仕事を急に振られる、担当外の業務を頼まれるなど、いわゆる「無茶ぶり」された経験をお持ちの人も多いはず。仕事を依頼されるのは期待や信頼の証拠とも言えますが、「本当は断りたい!」とストレスにつながることも。無茶ぶりに対する上手な対処の仕方を紹介しますので、仕事のコントロールに役立ててくださいね。
- この記事でわかること
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- 仕事の「無茶ぶり」の具体例
- 断ってもいい仕事の見極め方
- トラブルを回避するお断りフレーズ
- パワハラ「過大な要求」の例
無茶ぶりされた仕事の依頼は断ってもいいの?
「〇〇さん、ちょっとこれお願い!」「悪いけど、急ぎで頼める?」「今日中に仕上げてくれると助かるんだけど……」など、仕事の依頼は時にして無茶ぶりなこともありますよね。頼まれた仕事はやらなくちゃ……と、すべて引き受けている人もいるでしょう。
しかし結論から言うと、無茶な仕事の依頼は場合によっては断っても問題ありません。もちろん、すべての依頼を断るのはNGですが、「自分の業務に支障が出る」「明らかに無茶なお願い」などのケースであれば、適切な理由を伝えて断ることはできます。
何でも引き受けてしまうと「都合のいい人」になり、さらなる無茶ぶりが増えてしまうでしょう。すると、心と体に負担がかかり、不調や疾患の原因になることも。「適度に仕事を断ること」は、自分の心と体を守るためにも重要なのです。
都合のいい人から抜け出すためにできること
「都合のいい人」からの脱却は、まずは都合のいい人扱いされるタイプの特徴を知り、対策をとることが重要です。こちらの記事を参考に、自己分析や現状改善を試みてくださいね。

では、どんな仕事なら断ってOKで、どんな仕事なら断るべきではないのでしょうか?
断ってはいけない仕事と断ってもいい仕事の違い
仕事で無茶ぶりされても断れない人は、まずは「断ってはいけない仕事」と「断ってもいい仕事」の仕分け方を理解しましょう。
断ってはいけない仕事
自分の本来の業務に関わる仕事は、基本的には断るものではありません。もちろん、体調不良などの理由がある場合は除きます。本来の業務が何かは、雇用契約などの書面をしっかりと見返しましょう。そのほか、所属する部署やチームの仕事も、あなたの本来の業務と見なされるケースが多いです。
突発的で、緊急度が高い仕事も引き受ける必要性が高いでしょう。このような仕事は、断ることで評価が下がる可能性があるため、慎重に対応する必要があります。
また、スキルアップやキャリアにプラスになる仕事を断るのは要注意。法的に断ってはいけないというよりも、長期的に考えたときに断ることのデメリットが出るでしょう。
断ってもいい仕事
明らかに自分の業務範囲外のものは、あなたの仕事ではありません。たとえば別部署の仕事は、契約上あなたに依頼が来るものではないでしょう。依頼が来たとしても、まずはあなたの上司に相談してください。先方には特別な事情や仕方のない状況があるかもしれませんので、もしも頼まれた場合は、冷静に理由を聞くのが安心です。
緊急性がなく今すぐに対処する必要がない依頼も、引き受けるかどうかは冷静に判断してOKです。他の人でもできる仕事なのに、なぜか自分だけ頼まれる場合も同様です。依頼者が仕事のタスク管理やリソースの分配が苦手なだけかもしれません。
また、あなたの仕事が忙しく、明らかにキャパオーバーな場合もあるでしょう。この場合も相手の事情をヒアリングしつつ、自分も忙しいことを伝えてください。先輩や上司など、第三者を交えて対応を考えるのもおすすめです。
頼まれた仕事を断るときの便利フレーズ
では、実際に仕事を断るとき、どんなフレーズを使えばよいのでしょうか?
自分の業務が手一杯であることを素直に伝える
「申し訳ありません。現在、〇〇の業務が立て込んでおり、対応が難しい状況です」と、素直に自分の状況を伝えましょう。「手が回らない」ことを伝えつつ冷静に状況を説明することで、角が立ちにくくなります。
期限が厳しすぎる場合の断り方
「〇〇の業務があるため、期限に間に合うような対応は難しいです。もし期限を延ばせるなら、お手伝いできるかもしれません」と、期限に問題があることを伝える方法です。
完全に断るのではなく、「期限を調整できるなら可能」と伝えることで、相手に考え直す余地を与えます。
代替案を提示する
「その業務でしたら、〇〇さんが詳しいので、お力になれるかもしれません」「AIを活用すると、資料作成が進みますよ。私も使っています」と、代替案を提示するのも効果的。「適任者がほかにいる」「便利なツールがある」と伝えることで、相手に寄り添いつつ断ることができます。
自分の専門外であることを伝える
依頼の内容次第では「申し訳ありません。その業務については経験がないため、適切な対応が難しいかもしれません」と、客観的事実をはっきりと伝えるのが効果的なことも。無理に引き受けてミスをするよりも、「自分には難しい」と伝えた方が、相手も納得しやすくなります。
その無茶ぶりはパワハラ「過大な要求」かも!?
もしも理不尽な仕事の無茶ぶりが続く場合、それは「パワーハラスメント(パワハラ)」に該当する可能性があります。パワハラの類型のひとつ「過大な要求」に該当するかもしれません。
- パワハラ「過大な要求」の具体例
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- 明らかに業務量がキャパオーバーなのに押し付けられる
- 断ると「使えないやつ」などと人格を否定される
- 本来自分の業務ではないことを一方的にやらされる
過大な要求に加え、他のパワハラの類型にも該当することもあるでしょう。たとえば人格否定や暴言は「精神的な攻撃」に該当します。過大な要求を押し付けて飲み会などにひとりだけ呼ばないなど「人間関係からの切り離し」の可能性も。
このような場合は、一人で抱え込まず、上司や人事に相談することが大切です。また、厚生労働省ではパワハラに関する相談窓口を設けているため、困ったときは活用できることを覚えておきましょう。
まとめ:仕事の無茶ぶりは「上手に断る」が正解!
無茶ぶりで心と体に疲れを感じている人は特に、仕事の依頼は「場合によっては断ってもOK!」と考え方を変えてみてください。「断っていい仕事」と「断るべきでない仕事」を見極めつつ、便利フレーズを活用してみましょう。理不尽な要求は「パワハラ」の可能性もありますので、相談窓口を利用する方法もあることを覚えておいてくださいね。
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