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【後編】大人のこじれた親子関係を修復・改善するには?大切にすべきことは何?

こじれた親子関係の修復 こころの不調
この記事は約9分で読めます。

こじれた親子関係を改善・修復しようとして、疲れたという人もいるのでは?親子関係がうまくいかないとき、どのようにコミュニケーションすればいいのでしょう。この記事では親子関係を改善・修復するヒントを紹介します。こじれた親子関係親子関係で大切なことは何か改めて考えてみましょう。

この記事でわかること
  • 親子関係を改善・修復するために大切なこと
  • こじれた親子関係が結婚に与える悪影響
  • 脱・過干渉で親子が自立するには?
  • 不仲改善におすすめの親子カウンセリング
  • 親子の不仲が法的トラブルに発展したときの対処法

親子関係改善法-愛情表現豊かなコミュニケーション

親子関係で最も大切なことは、家族愛を自然に感じられる環境を作っておくことだとされています。家では疲れた身体を横たえ、安心して羽を休めていいのだ、と気持ちや言葉で伝えてあげることが、子どもの情緒を安定させることにつながります。また、小さなことでも良いので時々は褒めて感謝の言葉を伝えてあげると、「いつも見守っているよ」というメッセージになります。

人は誰でも、多かれ少なかれ承認欲求を持っているものです。親(養育者)に褒められたい、認められたいという感情は、愛されたいという気持ちがもたらすものです。親が子どものすることを褒めることで、子どもは嬉しくなって自らもっと成長しようとします。しかし、親が子どものすることを一切褒めることがないと、子どもはいつも心に寂しさや虚しさを抱えてしまうことになります。

正常な発達過程を辿っていれば、成長していくうち他者に褒められるためではなく、自分自身のためや家族のため、誰かのために頑張ることが当たり前になっていきます。子どものうちは誰でも親や他人から褒められたいために勉強や手伝いを一生懸命することが多いです。このとき親に満足に褒めてもらえないと、その不満や不安感、不信感が大人になっても残ってしまうのです。

子どもが自我を発達させていくと、ときに反抗期を迎えることがあり、親は接し方に困ってしまうこともありますが、反発したからと完全にほったらかしにされてしまうのも不安なものです。適度な距離感を保ちつつ、褒めるときは積極的に褒めることで子どもの情緒は安定し、反抗的な態度も落ち着きやすいと考えられています。

親が子どもを頭ごなしに否定するのはNG!

過干渉の項目などでも説明したように、親が「自分が絶対に正しい、お前は間違っている」という言い方をするのは避けましょう。子どもには子どもなりの考えがあって、芯の通ったものを持っている可能性も十分にあります。たとえば以下のような言葉を使って子どもの選択を否定するのはおすすめできません。

  • 「そんなことはやっても意味がないからやめろ」
  • 「そんなことをしても実力につながらない」
  • 「時間の無駄」

親と子が別の人間である以上、親と子が見ているものは違いますから、当然親と違う考え方を持ち、親が考える範囲以外にも成功や幸せに結びつく道がある可能性もあるのです。子どもが道を外れそうなら注意も必要ですが、自分なりに頑張ろうとしている姿勢があるなら、親はそれをできるだけサポートするような考え方を持つのが望ましいでしょう。

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結婚に対する親子間ジェネレーションギャップを埋めよう

また、そもそも親が生きた時代と子どもがこれから生きる時代は異なります。時代が移り変わる中で、価値観もまただんだん変わっていきます。たとえば結婚に対する価値観にもジェネレーションギャップがあります。

1980年代の平均初婚年齢
  • 男性:27.8歳
  • 女性:25.2歳
2010年の平均初婚年齢
  • 男性:30.5歳
  • 女性:28.8歳

1980年代には25歳を過ぎると「売れ残ったクリスマスケーキ(※25日を過ぎると価値が下がる)」と言われていたほどです。しかし、現在そんなことを言う人はまずいません。これは時代が変化するに従って人々のライフスタイルも変化したこと、女性の社会進出、日本経済の悪化などさまざまな要因が指摘されています。

2010年では男女ともに初婚年齢が上の方へと変化しました。「経済的な余裕がないから」「今は仕事が大事な時期だから」と、そもそも結婚を望む人であっても初婚を決意する年齢は遅くなっているのです。

こうした時代背景をしっかり理解している親であれば、20代半ばの子どもに対して「早く結婚しなさい」とは言いません。しかし、中には「私たちの頃はあなたの年ではもうみんな結婚していたのに」「ご近所さんの目もあるから、早くいい人を見つけて」と結婚を急かしたり、自分たちの世間体のために結婚を望むような言い方をしてしまったりする親もいます。

子どもの方だって、「早く結婚して独立し、親を安心させたい」「孫の顔を見せたい」という気持ちを持っているかもしれません。しかし、前述のように晩婚化が進む現状を考えれば、親と同じ年に必ずしも結婚できるとは限りませんし、そんなときにしつこく結婚、結婚と急かされれば、うんざりしてしまうこともあります。

このようにうんざりしてしまって親子の会話が減っていき、最終的に親子関係が大きくこじれてしまう、というパターンも少なくありません。ですから、親側は子どもが夢や目標に向けて頑張っているのなら、それを素直に応援し、見守る姿勢が大切です。もちろん、子どもの方もいつまでも親に頼らず、実家を出て自活したり、夢や目標に向かって頑張ったりする姿勢が必要です。

親子関係改善法-親子が自立して経済的余裕を保つ

健全な親子関係のためには、子どもはもちろん親も自立心を持つことが重要です。子どもに過干渉せず、自分のことは自分でやらせるということ、子どもをいつまでも親の庇護下になければならない弱い存在だと思わず、子どもが成長して自分の意思で将来を切り開いていく姿に干渉せず、見守る姿勢を持つことが大切なのです。

また、そのためには親自身が経済的に安定することも重要です。養育方法という親子関係に限ったことだけを学ぶのではなく、衣・食・住を心地よく保てるような家事全般、将来の生活設計も含めた家計のやりくりといった生活技術など、自立して生活するために必要なことを親自身が積極的に学んでいかなくてはなりません。

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親が社会的に孤立していることが生活困難や家族機能の低下につながっていることは、決して少ない例ではないのです。地域のフォーマル・インフォーマルな支援を受けること、困りごとがあれば公的機関に相談すること、学校や幼稚園・保育所など子どもの受け入れ先と連絡を取り合うことなども重要です。

親子関係改善法-割り切りも時には必要

親子関係の問題については、あるいは完全に理想通りに行かないこともあるでしょう。ときには割り切りも必要です。100の家庭があれば100の親子関係があり、子どもが親と違う人間である以上、必ずしも親が思い描いていた関係になれるとは限りません。特に、反抗期の場合は無理に親子関係を修復しようとすると逆効果になることもあります。

反抗期の問題をはじめ、時間が経てば自然と落ち着くことも多いです。「そういう時期なんだな」とある程度おおらかに捉え、子どもの健全な成長を喜ぶ気持ちで過ごすと良いでしょう。

カウンセリングでこじれた親子関係を修復!費用の目安って?

どうしても親子関係の問題が改善できず困っている場合は、親子カウンセリングを受けるという方法もあります。相談内容としては不登校・ひきこもり・非行など、子どもに重大な問題が起こっている場合が多いのですが、こうした問題の背景に親子関係のこじれがある場合も少なくありません。

家庭内だけで問題を解決するのが難しいと思ったら、専門家による親子カウンセリングを受けることも視野に入れてみましょう。カウンセリングには大きく分けて「対面カウンセリング」と「オンラインカウンセリング」の2つがあります。

対面カウンセリング
  • 1回1時間で、5,000円〜10,000円のところが多い
  • カウンセラーの保有する資格や、立地によってもカウンセリング料金が異なる
  • 都心部などは場所代が高くなりがちなので、中には1時間10,000円を超えるところも
オンラインカウンセリング
  • ビデオ通話や電話を使ったカウンセリングで、1回50分前後、4,000円〜7,000円のところが多い
  • カウンセラーが保有する資格によって料金は前後するが、対面カウンセリングよりは安く設定されている
  • メールカウンセリングであれば、さらに安く利用できるところが多い

このように、親子カウンセリングと言ってもさまざまです。カウンセリングルームまで行く時間がとれない場合は、オンラインカウンセリングやメールカウンセリングなどを上手に利用しましょう。

親族関係調整調停は法的トラブルが起きたときに活用しよう

親子といえど、関係性がこじれると法的トラブルに発展することも考えられます。そんなときは「親族関係調整調停」を活用するのもおすすめですよ。

親族関係調整調停とは
親族間において感情的な対立や親などの財産の管理に関する紛争などが原因となるなど、親族関係が円満でなくなった場合、円満な親族関係を回復するための話し合いをする場として、家庭裁判所の調停手続きを利用する制度

実際の調停手続きでは、こじれた原因について双方から事情を聞いたり、必要に応じて資料などを提供してもらったりして事情をよく把握した上で、解決案を提示したり、解決のために必要な助言をしたりします。申立先は相手方の住所地の家庭裁判所、または当事者が合意の上で決めた家庭裁判所となります。

必要な費用は収入印紙費用1,200円で、裁判所によっては連絡用の郵便切手が必要な場合があります。申立先の家庭裁判所に確認してみましょう。申立に必要な書類は「申立書とその写し1通」「標準的な申立添付書類」です。ただし、審理のために必要な場合は、追加書類の提出が必要なこともあります。その場合は裁判所から指示がありますので、必要に応じて用意しましょう。

親族関係調整調停については、最高裁判所のHPから申立書の書式及び記載例などを確認できます。

最高裁判所HP「親族関係調整調停」

前編はこちら

【前編】大人のこじれた親子関係を修復・改善するには?原因を知ることから始めよう
親子関係がこじれると、子どもが大人になってからも親子両方の人生に悪影響を与えかねません。親子関係がうまくいかないことが仕事や結婚に影響することもあります。この記事では子どもの反抗期や親の過干渉、愛着障害、共依存など親子関係の悩みの原因を解説します。

おわりに:親子関係は複雑なもの。ある程度の割り切りやお互いの自立も必要

親子関係には過干渉、無遠慮、気持ちの行き違い、親のエゴ、子どもの甘えなどさまざまな複雑な感情が行き交います。それが家庭という比較的狭い世界で起こることから、こじれると修復が難しいことも少なくありません。

大切なのは、親子がお互いに自立した一人の人間として生活しながら、適度な距離感を保って接することです。ある程度は割り切り、どうしても解決が難しければ専門家の手を借りることも検討してみましょう。

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