を保つことが必要です。

ドライアイの検査方法は?

ドライアイの検査では、その原因を確認するために涙の量や質を調べます。また、乾燥によって生じた角膜表面の傷の状態や、他の病気がないかどうかについても検査を行います。場合によっては生活習慣や職場環境など、外部要因を取り除くことも大切になりますので、医師としっかり相談することが重要です。

ドライアイが疑われるときに行われる主な検査は、以下の4種類です。

BUT検査(涙の質を調べる)
フルオレセインという色素を点眼してから、細隙灯顕微鏡(さいげきとうけんびきょう)で青い光を当てながら目の表面を観察する
まばたきを止めると、時間が経つにつれて涙が蒸発して色素が消える部分が現れてくるので、涙の層がどのくらいの時間で乾燥するかを測定する検査
BUT(Break Up Time)と呼ばれ、10秒以上なら正常、5秒以下ならドライアイの可能性が高いと判断される
生体染色検査(角膜や結膜の状態を調べる)
ドライアイで目が乾燥すると、角膜(黒目)や結膜(白目)に傷がつきやすくなる
特殊な色素を点眼してから、細隙灯顕微鏡で角膜や結膜の状態を観察する
傷ついた部分が染色されるので、角膜や結膜についた傷の状態を見ることができる
色素には、黄色いフルオレセイン、ピンク色のローズベンガルなどが使われる
シルマー試験(涙の量の測定)
シルマー試験紙というろ紙を下まぶたに挟み、5分間でどれだけ涙が染み込んだか測定する
ろ紙が濡れた長さが10mm以上なら正常、5mm以下ならドライアイの可能性がある
ろ紙を下まぶたに挟むと、その刺激で涙が出て正確な測定ができない場合もあるため、代わりに細い糸を用いる「錦糸法」という方法もある
血液検査(他の病気を調べる検査)
涙の量が極端に少ない場合や、目の乾燥感と同時に口が渇く症状があるという場合
シェーグレン症候群など他の疾患の可能性を調べるため、血液検査を行う

全身の病気シェーグレン症候群など病気がドライアイに関係ある?

前述のように、シェーグレン症候群など何らかの別の疾患がドライアイを引き起こすこともあります。ドライアイを引き起こす疾患としてよく知られているのは、主に以下の3つです。

シェーグレン症候群
正常な組織を自ら攻撃してしまう「自己免疫疾患」の一種と考えられている
慢性唾液腺炎や乾燥性角結膜炎などが主な症状で、喉や目が乾燥する
兎眼
目を閉じられなくなり、目の表面が強度の乾燥状態になって点状表層角膜症や角膜混濁が生じる疾患
角膜潰瘍や感染症が伴う重篤な症例もあるため、軽視は危険
スティーブンス・ジョンソン症候群
急激に発生する皮膚や粘膜への炎症性疾患で、薬剤投与やウイルス感染が主な原因とされる
目に現れる症状としては、涙液分泌低下や点状表層角膜症など
重症例では、失明状態や角膜移植に至ることもある

一般的なドライアイでは失明に至ることがないとされていても、これらのように重篤な症例に至る場合は、最悪の場合失明の可能性があります。また、ドライアイはアレルギーなどを併発する場合もありますので、単なるドライアイなのか、こうした他の疾患が隠れているのかを正しくチェックするためにも、必ず一度は専門医の診察を受けましょう。

ドライアイ治療法-点眼薬と目軟膏

ドライアイの治療では、第一に点眼薬が選択されます。特によく使われているのは「ヒアルロン酸」の点眼で、最近は「ジクアス点眼液」や「ムコスタ点眼液」など、新しいものも発売されています。

ヒアレイン点眼液

  • 角膜上皮細胞の接着・伸展を促進し、角膜上皮の創傷の治癒を促進する
  • 涙を保持し安定させ、目の乾燥を防ぐ。通常、1回につき1滴を1日5〜6回点眼

ジクアス点眼液

  • 涙の成分であるムチンや水分の分泌を促進し、涙の状態を改善することで各結膜上皮の障害を改善する
  • 通常、1回につき1滴を1日6回点眼

ムコスタ点眼液

  • 角膜および結膜のムチン産生を促進し、角膜と結膜の障害を修復することでドライアイの治療を行う
  • 通常、1回につき1滴を1日4回点眼

また、点眼薬では自覚症状をコントロールできない場合、眼軟膏を使うこともあります。もし、処方された薬で効果が見られない場合は、主治医に相談してみましょう。

ドライアイ治療法-涙点プラグ治療って?ブラグが外れたらどうする?

涙は涙腺で作られ、目頭の上下にある「涙点」というポイントから排出されます。涙点は左右の目それぞれに上下1つずつ、計4点あります。この涙の排出口を涙点プラグで塞ぐと、涙を目に留まらせる効果が得られます。一般的には下にある方の涙点2つを塞ぎますが、症状が思うように改善しないときは、上の涙点にも同様のプラグを挿入します。

挿入した涙点プラグは日常生活の範囲で外れることはありませんが、目を強くこすったり、涙点の形が非常に特殊であったりする場合には、まれに外れてしまうこともあります。涙点プラグは挿入しているだけなので、外れてしまった場合はもう一度涙点プラグを挿入し直せば簡単に処置し直せます。

プラグは目を痛めないようできるだけ柔らかい素材でできていますが、シリコンとコラーゲンのいずれかによって多少特徴が変わってきます。どちらのプラグを挿入するかはそれぞれのプラグの特徴とドライアイの症状を考え合わせ、医師と相談しながら決めましょう。

シリコンプラグの特徴と費用目安

シリコンプラグは固体のプラグで、コラーゲンと比べると硬い分効果が出やすいとされています。平均7ヶ月程度で自然に抜けてしまいますが、人によっては何年も問題なく使えることもあります。しかし、固体の異物を入れることからどうしても白目に当たって充血してしまったり、ごろごろとした異物感を感じたりしてしまうことがあります。

術後数日で抜けてしまったり、迷入したり、肉芽を作ったりすることもありますので、術後に何らかの違和感が生じたらすぐ主治医に相談しましょう。また、挿入の施術料はシリコン・コラーゲンとも同料金で、以下のようになっています。別途、検査・診察・薬代がかかります。

  • 涙点プラグ挿入術(1割負担):1,100円
  • 涙点プラグ挿入術(3割負担):3,300円

涙点プラグ挿入術は、適応となれば当日に外来で施術でき、術後から出血や腫れもなく、コンタクトレンズなどもすぐに使えます。ただし、必要なシリコンプラグのサイズが通常よりも極端に大きい、または小さいということが術前検査でわかった場合は適切なサイズのプラグを取り寄せる必要があります。その場合はプラグが届いてからの施術となりますので、もう一度来院して施術を行います。

コラーゲンプラグの特徴と費用目安

コラーゲンプラグの大きな特徴は、液体を固めるため異物感が少なく、白目に当たって充血するようなことはないというところです。しかしその反面、下部の2点のみではほとんど効果が期待できないため、最初から左右2点ずつの計4点にプラグを挿入する必要があります。

また、日々溶けて効果が弱くなっていき、2〜3ヶ月程度で効果がなくなってしまうため、シリコンプラグと比べて頻繁に施術が必要です。1回の施術にかかる費用はシリコンプラグと同じなので、コストパフォーマンスはやや低めかもしれません。

ドライアイのセルフケアのポイントは?

ドライアイになるのは、VDTの長時間使用などライフスタイルの問題に拠るところが大きいと考えられています。そこで、日頃からセルフケアとしてドライアイにならないよう、または悪化しないよう生活習慣を見直すと良いでしょう。具体的には、以下の4つのポイントに注意します。

ディスプレイに向かうときは、まばたきを意識的に増やす
長時間のデスクワークに携わる人は、1時間に15分程度はコピーなど他の作業を交えて身体を動かしたり、休憩をとったりする
見やすい画面で作業する
画面に照明や窓の光が映り込んだり、文字を小さく表示したりすると、画面が見づらくなって凝視してしまう
仕事環境を整える
空調の風が顔に当たると、目がすぐ乾いてしまう
室内が乾燥しているなら加湿器を置くなど、適度な湿度になるよう気をつける
蒸しタオルを使う
目が疲れたら、蒸しタオルをまぶたの上に乗せて5分程度休憩する

また、「午後や夕方になると目の調子が悪くなる」「コンタクトレンズを使っていると目がゴロゴロする、充血する」といった症状が出る場合は、ドライアイの可能性が高いと考えられます。そのまま放置したり、コンタクトレンズを使い続けたりしているとさらに状態を悪化させてしまいます。

目の違和感や充血などの症状が出たとき、とりあえず市販の点眼薬や洗浄液を使ってしまう人は多いのですが、そのときは快適になるものの、使いすぎるとかえって症状を悪化させてしまう場合もあります。点眼薬に含まれる防腐剤や刺激物の副作用、貴重な自分の涙を洗い流してしまうなどの理由から、乱用は推奨できません。できるだけ眼科で適切な指導と治療を受け、自分の涙を増やすよう心がけましょう。

マイボーム腺機能不全の治療はセルフケアが大切!

マイボーム腺機能不全とは、まぶたの中にある「目の表面を覆う脂を出す腺」が詰まってしまい、ドライアイを引き起こす疾患です。この疾患には毎日のセルフケアが重要で、「温罨法(おんあんぽう)」と「眼瞼清拭(がんけんせいしき/リッドハイジーン)」という2つの方法があります。

温罨法とは、目の周囲を温めてマイボーム腺の詰まりを緩和し、まぶたの血流を改善する方法です。まぶたに行う場合は蒸しタオルやホットアイマスクを4〜5分置き、その後清潔なコットンなどでまつ毛の根元を優しく拭き取るようにします。簡単に行えて効果が実感しやすいのが温罨法の良いところで、1回5分を毎日2回行うとより早期に効果が実感できます。

眼瞼清拭とは、まつ毛の根元周辺を優しくマッサージするように洗浄する方法です。市販の眼瞼清拭綿や抗菌薬の点眼を含ませた綿棒を使い、まぶたの縁をキレイにしていきます。どちらも無いときは、清潔なティッシュを水に濡らして絞ったものでも構いません。マイボーム腺の脂の排出を促したり、汚れなどの詰まりを除去したりする効果が期待できます。特に、アイラインに化粧をする人にはおすすめです。

ドライアイでもコンタクトレンズして大丈夫?着用時に使える目薬は?

コンタクトレンズを着用していると目が乾燥しやすいのは、残念ながら事実です。特にソフトコンタクトレンズでその傾向は強く、コンタクトレンズによって涙がレンズの上下に分断され、レンズ表面にある涙が薄く不安定になるためです。ドライアイには、涙の量が減るタイプと涙が蒸発しやすいタイプの2種類がありますが、いずれもコンタクトレンズでより悪化してしまう傾向が見られます。

しかも、コンタクトレンズによって涙が不安定になっている状態で、エアコンなどで空気が乾燥している部屋で過ごしたり、スマートフォンやパソコンの画面を長時間見続けたりしていると、ますます目の乾燥を感じやすくなってしまう可能性があります。涙の分泌量を増やすまばたきを意識的に増やすのも一つの方法ですが、自分で涙の分泌量そのものをコントロールできるわけではありません。

さらに、ドライアイは涙の量だけでなく、質も関係してきます。ドライアイにはさまざまな病態があるため、病態に応じてふさわしい目薬も異なり、一概にすべて目薬をさせば良いとは限りません。最近では技術の進化に伴い、レンズ表面の涙が安定しやすく、目の乾燥感を覚えにくいコンタクトレンズの素材も開発されていますので、どうしてもコンタクトレンズをつけたい場合は、医師と相談しながらそうした素材を選ぶのも良いでしょう。

また、コンタクトレンズ装着中は以下の3つのポイントに注意して過ごしましょう。

まばたきの回数を増やす
意識的にまばたきを行い、目の乾燥を防ぐ
目薬を点眼し、目のうるおいを増やす
コンタクトレンズの上から使える人工涙液を点眼し、目の乾燥を防ぐ
用法・用量を守って点眼し、乾燥から目を守るよう心がける
一度開封した目薬は長期間放置したりせず、できるだけ早めに使い切る
※何年も前の目薬を使うと、細菌感染などを引き起こす可能性があるため注意
定期的にケアし、コンタクトレンズを衛生的に利用する
コンタクトレンズを外さず寝てしまうなどは、目に大きな負担をかけて角膜潰瘍などの原因となるためNG
コンタクトレンズは医療機器なので、ソフトレンズ・ハードレンズそれぞれの洗浄・保存方法で管理する
汚れたままのレンズは目に負担をかけるだけでなく、細菌が繁殖し、角膜潰瘍を引き起こす原因になる

コンタクトレンズを使っているときに目の痛みを感じる人の約1割は、以下のような要因で何かしらの眼の障害が生じているとされています。

  • 装用サイクルオーバー(使い捨て以外の場合、約2〜3年が装用サイクル)
  • 洗浄不良など、使用方法の問題
  • キズ・汚れ・劣化・破損など、レンズ自体の問題
  • 定期検査や説明指導を適切に受けていない

中には、来院したときには既に障害が酷くなっているという場合もあります。特にソフトタイプのコンタクトレンズの場合、接触面積が大きいことから眼痛を自覚しにくいため、注意が必要です。安心して使い続けるためにも、定期検査を受けるとともに、眼科医の指導のもとで正しく使うようにしましょう。もし、通信販売など眼科以外で入手したコンタクトレンズで目に異常を感じたときも、必ず眼科医の診察を受けましょう。

最後に、コンタクトレンズと併用可能な人工涙液型の目薬をご紹介します。

コンタクト装着時に使える市販目薬

参天製薬 ソフトサンティア 5mL
1週間使い切りタイプなので、感染などの心配が起こりにくい
医療機関でも使われている
参天製薬 ソフトサンティアひとみストレッチ 5mL
ピント調節機能に加え、人工涙液型で防腐剤フリー
ロート ソフトワン点眼液 5mL
1週間使い切りタイプで、ボトルのデザインがオシャレ

この他、さまざまなタイプの人工涙液型目薬が販売されています。どれが良いかわからなければ、薬剤師に相談しながら選ぶと良いでしょう。

どうしてもコンタクトレンズの使用が必要な場合でも、目の潤いキープを重視したコンタクトレンズをなるべく選ぶか、医師に相談してください。

またはコンタクトレンズの装着時間を目に違和感が出ないくらいの短時間にして、メガネと併用するようにしましょう。そして、早めに専門医の診察を受けるのをおすすめします。

メガネをあまり使いたくないという人は、レーシックなどの手術でコンタクトレンズを不要にする選択肢も視野に入れると良いでしょう。いずれの場合も、医師とよく相談して決めるのが大切です。

おわりに:ドライアイでもつけられるコンタクトレンズもある。セルフケアが大切

ドライアイの病状には個人差がありますので、涙の質や量をはかる検査を行い、適切な治療や指導を受けなくてはなりません。また、ドライアイの後ろに大きな疾患が隠れている場合もありますので、最初は必ず病院で診察と検査を受けましょう。

ドライアイのみの場合は、コンタクトレンズをつけても構いません。その場合、目が乾燥しにくいコンタクトレンズを使ったり、こまめに人工涙液を点眼したりするセルフケアを行いましょう。

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