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経理と財務の仕事の違いって?経理のキャリアパスとスキルアップの方法

オフィスで仕事をしている経理 キャリアアップ・求職
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経理は会社のお金の出入りなどを管理するプロフェッショナル。会社に必須の職種ですが、どんな仕事をしているのでしょう。この記事では経理と財務の仕事の違い、経理に向いている人の特徴や、キャリアパス、おすすめの資格取得について解説していきます。

この記事でわかること
  • 経理の業務内容や扱う書類って?
  • 経理に向いている性格や能力
  • 会計帳簿の主要簿「日記帳、仕訳帳、総勘定元帳」の違いや目的は?
  • 会計帳簿の補助簿の種類
  • 社内で昇進?思い切って転職?経理がキャリアアップする方法
  • 経理向けの資格取得にかかる期間や費用の目安

バックオフィスで重宝!経理の仕事と財務との違いって?

いまどのくらいの資産と儲けがあるのか、これを正確に把握するために企業活動によるお金の流れを日々記録し、1年に1度決算としてまとめるのが経理の仕事です。

【経理の基本的な仕事内容】

  1. 企業活動にかかわるお金の出入りを「取引」情報として収集
  2. 収集した取引情報を、「簿記」という方法で日々記録していく
  3. 簿記で集まった情報を1年に1回「決算書」にまとめ経営者に提出
  4. 会社が所有する不動産など資産を、会社の資産としてお金に換算する
  5. 決算に基づき、従業員の給与や社会保険料、税金などを計算し支払う
《経理担当者の業務内容例》
仕入れの管理、売り上げの管理、現預金の管理、給与や保険料の計算、税金の計算 など

なお経理と同じく、お金を扱うイメージのある仕事として財務がありますが、経理と財務の違いは管理対象となるお金の違いにあります。

【経理と財務の違い】

経理の仕事
経理は現在と過去、日常的な企業活動に伴うお金の流れを記録する。例)経理管理、伝票作成、帳簿への貴重、決算書作成 など
財務の仕事
財務は今後、将来的に使うお金の調達や管理を担当する。例)銀行などと交渉しての資金調達、予算の編成と管理、投資・M&Aなど資産運用 など

経理に向いているのはこんな人!

企業活動にかかわる経理業務に向いているのは、以下特徴を持っている人です。

【経理に向いている人の特徴】

  • 企業のお金を扱う緊張感、責任感を持って業務に取り組める人
  • 数字が合わないなどのトラブルがあっても、最後まで仕事をやり切れる人
  • 計算、管理、物事の整理整頓など、経理業務への適性能力を持つ人
  • 企業活動に欠かせず、活動の心臓部となるお金を任せられる誠実な人

会計帳簿の種類は?それぞれ何を記入するの?

会社法により、株式会社には会計帳簿の作成および保存が義務付けられています。

大きく主要簿、補助簿の2種類から成り、日々のお金の動きや企業の資産状況を把握したり、決算に必要な貸借対照表などの作成にも不可欠です。

経理担当者は会計帳簿の種類やつけかたについて、正確に理解する必要があります。

以下ではそれぞれ、主要簿と補助簿の種類と、帳簿に記載すべき項目・内容を学んでいきましょう。

会計帳簿の主要簿って何?

主要簿には、以下3種類があります。日記帳は必須ではありませんが、あわせて必要性を理解しておいてください。

《1》日記帳
日々の取引内容を記録していく帳簿です。走り書きや箇条書きなど、日付と動いた金額がわかれば書き方は何でもかまいません。必須の主要簿ではありませんが、経理担当者または経営者がつけておけば、決算時に数字の不一致が発生したときの確認作業に役立ちます。
《2》仕訳帳
発生順に日々の取引内容を、借方・貸方別に適当な勘定科目へ仕分けしながら記録していく腹式の帳簿です。はじめは貸方・借方に分けて記録する作業に戸惑う人もいますが、仕分けを理解できれば、取引の金額と日時がわかれば簡単に作成できます。
《3》総勘定元帳
仕訳帳を見ながら、消耗品費や旅費交通費といった勘定科目ごとにお金の流れを分類し、まとめた帳簿のことです。これまでに積み上げてきた取引記録を把握し、各勘定科目のお金の流れを一覧で把握しやすいのが特徴です。

会計帳簿の補助簿って何?

複数種類ある補助簿のうち、特に重要なのは以下2種類です。

《1》仕入先元帳
別名「買掛金元帳」といい、仕入先ごとの取引を記録、管理するための帳簿です。複数の取引先が混在して記録されている主要簿に比べ、取引内容や金額を仕入先事に整理しまとめてあるため、わかりやすくなっています。
《2》得意先元帳
別名「売掛金元帳」。自社の商品やサービスの販売取引について、得意先別にまとめた帳簿です。得意先ごとに取引先の日時、金額をまとめて記録してあります。

他にも補助簿には、以下のような種類があります。あわせて知っておいてくださいね。

【その他の補助簿の種類】

  • 現金の入出を管理する「現金出納帳」
  • 預金や入出金を管理する「預金出納帳」
  • 必要経費についてまとめた「経費帳」
  • 数年かけて経費処理をする減価償却資産、繰越資産管理のための「固定資産台帳」など

経理のキャリアアップイメージは?

企業で働く経理担当者が将来的にめざせるキャリアアッププランとしては、以下2通りが挙げられるでしょう。

《1》現職場で責任ある立場に昇進
いま経理として働く職場でスキルアップし、より責任の重い案件、金額の大きな業務を経験して、社内での昇進・昇給をめざすパターンです。
《2》より条件の良い企業や、専門職にステップアップ
いまの職場での経理経験を活かし、より良い条件で働ける外部へ転職するパターンです。具体的には他業界企業の経理担当、より規模の大きな企業の経理担当になる他、経理の知識を活かしたコンサルタントや代行業者などが考えられます。

経理のスペシャリストを目指す人におすすめの資格

社内での昇格・昇進にせよ、転職や専門職へのステップアップをめざすにしても、勉強して経理としてのスキルアップや、資格取得をするのが望ましいでしょう。

資格の有無は、経理に関する知識・スキルがあることの客観的な証明になってくれます。

他の企業へ転職するときなど、経理の専門知識のない人からもあなたの能力を評価してもらえる指標となるので、取得しておいて損はありません。

以下に段階や目的別に、経理担当者に取得をおすすめしたい資格を紹介していきます。

経理初心者はまずこの資格をとると安心

まずは実務未経験から経理になった人が、まず取得をめざすべき5資格を紹介します。

《1》日商簿記2級

帳簿の正しい記入方法や財産、資産、負債増減を確認するなど、経理として働く上で身に付けておきたい実用的な知識を習得できる資格です。

2級は実務に役立つ技能が身に付き、1級ほど難易度が高くないので、経理初心者はぜひ取得しましょう。

  • 受験料…4,630円(税込み)
  • 取得にかかる期間…2~6か月
  • 学習にかかる費用…スクールに通うなら10~20万円

《2》給与計算実務能力検定

従業員の給与計算、社会保険、労働関係の法律、税務知識の基本を習得できる資格です。

税や労働に関する法改正に対応するため、2年ごとの資格更新手続きが必要になります。

  • 受験料…8,000円
  • 取得にかかる期間…1~3か月
  • 学習にかかる費用…Web講座の受講で2万円前後

《3》ビジネス会計検定

財務諸表の理解など、企業の実態を会計から分析するための知識を習得できる資格です。

より企業の経営状況を理解した経理業務を行うためにも、取得を検討しましょう。

  • 受験料…8,000円
  • 取得にかかる期間…1~3か月
  • 学習にかかる費用…スクール受講なら5万円前後

《4》ファイナンシャルプランナー

取得により税金や相続、住宅ローン、投資、不動産、老後や教育資金に至るまで、生活にかかわるお金の流れ・仕組みを理解できるようになる資格です。

経理業務に直接の関係はありませんが、お金のことを理解するためには役立ちます。

  • 受験料…8,700円
  • 取得にかかる期間…3~6か月
  • 学習にかかる費用…スクール受講なら10万円前後

《5》マイクロソフトオフィススペシャリスト

通称「MOS(モス)」。WordやExcel、PowerPointなど、経理をはじめとしたオフィスワークで一般的に使われるソフトの操作技術を証明する資格です。

経理業務の迅速さの証明や、日々の業務の効率化に多いに役立つでしょう。

※受験料や取得にかかる期間、費用などはソフトのバージョンやレベルにより変わります。

スキルアップと年収アップにおすすめの資格

既に経理としての実務経験があり、社内での昇進や転職によるキャリアアップを狙う人には、以下資格の取得がおすすめです。

《1》簿記1級

商業簿記、会計学、工業簿記、原価計算などを習得し、企業会計関連の法律も理解したうえでの経営管理・経営分析が可能になる最上位の経理関係資格です。

一般的な経理業務にここまでの知識は必要ありませんが、転職市場では非常に高く評価されるため、将来的なステップアップを狙うなら取得を検討してみましょう。

  • 受験料…7,710円
  • 取得にかかる期間…半年~1年以上
  • 学習にかかる費用…スクール受講なら20万円前後

《2》FASS(Finance Accounting Skill Standard)検定

経理や財務が日々の業務で使う、実務スキルの高さを証明できる資格です。

日商簿記など、他の経理関係資格と比べても非常に実用的な経理スキルを問われるのが特徴で、取得すれば人事評価や転職市場で高評価を得られるでしょう。

  • 受験料…11,000円
  • 取得にかかる期間…3~6か月
  • 学習にかかる費用…スクール受講なら5~6万円

《3》経理事務パスポート検定

通称「PASS(パス)」。経済産業省が経理の業務標準とした「営利・財務サービススキルスタンダード」に準拠した資格として誕生しました。

3段階ある試験は、実務で役立つ知識・スキルを重視した内容となっています。経理の一連処理ができることの証明とするなら、1級取得をめざしましょう。

  • 受験料…1級の場合4,500円
  • 取得にかかる期間…1か月前後
  • 学習にかかる費用…Web講座の受講なら8,000円~

《4》公認会計士

いわゆる士業にあたる国家資格です。取得すれば経理はもちろん、財務分野に至るまで適切に記録・管理されているかをアドバイスできるようになります。

経理からのステップアップとしてコンサルタントなど、経理の専門家として働いていきたいと考えているなら、取得を検討してください。

  • 受験料…19,500円(税別)
  • 取得にかかる期間…1年以上、長ければ数年間
  • 学習にかかる費用…予備校を受講するなら30~50万円

外資系企業の経理への転職を目指す人におすすめの資格

日本のみならず海外、または外資系企業の経理担当として活躍したい場合は、以下2つの資格取得を検討しましょう。

《1》米国公認会計士

別名「U.S.CPA」。アメリカの各州が日本とは異なる国際会計基準、米国会計基準に基づいて設定している資格です。

会計士試験としての難易度は日本のものより低いですが、試験はすべて英語で行われるため、基礎的な単語と文法に加え、専門用語を理解できるだけの英語力も必要になります。

知名度が高いため、取得してしまえばアメリカのみならず世界各国の企業で経理・財務担当として働ける可能性が広がるでしょう。

  • 受験資格…4年制大学の卒業、学士号取得、または大学・短大で会計やビジネスに関する単位を取得していること
  • 取得にかかる期間…1~2年
  • 学習にかかる費用…スクールに通うなら100~200万円

《2》国際会計検定

別名「BATIC(Bookkeeping and Accounting Test for International Communication)」で、日本語に訳すと「国際コミュニケーションのための簿記テスト」となります。

日本と海外、両方の会計ルールを理解できる人材育成のためにつくられた資格で、日商簿記2級以上の経理能力と英語力があれば取得できます。

  • 受験料…46,440円
  • 取得にかかる期間…2~6か月
  • 学習にかかる費用…専用講座を受講するなら10,150円

おわりに:実務と資格取得を通して、経理としてスキルアップしていこう

基本的な仕組み、書き方のルールさえ理解できれば、経理は難しくありません。企業の大切なお金を扱う緊張感と責任感があり、数値管理への苦手意識がなければ、実務を通してできるようになるでしょう。基礎的なスキルを身に付けたら、さらにスキルアップして昇格や昇給、他企業や専門職への転職も可能になってきます。自身のキャリアを長期的に考え、設定したゴールから逆算して必要な勉強、資格を取得していってくださいね。

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