実家が年々散らかり放題になっていたり、帰省したら物であふれかえっていたなど、実家のゴミ屋敷化に驚いた人はいませんか? この記事では実家の変化で考慮したい病気、実家を綺麗に片付けるポイントや注意点などを解説します。相続におけるリスクもあわせて見ていきましょう。
- この記事でわかること
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- ゴミ屋敷の家に見られる特徴
- 家の変化で注意したい両親の病気
- ゴミ屋敷の相続で気をつけたいこと
- 実家を綺麗に片付けるときの注意点
ゴミ屋敷ってどんな状態の家?
「ゴミ屋敷」という言葉がありますが、具体的にはどのような状態をゴミ屋敷と言うのでしょう。たとえば、下記のような状態の家はゴミ屋敷の可能性があります。
- ゴミ屋敷の特徴
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- ゴミ袋を収集場に出さず、家の中や敷地内に溜めている
- 使わなくなった家電や食器を捨てられない
- 玄関外や庭にまでゴミや物があふれている
- 整理整頓されておらず、どこに何があるかわからない
- 物であふれかえり、足の踏み場がない
- カーテンやカーペットが破れたり汚れたまま
- 家の壁や床にキズや穴があるが直さず放置
ゴミや不用品を溜め込んでいる
ゴミ屋敷と呼ばれる家は、家の中や庭などがゴミや不要物であふれかえっています。「もう捨てればいいじゃない」と言われてもなかなか捨てられず、壊れたものも取っておく傾向も。
整理整頓できていない
物が綺麗に収納されておらず、足の踏み場もないほど散らかっているケースもあります。どこに何があるかわからないため、見つけ出せずに同じものを繰り返し購入しては物が増える……という悪循環にも陥りがちです。
家の汚れや破損を放置
家は使っていると汚れや経年劣化が起きます。お手入れや修繕をすることで、清潔で使いやすい住環境を保てます。ところが家のケアをしないでいると、いわゆるボロボロの状態を招くことに。家がボロボロだと「どうせ掃除しても家がこれじゃ…」とお手入れや整理整頓も適当になり、ゴミ屋敷化が進んでしまいます。
実家がゴミ屋敷になったとき注意すべきこと
ゴミ屋敷の問題でも切実なのが、実家に帰省してみたらすっかりゴミ屋敷になっていたというケースです。しかも親は「住めるんだからいいじゃない」と片づけるつもりがない様子だと心配になりますよね。
実家がゴミ屋敷になった場合、まずは下記のことを気にかけてみましょう。
掃除や片付けができないのは体の不調のせい?
親が高齢の場合、体が弱ってきていることが影響しているかもしれません。掃除や家具・家電の片付けには、若い人が思っている以上に体力が必要です。加齢で体力が低下していたり、体の節々に痛みが出ていると、掃除や片付けが進みません。
片づけられないのは認知症の症状かも?
昔は綺麗好きだったのに突然ゴミ屋敷になった場合、認知症を発症している可能性も考えられます。もの忘れが増えていたり、性格が変わったような変化が見られていたら、念のため医療機関に相談すると安心です。
うつ病が原因で家が散らかることもある
うつ病などメンタルの不調が原因で、整理整頓や掃除ができなくなるケースもあります。家族やペットとの死別、災害などショッキングな出来事が起きたことで、メンタルの不調を引き起こすこともあります。そのほか、メンタルの不調にはさまざまな原因がありますので、症状が悪化する前に医療機関や専門家に相談することを検討しましょう。
ゴミ屋敷の実家を相続するリスク
実家がゴミ屋敷化した場合、帰省などで困るのはもちろんですが相続したときにもリスクやデメリットがあります。
通帳や遺産、財産書類が見つからない
相続では、通帳や遺産、不動産などの権利書類が重要です。こうした書類がないと親族間の相続トラブルにつながりかねません。ですがゴミ屋敷では通帳や書類を探すのが困難になります。
ゴミ処理に時間もお金もかかる
相続した実家を売却したり賃貸に出したいときは、ゴミや不要物を捨てたり、清掃・修繕が必要になります。実家がゴミ屋敷化していると、このゴミ処理作業に多大な時間とお金がかかるリスクがあります。
近隣からの苦情対応
ゴミ屋敷の場合、ゴミから悪臭が発生しているケースもあります。害虫や害獣を引き寄せているおそれもあるのです。悪臭は出ていなくても、積み重なったゴミの倒壊リスクなどの問題もあるでしょう。すると近隣住民から苦情が入るケースもあります。
個々のケースにもよりますが、損害賠償を請求されるリスクもあることを考慮しましょう。
相続放棄をしても管理義務がある!
実家がゴミ屋敷化したから相続放棄したいと思う人もいるかもしれません。ただし、相続放棄したからといって実家の管理義務がなくなるわけではないことに注意してください。
民法940条で、相続を放棄した人は、放棄によって相続人となった者が相続財産の管理を始めることができるようになるまで、自己の財産と同一の注意をもって財産の管理を継続しなくてはならないことが定められています。
これは、管理者が不在となることで近隣住民に迷惑や危険を被らせることを回避するために定められた法律です。
管理義務を負うのは誰かという点については条件が定められています。相続放棄時に「現に占有」している相続放棄者であることが要件となるため、相続人が実際に占有していない相続財産については、管理義務の対象外となります。
なお、勝手にゴミ屋敷の家財などを処分した場合は相続放棄そのものができなくなるおそれがあります。
ゴミ屋敷化した実家を片付ける方法
ゴミ屋敷化した実家を放置していると、悪臭や害虫、倒壊などのリスクが高まってしまいます。なるべく早い段階で片付けをするのが安心ですが、どのように片付けを始めるのがよいのでしょう。
親を説得・片付けの了承を得る
まずは実家の片付けについて、親の了承を得ましょう。了承を得ずに片付けや処分を進めると、親子喧嘩や後々の相続トラブルを引き起こすリスクがあります。
いる物・不要な物を仕分けする
ゴミ屋敷化した実家には不要な物がたくさんあるはずです。何を捨てて何を残すか、仕分けをしていきましょう。所有者は親ですので、このプロセスには親にも参加してもらうのが安心です。うっかり大切な物や書類を処分しないように気をつけてください。
自治体のゴミ捨てルールを確認
ゴミの分別や収集日は自治体によって異なります。自治体の中でもエリアごとにゴミの種類によって収集する曜日が違うことも少なくありません。必ず実家がある自治体のルールを確認し、処分するようにしましょう。
粗大ゴミは収集依頼か持ち込みか
自治体のルールにもよりますが、粗大ゴミは「収集」と「持ち込み」で選べるケースがあります。また、粗大ゴミを捨てるには指定のシールの購入・貼り付けが必須のこともありますので、違法投棄にならないように注意してください。
マスク・軍手・長靴など装備を用意
ゴミ屋敷化した実家の片付けには、危険が伴うケースもあります。ホコリやカビ、割れた食器やガラスなど、作業中にケガをしたりホコリアレルギーの症状を引き起こすおそれもあるのです。安全に片付けを進めるためにも、マスクや軍手・ゴム手袋、長靴などで体をしっかりと守りましょう。
片付け完了後もリバウンド防止を!
ゴミ屋敷化した実家の片付けが終わると、これでひと安心だと思うでしょう。ですが油断は大敵です。親がこれからも実家に住む場合、もとのもくあみにリバウンドする可能性もあります。片付け後はこまめに実家を訪れたり、親が自分で掃除しやすいように便利な掃除アイテムをプレゼントするなど、対策を継続することをおすすめします。
業者に依頼する
ゴミ屋敷化した実家を綺麗にするのは、並大抵のことではありません。体力と精神力、時間が必要です。粗大ごみや家電の廃棄にはお金もかかりますので、業者に片付けとゴミ処理を依頼するという方法もあります。
業者に依頼する費用は、その業者の価格設定やゴミの量・内容によってさまざまです。ただし、数万円~数十万円はかかることを見込んで、複数の業者に見積もりを依頼するのが安心です。また、害虫や害獣が発生している場合も専門業者に依頼することを検討しましょう。
おわりに:ゴミ屋敷の放置はリスク大!実家の親と相談しながら片付けを
ゴミ屋敷化した実家を放置するリスクや相続するときの注意点を紹介しました。大規模な片付けを自分たちですべてやり切るのは簡単ではありません。業者に依頼することも選択肢に起きながら、対策を考えてみてくださいね。
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