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職場で「老害」と呼ばれる人の特徴や新人・若手との接し方

ベテラン 老害 こころの悩み
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若者が高齢の人を「老害」と呼ぶことがありますが、ベテランが職場で「あの人は老害だ」と言われることも。ベテランが老害と呼ばれないための対策や、若手社員への接し方、老害と呼ばれる人の特徴などを解説します。若手とのコミュニケーションに悩んでいる人はぜひ参考にしてくださいね。

この記事でわかること
  • 老害の定義や老害と呼ばれる人の特徴
  • 若手から尊敬されるベテランの特徴
  • ベテラン向け・若手社員との丁度良い接し方
  • ハラスメント加害者にならないための予防法

職場の「老害」とは?

「老害」とは、年齢を重ねたことによって起きる弊害を指す言葉です。国語辞典や広辞苑でも説明されている言葉で、学研国語大辞典によると、下記のように説明されています。

老害(ろうがい)
老人がおよぼす害。とくに、政界・財界などをいつまでも老人が支配しているための弊害(『学研国語大辞典』より)

老害とは、企業や政党において実権を握り続ける高齢者や、人の意見やアイデアに耳を貸さずに迷惑をかける高齢者のことを指します。ただし近年は、老害の使われ方が幅広くなってきました。特に仕事や会社で老害と呼ばれる人は、時代の変化についていけない人、年齢を盾にいばり散らす人、いつまでも古い方法で仕事をする人などを指すことが多いです。

次章からは、職場で老害と呼ばれる人について特徴やあるある行動を紹介していきます。

職場にいる「老害」と呼ばれる人の特徴

高齢であってもシニアであっても、職場で活躍し、人望も厚い人は少なくありません。一方で「あの人は老害だ!」と思われる人もいるのには理由があります。下記の項目に当てはまるものが多いと、周囲の若手からネガティブな印象を持たれている可能性が高いでしょう。

老害と呼ばれる人の考え方や行動
  • 自分が最も尊重されるべきと信じて疑わない
  • 自分が正しいと考え、他人の意見を聞かない
  • 気に入らないことがあると、年齢を盾にしてすぐに怒る
  • 話が長く、要点がわかりにくい
  • 何度も同じ話をしては、他人の時間を奪っている
  • 「私が若かった頃は…」と過去の武勇伝や自慢話をしがち
  • 新しい技術や仕組みの話になると、頭から否定する
  • 生産性向上や効率アップのための革新についていけない
  • 変化を嫌う
  • 「残業しない人はやる気がない」など、仕事への価値観が古い
  • 「今どきの若者は…」と目下・年下の世代をひとくくりにする
  • 「早く結婚しろ」など、プライベートに踏み込んだ発言やセクハラをする
  • 自分は偉いのだと思い込み、周囲への感謝や気遣いを怠っている
  • 老人扱いされると怒る
  • 自分に都合が悪いときだけ老人アピールをする
  • 給料の割に、仕事での活躍や貢献が見えにくい

年齢にあぐらをかいてスキルアップを怠っていたり、年齢を理由にして上から目線でいると、若手からの反感を買いやすくなります。近年はワークライフバランスが重視され、仕事とプライベートのけじめをしっかりつけたい人が増えてきました。そのため、終業後の飲み会でいつまでも話に付き合わせようとする人も要注意です。

変化の激しい社会では、どんどん新しい技術革新が進んでいますよね。仕事のデジタル化・IT化も当たり前になってきましたが、年齢を重ねると新しい物事を覚えるのは難しくなります。だからといって変化を嫌い、革新を進めようとする若者を頭ごなしに否定していると、人間関係はもちろん業務効率も良くなりません

自分が若かった頃の価値観や流行を押し付けるのもおすすめできません。特に結婚・出産、転職への意欲などはジェネレーションギャップが出やすいものです。「自分の考えが普通」「若者は非常識」という気持ちでいると人間関係に亀裂が入るだけなく、ハラスメントなどの問題に発展するおそれがあります。

30代や40代が老害と呼ばれることがある!

老害は高齢者やシニア世代に対して使われることが多いですが、はっきりとした年齢の定義はありません。若者が目上・年上に対して持つ違和感やいらだちを「老害」という言葉で表現する場合、高齢者やシニアでなくとも老害としてくくられる可能性は十分にあります。そのため40代・50代のベテラン、ときには30代の中堅が老害と言われることも。

時代は常に変わっており、たった数年や十年程度でも、驚くほどのジェネレーションギャップが起こりうると認識しておきましょう。そしてジェネレーションギャップは、どちらか一方が間違いで他方が正しい、というものではありません。価値観や考え方はさまざまで、白黒はっきり付けられるとは限らないのです。

もちろん、若者が老害と揶揄されているからといって、間違ったことをしているとは限りません。そもそも、人を老害と揶揄するのは褒められたことではありませんよね。若者もまた人生の先輩に対して戸惑いを感じ、老害という言葉を使ってしまっているのです。世代が異なる者同士のコミュニケーションでは摩擦もあって当然。その中で、お互いに歩み寄るのが大切ですよ。

職場で慕われるベテラン・嫌われるベテランの違い

老害と呼ばれる人の特徴を紹介してきました。脱・老害を目指す場合、職場で慕われるベテランの特徴を理解し、行動や言動を変えていくのがおすすめです。

職場で慕われるベテランの特徴
  • 業務に関する専門スキルや知識、経験を習得している
  • 困ったときに相談に乗ってくれたり、アドバイスをしてくれる
  • 何歳になってもスキルアップや新しいことにチャレンジしている
  • 新しい技術やシステムでわからないことがあったら、目下や年下にも質問する
  • 年齢に関わらず、いといろな人の意見に耳を傾ける
  • 肩書や経験があっても、自慢しない
  • 周囲の人や他部署から信頼されている
  • 目下・年下に対しても敬語、または口調が常に穏やか
  • 話しかけるときに「お前」「おい」などぞんざいな言葉を使わない
  • 古い価値観や考え方に縛られていない
  • お酒の無理強いをしない
  • 「女性ならこうすべき」「男性ならああすべき」など性別で決めつけない
  • 周囲へ感謝の気持ちを伝えている

近年は、従来の年功序列の給与体系や終身雇用制度が一般的とは言えなくなってきました。とはいえ、年齢や社歴に応じて給与が上がるのが一般的ですので、ベテランはやはり給与が比較的高くなります。若者からすると「高い給料をもらっているのだから仕事ができて当たり前」という目でベテランを見るようになるのです。

新しい技術やシステムに興味を持つ人も、若手から慕われやすいでしょう。老害と呼ばれがちな人は、変化を嫌って新しいものを否定することが多いものです。ここで重要なのは、新しいものを何でも受け入れればいいというわけではないこと。物事にはメリット・デメリットの両方がありますので、ベテランならではの視点で冷静に分析・判断することができると尊敬されます

目下や年下ならば敬語を使わなくてもよいと考えている人は多いでしょう。たしかに上司や先輩は、部下や後輩に対して敬語でなくても問題ないことは多いですよね。ところが「お前」呼ばわりしたり「おい、この仕事やっておけ」などの言葉遣いは問題です。親しみを込めて「〇〇ちゃん」と読んだつもりが、セクハラだと訴えられるおそれもあります。

若手社員に一度嫌われると挽回は難しい?

ベテランと若手の間にはジェネレーションギャップがあって当たり前と考えましょう。難しいのは、若手に一度嫌われてしまうと挽回しづらいこともある点です。

人間関係はいつも良好とは限りません。特に仕事ではより良い商品やサービスのために、意見を交わす必要もあります。さまざまな価値観の人が集まりますので、ちょっとした発言や行動が反感を買ってしまうことも少なくありません。そうした衝突やすれ違いもありながら、程よい距離感やバランスを見つけることができたら理想的…ではありますが、関係の修復が難しいケースも発生します。

たとえば、こんなケースが発生すると関係の修復が難しいでしょう。

若者との関係修復が難しいケース
  • 相手が困っていたり、やめてほしいと言っているのに、「お前のためを思ってやっているんだ」と、自分の価値観や考え、ありがた迷惑を押し付ける
  • 「自分は正しい」という思い込みのもと、相手のことを馬鹿にしたり、大勢の前で叱る
  • 若手に「彼氏いるの?」「彼女はまだできないのか」と聞いていた結果、セクハラを訴えられた
  • つい感情的になって、注意するときに机を強く叩いたところ、パワハラだと訴えられた
  • 「これくらい飲めないでどうする!」と、飲み会でお酒を飲ませたら、相手がアルコールを飲めない体質だった

若手が「困ります」「やめてください」と言っているのに、態度や言動を改めなかった場合、「話の通じない老害だ」と見限られてしまいます。相手はすでに働きかけてくれていたのに、それを裏切ってきたのですから、「これからは変わる」と言っても信じてもらいにくくなるでしょう。

ベテランと若手の関係だと、若手に対して指導やアドバイスをする機会もありますよね。そのときに、自分は絶対に正しいという思い込みから、事情や理由をきちんと聞かずに「こんな失敗するなんて馬鹿なのか?」と叱ったり、長時間ねちねちと叱り続けるのはしてはいけません

ハラスメントで訴えられた場合、若手との関係修復どころか、会社にいづらくなってしまうこともあります。狭い業界の場合、転職しようと思っても噂が回る場合も。高齢になるほど好条件での転職が難しくなりますので、キャリアプランやライフプランに関わる事態です。

アルハラは相手の命にも直結しますので、決してしてはいけません。なお、セクハラやパワハラで相手を精神的に追い詰めることも命に関わるおそれがありますので、軽く見てはいけません。

時代錯誤やハラスメントに陥らないために

尊敬されるベテランになるためには、時代錯誤やハラスメントに陥らないように、柔軟になる必要があります。

まずはパワハラ・セクハラ・マタハラを覚えよう

ベテランの人が意識しなくてはいけないのが、ハラスメント予防です。「まさか自分がハラスメント加害者になるなんて」と思っていても、時代の変化に気づかないうちにハラスメントをしている可能性は十分にあります。これは誰にでもあり得ることですので、身構えすぎずにハラスメントの予防知識を吸収していきましょう。

厚生労働省HPをチェック

厚生労働省によるHP「あかるい職場応援団」は、ハラスメントの基礎知識や関連する法律、パワハラ・セクハラ・マタハラなどに該当するケースなどを学べるウェブサイトです。管理職がハラスメントを避けるための会話術なども公開されていますので、実践的な対策も学べます

ベテランだからといって、ハラスメント被害者にならないとも限りません。今後、ご自身や家族、同僚がハラスメントをされたときにも役立ちますので、ぜひチェックしてみてくださいね。

厚生労働省「あかるい職場応援団」

「悪気はなかった」をやめて、自分を見直す

セクハラやパワハラだと言われた場合、「悪気はなかった」「そんな大げさなことじゃない」という人がいますが、そうした言葉はぐっと飲み込みましょう。たしかに、状況や事実を整理整頓した結果、実際にご自身に非がないということも考えられます。

ただし、ハラスメントを訴えた人に対して「悪気はなかった」などと言ってしまうのは避けましょう。また、実際にハラスメントに該当する行為や言動をしていたことがわかった場合、しっかりと自分を見つめ直さしてください。自分は悪くないと考えていると、また同じ過ちを繰り返してしまいます。

お互いに学び合う気持ちで接する

若手といっても、学生のうちから資格取得やスキルアップ、起業にチャレンジする人が増えてきました。仕事を効率的に進めて自由な時間を楽しみたいと考える若手も多いため、業務の効率化や最適化にも積極的です。

デジタル化やIT化に取り組む企業も多く、ベテランでも学び続ける姿勢が求められています。気を抜いていると若手に「こんなことも理解できないのか」と呆れられかねません。何歳になっても学ぶ姿勢で、時には若手から教わりつつ、ご自身のスキルや知識を磨いていきましょう。

とはいえ若手は経験や業界ならではのノウハウを知らないことが多いです。マニュアルではわからない仕事のコツや困難を知っているのはベテランならでは。若手に対して卑屈になる必要はありませんので、ベテランとして自分の仕事にプライドを持つのは忘れずに!

おわりに:「老害」は言われることも言うこともないよう注意しよう

尊敬されるベテラン、若手から老害と呼ばれやすいベテランの違いについてイメージは湧いてきましたか?ベテランは会社を支える重要な存在です。スキルアップや変化を歓迎しながら、より充実したキャリアや人生を歩んでいきましょう。

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