【前編】承認欲求が強い人の特徴と恋愛や仕事への悪影響とは?

SNSのいいねで承認欲求を満たすこころの悩み
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SNSのいいねの数を求める人を指す場合などで承認欲求という言葉をよく聞くようになりました。承認欲求を満たすために過激な行動に出る人が問題視されることもありますが、どんな意味を持つ言葉なのでしょう。また、承認欲求を持たない人はいるのでしょうか?

今回は承認欲求が強い人の特徴や、承認欲求を持つことで得られるよい影響、自分の承認欲求を上手に満たすためのポイントを見ていきましょう。

この記事でわかること
  • マズローの欲求五段階説で定義される欲求の種類
  • 承認欲求に振り回されない人の特徴
  • 自己承認欲求と他者承認欲求の違い
  • 承認欲求が低めの人の自分との向き合い方

承認欲求とは?SNSのいいねを欲しがる理由とは

アメリカの心理学者、アブラハム・マズローは「人間には5段階の欲求があり、ピラミッド型のような構成になっている」と提唱しました。この定義は「マズローの欲求五段階説」と呼ばれ、低い段階から順に以下の欲求があるとされています。

生理的欲求
第1階層にあり、生きていくための本能的な欲求(食事・睡眠・排泄など)のこと。生命活動を維持するために不可欠な必要最低限の欲求なので、最初にこの欲求を満たそうとする。
安全の欲求
第2階層にあり、危機を回避して安全・安心に暮らしたい、心身ともに健康で経済的にも安定した環境で暮らしたいという欲求のこと。いつ生活が脅かされるかわからない不安定な状態を脱し、少しでも秩序のある安心できる環境で暮らしたいと欲する。
社会的欲求
第3階層にあり、集団に所属したり仲間を求めようとしたりする欲求のこと。この欲求が満たされないと孤独感や社会的不安を感じやすくなるため、家族や組織など何らかの社会集団に所属し、安心感を得ようとする。「所属と愛の欲求」とも呼ばれ、人間は物質的な満足だけでなく、自分を受け入れてくれる親密な他者の存在が不可欠だと考えられている。
承認欲求
第4階層にあり、社会の中で自分の個性を見出したい、所属する集団の中で高く評価されたいなど、自分の能力を認められたいという欲求のこと。承認欲求を得ることはモチベーションとなり、自分のポテンシャルになったり、成長の原動力になったりする。さらに、低位の承認欲求と高位の承認欲求に分類される。

  • 低位の承認欲求:他人に注目されたり、賞賛されたりすることを求める欲求。他者に依存する欲求。
  • 高位の承認欲求:他人にどう見られるかではなく、自分が自分を承認する欲求
自己実現の欲求
上記の状態がすべて満たされてから出てくる、第5階層の欲求。自分にしかできないことを成し遂げたい、自分らしく生きていきたいという欲求である。自分のポテンシャルを見出し、社会的に成功したり、理想的な自己イメージと一致したりしていくための欲求でもある。

この五段階の欲求は、程度の強弱はあれど誰もが持っているものです。つまり、承認欲求がない人はいません。とはいえ、上記で承認欲求は低位のものと高位のものに分けられるとご紹介したように、「他者に認められたい、尊重されたい」という欲求と「自分で自分を認めたい、尊重したい」という欲求があり、他者に認められたい欲求が少ない人は、承認欲求がないかのように見えることもあります。

例えば、料理の写真をSNSに投稿して「いいね」をもらいたい、と思うのは「他者承認欲求」です。しかし、新しい料理を作れるようになった、手際が良くなったなど自分自身の成長に対して喜びや達成感を感じたり、料理することそのものを楽しめたりしているならそれは「自己承認欲求」であり、近年よく聞かれる「自己肯定感」にもつながるでしょう。

また、他者からの承認欲求をさらに「賞賛獲得欲求(誰かから褒められたい、認められたい欲求)」と「拒否回避欲求(他者から拒否されたくない欲求)」の2つに分類する考え方もあり、一口に承認欲求と言っても、そこに含まれる感情や欲求はさまざまだと言えそうです。

承認欲求が強い人の特徴とは?家庭環境や自己肯定感が影響する?

前章でも少し触れましたが、承認欲求の強さには個人差があります。承認欲求を得ることに固執してしまう人とそうでない人がいます。

下記の要因は、承認欲求の強さに影響すると考えられています。

  • 親子関係
  • パートナーとの関係性
  • 過去の傷つきやトラウマ
  • 自己肯定感の低さ
  • ストレスと向き合わずに過ごしてきた

「承認欲求が強い」と言う場合、一般的には「他者承認欲求」のうち、「賞賛獲得欲求」が強いことを指します。このような性質を持つ人には、端的に言えば以下のような特徴があるとされています。

承認欲求(賞賛獲得欲求)が強い人
  • 自分に自信がない、価値があると思っていない
  • 自分に対する期待が大きすぎる
  • 結果に対する要求水準が高すぎる

承認欲求(賞賛獲得欲求)が強い人は、他人の目が必要以上に気になってしまいます。基本的に自分に自信がないので、自分の言動を他人が「良い」と評価してくれないと、安心できません。目立ちたがり屋で人から注目を浴びていないと自分を保てない、という人もいますし、劣等感が強く自分は面白みのない人間だと思うあまり、それを埋め合わせようと承認を求めてしまう人もいます。

もちろん、何かしたときに「すごいね」「よくやったね」と他者から評価されるのは嬉しいことですし、それをモチベーションにするのは決して悪いことではありません。

しかし、何かをするときにそれを行うことそのものではなく賞賛が目的になってしまったり、さらに自分を大きく見せようと必要以上に見栄を張ってしまったり、ありもしないことを本当であるかのように話さなくてはならなくなったりしてしまうと、自分を余計に苦しめてしまいます。

承認欲求が必要以上に強くなってしまう背景として、子ども時代に家庭や学校・地域などさまざまな生活の場所で、家族や身近な人から褒めてもらえなかった、否定的な言葉ばかりかけられてきたのではないかと考えられています。どんなに頑張っても褒めてもらえなかった、愛してもらえなかった、認められなかったという欲求不満が溜まり、なんとか認められたいという「承認欲求(他者承認欲求)」が強まったまま残ってしまうのです。

成長していくにつれ、子どもの頃にもらえなかった承認を周囲の人に求めることで空虚感を満たそうとします。しかし、本当に承認されたいのは親からなので、他の人にどこまで承認を求めても満たされず、際限なく常に求め続け、承認が得られ続けなくては安心できない状態になってしまうのです。

承認欲求がない人の特徴とメリット

最初に軽く触れたように承認欲求がない人はいませんが、他者承認欲求が強すぎず、かつ、自己承認欲求が満たされている人の場合、外から見ると承認欲求がないように思えることはあります。このような人は「自分は、今のままの自分で良い」と自分を認められるので、他者からの承認を求めすぎることがないのです。

そもそも、承認欲求という言葉が一人歩きしたせいで悪いイメージがついてしまっていますが、「他者承認欲求」を「求めすぎる」ことが問題なのであり、何かを行うときのモチベーションになったり、自己承認欲求によって喜びや達成感を得たりするのであれば、必ずしも承認欲求そのものが悪いわけではありません

では、他者に承認を求めすぎず、自分自身を認められている人にはどんな特徴があるのでしょうか。

他人を認めることができる
  • 自己承認欲求が満たされているので、他人を褒めても自分の評価とは関係ないとわかっている
  • 承認欲求が強い人は、他人を褒めると自分が誉められないのではないかと不安になり、他人を誉められないことが多い
  • 自己承認欲求が満たされていると、自分で自分の価値を信じられるので、他人のことも素直に認められる
他人の評価に左右されない
  • 「自分にできることをすれば良い」と思えるので、他人からの評価を気にしすぎない
  • 他者を気にせず自分の業務に集中するため成果を挙げやすく、結果的に良い評価を受けることも
  • 良い評価を受けてもそれだけに左右されず、自分の挙げた成果を自分の自信としてさらに自己承認欲求を満たせる
判断基準は自分の意思が軸
  • 承認欲求が低めの人は自分に自信があるため、自分の意思を判断基準として思考できる
  • 仕事を頼まれても、抱えている仕事が多いときや、自分には無理だと判断したときは断れる
  • 他者承認欲求が強い人は、評価されたいがために仕事を抱え込みすぎることもある
  • 上司からの承認よりも、自分が納得する仕事を優先できる

このように、自分自身を認められている人は他人の意見や評価に左右されることなく、自分の業務ややるべきことに集中できるので、結果的に成果を挙げやすかったり、納得のいく仕事ができて自己承認欲求が満たされやすかったりします。

その反面、難しいと感じる仕事をあっさり断ってしまったり、限界を超えるようなモチベーションが上がりにくかったりするデメリットもあります。今の自分を認めること、他者からの承認を求めすぎないことはもちろん大切ですが、仕事においては向上心や、チャンスを見逃さない程度の野心も重要なことを忘れないようにしましょう。

後編はこちら

【後編】承認欲求が強い人の特徴って?恋愛や仕事でのデメリット
「承認欲求」はネガティブに使われることも多い言葉ですよね。では、実際に恋愛や結婚、仕事において、承認欲求が強すぎるとどのようなデメリットがあるのでしょうか。 前編ではマズローの欲求五段階説を基に、承認欲求について説明しました。この記事では承認欲求のデメリット、承認欲求の満たし方を紹介していきます。

おわりに:承認欲求は必要な欲求でもある。自己承認欲求を高めて上手に付き合おう

承認欲求は「マズローの欲求五段階説」によればピラミッドの4段目に位置する欲求であり、誰もが持つ欲求です。まずはピラミッドの第1〜第3階層を満たし、承認欲求のうち「自己承認欲求」をしっかり満たしたりデジタルデトックスしたりして、他者承認欲求はほどほどに、上手に承認欲求と付き合っていきましょう。後編では承認欲求の強さが、恋愛や仕事にどんな影響を及ぼすか紹介します。

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