チャレンジ精神が旺盛でいろいろなことに挑戦できる人は、仕事において高い成果や周囲からの評価を得られる可能性も高くなります。
今回は、成功を招くチャレンジ精神の高め方を、チャレンジ精神旺盛な人に見られる「コンピテンシー」に注目しながら、紹介していきます。
- この記事でわかること
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- コンピテンシーの概念の由来と10項目
- 英語や事務スキルなど資格取得がおすすめされる理由
- 意欲を上げるマインドセットの方法
- 自分への思いやり「セルフコンパッション」の抱き方
「コンピテンシー」はこれらかのビジネスのキーワード
コンピテンシー(competency)は、心理学用語として1950年代に誕生した言葉です。
1970年代に入ると、米国国務省からの依頼を受け外交官の採用時のテスト結果・配属後の実績の相関関係を調査したマクレランド教授により、人事用語としても周知されました。
人事用語としてのコンピテンシーの意味は「高い成果を上げる従業員に共通する行動特性」です。
マクレランド教授が外交官を対象にした調査時に見つけ出した、高い業績を上げる者たちに見られる行動特性の総称なのです。
なおコンピテンシーと言う言葉には、特定の行動や発言だけでなく、そこに至るまでの思考や人柄など、通常なら可視化しにくい人間性まで評価の対象とします。
公益財団法人の日本生産性本部によると、コンピテンシーを成す10項目は以下の通りです。
- コンピテンシーを成す項目
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- 成果達成志向
- コミュニケーション
- チームワーク
- マネジメント
- 部下育成
- 顧客満足
- 自己研鑽
- 行動・時間管理
- 論理的な問題解決
- 関係構築
もともと欧米で提唱・確立されたコンピテンシーは、終身雇用や年功序列を人事評価の基準としてきた日本では、馴染みのない評価基準でした。
しかしバブル崩壊後、少子高齢化による労働不足に苦しむ日本企業の人事評価基準も、徐々に欧米型の成果主義へと移行してきています。このため近年のビジネスシーンにおいて、コンピテンシーは注目のキーワードとなってきているのです。
人事評価の基準が変わったということは、企業から求められる人材も変化したということです。
今後、日本においてもチャレンジ精神旺盛で成果達成志向が強く、自己研鑽意欲の高い人材への需要は、ますます高まっていくと考えて良いでしょう。
チャレンジ精神が高い人の特徴
チャレンジ精神旺盛な人には、日頃の仕事ぶりや考え方に以下のような特徴が見られます。
- スケジュールや仕事の進捗、自身の心身の状態など、自己管理が上手
- 質問上手で、気になることは何でも質問して理解し、物事の背景を深く理解する
- 仕事を含め何に対しても好奇心旺盛であるため、他者に質問し学ぶことが苦にならない
- 誰に対しても、言うべきことは敬意とともにきちんと伝えることができる
- 向上心が高く、何事もポジティブに考えるため変化に強く、楽しむ気持ちを持っている
- 周囲の意見に左右されることなく、自分の信念に従い一度決めたことは必ずやり通す
- 失敗しても簡単にあきらめることはせず、気持ちを切り替えて挑み続けられる
- 基本的に冷静で優しく、他者の悪口を言わないことと他者への気遣いを徹底している
- マイペースだが周囲から慕われ、立場の上下に関わらず人が集まってくる
逆に言えば、上記のような思考・言動を意識的にすることで、仕事で成果を上げるためのビジネスマインドの形成もできるということ。
ビジネスシーンで活躍、成功をしたいなら、チャレン精神向上をめざして損はありません。
次章以降を参考に、意識的にチャレンジ精神を高めるための取り組みを始めましょう。
スキルアップにチャレンジするのもおすすめ!
チャレンジ精神は、メンタルを強くし、思考のクセを変えていくことで向上させられます。
具体的には、実際に何かにチャレンジして挑戦することの楽しさや大変さ、やりがいを身をもって知り、メンタル面を変えていくのが有効です。
ビジネスパーソンに特におすすめしたいのは、資格取得にチャレンジすることです。この方法なら現在、または仕事の実務に役立つスキルの獲得と、チャレンジ精神向上のためのメンタル面の強化、双方を一緒に進めることができますよ。
以下に、ビジネスパーソンのスキルアップにおすすめの資格を5つ紹介していきますので、資格取得を選ぶ際の参考にしてくださいね。
TOEIC
990点満点で英語のコミュニケーション能力を評価する、世界共通のマークシート試験。特定の資格を取得するためのものではなく、各495点満点のリスニング・リーディングの試験でどのくらいの点数を取れるかで、その人の英語能力を証明します。
簡単な英文事務には600点以上、英語を使ったメールや電話でのやり取りが必要な貿易事務、海外営業事務なら700点以上、翻訳や通訳なら800点以上が必要点数の目安となります。
MOS(マイクロソフトオフィススペシャリスト)
「マイクロソフトオフィススペシャリスト」の略称で、「モス」と読みます。事務作業に必要なExcelやWord、PowerPoint、Access、Outlookなどのパソコンソフトの使用スキルを証明するための資格試験です。
いくつかの種類があり、持っていることで事務職としての就職・転職が有利になるでしょう。
SE関連資格
SEとはシステムエンジニアのことで、顧客との打ち合わせを通して最適なシステムを提案・設計し、プログラムの動作テストまでを行う職種です。
以下のような資格を持っていれば、SEに必要な専門知識・スキルを保有する証明となり、有利な条件での転職や資格手当の受け取りが可能になるでしょう。
- 基本情報技術者試験
- 応用情報技術者試験
- データベーススペシャリスト試験
- プロジェクトマネージャ試験
- システムアーキテクト試験 など
Webデザイナー関連資格
顧客の依頼・要望をもとに、Webサイトのレイアウトやデザインを考える職種です。就業するには基本的なプログラミングスキルと、Photoshop®などデザイン関連ソフトを扱うスキルが必須で、以下のような資格を持っていると実務未経験でも評価されやすくなります。
- Webクリエイター能力検定試験
- ウェブデザイン技能検定
- HTML5プロフェッショナル認定試験
- アドビ認定エキスパート
- Photoshop®クリエイター能力認定試験
- Ilustrator®クリエイター能力認定試験 など
医療事務関連資格
医療機関で受付や会計、カルテの作成などを行う職種です。どの業務を主に担当するかにより、職種名は「受付・会計」「外来クラーク」「病棟クラーク」「レセプト」などと変わる場合もあります。
実務経験がなくても就業できる仕事ですが、以下の資格を持っていれば業務に必要な医療関連法や診療報酬の計算方法などの基本知識を持っていることの証明となり、転職に有利です。
- 診療報酬請求事務能力認定試験
- 医療事務技能審査試験(メディカルクラーク)
- 医療事務管理し技能認定試験(医療事務管理士) など
気軽に習慣化!チャレンジ精神を向上させる方法
欲しい資格がない、いまは資格のための勉強に割く時間やお金を取れないという人は、以下の方法でより気軽にチャレンジ精神向上をめざすのと良いでしょう。
成功者の体験を知り、自分の10年後をイメージする
挑戦への意欲が低下する最大の要因は、失敗することへの恐れではないでしょうか。このため、他者の成功体験を見聞きするのはチャレンジ精神の向上に非常に効果的です。
偉大な経営者の生涯や思考を知ることのできる本や映画、直接の知人・友人からたくさんの成功体験を知り、チャレンジすること自体に良いイメージを持ってください。
そしてポジティブな感覚のまま、10年後の自身の理想像をイメージしてみるのです。10年後の成功のため、いま計画的にチャレンジしようという意欲が沸き上がってきますよ。
付き合う人を変えて、新たな刺激を受ける
社会人になると、家と職場の近辺が主な行動範囲となり、自分の世界が狭くなりがちです。職場と自宅の往復だけをしていると、現状が一生続くような気分になってきませんか。
これでは新しい分野への興味や達成すべき目標との出会いや、キャリアビジョンを描くためのきっかけもなかなか得られません。
そこでおすすめしたいのが、意識的に行動範囲を広げ一緒に過ごす相手を変えることです。
家族や職場の人以外と会う時間を作ることで、自身がめざすべき方向性や、まだ知らなかった自身の魅力に気が付くきっかけも増えてきます。
心身の健康、ヘルスケアについての知識を学ぶ
体調が悪いと、新しいことや興味のあることへ挑戦する意欲は沸いてきません。
しかし、健康への不安は年齢を重ねるごとに増しますし、年齢を実感するごとにチャレンジ精神も低下していくのが一般的です。
チャレンジ精神の維持と向上には、心身の健康状態を適切に管理することも大切です。積極的に心身の仕組みやヘルスケアについて学び、自身の体調改善に役立つ知識を身に付けて、健康への不安を軽減しましょう。
挑戦するためのマインド「セルフ・コンパッション」の高め方
テキサス大学教育心理学部のクリスティン・ネフ准教授が確立した「セルフ・コンパッション」は、簡単に言えば自分を思いやる心・力のことです。
自分自身を現す「セルフ」、慈悲や思いやりという意味の「コンパッション」を合わせ作られた言葉で、高めることで以下のような効果を期待できるとされています。
セルフ・コンパッションを高めることで、得られる効果
- 人生の満足感や充足度、幸福感、楽観性を高め、感情をポジティブにする
- 逆境に負けず、粘り強く物事をやり抜く力(レジリエンス)が向上する
- ストレスを軽減し、不安や抑うつ状態に陥るリスクを低減させる
一般的に、人には自分と他者を比較したとき、自分をより厳しく評価する傾向が見られます。
家族や友人、パートナーなど、他者へ向けるような思いやり、やさしい心を自分自身に向けるのは、非常に難しいことなのです。
しかし、自分に厳しく接し続けることはストレスの増大や、自己評価低下の原因になるおそれがおります。
そして自分への厳しい評価は、自分より優れた他者と比較するからこそ生まれるものでもあります。
他者と比較することを止め、失敗も不安も含めありのままの自分自身を受け入れることができれば、セルフ・コンパッションが高まり気持ちが穏やかになっていきます。
すると物事へのモチベーションや集中力、他者からどう見えようといま自分にできること、したいことにチャレンジしてみようという意欲も沸いてくるのです。
セルフ・コンパッションは自身の精神を健全な状態に保ち、チャレンジ精神を向上させるための土台になる部分だと考えましょう。
以下に、セルフ・コンパッションを理解し、高めるための考え方のポイントをまとめました。
自身のチャレンジ精神を向上させ、いくつになっても魅力的な人材であり続けるためにぜひお役立てください。
セルフ・コンパッションを高めるためのポイント
- 自身の年齢や性別、社会的立場に縛られずに、成功も失敗も認めて受け入れる
- 人には得手、不得手があるため、失敗することもあるという事実を心で理解する
- 成果だけでなく過程にも目を向け、一生懸命頑張った自分を意識的に労うようにする
- 自身の能力は努力で伸ばすことができるもので、一生学べる、成長できると捉える
おわりに:自分の現状を受け入れ、心身を健やかに保ってチャレンジ精神を向上させよう!
日本社会でも成果主義が評価基準となりつつある昨今、チャレンジ精神旺盛な人材は高い評価を受けやすいと言えます。しかしチャレンジ精神は、年齢を重ねることやストレスを受ければ徐々に低下していくもの。チャレンジ精神を向上、または強い状態で維持するには自分自身を受け入れ、労わって心を穏やかな状態に保ち、挑戦への意欲や仕事へのモチベーションを高く保つ必要があります。覚えておいてくださいね。
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