自分を客観的に評価するのは、難しいものです。他者からは高い評価を受けているにも関わらず、自己評価が低くて自分に自信がないという人も少なくありません。仕事などで実力を発揮できないこともあるでしょう。
今回は自分に自信を持てない人について、その特徴や原因、自分に自信がある人との違いや自信を持って楽しく生きていくためのコツを紹介します。
- この記事でわかること
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- 自信がない人がしがちな考え方や習慣
- 自身がある人の他者との関わり方
- 過去の辛い経験やコンプレックスとの付き合い方
- 大人の習い事を始めるときのポイント
自信がない人の特徴とネガティブになる原因
自分に自信がない人の多くには、普段の言動に以下のような傾向が見られます。
- 必要以上に周囲の目や、他人の顔色を気にして生活している
- 自分の思い通りに物事が進まないと不安やイライラを感じる、完璧主義者
- 「何をしてもダメ」「自分なんて」などと、自分に対するネガティブな思い込みが強い
- ネガティブな思考回路から抜け出せずループして、自分に負の暗示をかけてしまう
- 失敗や周囲にがっかりされることへの恐れから、いつも何かを心配している
- ネガティブな思い込みや心配性ゆえに、なかなか行動や挑戦ができない
- 些細なミスや失敗にも敏感で、何度も思い出しては落ち込んでしまう
- 目の前のことが順調でも、過去の失敗をわざわざ思い出しては落ち込む
- 自分の意見を主張するのが苦手で、人の思惑や意見に流されやすい
- 視野が狭く、ダメなところや嫌な部分にばかり見えて落ち込んでしまう
- 周囲より劣っているという焦燥感から、ワークライフバランスが乱れがち
- 他者から嫌われること、批判されることが怖くて心を許せる友人を持てない
このように、人間が自分に自信を持てなくなる原因としては、以下が挙げられるでしょう。
- 子どもの頃、周囲の大人から無碍(むげ)に扱われ、認められた経験がない
- 周囲の人からの否定、上司や先輩からの叱責を受けて過ごしてきた
- 他者から何度も自己を否定され続けたことで、自分への嫌悪感が染みついた
- 夢を叶えられなかったなど、これまでの人生で大きな挫折を経験した
- 必要な成功体験が不足していて、自分に自信を持てる根拠がない
- 完璧主義なために、成功体験のハードルが非常に高く達成がむずかしい
- 常に自分に対して厳しく批判的で「他の人ならもっと成功できた」と考える
- 自分の言動が悪い結果につながると思い込み、何もできないと思い込んでいる
- 自分の見た目や能力などに、強いコンプレックスやトラウマを抱えている
- 夢ややりたいことが特になく、努力することもそのためのモチベーションもない
過去の辛い経験や、いまの自分への絶望感や不満から、人間は自信を失ってしまうのです。
能力が高いのに自信がない「インポスター症候群」とは
自分に自信を持てない人の一部は、インポスター症候群に陥っているとされます。
- 自分の実績や能力を自分で認められず、自分の力を信じられない状態
- 仮に素晴らしい成果を挙げても「自分の力ではない」「運が良かっただけ」などと思い込み、正当な自己評価と自信を持てなくなる
- 周囲に対しては「自分の力を過大に評価させている」と感じ、必要以上に謙遜する
- 失敗すること、批判されることを非常に怖がり、変化やチャレンジに踏み出せない
- 常に自分を過小評価していて、どんなに成果を挙げても自分で自分を認められない
英語で「詐欺師」「偽物」を意味するインポスターは、心理傾向や気質の一種です。疾患ではありませんが、人によってはインポスター症候群により精神的・肉体的に多大な負担を感じてしまい、日常生活に支障をきたすこともあります。女性に多いとも考えられています。他者からは高い評価を得ているのに、どうしても自分に自信を持てないという人は、インポスター症候群かもしれません。
自信がある人の特徴とは?自己肯定感が高いとは限らない?
自分に自信がある人の特徴も以下に見ていきましょう。
- 結果にこだわり過ぎず、積極的にチャレンジする
- 自分を信じ、失敗や批判を恐れず突き進めるところは自分に自信がある人の特徴です。仮に周囲から批判を受けるような結果になっても、あまり気にせず「今後のための学びになった」と捉えて、さらに進んでいきます。
- 自分を的確に評価し、他者からの評価も受け入れる
- 自信のある人は、良くも悪くも自分を客観的に的確に評価できるとされます。このため、他者から受けた誉め言葉も適切と思えば素直に受け取りますし、批判も建設的なものであれば自己防衛せずに受け入れ、将来への糧とできるのです。
周囲の目や批判を恐れず、自分の能力を正しく分析・理解したうえで前進していける人は、自信に満ちた人だと言えます。
自信と自己肯定感の違い
自信と混同されやすい言葉に「自己肯定感」があります。2つの言葉の定義、意味の違いはそれぞれ以下の通りです。
- 自信の定義
- 自分の能力や培ってきた経験、努力などを信じ、これを根拠として行動をしていくこと。
- 自己肯定感の定義
- ありのままの自分を肯定する感情のこと。自分が身に付ける能力や経験、努力を信じ自信を持つための土台となり得るもの。
異なる言葉であるものの、非常に密接に関連しているのが自信と自己肯定感です。このため、土台となる自己肯定感の高い人ほど自信を持ちやすく、自己肯定感が低い人ほど自信を持つことが難しいと考えられています。
やりたいこと探しやストレス発散も!自信を持ちポジティブになる方法
自信がなく不安な状態を脱し、自信を持てるようになるにはどうしたら良いのでしょうか。ここからは、自信を持ってポジティブに、楽しく生きていけるようになるための行動と考え方のコツを紹介していきます。
やりたいことに優先順位をつけ、実践していく
自分にとって大切なことを成し遂げる体験、また実現のために行動・努力しているときの充実感は、自信を高める根拠となってくれます。些細なことから壮大なものまで、やりたいことを全部書き出し優先順位を付けてください。ひとつずつ達成し、目標達成から逆算して計画を立て、努力している間に以前より自分に自信を持てるようになっているはずです。
練習を繰り返し、努力して恐怖心とコンプレックスを克服する
自信の無さがコンプレックスや根拠不足、周囲や他人への恐怖心からくるものなら、以下のような努力と練習を重ねて克服しましょう。
- コンプレックスを自分の魅力に変換できないか考えてみる
- 容姿にコンプレックスがあるなら、ダイエットやファッション面で努力し見た目を変える
- トラウマがあり失敗が怖いなら、恐怖心を克服できるくらい知識や経験を増やし、繰り返し練習してカバーする
- 失敗しても大丈夫、みんな失敗から学んで成長しているという事実をよく理解する
良いところに目を向け、成功イメージを持つようにする
他人の方が素晴らしく見えても、あなたにもあなたにしかない長所が必ずあります。自分のダメなところを、わざわざ他人と比較して見つける必要はありません。自分なりに頑張ってできなかったことは、その分野に優れた周囲の人に手伝ってもらえば良いのです。努力の結果できるようになったこと、自分の魅力的なところにきちんと目を向けて、褒めてあげてくださいね。
こまめにストレスを発散し、心身をクリアにする
ストレスが溜まると、どうしてもイライラしたり適切な判断ができなくなります。ゆっくり寝る、散歩をする、好きなスポーツや趣味に打ち込むなどしてこまめにストレスを発散し、心身をクリアな状態にしておけば自信も持続しやすくなりますよ。
【運動・アート・スキルアップ】大人におすすめの習い事
好きなこと、やってみたかったことができるようになると気分が高揚し、上達すれば自信もついてくるもの。そこで、自信を持てるようになるために挑戦してほしいのが、大人の習い事です。近年ではワークショップや体験会、オンラインを通じて気軽に始められる習い事も増えていますので、以下ポイントに留意しつつ始めると良いでしょう。
自信を持つための大人の習い事、始めるうえでの注意点
- 自分がやりたいこと、興味を持って始められる習い事を選ぶ
- やりたいこと、自分に合う習い事がわからないときは体験やワークショップから入る
- 上達できないと自信向上につながらないので、継続できるようスケジューリングをしたうえ始める
- 曜日や週、月に決められた回数を通うのが難しければ、オンラインでできるものを選ぶ
最後に、自己肯定感を高めてストレスを発散し、自分に自信を持ちたい大人におすすめの習い事をスポーツ系、アート系、スキルアップ系の分野別に紹介してきます。あなたの興味や好みに合った大人の習い事選びに、ぜひお役立てくださいね。
スポーツ系、自信を持ちたい大人におすすめの習い事
- ダンス教室
- フラやバレエ、ヒップホップなどを通して、ストレス発散できる
- ヨガ教室
- マットがあればどこでも手軽にでき、心身の緊張緩和に効果的
- ボルダリング
- 全身を鍛えられ、登り切ることで達成感を得られる
- ゴルフ
- 取引先との接待など仕事にも活きて、年齢・性別によらず、長く楽しめる
アート系、自信を持ちたい大人におすすめの習い事
- カラオケ教室やボイトレ
- ストレスを発散しながら腹筋を鍛え、姿勢も矯正できる
- 陶芸教室
- 土と水に触れ、自分のなかにあるものをかたちにして楽しむ
- 絵画教室
- 本格的な技法を習い、身に付け、自分の内にあるものを表現する
- 楽器教室
- 音を出すことそのものはもちろん、周囲とのセッションも楽しめるようになる
- 書道教室
- 低予算で始められて、美しい文字や所作が身に付く
スキルアップ系、自信を持ちたい大人におすすめの習い事
- プログラミング
- ITがインフラとなった現代において、身に付けておくと就職やスキルアップに役立つ
- 英会話教室
- オンラインレッスンも豊富で、仕事と趣味の両方に役立つ可能性がある
おわりに:少しずつ考え方を変え、自分の中に根拠を積み重ねていけば、自信は持てるようになる
自分に自信がない人には必要以上に自分を卑下したり、過小評価する傾向が見られます。しかし自信を持てない状態は、本人にとって非常に不安で辛いもの。努力して知識や経験を獲得し、練習を繰り返して失敗への恐怖心を払拭して、自分を信じる根拠を少しずつ積み重ねていく必要があります。また、好きなことや憧れていたことに挑戦するのも自信の回復に効果的です。この記事を参考に、楽しみながら自信を持てるようにしていきましょう。
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