年齢を重ねると、顔にシワやたるみが出やすくなるもの。「ダイエットをして痩せたら老けて見られるようになった」ということも少なくありません。
そこで今回は過度なダイエット、痩せすぎの状態が見た目に与える影響、健康的な印象のために必要なこと、老け顔を脱却する秘訣を紹介していきます。
- この記事でわかること
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- ほうれい線やくすみなど老け顔の特徴
- BMIを気にしてダイエットするのは正しいかどうか
- 健康的に体重を増やす補給食の摂り方
- 若々しい見た目を保つ無酸素運動のメリット
- サプリメントやプロテインを食生活に取り入れる方法
間違ったダイエットがたるみやシワなど老け顔を招く?
顔に以下のような特徴が現れると、実年齢より老けて見られる「老け顔」の原因となります。
- 老け顔の特徴
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- 頬の肉が下がり、深いほうれい線がある
- 同世代の他の人に比べてシワが多い、またはしわが深い
- 肌に透明感がなく、くすんで見える
人間の体は加齢に伴い筋肉量が低下し、徐々に脂肪や皮膚を支えられなくなっていきます。その兆候は30代以降になると顕著に現れ、体重の増減に関わらず顔をたるませ、シワやシミ、くすみを生じさせます。
このため、ある程度年齢を重ねてから痩せると、もともと脂肪があった場所の皮膚が落ちくぼみ、深いほうれい線やシワができて、老けて見える原因となるのです。
また単に痩せるだけでなく、過度な食事制限を伴う間違ったダイエットも、痩せることで老け顔になってしまう大きな要因だと考えられています。
BMIの「やせ」なら健康とは限らない?年代別・女性のリスクって?
テレビや雑誌で「美しい」として紹介されている女性は、そのほとんどがやせ型です。このためか、多くの日本女性が「痩せている人ほど美しい」という価値観を持ち、年齢に関わらずダイエットに勤しんでいます。
そして日本においてその人が痩せているか肥満か、健康的な体重であるかを判定する標準指標となっているのがBMIです。
- BMIとは
- 国際的な肥満度の標準指標「Body Mass Index」の略で、次の式で算出される。
体重(kg)÷身長(m)の2乗
男女とも、最も生活習慣病にかかりにくい標準BMI値は22.0。普通体重の範囲となるBMIは、18.5~25.0。「痩せ」となるBMIは18.5以下、「肥満」となるBMIは25.0以上
【年代別】BMI値「痩せ」の健康上のリスク
- 高齢者の場合
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- 筋肉が落ち、フレイルと呼ばれる要介護予備軍の状態になる
- 動くのがおっくうになり、運動不足になるため空腹を感じにくい
- 歯の数や咀嚼力、嚥下の力が低下し、十分な量の食事と栄養を摂れなくなっていく
- 食環境の悪化が引きこもりを招くこともあり、うつの傾向が現れてくる
- 中高年の場合
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- 健康のために始めたダイエットが過激になっていき、痩せることに執着し始める
- 痩せることにこだわるあまり食事内容が偏り、徐々に低栄養状態に陥っていく
- 適性体重を維持できなくなり、日常生活に支障が出る
- 女性の場合
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- 貧血や月経の異常、不妊、ホルモンバランスの乱れの原因となる
- 筋肉量や骨密度も低下し、サルコペニアや骨粗しょう症を発症するリスクが上がる
- 痩せることに執着するあまり食事を摂れなくなり、摂食障害を発症する
- 栄養バランスなどは一切考えず、好きなもの・食べたいものだけ食べる
- 甘いものが好きで、菓子パンやお菓子をメインに食べて満腹になってしまう
- お酒をたくさん飲みたいので、軽いおつまみとお酒だけで食事を済ませる
- 高血圧や高コレステロール血症を気にして、肉や卵、脂肪の摂取を控えている
- 朝食を抜くなどの欠食をやめ、食べやすいものでいいので1日3食摂るようにする
- 3回の食事で十分な量を食べられないなら、食事の間に「補給食」として間食する習慣をつけ、1日に摂取するエネルギー量を増やす
- 間食にするのはお菓子ではなく、おにぎりやパン、うどん、バナナなどの炭水化物とチーズ、茹で卵、サラダチキン、ナッツ類などのタンパク質をメインにする
- 味噌や醤油は塩分が高いので、味噌汁やおひたしには減塩タイプを使う
- 味噌汁は具沢山にすることで満足感とうま味が増し、塩分の抑制にもなる
- 漬物を食べるときは、ぬか漬けや梅干しよりも浅漬けや酢漬け、減塩タイプを選ぶ
- 間食に食べるチキンやナッツ類は、できるだけ塩が添加されていないものを選ぶ
- 有酸素運動とは
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- 軽度~中度の負荷を、長時間にわたり体にかけ続ける運動
- 酸素をたくさん取り入れながら運動し、体内の脂肪を燃やしていく
- 代表的なものはジョギング、水泳、サイクリング、ウォーキング など
- 無酸素運動とは
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- 高負荷の運動を短時間で行い、瞬間的に筋肉に大きな負荷をかける運動
- 酸素を使わず、体内の糖をエネルギー源として筋肉を動かし増やしていく
- 代表的なものは筋トレや短距離走、ウェイトリフティング、投てき など
- 脂身の少ない肉や魚、柔らかく煮込んだものなど消化しやすい食事を意識する
- 大根やパイナップル、キウイなど、消化酵素を多く含む食品をメニューに取り入れる
- ヨーグルトやキムチ、漬物、納豆などの発酵食品を積極的に食べ、腸内環境を整える
- 腸内の善玉菌の栄養となるオリゴ糖が豊富な大豆製品、食物繊維が豊富なゴボウやレンコン、海藻類も食べるようにする
- 食事をするときは一口ごとにゆっくり、よく噛んで食べるよう習慣づける
もちろん、痩せていても特に健康上の問題がなく、少ない食事量で生きていける体質の人もわずかながら存在します。しかし、BMI20以下の低体重状態では、心身に何らかの異常をきたすリスクが上昇することを覚えておきましょう。
痩せやすい体質である場合は別にして、食事を極端に減らす過度なダイエットで無理に体重を減らし、BMIを低くするのは決しておすすめできません。
健康的に体重を増やす方法【食事】
ここからは痩せすぎが原因で老け顔になった場合、健康的に標準体重まで体重を戻し、若々しい印象になるにはどうすれば良いか解説していきます。
体重を増やし老け顔を脱するため、まず挑戦してほしいのが食事習慣を見直すことです。健康的な体の維持に必要なエネルギーを十分に摂取できず、老け顔を引き起こす食事の内容・習慣としては、以下が挙げられるでしょう。
痩せすぎによる老け顔を引き起こす食事の例
私たちの体は、心臓を動かすなど生命活動に必要なエネルギーに加え、生活や仕事、余暇活動に必要なエネルギーを食事から補っています。このため、食事から摂取するエネルギーが生きるのに必要な消費エネルギーを下回ると、意識せずとも体重が減少してしまうのです。
痩せすぎた低体重の状態から標準体重に戻したいなら、以下のポイントをおさえて食事の内容と習慣を見直しましょう。
痩せ状態から標準体重に戻すための食事法
食べる量を増やすなら塩分量には注意しよう!
食事の回数や量を増やそうと思うと、どうしても塩分摂取量も増えてしまいます。塩分の過剰摂取は高血圧の原因になりますから、以下を参考に1日の塩分摂取量を意識的に調整してくださいね。
健康的に体重を増やす方法【運動】
食事を変えるとともに、運動の習慣をつけることも健康的な体重増加に欠かせません。運動で筋肉を大きく、強くすることで、脂肪が落ちたことによる皮膚の凹みやたるみを改善し、若々しい見た目に変えていくことが期待できます。また低栄養・低体重により、脆くなった骨の回復と骨粗しょう症予防も期待できます。
運動には大きく「有酸素運動」と「無酸素運動」がありますが、筋肉の量と体重を増やしたい人には無酸素運動が適しています。
しっかりと食事を摂ったうえで継続的に無酸素運動を行い、筋肉を少しずつ強く、大きくしていきましょう。
健康的に体重を増やす方法【サプリメント】
たくさん食事を摂っても、体質的に消化吸収能力が低く、おなかを壊してしまっては十分な栄養摂取はできません。そんな人は、食事の消化吸収を助けるサプリメント摂取するのも良いでしょう。
ただし、サプリメントは単に体の働きを補助してくれるものです。サプリメントだけに頼るのではなく、以下を参考に食事の内容や食べ方も工夫してくださいね。
消化吸収機能を助けるため、実践してほしいこと
サプリメントを選ぶ際に、タンパク質を主原料とするプロテインを摂取するのも効率的な体重増加に効果的です。プロテインには水に溶かして飲むタイプから、お菓子のようなバータイプまであり、味や原料の違いによる種類展開も豊富なので、おいしく簡単に栄養補給ができますよ。
おわりに:痩せすぎは健康にも美容にも良くない!標準体重になって老け顔を脱却しよう
加齢とともに、私たちの体の筋肉量は減少していきます。ある程度の年齢になってから痩せると、脂肪が減って頬が落ちくぼみ、老け顔になるのはこのためです。痩せすぎは、健康にも美容にもよくありません。美しく健康的に年を重ねるためにも、十分なエネルギーと栄養をバランス良く摂取できる食事に変え、筋肉量を増やして標準体重をめざしましょう。健康的に体重を増やせば、顔や体の印象も自然と若々しくなっていきますよ。
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