大学生になると環境がガラッと変わりますが、実家暮らし・一人暮らし・寮生活のどれを選ぶかによって生活は大きく異なります。この記事では実家暮らし・一人暮らし・寮生活のメリット・デメリットや習得できるスキルなどを解説します。これから大学に進学する人、子どもが大学入学を目指している親の皆さんはチェックしてくださいね。
- この記事でわかること
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- 大学生の実家暮らし・一人暮らし・寮生活の割合
- 実家暮らしのメリットを活かす方法
- 一人暮らしで習得できるスキル・価値観
- 寮生活で得られるユニークな経験・スキル
大学生の実家暮らし・一人暮らし・寮生活の割合はどれくらい?
大学生活を迎える人や大学生のいる家庭では、実家暮らしのままでいるか、一人暮らしをするか、寮に入るかに悩むこともありますよね。日本学生支援機構が発表した「平成30年度学生生活調査」によると、大学生の住まいは下記のような割合になりました。
- 大学生の居住形態の割合(昼間部)
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- 実家暮らし(国立大):33.8%
- 実家暮らし(公立大):43.8%
- 実家暮らし(私立大):64.5%
- 下宿・アパートなど(国立大):59.7%
- 下宿・アパートなど(公立大):53.3%
- 下宿・アパートなど(私立大):29.4%
- 学寮(国立大):6.5%
- 学寮(公立大):2.9%
- 学寮(私立大):6.1%
下宿・アパートを一人暮らしとすると、国立大学と公立大学の学生の居住形態で最も多いのが一人暮らしという結果になりました。私立大学では実家暮らしの方が多いようです。いずれの大学でも寮生活をする人の割合は高くありません。これは寮の数が少ないこと、大学に寮があっても定員が設けられていることも影響しているでしょう。
次章からは、実家暮らし・一人暮らし・寮生活のメリット・デメリットをそれぞれ解説していきます。
大学生が実家暮らしするメリット・デメリット
大学生が実家暮らしをすることには、どのようなメリットとデメリットがあるのでしょう。
- 大学生が実家暮らしするメリット
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- 学業に専念しやすい
- 料理や掃除などをしてもらえることもある
- アルバイトをしている場合、貯金が増えやすい
- 家族がいるため、孤独を感じにくい
- 防犯面で安心感がある
- 体調が悪いときに頼れる存在がそばにいる
- 栄養バランスの整った食事を取りやすい
- ペットがいる場合、引き続き一緒に生活できる
- 大学生が実家暮らしするデメリット
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- 実家から大学まで遠いことがある
- 通学時間や通学コストがかかる
- 友人や恋人を家に呼びにくい
- 門限がある場合、自由な時間が少ない
- 自分ひとりの時間を確保しづらい
- 親が過干渉の場合、ストレスになることがある
実家暮らしに向いている大学生の特徴
実家暮らしのメリット・デメリットを考慮してみると、実家暮らしに向いている大学生の特徴が見えてきます。まずは、大学と実家の距離がある程度近い場合は、実家暮らしの方がコストが抑えられます。片道1時間程度であれば、実家暮らしを選ぶ人も多いでしょう。
片道2時間になってくると往復で4時間、一日の6分の1を通学に費やすことになります。通学に時間を取られるのがツラい人は、家を出たいと思うはず。ただし実家暮らしにするか家を出るかは学生本人の意思、家庭の経済状況、教育への考え方などによって意見が分かれてくるところです。
夢や目標、やりたいことがあってそのためにお金を貯めたい人は、実家暮らしを選ぶのもおすすめです。一人暮らしをするタイミングは、進学以外にも就職や転職などさまざまですので、学生の間は実家で生活するという選択肢にもメリットがあります。お金を貯めてから在学中に実家を出て一人暮らしにチャレンジする、というプランも考えられますよ。
家にいると息が詰まる人やもっとマイペースに過ごしたい人、自立に向けて動き出したい人は一人暮らしの方が向いているでしょう。
大学生が一人暮らしするメリット・デメリット
調査からもわかるように、進学を機に家を出て一人暮らしをする学生は多いものです。今まで住んでいた地域を出て進学する人の場合、実家と大学がとても遠い距離にあることも。大学生が一人暮らしをするメリット・デメリットを見ていきましょう。
- 大学生が一人暮らしするメリット
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- 大学の近くや学生が多いエリアで生活できる
- 新しい街や地域に詳しくなる
- 親など家族に気兼ねする必要がない
- 自由を感じられる
- 時間の使い方を自分で決めることができる
- 友達を呼びやすい
- 自炊や家事など生活能力が鍛えられる
- お金の使い方の感覚が身に付いていく
- 部屋を自分の好きなようにコーディネートしやすい
- 親が過干渉や過保護だった場合、自立のきっかけになる
- 大学生が一人暮らしするデメリット
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- ホームシックなど孤独にさいなまれることがある
- 学業に加えて家事も自分でしなくてはならず、忙しい
- 心身に不調があらわれたとき、頼れる人がそばにいない
- 自由を楽しむあまり、生活リズムが乱れやすい
- 食事が適当になり、栄養が偏ることがある
- 住民トラブル・近隣トラブルになったとき、心細い
一人暮らしに向いている大学生の特徴
実家から大学まで、飛行機や新幹線でないと行けないような距離にある場合、一人暮らしをするのが現実的です。一人暮らしを始めた当初はホームシックになったり、慣れない家事に疲れたりしますが、慣れてくるとマイペースに暮らしを整えていけるようになります。
食べたいときに好きなものを食べ、友人や恋人も家に呼びやすくなるでしょう。自分で暮らしをデザインする自由度が高まりますので、いろいろなことにチャレンジしやすくなるのもメリットです。
親子関係に悩んでいた人、門限やルールなど親が過干渉な人にとっては、一人暮らしを始めたことで気持ちを落ち着くことも。ただし一人暮らしに慣れてくると、「自分は自立している!親の言うことなんて聞かなくていい」と極端な考えに陥る大学生もいますが、学生のうちは本当の意味での自立をできていることは多くありません。一人暮らしでも学費や家賃は親に出してもらったり援助してもらう学生が多いからです。
一人暮らしをきっかけに、今まで当たり前にしてもらっていたことについて、親に感謝をしてみてはいかがでしょう。自立心が低い人、誰かの目がないとだらけてしまう人、体調管理が苦手な人は実家暮らしの方が安心かもしれません。
大学生が寮生活するメリット・デメリット
調査では少数派となった寮生活ですが、大学生活を寮で過ごすことによってどんなメリットが得られるのでしょう。
- 大学生が寮生活するメリット
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- 家賃が格安の寮もある
- 寮から大学までの距離が近い
- 友人・知人ができやすい
- 先輩・後輩とのつながりができ、卒業後も続く人脈になる
- 先輩などから大学の試験対策を教えてもらいやすい
- 近年は寮生活をする人は少数派で、貴重な経験を得られる
- 寮生活をしていたことについて、就活などで興味を持ってもらえる
- 共同生活で寂しさを感じにくい
- 家賃が安い分、アルバイトなどをしているとお金が貯まりやすい
- 大学生が寮生活するデメリット
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- プライバシーがあまり守られない
- お風呂やトイレは共同使用のこともある
- 寮独自のルールや上下関係がある
- 築年数が古く、住みにくい寮もある
- 寮生との人間関係に悩むこともある
- 寮風に馴染めないことがある
- 友人や恋人を呼びにくい
- ルームメイトと相性が悪いこともある
寮生活に向いている大学生の特徴
大学の学生寮は、賃貸マンションやアパートと比較すると安い傾向があります。寮費は4万円~5万円程度が目安ですが、大学によっては5,000円~1万5,000円と格安の家賃のことも。家賃を抑えたい人は、学生寮も候補として見学や説明会に参加するのがおすすめです。
ただし安い学生寮は築年数が古く、設備が不十分であったり衛生面で不安を伴うことが少なくありません。設備の整った広くてきれいな部屋に住みたい場合、学生寮ではなかなか満足がいかない可能性が高いでしょう。
学生寮ならではのメリットはなんといっても、同じ大学の学生と一緒に生活することです。特に、寮に入らなかったら知り合うことができなかったような学部、学科、先輩、後輩などと知り合うチャンスに恵まれます。寮で構築した人間関係が社会人になっても続くことも珍しくありません。一人暮らしをするのは寂しい、共同生活に興味がある人は、寮生活をエンジョイできるでしょう。
注意してほしいのは、学生寮は共同生活が前提のため、常に誰かがそばにいることです。一人暮らしや実家暮らしと比べると、プライバシーがなくてストレスになるかもしれません。潔癖症の人や綺麗好きの人は、お風呂やトイレの共同利用が大きなストレスになるでしょう。
また、大学の寮ごとにそれぞれ独自のルールや文化、上下関係が存在しています。コミュニティを運営するためにはある程度の決まり事が必要ですので、自分がそのルールに順応できるか、違和感やストレスを抱くような寮風ではないか、ご自身とマッチする寮なのかをしっかりと確認しておきましょう。
おわりに:実家暮らし・一人暮らし・寮生活のメリットをエンジョイしよう
実家暮らし・一人暮らし・寮生活についてイメージは湧いてきましたか?どの暮らしにもメリット・デメリットは付きものです。ただしタイミングや物件次第で状況は変わっていき、感じ方が変わればメリット・デメリットも違ったかたちに見えてきます。大切なのは、自分にぴったりの生活を選ぶこと。親と相談しつつ、楽しい新生活のスタートを切ってくださいね。
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