マンションやアパートに暮らしていると、共用廊下やエレベーター、駐車場などでご近所さんと顔を合わせる機会があります。そんなとき、ご近所付き合いとしてどんなマナーやルールに気をつけるといいのでしょう。
この記事ではマンションやアパートなど集合住宅に暮らす上で意識したいご近所付き合いについて解説します。
- この記事でわかること
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- ご近所付き合いで欠かせない基本的マナー
- 引越のときの挨拶まわりをする・しないの考え方
- ご近所さんからのクレームにつながりやすいNG生活習慣
- ご近所トラブルが発生したときにやってはいけないこと
ご近所付き合いは何のためにするの?
昔と比べるとご近所付き合いは控えめになってきたと言われていますが、まったくなくなったわけではありません。同じ住宅、同じ地域に住む者同士、ご近所付き合いをすることで、下記のようなメリットが得られます。
- ご近所さんと顔見知りになると、災害時など助け合いがしやすい
- ご近所付き合いを通して地域の情報が集まる
- 不審者や詐欺など、地域で注意したい犯罪情報を知ることができる
- 子どもがいる場合、保育園や幼稚園、学校に関する情報共有がしやすい
- ご近所同士で顔見知りになることで、安心感が生まれる
こうしたメリットを得られるのがご近所付き合いです。もしもご近所との関わりが一切ないと、地震や台風で避難するときに孤立したり、地域の有益な情報または犯罪情報を知らないまま損をする可能性があります。
ご近所付き合いをスムーズに進めるには、マナーを守ることが重要です。次章からはご近所付き合いで守りたいマナーを紹介します。
マンションやアパート暮らしで気をつけたいご近所マナー
集合住宅に住んでいるならば、下記のことは意識しましょう。
- 挨拶をする
- 会釈をする
- ごみの分別ルールを守る
- 自転車の駐輪や自動車の駐車マナー
- タバコのマナー(ベランダでの喫煙はクレームにつながりやすい)
- ペットの飼育ルールを守る
ファミリーの場合は子どもの声や足音に気配りを
特に小さな子どもがいる場合、気をつけていても子どもの足音やはしゃぐ声、泣き声は周囲に響いてしまいます。
共用スペースでご近所さんとすれ違うときなどに、「子どもの声がうるさくないですか?」「いつも子どもがすみません」とひと声かけることもご近所付き合いの方法のひとつです。ただしこうした声かけは必須ではありません。音が周囲に響いているのではないかと心配なときは、挨拶がてらひと声かけてみてはいかがでしょう。
また、共用部分の使い方にも気をつけてください。ベビーカーを共用部分に置くこともクレームにつながりかねませんので注意しましょう。
社会人の一人暮らしの場合に気をつけることは?
ファミリーに比べると、一人暮らしのご近所付き合いはあまり活発になる必要はありません。引越し時の挨拶や、普段の挨拶や会釈、ごみの分別、駐車場利用マナーを守るようにしましょう。
ご近所付き合いをなるべく避けたい人で、単身者向けのマンションやアパートで部屋探しをすることもあります。
学生の一人暮らしの場合
学生の一人暮らしでも、最低限のご近所付き合い・マナーは必要です。挨拶や会釈、ごみの分別ルールを守るなど、基本的なマナーを意識して行動してください。
ただしご近所付き合いは適度な距離感も重要です。あまり深く関わり過ぎたり、世間話の度を超えた内容の話を持ち掛けられた場合は、距離をとってみると安心です。
引越のときに気をつけると安心なご近所マナー
普段のご近所付き合いはもちろんですが、引越のときにしておくと安心なマナーがあります。
引越し直後の挨拶まわり
ご近所付き合いのマナーとして、引越後の挨拶があります。隣の部屋とは顔を合わせる機会も多いため、挨拶をして顔見知りになっておくと安心です。上下の部屋は騒音が響きやすく、子どもがいる家庭では挨拶をしに行くこともあります。
ただし、近年は挨拶まわりはあまり重視されなくなってきました。また、挨拶まわりでお菓子などを渡す習慣もありますが、必須のマナーというわけではありません。むしろ物をもらうと返って気を遣ってしまう人もいます。挨拶まわりで何か持参するときは、相手に気を遣わせないように、すぐ食べ切れる量のお菓子やタオルなどがおすすめです。
マンションやアパートのルールは必ず確認!
引越し前後に、マンションやアパートのルールは確認しておきましょう。
- チェックしておくべき住まいのルール
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- ゴミの収集日と場所
- 共有スペースの清掃など係の有無
- 自治会の活動頻度
- 共用部分の張り紙に記載されている注意事項
張り紙に記載されている注意事項は、そこに住んでいる人のクレームがもとになっている場合もあります。どんな行動に注意すべきかのヒントにもなりますので、確認しておいて損はありません。
ご近所さんからの印象が悪くなる生活習慣
マンションやアパートで暮らしているとき、生活習慣や行動によってはご近所さんからの印象や評判が悪くなります。
- すれ違っても挨拶や会釈をしない
- ごみの分別をきちんとしない、ごみ出しの時間のルールを破る
- 早朝や深夜に騒音を立てる
- 共用部分に私物を置く
- 世間話をしているとき、プライバシーに関わる話や深刻な話が多い
- ご近所さんの噂話や悪口が多い
- マンションの自治会や地域のイベントなどにまったく参加しない
- ベランダでタバコを吸い、煙が周囲の部屋に流れ込む
- ベランダで植物を育てており、虫の発生や枝が隣のベランダに入り込む状況がある
- ペットがいる場合、鳴き声やフンの掃除などお世話の仕方に問題がある
こうした項目に心当たりがあるなら、習慣や行動を改めるのがおすすめです。場合によってははクレームにつながり、ご近所トラブルや管理会社からの注意が入る事態にまで発展しかねません。
ちょっとストレス…ご近所からのお裾分けやお茶会を断りたいときの対処法
ご近所さんの中には、多く作りすぎた料理をお裾分けしたり、お茶や食事に誘ってきたりする人もいます。
そうした付き合いを楽しめる人であれば、お裾分けをもらってそのお返しを送ったり、お茶や食事を一緒するのもおすすめです。そういった付き合いを通して地域の情報を入手したり、いざというときの助け合いにつながるでしょう。
ただし、ご近所付き合いの距離感にあまりにも差があるとストレスになってしまいます。お裾分けやお茶会のお誘いを断りたい場合、角の立たない言い方でお断りするのが安心です。
- ご近所さんからのお誘いを上手に断る方法
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- (料理のお裾分けに対して)せっかくなのですが、食物アレルギーがあって食材選びが大変なんです
- (お茶などのお誘いに対して)最近、仕事(育児などもOK)が忙しくて予定が立たないんです
「厚意はありがたいけれどお断りしなくてはいけない」というニュアンスを含ませるのがおすすめですよ。ただしご近所に住んでいる同士ですので、バレバレの嘘は返ってマイナスの印象を与えてしまいます。
ご近所付き合いは地域でルールが異なることも
ご近所付き合いは、その集合住宅や地域によってマナーやルールが異なります。地方は都心よりも地域とのつながりが重視される傾向があります。地域の人と交流し、イベントや自治会の役割をこなしていくことは非常に大切です。
周辺の道路の草刈りや雪かき、ゴミ捨て場の管理なども自治会が担当していることもありますので、お互いが支え合っている側面が強い地域もあります。
もしそうしたご近所付き合いに積極的に参加しない場合、信頼関係がなかなか構築できなかったり、地域住民としての責任感が薄いと思われてしまうことも考えられます。
特に都会から地方へ引越や移住する人は、その地域のマナーやルールを学ぶ姿勢を見せましょう。
ご近所トラブルになったときの対処法
気をつけていてもご近所トラブルが発生してしまったり、ルールやマナーを守らずにクレームに発展することもあります。
そんなときの対処法としておすすめなのが下記の方法です。
- トラブルの相手といきなり直接話すのは避ける
- まずは管理会社に相談する
- 騒音などトラブルの原因がはっきりしている場合は、録音や撮影などしておく
- 管理規約や生活上のルールを再確認する
まずは管理会社に相談し、管理会社を通じて対処するのが基本です。その後もトラブルが解決しない場合は、弁護士に相談する必要もあるでしょう。もしも身に危険を感じるほどのトラブルに発展した場合は、再度管理会社に連絡しつつ、警察にも相談してみてください。
おわりに:良好なご近所付き合いは安心・安全な生活を支えてくれる
ご近所付き合いは面倒くさいと思われがちですが、災害や犯罪から身を守ったり、安心感を持って日常生活を送るためには、ある程度のご近所付き合いは必要といえます。特別なことをするというよりは、ルールや決まりを守り、お互いが気持ちよく暮らせるように意識してみるのがおすすめですよ。
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