ビジネスプレゼンテーションを成功させる上では、当日の話し方や雰囲気に注目しがちです。しかしプレゼンを成功させるためには、資料作成と準備も重要です。プレゼン当日に自信を持ってアピールするには、ポイントを抑えた資料ができているかが鍵となります。
今回は、そんなビジネスプレゼンテーションの目的や準備のコツについて見ていきましょう。コロナ禍で進むオンラインプレゼンのポイントもご紹介します。
- この記事でわかること
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- プレゼン成功がもたらすメリットとは
- 聞き手に響くプレゼンを作るための事前リサーチ
- 効果的なビジュアライズをするコツ
- 悪いジェスチャーがプレゼンに与える影響
- コロナ過でニーズ増加「オンラインプレゼン」講座とは
プレゼン力はビジネス成功に必要なスキル
ビジネスにおけるプレゼンテーションは、仕事が成功するかどうかを左右するとも言える重要なスキルです。ビジネスプレゼンテーションを成功させ、目標を達成するためには、「目的・ストーリー・チェックポイント」をしっかりおさえなくてはなりません。日本人はプレゼンが下手だとよく言われますが、それは成功するための「技術」を身につけていないためだとも言えます。
そこで、まずはビジネスプレゼンテーションを行う3つの目的から確認していきましょう。
- 相手の承認や意思決定を促す
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- 上司や顧客に対し、活動に時間を使う、モノやサービスを導入するなどの承認や意思決定を促す
- 考えを提案するだけでなく、何を承認してほしいか、何を意思決定してほしいか明確にする
- 相手に価値をもたらす
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- 提案する事柄が、相手に価値をもたらす(相手がメリットを感じる)ものでなくてはならない
- 売り上げ(利益)が増える、株価(市場評価)が上がる、コストが下がる、特定の業績指標が良くなる、など
- 連絡や相談ではなく、明確に相手にとってのメリットを伝える必要がある
- 相手の行動を促す
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- 承認や意思決定後、相手にどんな行動をしてもらわなくてはならないかも明確に伝える
- 例)関連部署に、今回の承認や意思決定について連絡してほしい
- 例)資金の準備、購入の手続きを進めてほしい、など
プレゼンは単なる連絡や相談ではなく、ある活動を行いたい、ある商品を売りたいといったビジネス上の目的があり、その目的を達成するために行うものです。そのために、上記の3つの目的を明確に意識し、プレゼン作りに活かさなくてはなりません。プレゼンの目的があいまいなままでは、良いプレゼンにはならないのです。
他にも、良いプレゼンにするためには当日の話し方、資料の出来栄え、事前準備が重要です。中でも、事前準備をしっかり行うことで結果が出せるプレゼンになる可能性は上がります。資料がしっかり作れていて、話す内容が明確であれば、プレゼン当日も問題なく進められ、自然と自信に満ちて信頼感のある話し方ができるでしょう。
プレゼンの準備では、上記の3つの目的を定めたらその目的に向けて「相手を理解する」「行動を促す」という2つのポイントを詰めていきましょう。
- 相手を理解する
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- プレゼンを行う相手が誰なのか、どんな状態なのか理解する
- 例えば、セミナーの受講者が従業員なのに経営者向けのプレゼンをしても意味がない
- プレゼンで行う提案内容も、相手に合わせたものにしなくてはならない
- 行動を促す
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- どうすれば聴き手に対し、目的に即した行動を促せるか考える
- どんなことを、どんな方法で伝えるか具体的に考える
- 内容をただ伝えるのではなく、結果を出すためのプレゼンではここが重要なポイント
プレゼン資料作成は紙に書き出すことから始めよう
前述のようなプレゼンの下準備ができたら、実際にプレゼンの資料作成に入っていきます。このとき、目標を達成するための「ストーリー」を意識してプレゼンの流れを考えなくてはなりません。
ですから、下準備ができたからといきなりパワーポイントに打ち込み始めるのではなく、ストーリーを紙1枚にまとめることから始めましょう。
意外と省きがちなのですが、ストーリーが聴き手に伝わるかどうかはわかりやすいプレゼンになるかどうかの分かれ目でもあります。
- プレゼン作成の下準備
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- 聴く側のニーズと自分が提供できることの接点を探す
- プレゼンで伝えたい内容を、A4用紙1枚ぐらいに収まるストーリーにまとめる
- 本の目次のように、話す内容や順番などの骨組みを決める
- それぞれに中タイトルをつける
- 中タイトルを読むだけで大まかに話が理解できるか確認する
ストーリーができたら、いよいよプレゼンテーション資料を作っていきます。このとき、以下の3つのポイントを意識しましょう。
- 伝えたいメッセージは簡潔にする
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- 各ページ、伝えたいメッセージ(プレゼンの中心)を簡潔な文章で明確に表現する
- 資料に書き込む文章はできるだけ短く、簡潔にまとめる
- 文章はなるべく箇条書きにする
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- ポイントだけを箇条書きにし、見やすく整える
- 説明文をすべて資料中に書き込まない
- 図表を効果的に入れる
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- 文章では表現しにくい複層的な構造、時系列の流れ、定量的な数値の差異などは図形で視覚化する
- 言葉で表現できることは言葉で、図の方がわかりやすいものは図で、とメリハリをつける
上記のポイントに注意して資料を作成したら、自分のための当日準備として、各ページで訴えたいメッセージの説明を文章でまとめておきましょう。説明だけを読んでいけば、全体のストーリーが明確にわかるのが理想です。また、ページからページ、各テーマからテーマへ移るときの「ブリッジ」となる文言も同時に決めておきましょう。
プレゼン失敗の原因は準備不足!成功のためのポイントは
ビジネスプレゼンテーションに限らず、準備不足の状態は不安を招き、緊張やあがりの原因となってしまいます。プレゼンテーションで話す内容を詰めきれていないのは問題外ですが、声に出して練習することも緊張を軽減する上で非常に重要です。実際にプレゼンを本番のつもりで行い、所要時間を計測しましょう。
できれば録音して自分で聞き直し、早口になっていないか、間をとるのに効果的な場所はどこかなどをチェックし、納得いくまで練習しましょう。スピーチの名手として知られるチャーチル元首相は「45分の演説をするために、7〜8時間は準備をしないと不安だ」と語っていたそうです。緊張や不安を解消するためには、入念な準備が必要であることの好例と言えるでしょう。
十分に準備ができた、と思える基準は人によってさまざまですが、一つの目安として「自分が実際にプレゼンテーションをしている姿を明確に想像できる」こと、が挙げられます。資料を使って話している自分、プレゼンの途中で聴講者に語りかける自分、出てきた質問にハキハキ答えられる自分、をしっかりイメージできるまで行うと良いでしょう。
そのためには、予想される質問への対応表をあらかじめ用意しておくとともに、終わった後でフィードバックをもらえるような仕組みづくりも必要です。限られた時間内であっても、できる限り最高の準備を集中して行いましょう。できれば、プレゼンテーションが始まる直前までを準備の時間ととらえ、ぎりぎりまでプレゼンのクオリティアップにつとめると失敗のリスクをさらに下げられます。
- プレゼン成功のための準備
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- 当日を想定し、声を出して練習する
- 話すスピードや間の取り方をチェックしておく
- 練習では所要時間を計測する
- 聞き手からの質問を想定し、回答を準備しておく
プレゼン当日の注意点は?身振り手振りや口癖のNGとは
プレゼン当日の注意点として、まず絶対に避けなくてはならない悪い姿勢や話し方を確認しておきましょう。
- 避けるべき姿勢
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- 腕組み、目を伏せたままの状態
- 身体を左右に揺らすなど、不自然な動き
- 注意したい話し方
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- 「えー、あの、その」といったつなぎ言葉、早口
- 抑揚がない、音量や間が考慮されていない
プレゼンにありがちなこととして、手元の資料や映し出されたスライドばかりを見て、聴講者のことを一切見ないというものが挙げられます。腕組みなども緊張しているとやりがちですが、聴講者に対して威圧的、無関心な悪印象を与えてしまいますので、注意しましょう。また、無意識に身体を左右に揺らすなど不自然な動きが癖になってしまっている人もいます。意識して直しましょう。
つなぎ言葉が多いプレゼンは何も考えていない印象を与えてしまいますし、早口は聞き取りづらく焦っている印象を与えてしまいます。抑揚や音量、間などをコントロールし、効果的に使いましょう。また、話に熱が入ったり本気で何かを伝えようとしたりするとき、無理に丁寧な言葉を使わなくても構いません。気持ちが入っている言葉の方が、聴講者には響きやすいものです。
また、正しい姿勢を保つことを意識すると、堂々とした好印象を与えることができます。プレゼンが始まる前、壁と平行になるように背筋を伸ばしたまっすぐな姿勢をつくり、プレゼン中は意識してその姿勢を保ちましょう。片足に重心を置いたり、ベルトや時計に触ったり、頭を掻いたりするとだらしない印象を与えてしまいますので避けましょう。
伝わりやすい話し方「視覚的アプローチ」とは?
人は、耳で音だけを聴くより映像を伴うほうが情報を認識しやすく、印象にも残りやすい傾向があります。プレゼンは基本的に音と文字で構成された情報なので、身振り手振りといったジェスチャーは積極的に使って視覚的なアプローチを加えていきましょう。聴講者により強いインパクトを与えられます。
もし、どこでジェスチャーを入れたらいいかわからない場合は、あらかじめ準備の段階で「ここでジェスチャーを使う」という場所を決めておきましょう。もともとジェスチャーが得意な人は、ぜひ抑えずにどんどんジェスチャーを使い、アイコンタクトや身体を開き気味にすることも意識しながら聴講者に「わたしは、あなたにメッセージを送っています」と意思表示していきましょう。
オンラインプレゼンの時代到来?より聞き取りやすい話し方をするために
新型コロナウイルス感染症の拡大により、業種を問わずオンラインで行うプレゼンテーションが広まりつつあります。従来のプレゼンテーションは、話し手と聞き手が場を共有することで熱意が直に伝わり、成果につながっていました。オンラインプレゼンでも同様に熱意の伝わる交渉を行い、成果につなげていくためには、以下のような懸念点を解消していく必要があります。
- 話し手の想いが伝わりにくい
- 聞き手のリアクションを、話し手が感じ取りにくい
- 機械の操作に気を取られ、プレゼンだけに集中しにくい
- 対面で会わないと、話し手自身を受け入れてもらえるかどうか不安
- そもそも、オンラインで話すことに漠然とした抵抗を感じる
オンラインプレゼンでは、対面よりも非言語コミュニケーションによる情報量が少なくなりやすい傾向にあります。相手とリアルな場を共有していないため、話し手自身が受け入れられないかもしれないという不安や緊張、聴き手のリアルな反応を受け取って話し方を調整しにくい不透明感などが生じやすいのです。
そこで、次章では最後にプレゼン成功に必要なスキルを得るため、おすすめの講座をご紹介します。オンラインプレゼンに自信がない人は、ぜひ受けてみてはいかがでしょうか。
コロナ過の必要スキル!オンラインプレゼンおすすめ講座
オンラインプレゼンにおすすめの講座として、ここでは「Zoomプレゼンセミナー」と「KEE’S」の2つをご紹介します。それぞれの特徴や料金を踏まえ、自分に合った講座を選びましょう。
オンラインプレゼンおすすめ講座①:Zoomプレゼンセミナー
オンライン会議やプレゼンの定番ツールとしてよく使われる「Zoom」の名前を冠したオンラインプレゼン講座です。「Zoomプレゼンセミナー」では、主に以下のようなことが学べます。
- プレゼンで緊張しない方法
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- 「資料の○ページを見てください」など、聞き手の視線を指示する「アイコントロール」
- 自分の指示が明確に伝わっているという安心感で、話し手がリラックスしやすい
- マインドフォトグラフ法など、話し手自身が緊張をほぐして聞き手が参加しやすい空気をつくる
- 盛り上がるオンラインプレゼン
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- お互いに遠慮し合って盛り下がってしまうのを避け、お互いに話しやすい空気感を生む
- プレゼンテーションで最も難しいとされる冒頭(オープニング)で、距離感をぐっと近づける
- 自己紹介を含め、オープニングで場をつくる方法を学ぶ
「Zoomプレゼンセミナー」は、3時間15,000円(税込)で実際にZoomを使いながらオンラインで受講できます。また、Zoomを主催する人が知っておくべきZoomの機能や活用方法が学べる「Zoom主催者セミナー」も同時にパックで申し込むと、合計30,000円(税込)の講座を25,800円の優待価格で受講できます。
オンラインプレゼンおすすめ講座②:KEE’S
「KEE’S」は話し方のプロ、現役アナウンサーが講師となり、パーソナルトレーナーとなってくれます。オンラインプレゼンのスキルを高めたいなら、プレゼンはもちろん、会議や商談などにも利用できる「ビジネスユース」カリキュラムがおすすめです。スピーチ・会話に特化したボイストレーニング、端的に伝わりやすい論理的話法など、好印象を与えやすい話し方をトレーニングできます。
トレーニング中に指摘された箇所や動画、講師のアドバイスは「レッスンノート」で管理され、アーカイブを見ればいつでも自分のパフォーマンスを客観的に復習できます。次回のレッスンまでに復習を重ね、プロのアナウンサーの動画、音声見本の真似をして滑舌・発声の反復練習を行っていきましょう。
特に、「オンラインコミュニケーションコース」では、テレビ・ラジオという昔ながらのオンラインコミュニケーションに慣れたプロのアナウンサーが画面越しでも好印象を与え、聞き取りやすくわかりやすく話す以下のようなコミュニケーションスキルを高められます。
- 印象力
- 姿勢、表情、目線、挨拶
- 対応力
- 傾聴力、共感力、質問回答力、交渉力
- 伝達力
- 発声・発音、表現、話し方、構成力
マンツーマンでのオンラインレッスンが受けられ、料金は90分×4回で80,000円(税別)です。このほか、教材費1,200円(税別)、送料500円がかかります。また、オプションを利用する場合はシステム利用料が5,000円(税別)必要です。
おわりに:成果につながるプレゼンのためには、目的を詰めて準備をしっかり
プレゼンで成果を出すためには、どんな結果を求めるのかという目的をしっかり詰めた上で、聞き手を理解して行動を促すようなストーリーとわかりやすさが必要です。資料を作った後は、十分な練習を重ねて準備を行いましょう。
また、新型コロナウイルス感染症拡大の影響で、プレゼンテーションもオンラインで行うケースが増えています。対面のプレゼンにも負けない成果を出すために、講座を受講するのも一つの方法です。
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