食べ物の好き嫌いがない人は「育ちが良い」「マナーが身についている」など好印象を持たれやすいですよね。一方、社会人で偏食の場合は周囲からの印象がダウンすることも。
この記事では、大人になってから偏食を克服する方法や味の好みが変わるきっかけなど、ストレス少なく食事を楽しむためのヒントを紹介します。
- この記事でわかること
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- 社会人にとって偏食が与えるデメリット
- 子どもの偏食につながる孤食や個食とは
- 社会人になってから食べ物の好みが変わる原因
- ストレスを抑えて偏食を克服する方法
社会人の偏食は健康にも仕事に悪影響を及ぼす?
食べ物なら何でも好きという人もいますが、苦手な食べ物がある人は意外と多いものですよね。苦手な食べ物が多いことを偏食といいますが、社会人で偏食だとデメリットがあります。
- 偏食による健康面のデメリット
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- 野菜不足やエネルギー不足が起こり、体の機能が低下する
- 生活習慣病のリスクが高くなる
- 肥満または痩せすぎになりやすい
- 偏食による人間関係のデメリット
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- 食べ物の好き嫌いが多いと、人の好き嫌いも激しいと思われやすい
- 苦手な食べ物を残すと、礼儀やマナーがない人と思われることがある
- 社会人になっても偏食があると、ワガママな人と思われやすい
- 食事の場で、周囲に気を遣わせる
- 人と一緒に食事をする機会が減る
- 外食や人との食事がストレスに感じられる
偏食によって栄養不足な食事ばかりしていると、体の調子が整いません。社会人には体調管理能力も求められます。体調を崩すことが多いと、仕事を休んだり会議に集中できなかったりと仕事に影響を与えかねません。
偏食は人間関係にも影響することがあります。偏食が多い人に対して、悪い印象を抱く人もいるからです。また、「食事は残さず食べるもの」という考えを持っている人もいますので、会食やランチなど仕事関係の食事の場で印象ダウンする可能性もあるでしょう。
社会人の偏食は直さないとダメなの?
上記のように、偏食は社会人にとってデメリットが少なくありません。偏食を直すと体の調子が良くなったり、人との食事が楽しくなったりするでしょう。
偏食は直す、もしくはできるだけ偏食を少なくするのがおすすめです。偏食は必ず直さなければいけないというわけではありませんが、健康や人間関係を考慮すると、克服するメリットが大きいといえます。
ただし、食べ物の好みや苦手はその人の個性・自由であるという考えも広まってきています。サプリメントも豊富な種類が販売されており、食品以外から栄養を補助的に摂取することも可能ではあります。
子どものときの食習慣が偏食の原因になるケース
子どものとき苦手だった食べ物を、大人になっても克服できない人は少なくありません。まず、子どもの食べ物の好き嫌いが発生する原因を解説します。
味覚には、甘味・塩味・酸味・苦味・うま味の5つの種類があると考えられています。
子どもは苦味の強い野菜を苦手に感じることが多いです。これは、食べ物ではない物を口にしたり毒性を持つ食べ物を口にしたときに、「それらを口にすると体に悪い影響を与える」と味覚が判断するためです。たとえば腐った食べ物からは酸味、毒物からは酸味や苦味が感じられます。酸っぱい食べ物や苦味のある食べ物を食べると、本能的に苦手意識を持つのも無理はないのです。
こうした本能的な要素のほか、下記の原因も考えられます。
- 孤食:家族と一緒に食べずに子どもが一人で食事をすると、苦手な食べ物を避けてしまう
- 個食:家族と一緒に食事をする場合だが、食べ物はバラバラな食習慣。それぞれが好きな食べ物を食べるため、好みや栄養が偏りやすい
- 小食:食べる量が少ないこと。必ずしも悪い食習慣ではないが、経験できる料理の種類や味の種類が少なくなると、慣れない味への抵抗感が生まれることもある
- 極端な味付けの食事:味が濃すぎる食事には塩分や糖分が多く含まれることが多く、味覚が鈍くなりやすい
- 厳しい食事のしつけ:偏食を直すため、親や周囲の大人が無理に食べさせようとする
社会人になってから偏食になるケース
反対に、子どものときは平気だった食べ物が大人になってから苦手になることもあります。特に働き始めて社会人になると、テイクアウトや外食などで食の選択肢が増えます。すると苦手な食べ物を食べなくてはいけない機会や苦手な食材を発見する機会も増えがちです。
下記から、大人になってから偏食になる原因の例を紹介します。
食わず嫌いで食べたことがない
見た目や匂いが苦手だと、食べたことがなくても苦手だと思い込んでしまうことがあります。しかし、食べてみると思ったよりおいしいこともあります。匂いや風味が苦手な場合、味も苦手なことが多いようですが、ひと口チャレンジしてみるのもおすすめですよ。
自分で食事を用意すると、好きな食べ物ばかり選びがちになる
働き始めると一人暮らしをする人や、家族と食事の時間が合わなくなる人が増えます。すると栄養バランスを考えた食事よりも、好きな食べ物や手軽な食べ物を選ぶことが多くなります。
食事内容がワンパターンになると味覚も偏ってしまいます。コンビニ食品や外食が多い人は、健康的な食事をしたときに薄味でおいしくないと感じることもあります。するとますます食事が偏るという悪循環にはまってしまいます。
食への興味が薄く、同じものばかり食べる
食べることに興味や関心が薄い人は、食事の回数が少なかったりワンパターンの食事になったりすることがあります。
食事の量が減ると、生命維持や日常生活に必要なエネルギーが不足するおそれが考えられます。ワンパターンの食事では栄養バランスが偏り、体の不調を招きやすくなります。
嫌な記憶と食べ物が結びつくと苦手意識がつきやすい
苦手な食べ物があることは自然なことです。味覚や食べられる量には個人差がありますので、苦手な味、好きな味、お腹がいっぱいになる量は人それぞれです。
しかし、子どもの頃は家庭や学校などで食事を残さず食べるように促されることが多いでしょう。そのとき、厳しく叱られるとますます苦手意識が強くなってしまうこともあります。
叱られることだけでなく、怖いことや悲しいことがあったときに食べていた食べ物にネガティブなイメージがつくことも考えられます。味だけでなく、匂いや見た目も記憶と結びつきます。大人になってからも嫌な記憶と特定の食べ物が結びつき、偏食につながることはありえます。
加齢に伴い、油っこいものや濃い味が苦手になる
年齢を重ねると若い頃とは好みの味が変わることがあります。加齢に伴い消化器官の機能は低下する傾向があり、油っこいもののような消化に悪い食べ物を摂取すると胃もたれを起こすことも増えがちです。
栄養バランスが整った食事を取れているのであれば、こうした食の変化は悪いものではありません。
偏食が治るきっかけって?苦手な食べ物が平気になる方法
昔は苦手だった食べ物を食べられるようになることもあります。偏食を克服したきっかけの例を紹介します。
- 大人になって味覚が変化し、子どもの頃は苦手だった食べ物を食べられるようになった
- 苦手だけど食べていたら、徐々に味に慣れてきた
- 健康のために栄養に気を配り、苦手な食べ物も食べられるようになった
- 同じ食材でも調理法によっておいしいと感じることに気がついた
- 同じ食材でも異なる産地のものを食べたらおいしかった
- 偏食の原因となっていたトラウマを克服したら食べられるようになった
自炊や食育など偏食を克服するためのポイント
偏食を克服したい人は、下記の方法を試してみるのもおすすめです。
- 自分で食べる食材は、スーパーや八百屋などで自分で選ぶ
- 自炊にチャレンジしながら、苦手でも食べやすい調理法がないか試してみる
- 濃いめの味付けが好きな人は、薄めの味付けへと味覚を調整する
- 果物狩りや農業体験など、食育を通して食材がどんな風に育つか理解する
- テーブルコーディネートやお皿選びなど、食卓に楽しみを見つける
つらい気持ちを我慢をして偏食を克服するというよりは、食の楽しさ、食の恵みを発見しながら好きな食べ物を増やしていきましょう。
食物アレルギーは無理に治そうとしなくて大丈夫
食物アレルギーを持っている人は、食べられない食品や飲み物があります。食べ物アレルギーの場合は無理をして食べようとしなくて大丈夫です。無理して食べてしまうと、命に関わることもあります。
大人になってからアレルギーを発する後天アレルギーもありますので、食物アレルギーは子どもだけが発症するものではありません。
会食など仕事の関係で食べられない物があることを気にされているようなら、食物アレルギーがあることを事前に伝えておきましょう。
食物アレルギーへの理解は進んでおり、食べさせようとする人は少なくなってきています。コンプレックスに感じる必要はありません。食べられるものをおいしく楽しみましょう。
専門医の治療によって症状が軽くなることもありますが、焦らずにアレルギーと上手に付き合っていくのがおすすめです。
おわりに:おいしい食事は健康的な体や良好な人間関係につながる
栄養バランスのとれた食事を人と一緒に食べると、その時間がとても楽しくなりますよね。偏食があると、健康リスクや人間関係に影響を与えることがあります。社会人で偏食に悩んでいる人は、無理のない範囲で苦手な食べ物を減らしていくのもおすすめですよ。
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