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日焼けの健康リスクは肌トラブルだけじゃない?運動や車の運転中の日焼けを予防する方法とは

運動中に日焼け止めで紫外線対策をする からだの悩み
この記事は約8分で読めます。

シミやシワなど、肌トラブルの原因となることから、美容の大敵として知られる日焼け。

しかし日焼けは、肌トラブル以外にもさまざまな健康リスクの原因となり得るのです。
今回は日焼けが一因となる健康リスクを、紫外線の影響、肌に起こる症状の違い、基本的な日焼け対策や日焼け後のケアの方法と一緒に紹介していきます。

この記事でわかること
  • 「UV-A」「UV-B」「UV-C」が体に与える影響
  • 肌トラブル以外にも気をつけたい紫外線によるダメージ
  • 日焼け止めの「紫外線吸収剤」と「紫外線散乱剤」の違い
  • 飲むタイプの日焼け止めを使用するときのコツ
  • 日焼け後の炎症を落ち着かせる対処法

日焼けのメカニズムって?「サンバーン」と「サンタン」の違いとは

日焼けは、地表に届く光のうち最も波長の短い「紫外線」によって肌に起こる症状です。

紫外線とは
英語で「Ultra Violet」と表記される太陽光線。可視光線とは異なり、目に見えない。紫外線は波長の違いにより「UV-A」「UV-B」「UV-C」の3種類があり、このうち地表にまで届くUV-A・UV-Bが日焼けを引き起こします。

また厳密には、日焼けはUV-Aによる「サンバーン」とUV-Bによる「サンタン」の2つの症状をあわせた総称となります。

「サンバーン」と「サンタン」の違い

サンバーンとは
UV-Bを吸収したDNAが傷つき、この傷を修復・除去しようとして皮膚や粘膜に起こる反応のこと。紫外線によって皮膚がやけどを負った状態にあたる。具体的には日焼け直後の肌が赤くなった状態がサンバーンにあたり、炎症で死んだ皮膚は1週間ほどで剥がれ落ちるが、水疱やサンタンへ移行することもある。
サンタンとは
UV-Aによって体内の色素細胞「メラノサイト」が刺激され、肌に色素沈着が起こった状態。
色素沈着の原因は、メラニンと呼ばれる紫外線の吸収率が高い成分。いわゆる肌が茶色く日焼けした状態のことで、紫外線による刺激から身を守ろうとする防御反応の一種である。

黄色人種や白人など、肌の色素が薄い人種ではサンバーンからサンタンへ移行するケースが多いことが特徴です。なおメラニン色素は、シミやそばかすなどの肌トラブル、老化の一因となると考えられています。

肌トラブルや重篤な疾患も!紫外線が体に及ぼすリスクは大きい!

日焼けのメカニズム、日焼けによって起こるサンバーンとサンタンの症状がわかったら、次は紫外線が体に及ぼす影響についてもう少し詳しく見ていきましょう。

紫外線が体に及ぼす良い影響、悪い影響は、それぞれ以下の通りです。

紫外線が体に及ぼす良い影響
  • カルシウムの吸収、骨の成長に必要なビタミンDの生合成
  • 適切な量の照射による、乾癬やアトピー性皮膚炎など皮膚疾患への治療効果
紫外線が体に及ぼす悪い影響
  • サンバーンによるやけど症状、痛み
  • サンタンによるシミ、シワなどの肌トラブル
  • 皮膚がんや光線過敏症など、疾患発症リスクの増加
上記から美容面以外にも、紫外線が私たちの健康にさまざまなリスクを及ぼすことがわかりますね。適量を浴びるだけであれば、紫外線は私たちの健康維持にも役立つ光線です。しかし必要以上に浴びすぎると免疫機能が低下し、以下のような重大な疾患を発症する一因となることも知っておきましょう。

紫外線の浴びすぎで発症リスクが高まる、重大な疾患の例

皮膚がん
皮膚細胞内の核が紫外線で聞く月、突然変異することで発症リスクが高まるがん。
紫外線角膜炎
「雪目」とも呼ばれる目の疾患。紫外線で目の細胞が傷つき、目に痛みや充血、涙が出るなどの症状が現れる。
白内障
過度に紫外線を吸収した目の中で活性酸素が発生し、レンズ機能を担う水晶体という器官が白く濁り、視力に影響が出る疾患。

基本の日焼け対策とおすすめグッズ

紫外線による健康リスクを回避するには、基本的な対策で「紫外線が直接肌に当たらないようにする」のが最も効果的です。以下に、基本となる3つの日焼け対策をそれぞれ解説していきます。

基本の日焼け対策

1.衣類は長袖を着用する
市販の長袖のシャツは、肌に降り注ぐ紫外線のおよそ90%を遮断してくれる。特に紫外線透過率の低い黒や赤、紫など濃い色の長袖・長ズボンやロングスカートを着用すると、とても有効な紫外線対策になる。
2.つばの大きな帽子をかぶる
顔や首、肩を紫外線から守るには、帽子をかぶるのがおすすめ。こちらも衣類と同様、濃い色のものほど紫外線透過率が低くなるので、より高い紫外線遮断効果が期待できる色や素材、かたちの帽子を日常的にかぶると良い。
3.日焼け止めを塗る
衣類や帽子でカバーしきれない部分は、紫外線防止剤配合の日焼け止めを塗って対策する。

なお、紫外線防止剤には大きく「紫外線吸収剤」「紫外線散乱剤」の2種類があり、代表的な化合物や期待できる効果・特徴は以下の通りです。

紫外線吸収剤
紫外線を吸収するメトキシケイヒ酸オクチル、ジメチルPABAオクチル、t-ブチルメトキシベンゾイルメタンなどでできた紫外線防止剤。塗った時に白く残らないのが特徴だが、人によっては肌に合わずかぶれることも。
紫外線散乱剤
紫外線を散乱させる、酸化亜鉛酸化チタンなどの粉末でできた紫外線防止剤。
塗ったときに白く残りやすいのが難点だが、UV-A・UV-B双方への防御力が高いのが特徴。

紫外線が特に強くなる4~7月にかけては、上記3つの対策を入念に行ってください。ちなみに1日のうち、最も紫外線量が増えるのは10~15時ごろまでと言われています。朝出かける前に基本の対策をすべて行い、さらに日焼け止めは2~3時間ごとに塗りなおすことで、紫外線によるダメージ予防が念入りになります。

近年ではクリーム、ジェル、スプレー、シートなど肌に塗布するタイプの日焼け止め以外に、カプセルやドリンクで日焼け予防ができる「飲む日焼け止め」も販売されています。ただし2021年4月現在、その効果は従来型の塗る日焼け止めに比べ非常に弱いものといえます。飲む日焼け止めを使って日焼け対策をするときは、長袖や帽子の着用、塗るタイプの日焼け止めと併用すると良いですよ。

スポーツや運転中の日焼け対策におすすめのグッズは?

スポーツなど屋外での活動、また窓からの紫外線をダイレクトに受ける運転中には、基本にプラスの日焼け対策が必要になります。以下にスポーツ中と運転中、それぞれのタイミングで行うべき日焼け対策と役立つグッズを紹介しますので、参考にしてくださいね。

スポーツ中に行うべき日焼け対策

日焼け止めは、汗をかいても落ちにくいウォータープルーフタイプを選びましょう。
その上でサイクリングやウォーキング、ランニングなど陸上での運動を楽しむ場合は、内容に合わせ以下のグッズを併用するのがおすすめです。

アイウェア
サングラスなど、目に入ってくる紫外線を遮断するためのグッズ。目から入った紫外線刺激もメラニン生成の原因となるため、目の紫外線対策も肌と同じくらい重要とされる。
アームカバー
腕に直接つけて使用するグッズ。スポーツ用に作られたものは吸湿性・速乾性に優れた素材でできているため、半袖の下に着用すれば長袖よりも涼しく、効果的な日焼け対策ができる。日焼け止めの感触が苦手な人、暑くて長袖に耐えられない人には特におすすめ。
フェイスカバー
顔の下半分から首にかけて覆うことができる、大きなマスクのようなグッズ。運動中に息が苦しくなるという難点はあるが、アイウェアと併用すれば顔全体に効果的な日焼け対策ができる。

運転中に行うべき日焼け対策

基本的には普段と同じく、長袖と帽子の着用、日焼け止めを塗るのが推奨されます。運転中は日光や紫外線から目を反らすのが難しいため、サングラスなどアイウェアをつけて対策すると安心です。

なお自身と合わせ、車自体に日焼け対策を施すのも効果的です。運転中の日焼け対策に役立つおすすめのグッズをチェックしましょう。

アームカバー
半袖の衣類の下につける、長い手袋のようなグッズ。UVカット効果のある生地で作られていて、指まで覆うタイプや指出しタイプ、メッシュ素材などさまざまな種類がある。
UVカットフィルム
車の窓に貼ることで、車内に入る紫外線量を大幅にカットしてくれるグッズ。カー用品店で販売・貼り付けしてもらえるもので、可視光線透過率70%以上のものを選ぶと良い。
UVカット日よけカーテン
車内に取り付ける、カーテンタイプの布。簡単なカーテンレールとUVカット効果のある生地から好きなデザインを選んで使う。フィルムよりも簡単に使えて、外から車内が見えにくくもなる優れもの。

うっかり日焼けしちゃった!アフターケアと皮膚科受診の目安って?

日焼けしたことに気付いたら、まずは以下の方法で肌を冷やし、痛みや赤みの原因である炎症を鎮めてください。

  1. 保冷剤をくるんだタオルを当てる
  2. 冷たく冷やしたミネラルウォーターをスプレーする
  3. 肌のほてり、痛みが落ち着いて触れるようになってきたら、抗炎症成分を配合した塗り薬でケア
  4. 炎症による症状がすべて治まったら、次は肌トラブル予防のための処置へ
  5. シミやシワの予防、美白に有効な成分が配合された美白化粧品を使い、肌に色素が沈着しないようケア

なお、冷やした後でも強い痛み、水膨れがある場合は日焼けから重度のやけどを起こしている可能性がありますので、念のため皮膚科の医療機関を受診してくださいね。また、日焼けによるダメージをのこさないためには、日ごろからしっかりと保湿し肌のバリア機能を維持することも重要です。
化粧水と乳液を使った角質層の保湿、そして浸透させた潤いをクリームやバームで閉じ込める一連のケアを毎日の習慣としましょう。

おわりに:紫外線の浴びすぎは健康リスクを高める!普段から日焼け対策しよう

目に見えない紫外線のうちUV-AとUV-Bは、肌表面に赤みや痛み、色素沈着を伴う日焼けの症状を引き起こします。しかし、紫外線による健康リスクは日焼けや肌トラブルだけではありません。皮膚がんや白内障、紫外線角膜炎など重大な疾患の発症リスクも高めるため、日常的に日焼けへの予防対策を取る必要があるのです。長袖と帽子の着用、日焼け止めの使用と毎日の保湿と基本的な対策を毎日行い、自身の体を紫外線から守りましょう。

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