汗っかきの改善方法は?いい汗のかき方やボツリヌス菌注射の効果とは?

汗の臭いの対策からだの悩み
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自分の汗の量やにおいは気になりますよね。汗は個人差が大きく、ほとんどかかない人もいれば流れ落ちるほどの汗をかく人もいます。

そこで今回は汗をかく理由や体への影響、汗を抑えるためにできる医学的な処置のこと、また処置の保険適用可否が決まる条件などについてまとめて解説していきます。

この記事でわかること
  • 汗が出る原因ごとの特徴
  • さらさら?べたべた?「いい汗」「悪い汗」の違いとは
  • 食生活やエアコンの使い方で発汗にどんな影響が出る?
  • 汗が止まる?ボツリヌス菌注射の方法
  • 保険がきく多汗症治療のための条件

脇汗がたくさん出るのはなぜ?暑さや精神の状態など汗の種類は?

汗とは、皮膚から水分が蒸発するときに発生する気化熱を利用し、体から熱を放出し、体温を下げるために出てきます。

汗は血管のすぐ近くにある汗腺というところから出ていて、血液から液体成分である血漿を取り出し、汗として排出しています。

汗の種類は発汗理由によって分けられ、代表的なものでは以下3種類が挙げられます。

【汗の種類】

《1》温熱性発汗
体温上昇により、体温を下げる目的でかく。
全身の汗腺からじわっと出るのが特徴で、体重70㎏の人が体温を1度下げるには、100mlの汗をかいて蒸発させる必要があるとされます。すぐに汗を拭いてしまうと、体温は下がりづらくなります。
《2》精神性発汗
脳の前頭葉、辺縁系がストレスの刺激を受けて出てくるもの。
緊張や恐怖、興奮などの強いストレスを感じたときに、ぶわっと瞬間的にかきます。脳を冷やすために首筋と額が、筋肉を動かしやすくするため脇の下に特にかきやすいです。
《3》味覚性発汗
辛いものを食べた時の刺激で出てくるもの。
頭皮や顔など、口に近いところから上半身を中心に発汗するのが特徴です。一説には辛さによる体温上昇に伴い、体温を下げるために出てくるとされています。

その人がかく汗の量は、個人の体質や生活習慣の他、これら発汗理由によっても変わる場合があるのです。

いい汗ならメリット大!食事や運動など生活習慣のポイント

体温調節や脳、筋肉の冷却など、汗は私たちの生命活動に不可欠であることがわかりました。

ただ、汗のなかには高い体温調節効果をもたらすいい汗と、蒸発しにくく体温調節効果が低い悪い汗があります。

以下にいい汗、悪い汗それぞれの特徴を見ていきましょう。

【いい汗の特徴】

  • 成分が水に近く、さらさらとしている
  • 汗をかくとすっきり、爽快な気分になる
  • 蒸発しやすく、あまりにおいがしない
  • 小粒で濃度が薄いように見える

【悪い汗の特徴】

  • 粘度があり、ベタベタする
  • 汗をかいたときの感覚が不快
  • なかなか蒸発せず、汗くさい
  • 大粒で濃度が濃いように感じる

いい汗、悪い汗のどちらをかくかは、汗腺の状態によって決まります。

汗腺も他の体の器官と同様、使っていないと機能が衰えてしまいます。
このため普段から運動不足の人、涼しい空間で過ごすことの多い人は悪い汗をかきやすくなるのです。

以下を参考に生活と食事の習慣、着るものを見直して、いい汗をかけるよう汗腺を鍛えましょう。

【いい汗をかく方法】

  • 室内温度の下げすぎに注意し、汗をかく機会を増やす
  • 急な温度変化で汗が出にくくなるのを防ぐため、涼しい室内から熱い外へ異動するときは、外気温に近い玄関などで数分過ごして体を慣らす
  • 10~15分歩くだけでもいいので、毎日少しずつ運動して汗をかく習慣をつける
  • 入浴時はぬるめのお湯にゆっくり浸かり、体をよく温めて汗をかく
  • 肉類や魚類、乳製品など、体内に熱をとどめる動物性タンパク質の摂取は控える
  • 皮膚からの汗の蒸発を促すため、通気性の良い服を着る

皮膚科や美容外科でできる汗止めボツリヌス菌注射

特に脇からの発汗量を抑えるための医学的処置として、ボツリヌス菌注射が挙げられます。

ボツリヌス菌注射とは、ボツリヌス菌がつくりだすタンパク質を脇の下に注射することで、脇からの発汗を抑えるという治療法です。

【脇の下へのボツリヌス菌注射の手順】

  1. 脇の毛を事前に剃っておき、しっかりと冷やす
  2. 冷たさで感覚がマヒしてきたところで、両脇の皮下に注射をする

ボツリヌス菌が作り出すタンパク質には、自律神経のうち緊張状態を司る交感神経からの発汗指示の伝達を妨げ、発汗を抑える作用が期待できます。

治療による効果には個人差もありますが、うまくいけば、施術後2~3日で脇からの発汗量が減ったことを実感できるでしょう。

また1度の施術による効果は、4~9か月持続するとされます。

ただ、人によっては注射部位の赤みや腫れ、痛みの他、倦怠感などの副作用が現れる可能性があります。

また、以下の項目に当てはまる人は発汗を抑えるためのボツリヌス菌注射を受けることができません。

【ボツリヌス菌注射を受けられない人】

  • 妊娠中、授乳中、または妊娠の可能性がある女性
  • 重症筋無力症、筋萎縮性側索硬化症など全身性の筋肉疾患がある人
  • 同様の薬剤で、過去にアレルギー反応を起こしたことのある人
  • 注射部位に炎症ができている人
  • 体調が悪い人

その他、ボツリヌス菌注射を受けるにあたって知っておくべき注意点は以下の通りです。
具体的な施術方法や効果、副作用の可能性とあわせて、理解しておきましょう。

【ボツリヌス菌注射についての注意点】

  • 特定の条件を満たさなければ、保険適用を受けることができない
  • 注射部位を冷やし、クリニックによっては麻酔クリームも塗布するが、施術時に多少の痛みが出る可能性はある
  • 施術当日は激しい運動、飲酒、脇へのマッサージは禁止となる

保険適応される多汗症とは?診断基準は何?

発汗を抑えるためのボツリヌス菌注射は、多汗症との診断を受ければ保険適用となります。

多汗症と診断される症状をチェックリストにしましたので、自身が当てはまるか確認してみましょう。

【多汗症セルフチェックリスト】

  • 緊張すると過剰に汗が出る
  • タオルで拭き続けないと生活に支障が出る量の汗が出る
  • 滴り落ちるほどの汗が出て、制汗剤やタオル、着替えが手放せない
  • このような原因不明の大量発汗が、半年以上続いている
  • 常に脇や手のひら、足の裏が湿っている
  • 衣服の脇部分に常に汗シミがあるくらい、両脇から大量に汗をかく
  • 1日のうち、特に昼間に発汗量が多く、睡眠中はあまり汗をかかない
  • 指先の色が悪い

多汗症は、発汗が過剰になってしまう病気です。特に10~30代に多いとされ、大きく以下2種類に分けられます。

【多汗症の種類】

全身性多汗症
特定の部位ではなく、全身に多汗の症状が見られるもの
局所的多汗症
手のひらや脇の下など、特定の部位に過剰な発汗が見られるもの

また上記どちらにも、はっきりとした発症原因がわからない原発性と、他の病気や内服する薬の影響により起こる続発性があります。

特定の病気症状ではない原発性の全身性・局所的多汗症の場合、ボツリヌス菌注射を含む以下の方法を、1から段階的に用いて治療していきます。

【多汗症の治療法】

  1. 塩化アルミニウム含有の薬を用いた、外用薬の塗布
  2. 微弱な電流が流れる水道水に手足をひたす。イオントフォレーシス
  3. ボツリヌス注射
  4. 内視鏡による、胸部交感神経遮断手術(手のひらの局所発汗が著しい場合)

原発性多汗症の場合、他の治療方法で十分な効果を得られず、以下の指定基準を満たすことができれば、保険適用にてボツリヌス菌注射を受けられるようになります。

【多汗症治療のボツリヌス菌注射を保険適用で受けるため、満たすべき条件】

《最低条件》

原因不明の過剰な発汗が6か月以上続いていること

《以下6つのうち、2つ以上満たすべき条件》

  • 両側性まつ左右対称性に多汗がみられる
  • 多汗によって日常生活に支障が生じている
  • 週1回以上の頻度で多汗エピソードが見られる
  • 25歳未満で発症した
  • 家族歴がある
  • 睡眠時は発汗がみられない

《以下のうち、いずれかの条件を満たすこと》

  • 発汗がほとんど我慢できず、日常生活に頻繁に支障がある
  • 発汗は我慢できず、日常生活に常に支障がある

重大な病気が多汗の原因に?気をつけたい症状は?

多汗の原因となり得る病気の例としては、以下が挙げられるでしょう。

バセドウ病
別名「甲状腺機能亢進症」。甲状腺ホルモンが過剰に分泌される影響で、多汗や疲れやすさ、不眠、動機の症状が現れます。
褐色細胞腫
副腎に腫瘍ができるために、アドレナリンが大量に産出され多汗を起こします。
また血圧や血糖値の上昇、頭痛の症状を併発することもあります。
悪性リンパ腫
特に就寝中、大量の寝汗をかくことで知られる病気です。また寝汗以外に発熱、体重減少も見られます。
パーキンソン病
自律神経にも影響を及ぼすため、症状のひとつとして多汗を発します。
糖尿病
進行すると、血管や神経の働きにも影響を及ぼし、多汗の症状を表すことがあります。
神経障害によるもの
脳梗塞や脊髄損傷などにより神経が障害されると、体の一部が多汗になる場合があります。

大病の経験後に多汗症状が現れた場合、また多汗と合わせ発熱や疲れやすさ、血糖値、血圧上昇が見られる場合は、病気が原因かもしれません。

安易にただの汗っかきと結論付けず、一度は医師に相談してくださいね。

おわりに:汗のかき方を観察し、状況に応じ医療機関での治療も検討しよう

体内にこもった熱を逃がし、体温を下げる役割を担う汗は、私たちの健康に不可欠な生理現象です。ただ特定の部位のみ多量の汗をかいたり、気温や状況によらず全身に生活に支障をきたす量の汗をかくようなら、多汗症かもしれません。多汗症の場合、条件を満たせば保険適用で汗を抑える治療を受けられます。また、他の病気症状として発汗が現れている可能性もありますから、心配なら医療機関を受診しましょう。

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