学校にも職場にも、家族のなかにも「価値観が合わない人」はいるものです。
しかし価値観が違っても、どれだけ話が合わなくても、良い関係を築いていかなければならないシーンは多々ありますよね。
そこで今回は価値観を理想主義・現実主義の2つに分け、価値観が合わない人ともうまく付き合っていくためのコツを紹介していきます。
- この記事でわかること
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- 理想主義と現実主義が仕事でしがちな言動や考え方
- 苦手な人とも良好な関係を保つコツ
- 合わない人との関係が悪化する原因
- 職場の人間関係で悩んだときの対処法
職場でもあるある!価値観や性格の不一致が及ぼす影響
職場や学校など、不特定多数の人が集まる場では、「合わない」「苦手だ」と感じる人がいるのは珍しくありません。他者を「苦手だ」と感じる理由のひとつに、価値観の違いが挙げられます。
価値観とは、各個人が持つ物事に対する見方の基準のことです。具体的には何を大切に感じるか、何を悪だと感じるかが、その人の持っている価値観を形成していると言えます。
この価値観が似ている人同士ほど「相性が良い」「合う」と感じ、価値観がかけ離れている人同士は互いに「合わない、苦手だ」と感じる傾向があるのです。
職場においても、仕事への価値観の違いは働き方や仕事の進め方、出世を望むか否かなどの勤務態度に強く現れてきます。このため価値観が合わない人同士、近しいポジションで協力して仕事を進めるとなると、互いにやりづらさを感じる可能性もあるでしょう。価値観は人により一人ひとり異なるため、100人いれば100通りの価値観が存在します。
なかでも価値観を二分する大きな軸となり得て、互いに正反対の性質を含む考え方に「理想主義」と「現実主義」が挙げられます。
- 理想主義とは
- 現実よりも理想を重視し行動しようとする価値観のこと
- 現実主義とは
- 理想よりも目の前にある現実を重視し、行動しようとする価値観のこと
次章からは理想主義と現実主義、それぞれの価値観を持つ人の特徴を見ていきましょう。
理想主義の人の特徴
まず理想主義の人に見られる特徴としては、以下が挙げられます。
- さまざまな分野や事象に理想、夢を見出して追い求める
- 理想を求め没頭するため、ロマンチストと称されることもある
- ポジティブなイメージを語るため、周囲に希望を与え好感を持たれることも多い
- 理想を追い求め、自由な発想で、独創的なアイデアや商品を出すことができる
- 基本的に争いを好まず、円満で理想的な人間関係構築のために努力する
- 周囲と円満な人間関係を築こうとするあまり、気を使い過ぎて疲弊することもある
- 自分の理想に対し忠実に行動するため、周囲から自己中心的と捉えられる
- 独創的ゆえに周囲から理解を得られず、混乱や否定的な反応を招くことも多い
- 他の人にも自分と同様、各々の理想を掲げ突き進んで欲しいと考えている
- 親しい人、特に恋人となる人には高く明確な理想像を持っている
- このため自身の理想に叶うパートナーになかなか巡り合えず、知り合えたとしても理想通りの関係が築けず、破局してしまうことが多い
- 理想が高いゆえに、理想に対して80~90%の成果では満足できない完璧主義の傾向も見られる
当てはまる項目が多い人は理想主義かもしれません。理想主義の人は目の前の状況や周囲の感覚よりも、自分が描く理想や目標に意識が向きがちです。
その性質のおかげでポジティブに周囲を引っ張っていくこともできますが、理想とのズレに厳しい対応をしたりミスを気にし過ぎたりすることもあるので気をつけましょう。
現実主義の人の特徴
対して、現実主義の価値観を大切にする人には、以下のような特徴が見られます。
- 常にリスクを最小限にしたいと望み、物事を進めるときは最も効率的かつ合理的な方法や経路を選択しようとする
- 計画的に行動することを好み、仕事でもプライベートでも、ある程度のトラブルは想定したうえで計画を立て実行する
- 金銭面においても計画的であり、先々のことまで考えて貯金や資産運用をしがち
- 感情のコントロールが得意で、冷静に知性と理性を働かせて行動していく
- 感情論よりも、客観的事実や結果、結論、根拠を重視して話をする
- 合理的かつ計画的であるために、物事の結論を急ぐせっかちな一面もある
- こまめに情報収集を行い、無駄な時間や労力をかけずに現状最も納得のいく決断を下したいと考える
- リスクや不安を恐れるため、想定外の出来事に弱く臨機応変な対応が苦手な場合がある
当てはまる項目が多い人は、現実主義かもしれません。仕事の遂行能力が高くテキパキと働くため、周囲からの信頼を得やすい特徴を持ちます。
一方、データ重視で計画外の出来事に柔軟に対応できない傾向もあります。コミュニケーションをとって人間関係を円滑にするように意識してみてください。
なんか合わないな..という同僚・上司・部下との関わり方
上記の理想主義、現実主義の項目に当てはまるものが多かった人は、反対の性質を持つ人との人間関係に悩むことが多いこともあるでしょう。
特に直属の上司や同僚、部下など密にやり取りをする人物と価値観が合わないと気付いた場合、毎日のコミュニケーションが非常にストレスになります。
そんなときは、以下を参考に苦手な相手とコミュニケーションを取り、相手への礼儀は守りつつ自身の心を守りましょう。
職場の苦手な人とコミュニケーションを取るときのコツ
- 仕事上の付き合いであると割り切り、プライベートでは苦手な人のことを考えない
- 自分にない良いところ、尊敬できるところを苦手な人のなかに意識的に探してみる
- 仕事上の不都合や周囲への悪影響が出ないよう、お礼と謝罪、挨拶、返事はきちんとする
- 苦手な人を反面教師と考え、自分が同じような振る舞いをしないための観察対象とする
- 苦手な人の価値観を変えることは困難なので、相手の言動を分析したうえで自分が楽になるように相手との関わり方、言葉の受け取り方を変えていく
一方で、価値観が合わないと感じる職場の人に対して、絶対にしない方が良い言動としては以下が挙げられます。こちらも必ず、併せて覚えておきましょう。
職場で価値観の合わない人に対し、しない方が良いこと
- 苦手だからと言って、相手が大切にする価値観を尊重せず真っ向から否定すること
- 自分の価値観を重視するあまり、相手に「この価値観こそ正しい」と押し付けること
- まったく相容れないのに、苦手な相手の価値観を無理やり理解し合わせようとすること
職場の人間関係でストレスを感じた時の対処法
ここまでに紹介した対処法、コミュニケーションの取り方を実践してもストレスが軽減されないときは、何らかのかたちで苦手な人から離れた方が良いかもしれません。
職場の人間関係に悩み、苦手な人から離れたい場合の対処法を紹介しますので、自身の現状を考え可能な方法で退避しましょう。
職場の苦手な人から、離れるためにできること
- 人事部、または上長に必要ならば簡単に事情を話したうえで、異動願いを出す
- 転職活動を開始し、自分に合った仕事内容や環境が見つかり次第退職する
- 心身に不調が生じている場合、休職や退職を検討する
ただし、部署を異動したり勤務先を変えてもまた苦手な人がいる可能性はありますし、退職代行には問題点も指摘されています。異動や転職・退職ですべての問題が解決するわけではないことはきちんと理解したうえで選択するのが重要です。気力が湧かない場合は退職代行の利用も慎重に検討してみてはいかがでしょう。
なお諸事情から異動や転職・退職するのが難しく、今後も苦手な人と仕事を続けていく場合は、以下の対策を試しましょう。
苦手な人と、今後もうまく働いていくためにできること
- 人事部やハラスメント相談窓口、労働基準局、または信頼できる友人や家族に相談する
- 互いと会社の仕事のゴールを確認、共有し、そのゴールだけを見て日々働くようにする
個人の価値観ではなく、仕事上の目標達成という共通のゴールを設定・共有することで、苦手な人への印象もかなり変わってくるはずですよ。
おわりに:互いの価値観の違いを活かし、職場の人とは仕事上のゴールという共通目標に向かい一緒に進んでいこう
どんな価値観にも、それぞれに長所・短所があります。例えば、理想主義者の集中力と行動力はリスクを恐れる現実主義者を助けてくれるでしょうし、現実主義者の計画性は理想主義者が甘くなりがちな計画性を補います。職場にも、かなりの高確率で価値観の合わない人はいますが、相手への礼節を欠くことなく、仕事という共通の目標達成に向け協力できるようにしましょう。
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