「大器晩成型」の人が仕事で評価されるのは若いうちというよりは年齢を重ねてから。この記事では、大器晩成の意味や特徴を解説します。大器晩成型が活躍するのは何歳からか、将来のために若いうちからやっておくべきことなどを解説します。
- この記事でわかること
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- 大器晩成型の人が評価される年齢とは
- ビジネスにおける大器晩成型の特徴・傾向
- 大器晩成型の人がメンタルの安定を保つコツ
- 大器晩成型が成功をつかむためのポイント
「大器晩成」の意味や由来とは
若い頃は目立たなかった存在でも、年齢を重ねてから飛躍する人がいますよね。そうした人を「大器晩成」と呼ぶことがあります。
- 大器晩成とは
- 偉大な人は大成するのが遅く、歳をとってから頭角を現すようになるということ。
また、才能があるにもかかわらず報われていない人を同情するときに用いる言葉。(引用:四字熟語辞典オンライン)
大器晩成の由来は中国の『老子』です。現代で使用される大器晩成は、大きな器は完成するまでに時間がかかるということから、偉大な人の大成にも時間がかかるという意味で使われますが、当時は「大きな器は完成できない」というような意味合いで使われていたのではないかとも考えられています。
現代では大器晩成型の人というと、年齢を重ねるにつれて「あの人はすごい」と評価が上がったり、納得のいく成果を得られたりする可能性が高いという意味で使われることが多いでしょう。次章からは大器晩成型の人の特徴や成功するためのポイントを解説していきます。
「大器晩成型」は何歳から?ベテランを指すの?
自分が大器晩成型なのかどうかは、実際に周囲から評価されたり、満足いく結果を得るまではわからないものですよね。ビジネスの分野では一般的に、20代や30代で活躍すると「若いのにすごい」と評価されることが多いでしょう。そのため、20代~30代で実績を出したり評価されたりしている人は、早熟型と考えられます。
40代はベテランと呼ばれる世代ですので、責任のある仕事を担当したり、部下を持つようになったりしてきます。40歳前後は仕事での手ごたえを感じられるこよが多く、働き盛りともいえる年代です。そう考えると、40代中盤~50代以降から活躍するようになる人は、大器晩成型といえるでしょう。
大器晩成が何歳からかは業界にもよる!
40代中盤~50代以降になってから活躍する人は大器晩成型といわれやすいでしょう。しかし、職種や業界によって何歳から大器晩成型と言われるのかは異なります。研究者の世界では40代前半で教授になる人はキャリアアップが早い方に分類されます。50代で教授になる人も珍しくありません。
「大器晩成型」と言われる人の性格や特徴
自分が早熟型か大器晩成型なのか、ある程度の見当がつくとキャリアアップやライフプランが定まってきますよね。大器晩成型の人の特徴には、次のような傾向が見られます。
- 「大器晩成型」の人の特徴
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- 物事の取り組み方が慎重
- 仕事が丁寧で正確
- 若い頃は自己投資のための資金がなかった
- 若い頃、能力やスキルが正当に評価されなかった
- 若い頃は活躍の場やチャンスに恵まれなかった
- スキルや知識を持っていても自己アピールが得意でない
- 準備や見通しが立ってから動き出すのが好き
- 人との信頼関係は時間をかけて構築する
- 他人からのアドバイスに耳を傾け、吸収する
- メンタルが安定しており、気分の浮き沈みが小さい
- 辛いことや思う通りにいかないことがあっても、我慢強く継続する
- 年齢を重ねても新しいことに興味を抱く
若くして評価される人は、思い立ったら即行動をするエネルギーや若さゆえの大胆さ・身軽さなどを活用している人が多いですよね。大器晩成型はどちらかというと慎重で、じっくりと物事を進める傾向があります。
大器晩成型の人は、周囲から重宝される専門知識やスキル、経験を習得しているのも特徴です。そうした知識やスキルを習得するには、ちょっとしたことに一喜一憂せず、ものごとを継続する我慢強さも必要でしょう。継続力がある一方で、新しいことにも興味を示し、時代の変化についていくことも重要です。柔軟に考え方を変えることで、年齢を重ねてもこれまでの自分の考えや経験に縛られず、成長し続けることができます。
長年積み重ねてきた経験や継続してきたからこそ得られる知見をもとに、成果や評価を得ていくのが大器晩成型の特徴といえるでしょう。
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「大器晩成型」人材のメリット・デメリット
大器晩成には、「年齢を重ねてから評価される」というポジティブな意味、「若いときはなかなか報われない」というネガティブな意味も含まれています。ビジネスにおける大器晩成型には、どのようなメリット・デメリットが考えられるのでしょう。
- 大器晩成型のメリット
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- これまで積み重ねてきたスキルや人脈を最大限に活かせる
- 自分の軸がしっかりと確立されていることが多い
- 人脈が広がっており、仲間や頼れる存在が多い
- 年齢を重ねるほど、人生がどんどん充実していく
- ミドル・クライシスに陥りにくい
- 大器晩成型のデメリット
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- 若さならではのエネルギーがあまり残っていない
- せっかく評価されるようになっても、働き続ける体力や時間的余裕が足りない
- 「その年齢ならこれくらいできて当たり前」など、周囲の目が厳しいこともある
- 自己アピールが得意ではなく、周囲から評価されにくい
- 年齢制限のある転職(公務員試験など)の場合、チャンスをつかめない
近年は若者がベテランのことを「老害」と揶揄するなど、時代の変化についていけずに悩むベテランが少なくありません。大器晩成型は老害呼ばわりされるどころか、周囲から頼りにされる存在となっているはず。新しいことにも興味を抱く傾向が強いため、若手とも上手に付き合える人も多いでしょう。
大器晩成型はミドル・クライシスを乗り越えやすい
人生100年時代を迎えましたが、40代や50代のミドル世代がアイデンティティを失ったり、人生の目的に迷いが生じたりする、「ミドル・クライシス」に陥ることが起きています。ところが大器晩成型の場合、年齢を重ねるにつれて仕事の面白味が増したり、人間関係が濃密になってきたりするため、ミドル・クライシスに陥る可能性が低くなるでしょう。
ただし大器晩成型の要素が強いからといって、年齢を重ねてから順風満帆に評価されるとは限りません。体力・気力面が不足し、思うようにアクティブに動けないこともあるでしょう。「若い人材が欲しい」「ベテランには若手のサポートにまわってほしい」などの風土の会社の場合、年齢を重ねてからのチャレンジが難しい場合もあります。
大器晩成型が注意したい若手との接し方
シニア世代やベテランが注意したいのが、若手との人間関係やコミュニケーションです。「近頃の若い人は」と、若手に違和感や不満を抱くこともあるでしょう。しかし、若者との間のジェネレーションギャップに気が付かずにいると、時代の変化についていけなくなる可能性が高まります。さらには若者から「老害」と呼ばれて敬遠されることも。
こちらの記事では老害と呼ばれる人の特徴や注意点を解説しています。
大器晩成型が評価や成果を得るためのポイント
大器晩成型の人がビジネスで評価されたり、成果を獲得したりするためにはどんなコツがあるのでしょう。「自分は大器晩成型かも」と思う人は、下記のことを意識してみてくださいね。
「好き」「得意」だと思えることを見つける
大器晩成型の強みは、年齢を重ねたときに身に付いているスキルや経験、特技です。数年で身に付けられるようなレベルというよりは、長年の積み重ねによって習得されたハイレベルなスキルや知識などが武器になります。
スキルや知識を何年もの間ブラッシュアップし続けるのは、我慢強さやモチベーションが必要です。嫌いなことや好奇心がそそられないことを続けるのは簡単ではありませんよね。そのため、「長く続けられそうなくらい好き!」と思えることや「自信を持って得意といえること」、時間を忘れるくらい熱中できることを見つけておくのがおすすめですよ。
自分と他人を比べない
20代や30代の頃、同期や後輩がどんどん評価されていく中、大器晩成型の人は焦りを感じるかもしれません。ただし周囲から評価されるかどうかは、本人の能力はもちろんですが、タイミングや周囲の人間関係、社会情勢などさまざまなことに影響されます。
つまり、評価されるかどうかは自分でコントロールできないことが多いのです。自分と他人を比べたり、必要以上に自分を責めたり卑下したりする必要はありません。来たるべきときに備えて、スキルアップや知識の習得に励みましょう。
自分と他人を比べる「比較癖」の直し方
仕事でもなんでも自分と他人を比べることがやめられない、という人もいるのでは?比較癖を直すにはどのようなマインドセットが必要なのでしょう。
人脈を広げる
大器晩成型の人は、これまでに築いてきた人脈が大きな財産ともいえます。起業や独立をしようとした場合、すでに顧客をつかめていたり、信頼できるビジネスパートナーを獲得していることもあるでしょう。
人とのつながりはさらなるチャンスや可能性を引き寄せてくれるものです。スキルアップに励むとともに、業界や職種にこだわらず、さまざまな人とコミュニケーションを取るようにしてみてはいかがでしょう。
人脈を広げるためにどんなことをすればいい?
社会人になると仕事が忙しく、家と会社の往復で疲れてしまうこともありますよね。働きながら人脈を広げるにはコツが必要です。こちらの記事では人脈を広げる方法を解説しています。
リスキリングや社会人の学び直しをする
リスキリングとは、新しいことを学んでスキルを習得することです。特に、近年のデジタル化やIT化のような技術改革に関するスキル、新しいマーケットや価値を意識したビジネスモデルについての学びは、これからの時代において重要性を増しています。
大器晩成型の人にとって、時代の変化に柔軟に対応していくことは必須スキルといえます。年齢を重ねても学ぶ姿勢を忘れずに、自分自身をアップデートしてくださいね。専門分野についての高度な知識を学びたい場合、社会人大学や大学院に入学するのもおすすめですよ。
リスキリングに役立つ「リカレント教育」とは
社会人の学び直しにおすすめなのが、リカレント教育です。リカレント教育は働きながら学ぶことを想定した学び直しを指し、仕事で求められるスキルや知識を磨くのにぴったりです。
キャリアプランは複数のプランを想定しておく
大器晩成型の人はキャリアプランを長期的に計画しておくと安心です。ただし長期的な計画のデメリットとして、自分では予想ができなかった時代の変化や社会情勢によって、プランが破綻してしまうおそれがあります。特に長期的な計画の場合は予想外の事態が発生しやすくなりますので、プランがひとつだけだと行き詰まってしまうことがあるでしょう。
複数のプランを考えるといっても、それぞれがまったく別物でなくとも構いません。予定通りに資格取得が進まなかった場合の「プランB」、会社や業界の業績不振を想定した「プランC」などを想定しておくことで、「自分には選択肢が複数あるから準備しておこう」と考えることができます。
いつも全力でなくてもいい
大器晩成型の人はキャリアプランを長期的に計画しておくと安心ですが、ずっと頑張り続けると疲れてしまいます。仕事でも上手に息抜きをしたり、プライベートを思い切り楽しむなどして、積極的にひと休みを取り入れていきましょう。
若いときからコツコツと資産形成をしておく
年齢を重ね、能力や実績、人脈などの準備万端になったら、起業や独立など大きなチャレンジをしたくなるものですよね。ところがチャレンジしたいと思っても、行動を起こすための「お金がない!」という事態もあり得ます。
資金不足を予防するためにも早めの資産形成がおすすめです。若い頃は収入が期待通りに増えないこともあるかもしれません。少額からのスタートでも大丈夫ですので、貯金や投資をして資産形成をしておきましょう。
おわりに:好きなことや得意なことを磨き、能力や才能を発揮しよう
大器晩成型の人が活躍するためのコツを解説してきました。人生100年時代を迎え、年齢を重ねてからの人生が長くなった今、ミドルシニアやシニアの活躍が重視されています。好きなことや得意なことを見つけ、スキルアップに励んでいった先に、充実した未来が待っているかもしれませんよ。
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