親子関係がこじれたとき修復・改善で大切なことは?

親子関係のトラブルが招く不仲人間関係の悩み
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親子関係は愛情や絆が深い温かなものもありますが、仲たがいや性質の問題、思春期など成長過程のトラブルの結果、親子関係がこじれる場合や絶縁まで至るケースもありますよね。

こじれてしまった親子関係を修復・改善するためには、どんなことが重要なのでしょうか。親子関係で起こりやすい問題を中心に、詳しく見ていきましょう。

この記事でわかること
  • 過干渉や親のエゴ?親子がすれ違う原因
  • 幼少期から思春期まで親子関係の変化って?
  • 愛着障害は子どもの成長にどんな影響を与えるか
  • 結婚したあとも続く?共依存親子の特徴
  • 親子関係を修復するにはどんなことが必要?
  • 心のダメージにおすすめの親子カウンセリングって?

こじれた親子関係って辛い!悪化の原因は何がある?

親子関係がこじれる理由はさまざまですが、大まかにまとめると以下の3つの問題が発生しやすいと考えられます。

互いを理解できない
親が子の気持ちや状況を理解できていない
子どもが何を考えているかわからない、学校のことや友達との関係がわからない
コミュニケーションがとれない
普段から親子の会話が少なく、コミュニケーションがうまくとれていない
親が共働きでじっくり子どもと話す時間がないという要因があるケースが多い
反抗期
子どもが反抗期になると、どうしても親子関係がこじれやすくなる
反抗期は子どもの成長の証なので喜ばしいことだが、受け入れられない親も多い

このように親子関係で問題が生じてしまう背景には、親の過干渉やお互いの気持ちのずれなど、さまざまな原因が考えられます。

過干渉
子どもが成長して自分の意思で物事を決められる年齢になっているにも関わらず、口出ししすぎている
遠慮がない
親子だから、とあまりにも無遠慮に接していたり、遠慮なく厳しい言葉や仕打ちをしてしまい、自尊心を傷つけている
気持ちのずれ
親にいつまでも手がかかっていた頃の子どものイメージがあり、子どもの成長を受け入れられない
親のエゴ
「良い学校に行きなさい」など、親のエゴで子どもを縛りつけて、子どもの自由を狭めている
親への期待
子どもが親離れできず、いつまでも「親がやってくれて当たり前」と思っている。または親が小さい頃から子どもを過剰に甘やかしている

親子、家族は最も親しい他人とも言えます。血縁関係がある、一緒に暮らしているなどの理由からついつい「自分のことはわかってくれているはず」という甘えが生じやすいのですが、それぞれが別の人間である以上、やはり人間関係に問題はつきものです。次章では、それぞれの問題についてもっと詳しく掘り下げていきます。

親子の問題の原因って?-反抗期・愛着障害・過干渉・共依存

親子間に起こる問題の根本的な原因として、幼少期の親(両親、保護者)との関係性が考えられます。どんな言葉をかけられたか、困ったときにどう対応してくれたかといった経験は、大人になってからもその人の価値観や自己評価などに非常に大きな影響を及ぼします。さらには、親から無意識にコミュニケーションのパターンを引き継いでしまっている場合もあります。

ハーバード大学が発表した「人生で幸福度に一番影響を与えるのは、幼少期の両親との人間関係」という記事をはじめ、幼少期の親子関係が人生に大きな影響を与えることが近年、脳の研究からも明らかになってきました。そこで、多くの親子が陥りやすい4つの問題について、詳しく見ていきましょう。

親子の問題-反抗期

知られている反抗期としては、乳幼児期の「イヤイヤ期(第一反抗期)」と思春期の「第二反抗期」が挙げられます。また、この間ぐらいの期間に現れることがある「中間反抗期」というものもあります。

中間反抗期は「大人の行動や言葉を客観的に捉えられるようになった頃に起こる」とされ、具体的な時期としては「年長〜小学校低学年ごろ」に起こることが多いようです。中間反抗期では、親に口答えをするのが大きな特徴で、子どもとは思えないような表現や言葉遣いをする子もいます。たいていは、両親の日常会話などから学習している場合が多いようです。

まだまだ見た目には小さな子どもなので、自分と同等に反論してくることが、親にとってはより反抗的な態度に映ってしまうことが多いとされています。反抗的な発言が増えたり、言葉遣いが悪くなったり、大人の行動を冷静に見て批判したりするような言動が目立つようになるため、親としても子どもへの接し方が難しい時期でしょう。

中間反抗期とは

第一反抗期を適切に体験してきた子どもは順調に中間反抗期を迎えることが多いとされています。つまり、どの子どもにも起こりうるもので、子どもの自我が成長して大人になる準備を始めた段階とも言えます。ごく自然な成長の一過程と言えるでしょう。

逆に、第一反抗期の頃に反発や衝突が少なかった場合も中間反抗期が起こります。

一方で、中間反抗期を迎えない子どももいます。第一反抗期に厳しくしつけられたり、怖い思いをしたりして自分の思いを強引に押さえつけられた子どもは中間反抗期が起こりにくい傾向にあるようです。親に口答えをすると怖いことが起こる、自分が傷つけられると感じてしまっているためです。

また、自我が弱く周囲の状況に関心がない、発達そのものがゆっくりで自我の発達が遅めという場合に中間反抗期がないことがあります。このように、子どもの個性や持って生まれた性格など、個人差も大きいので、中間反抗期の有無が親子の関係性や子どもの成長に特定の影響を与えるとは言い切れません。

イヤイヤ期が終わって数年経ったら中間反抗期、そこからまた何年もしないうちに第二反抗期となってしまうと、親としてもへとへとになってしまうかもしれませんが、反抗期は子どもの順調な成長過程の一つでもあります。ぜひ、前向きに受け止めていきたいものです。

第二反抗期

身体も成長してきて迎える第二反抗期は、いわゆる思春期といわれる時期に起こります。一般的には第二次性徴を迎える小学校高学年から中学生くらいの時期に起こるとされていますが、始まりの時期や終わりの時期、その長さなどには個人差が大きく、中には目立った反抗期を迎えない子どももいます。

思春期の子どもは身体が第二次性徴によって大きく変化していきますが、心がついていかない状態であり、さまざまな不安やストレスを抱えやすい状態なので、反抗期という明確な時期でなくても反抗的な態度をとりがちなものです。

自分の身体が否応なしに変化していくことに心がついていけず反抗的な態度に出てしまったとしても、仕方のないことだと言えます。

さらに、小学生のうちはそれほど子ども同士の間に上下関係がないものの、中学生になると突然、先輩・後輩という呼び方が生まれ、そこに明確な上下関係が生まれ始めます。特に、スポーツ系の部活動をしていると、先輩の言うことは絶対、という文化が残っている学校も少なくありません。

第二反抗期は、こうした子どもながら複雑な社会に初めて接する時期であり、さらに身体の変化が起こる時期であり、子どもの心にかかる負担やストレスは並々ならぬものです。一概には言えませんが、反抗期に見せる反発は単一的な理由によるものではありません。不安・ストレス・不満・矛盾・自己主張など、やり場のない思いが反抗的な態度として吹き出してしまうとも考えられています。

反抗期の有無に男女の違いはありませんが、その言動や態度には多少差があるとされています。共通するのは「挨拶や返事をしない」「化粧や髪を染めるなど、服装が乱れる」「喫煙などの不良行為を試すように行う」といったことですが、他には男女によって以下のような態度に出やすいようです。

男子の場合の第二反抗期
暴力的な言動をする、物に当たる
壁や机を叩くなど、大きな音を出す
親に暴言を吐く
女子の場合の第二反抗期
男性的な言葉遣いをする
親に暴言を吐く
部屋に閉じこもる(立入禁止、などと書くケースも)

また、反抗期の子どもが見せるもう一つの特徴として、弱者には優しいというものがあります。例えば、母親が「そろそろお風呂に入りなさい」と言うと、「うるせえな!」などと暴言を吐く子どもも、おばあちゃんやおじいちゃんから同じことを言われると「わかってる」など、やや柔和な返事になることが多いようです。

一方、反抗期のない子どももいます。とはいえ、反抗的な態度を見せないからといって、必ずしも正常な発達過程を通っていないというわけではありません。例えば、性格がもともと穏やかで怒ったりイライラしたりしにくい子もいれば、反抗期が遅い子もいますし、反抗的な態度に出ない子もいます。

親子の問題-愛着障害

愛着障害とは、文字通り幼少期の愛着形成に問題を抱えている状態のことです。幼少期に親などの養育者と子どもとの間に情緒的な絆が育まれていくことを「愛着」と呼びますが、これが何らかの要因で上手くいかず、親や養育者の愛情を感じられない、信頼関係を構築できないまま成長していくと、対人関係や社会生活に問題を抱えやすくなるとされています。

これは、人間の正常な発達過程において、愛着形成を土台としてその後の情緒的・認知的・行動的・社会的発達が進んでいくためです。つまり、土台となる愛着形成が不十分だと、その後の発達にも影響してくるのです。愛着障害がよく発達障害と間違えられやすいのも、このように発達過程と密接に関係してくるからだと考えられます。

他にも、愛着障害がその他の障害や精神疾患、高血圧、過敏性大腸症候群などのリスクにつながる可能性もあることが指摘されています。

このように、最初は最も身近な養育者から、そして成長とともに周囲の人との関わりを通じ、子どもは愛着を獲得していきます。愛着関係は心の深い部分に根づき、自立心や自尊心を育て、人間関係や社会性の発達に影響するとされています。ですから、愛着形成が上手くいかなかった人は自立心や自尊心が低かったり、他者とのコミュニケーションに問題を抱えやすくなったり、社会生活や心身の健康に悪影響を受けたりすることがあるのです。

「愛着障害」という言葉には医学的な意味もあり、前述の心理的な愛着障害とは少し意味合いが異なります。医学的な「愛着障害」はかなり意味が限定的であり、「反応性アタッチメント障害(反応性愛着障害)」と「脱抑制型対人交流愛着障害」の2つに分類され、いずれも5歳以前に発症すると定義されています。

反応性アタッチメント障害(反応性愛着障害)とは
「人に対して過剰に警戒してしまう」というもの。
脱抑制型対人交流愛着障害
「人に対して過剰に馴れ馴れしい態度をとってしまう」というもの。

反応性アタッチメント障害も脱抑制型対人交流愛着障害も、明確な診断基準がWHOのICD-10(国際疾病分類第10版)にも記載されており、本人の特徴となる行動や身体症状の他、親や養育者との関係性が重要です。

関係性の診断基準
「虐待を受けていた」「頻繁に親や養育者の交代があった」などで、発達段階において愛着形成がきちんとなされているかの判別がつきにくい9ヶ月頃より前の子どもは診断できません。また、症状の特徴が自閉症スペクトラムやその他の発達障害ともよく似ているため、その点も慎重に診断されます

このように、医学的な愛着障害は年齢的には子どもの障害とされますので、大人になって何らかの社会的な問題を抱えていたとしても、それは医学的な意味での愛着障害とは診断されません。医学的な愛着障害の治療には投薬などの手法ではなく、カウンセリング・心理療法・家族療法などが用いられます。

親子の問題-過干渉

過剰に子どもに干渉することです。子どものすることや考え方にあれこれ口出しして親の思い通りにコントロールしようとしたり、子どもが望んでいないことを先回りしてやったりしてしまいます。こうして親の価値観や理想を押しつけられた子どもは、自分のペースで物事を考えたり行動したりする機会を奪われてしまいます。

過干渉な親の特徴には、以下のようなものがあります。

  • 友達を選ぶ、または友達付き合いに口出しする
  • 子どもの服を選ぶ
  • 子どもの持ち物が、自分の好みに合わないと批判する
  • 行動を把握しようとする
  • 子どもを監視する
  • 宿題や学校の準備に口出しする
  • 子どもの進路を自分の思い通りに決めようとする
  • 結婚相手や付き合う相手に、親が条件を出す
  • 携帯電話をチェックする
  • 親が決めた習い事をさせる
  • 一人暮らしを認めない
  • 門限がやたらと厳しい
  • 社会通念から逸脱しているものなど、親独自のルールを強制する

過干渉になる親は、基本的に自分と子どもの境界線が曖昧です。そのため、子どもに意思があることを頭では理解していても心理的に納得できず、自分がやらせたいことなら子どもがやりたくないことでも無理やりやらせますし、子どもが自発的にやりたいと思ったことを抑圧したり、行動が監視したりします。

このように過干渉な親に育てられた子どもは、過干渉が原因だと気づかないまま生きづらさを抱えている場合もあります。過干渉は子ども最も確実に不幸にできる方法、とも言われますが、具体的には以下のような生きづらさを抱えやすくなります。

  • 愛された実感がない
  • やりたいことがわからない
  • 無意識に抑圧を感じている
  • 思考停止・無感覚(自分がいなくなる)
  • 受け身になりがち
  • 自己否定が強い
  • 「自分が好きになれない」「自分が悪い気がする」「自分に価値がない感覚がある」などと感じる
  • やってみたいことがあってもどうせできない、と無気力になる
  • コミュニケーションがうまくいかない
  • 自尊心を傷つけられているので自分のことも他人のことも尊重できない
  • 人の顔色や評価を過剰に気にしてしまう
  • 人に合わせすぎるので、自分の意見がわからない
  • 外の世界に対して恐怖心が強く、学校や社会に適応できないことも
  • 自分を守るため、他人や社会に対して無関心になるケースも多い
  • 「白か黒か」といった極端な思考を持っている傾向がある
  • 一回の失敗で「自分はもうダメだ」、他人に対しても「信用できない」など極端な判断をする
  • 現実よりも、妄想に逃避しがちになる
  • 意識が内にこもりがちになり、外の世界で経験を積み重ねられない

親子の問題-共依存

共依存とは、もともとアルコール依存症の家族が陥りやすい状態から生まれた概念で、「アルコール依存症患者との関係に束縛された結果、自分の人生を台無しにされてしまっている人々」の特徴でした。アルコール依存症の患者は家族などに頼らなくては生活がままならないのですが、世話している家族などもまた、患者自身に依存しているような状態になってしまうのです。

このように「相手をケアしていながら、同時にケアする側もそのケアに依存していて、ケアされる側の自立を望まない」といった関係を共依存と呼ぶようになりました。親子関係でも同じように、子どもは生まれてきてすぐは親を養育者として頼らなくては生きていけないのですが、子どもはいずれ成長して自立していくものです。

しかし、親が子どもの成長や自立を受け入れられないと、自然と過干渉な状態になり、自立を邪魔する存在になってしまいます。結果、子どもは正常な状態で成長や自立できず、異常にお互いがお互いを欠かせない存在と思い合ったり、必要以上に依存し合っている関係に陥ってしまったりするのです。

親がいないと何もできない子どもになってしまい、例えば子どもが結婚したとしても精神的に親に依存したままということもありえます。このように共依存は「ケアする、される関係」において起こりやすいことから、父と子よりも圧倒的に「母と子」のペアが多いとされています。特に、母と息子の場合はマザコンとも呼ばれ、日本では馴染み深い関係でもあります。

具体的な共依存親子の特徴としては、以下の3つのポイントが挙げられます。

子どもがいくつになっても、実家を出ようとしない
お互いを必要とし合っているので、どちらかがいない生活を考えられない
親は子どもを「手のかかる子」「自分が面倒を見てやらなくては」と思い込んでいる
子どもの方も「自分は何もできない」「一人では生活できない」と思っているケースが多い
親がいつまでも経済的な援助をしている
子どもが大人になってもお小遣いをあげている共依存親子は多い
子どもが仕事をしていたり、結婚して家を出ていたりしても経済的な援助をやめないケースも
子どもが仕事も結婚もせず、実家も出ず、経済的にも親に依存している
お互いに依存している自覚がない
本人たちに共依存の自覚がなく、共依存や過干渉が加速しやすい
共依存しているという自覚が生まれれば、そこから抜け出すこともできる
自覚がないからこそ異常さに気づけず、依存していることに疑問を持たずに過ごしてしまう

親子関係を改善する方法は?

さまざまな原因によって、親子関係は複雑になることがあります。それでは、こじれた親子関係をよい方向で改善するにはどんな方法があるのか紹介していきます。

親子関係改善法-愛情表現豊かなコミュニケーション

親子関係で最も大切なことは、家族愛を自然に感じられる環境を作っておくことだとされています。家では疲れた身体を横たえ、安心して羽を休めていいのだ、と気持ちや言葉で伝えてあげることが、子どもの情緒を安定させることにつながります。また、小さなことでも良いので時々は褒めて感謝の言葉を伝えてあげると、「いつも見守っているよ」というメッセージになります。

人は誰でも、多かれ少なかれ承認欲求を持っているものです。親(養育者)に褒められたい、認められたいという感情は、愛されたいという気持ちがもたらすものです。親が子どものすることを褒めることで、子どもは嬉しくなって自らもっと成長しようとします。しかし、親が子どものすることを一切褒めることがないと、子どもはいつも心に寂しさや虚しさを抱えてしまうことになります。

正常な発達過程を辿っていれば、成長していくうち他者に褒められるためではなく、自分自身のためや家族のため、誰かのために頑張ることが当たり前になっていくのですが、子どものうちは誰でも親や他人から褒められたいために勉強や手伝いを一生懸命することが多いです。このとき親に満足に褒めてもらえないと、その不満や不安感、不信感が大人になっても残ってしまうのです。

子どもが自我を発達させていくと、ときに反抗期を迎えることがあり、親は接し方に困ってしまうこともありますが、反発したからと完全にほったらかしにされてしまうのも不安なものです。適度な距離感を保ちつつ、褒めるときは積極的に褒めることで子どもの情緒は安定し、反抗的な態度も落ち着きやすいと考えられています。

親子関係改善法-ジェネレーションギャップの理解

過干渉の項目などでも説明したように、親が「自分が絶対に正しい、お前は間違っている」という言い方をするのは避けましょう。子どもには子どもなりの考えがあって、芯の通ったものを持っている可能性も十分にあります。たとえば以下のような言葉を使って子どもの選択を否定するのはおすすめできません。

  • 「そんなことはやっても意味がないからやめろ」
  • 「そんなことをしても実力につながらない」
  • 「時間の無駄」といった言葉です。

親と子が別の人間である以上、親と子が見ているものは違いますから、当然親と違う考え方を持ち、親が考える範囲以外にも成功や幸せに結びつく道がある可能性もあるのです。子どもが道を外れそうなら注意も必要ですが、自分なりに頑張ろうとしている姿勢があるなら、親はそれをできるだけサポートするような考え方を持つのが望ましいでしょう。

また、そもそも親が生きた時代と子どもがこれから生きる時代は異なります。時代が移り変わる中で、価値観もまただんだん変わっていきます。例えば、1980年代の平均初婚年齢は男性が27.8歳、女性が25.2歳であり、この時代には25歳を過ぎると「売れ残ったクリスマスケーキ(※25日を過ぎると価値が下がる)」と言われていたほどです。しかし、現在そんなことを言う人はまずいません。

これは時代が変化するに従って人々のライフスタイルも変化したこと、女性の社会進出、日本経済の悪化などさまざまな要因が指摘されています。2010年の平均初婚年齢は男性で30.5歳、女性で28.8歳となっています。「経済的な余裕がないから」「今は仕事が大事な時期だから」と、そもそも結婚を望む人であっても初婚を決意する年齢は遅くなっているのです。

こうした時代背景をしっかり理解している親であれば、20代半ばの子どもに対して「早く結婚しなさい」とは言いません。しかし、中には「私たちの頃はあなたの年ではもうみんな結婚していたのに」「ご近所さんの目もあるから、早くいい人を見つけて」と結婚を急かしたり、自分たちの世間体のために結婚を望むような言い方をしてしまったりする親もいます。

子どもの方だって、「早く結婚して独立し、親を安心させたい」「孫の顔を見せたい」という気持ちを持っているかもしれません。しかし、前述のように晩婚化が進む現状を考えれば、親と同じ年に必ずしも結婚できるとは限りませんし、そんなときにしつこく結婚、結婚と急かされれば、うんざりしてしまうこともあります。

このようにうんざりしてしまって親子の会話が減っていき、最終的に親子関係が大きくこじれてしまう、というパターンも少なくありません。ですから、親側は子どもが夢や目標に向けて頑張っているのなら、それを素直に応援し、見守る姿勢が大切です。もちろん、子どもの方もいつまでも親に頼らず、実家を出て自活したり、夢や目標に向かって頑張ったりする姿勢が必要です。

親子関係改善法-親も子も自立心を持つ

健全な親子関係のためには、子どもはもちろん親も自立心を持つことが重要です。子どもに過干渉せず、自分のことは自分でやらせるということ、子どもをいつまでも親の庇護下になければならない弱い存在だと思わず、子どもが成長して自分の意思で将来を切り開いていく姿に干渉せず、見守る姿勢を持つことが大切なのです。

また、そのためには親自身が経済的に安定することも重要です。養育方法という親子関係に限ったことだけを学ぶのではなく、衣・食・住を心地よく保てるような家事全般、将来の生活設計も含めた家計のやりくりといった生活技術など、自立して生活するために必要なことを親自身が積極的に学んでいかなくてはなりません。

親が社会的に孤立していることが生活困難や家族機能の低下につながっていることは、決して少ない例ではないのです。地域のフォーマル・インフォーマルな支援を受けること、困りごとがあれば公的機関に相談すること、学校や幼稚園・保育所など子どもの受け入れ先と連絡を取り合うことなども重要です。

親子関係改善法-割り切りも時には必要

親子関係の問題については、あるいは完全に理想通りに行かないこともあるでしょう。ときには割り切りも必要です。100の家庭があれば100の親子関係があり、子どもが親と違う人間である以上、必ずしも親が思い描いていた関係になれるとは限りません。特に、反抗期の場合は無理に親子関係を修復しようとすると逆効果になることもあります。

反抗期の問題をはじめ、時間が経てば自然と落ち着くことも多いです。「そういう時期なんだな」とある程度おおらかに捉え、子どもの健全な成長を喜ぶ気持ちで過ごすと良いでしょう。

カウンセリングでこじれた親子関係修復!費用の目安って?

どうしても親子関係の問題が改善できず困っている場合は、親子カウンセリングを受けるという方法もあります。相談内容としては不登校・ひきこもり・非行など、子どもに重大な問題が起こっている場合が多いのですが、こうした問題の背景に親子関係のこじれがある場合も少なくありません。

家庭内だけで問題を解決するのが難しいと思ったら、専門家による親子カウンセリングを受けることも視野に入れてみましょう。カウンセリングには大きく分けて「対面カウンセリング」と「オンラインカウンセリング」の2つがあります。

対面カウンセリング
1回1時間で、5,000円〜10,000円のところが多い
カウンセラーの保有する資格や、立地によってもカウンセリング料金が異なる
都心部などは場所代が高くなりがちなので、中には1時間10,000円を超えるところも
オンラインカウンセリング
ビデオ通話や電話を使ったカウンセリングで、1回50分前後、4,000円〜7,000円のところが多い
カウンセラーが保有する資格によって料金は前後するが、対面カウンセリングよりは安く設定されている
メールカウンセリングであれば、さらに安く利用できるところが多い

このように、親子カウンセリングと言ってもさまざまです。カウンセリングルームまで行く時間がとれない場合は、オンラインカウンセリングやメールカウンセリングなどを上手に利用しましょう。

親族関係調整調停は財産管理など法的トラブルが起きたときに

親族関係調整調停とは、親族間において感情的な対立や親などの財産の管理に関する紛争などが原因となるなど、親族関係が円満でなくなった場合、円満な親族関係を回復するための話し合いをする場として家庭裁判所の調停手続きを利用するものです。

実際の調停手続きでは、こじれた原因について双方から事情を聞いたり、必要に応じて資料などを提供してもらったりして事情をよく把握した上で、解決案を提示したり、解決のために必要な助言をしたりします。申立先は相手方の住所地の家庭裁判所、または当事者が合意の上で決めた家庭裁判所となります。

必要な費用は収入印紙費用1,200円で、裁判所によっては連絡用の郵便切手が必要な場合があります。申立先の家庭裁判所に確認してみましょう。申立に必要な書類は「申立書とその写し1通」「標準的な申立添付書類」です。ただし、審理のために必要な場合は、追加書類の提出が必要なこともあります。その場合は裁判所から指示がありますので、必要に応じて用意しましょう。

おわりに:親子関係は複雑なもの。ある程度の割り切りやお互いの自立も必要

親子関係には過干渉、無遠慮、気持ちの行き違い、親のエゴ、子どもの甘えなどさまざまな複雑な感情が行き交います。それが家庭という比較的狭い世界で起こることから、こじれると修復が難しいことも少なくありません。

大切なのは、親子がお互いに自立した一人の人間として生活しながら、適度な距離感を保って接することです。ある程度は割り切り、どうしても解決が難しければ専門家の手を借りることも検討してみましょう。

 

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