「マウンティング」という言葉が流行りましたが、他人と自分を比べて優劣を決めがちな人はいませんか?そうした考え方が習慣になり、比較癖が直らなくなるとさまざまなトラブルやデメリットが生じることも。この記事では比較癖の直し方を解説します。
- この記事でわかること
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- 人と自分を比較して劣等感を抱く原因
- 比較癖が人間関係に及ぼす悪影響
- 自己肯定感が下がる子どもの頃の経験
- 比較癖をポジティブに直す方法
人と比べてしまう「比較癖」のデメリット
何かと人と比べては落ち込んでしまう人は、比較することが癖になっているかもしれません。比較することで、他人の良いところを発見できたり自分の改善点が見つかることもあります。ただし比較によって劣等感や嫉妬が湧きおこり、気持ちが落ち着かなくなることはありませんか?
比較癖がネガティブな影響をもたらしている人には、次のような特徴が見られるでしょう。
- 比較癖がある人の特徴
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- 自分に自信がない
- 自己評価や自己肯定感が低い
- 周囲からの評価がとても気になる
- 褒められたい、認められたいという承認欲求が強い
- 勝ち負けや優劣を気にしがち
- 嫉妬心が強い
- 自分で物事を決めるのが苦手で、他人と比較して決めようとする
- 高級品を持つのが好き
こうした特徴を持つ人が他人と自分を比較すると、精神面や人間関係にデメリットをもたらすことがあります。
- 比較癖のデメリット
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- 自分に対して否定的になりやすい
- 自分が頑張ったことに対して満足できなくなる
- 他人に対して攻撃的になる、または卑屈になる
- 友人に嫉妬し、疎遠になってしまう
- 他人のことが羨ましく見えて、真似ばかりするようになる
- 他人に負けないように、身の丈に合わない生活をする
- 比較されていることに周囲が気付き、距離を取られてしまう
- 「マウンティングしてくる人」というイメージを抱かれる
- 自分の基準で優劣を決めようとするが、物事の本質とずれていることがある
比較癖が仕事や出世に影響する?
社会人が比較癖を持っていると、仕事に良い影響と悪い影響を及ぼすことがあります。仕事では結果や成績も重要です。競合他社と自社を比較し、分析して戦略を練る必要もあります。比較が必ずしも悪いというわけではありません。行き過ぎた比較は、次のようなトラブルを引き起こすおそれがあります。
- 比較癖が引き起こす仕事のトラブル
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- 同僚のことを仲間ではなくライバルとみなし、協力できない
- 成績を上げることに躍起になり、コンプライアンス違反などをしてしまう
- 実力はあるのに自信がなく、積極性がないと評価される
- プロセスよりも結果を重視するあまり、後輩や部下の成長を妨げる など
仕事は人間関係も重要ですが、比較癖がある人は人間関係や評価に問題を招く可能性が高いことを覚えていきましょう。
比較癖が原因で恋愛・結婚がうまくいかない!
比較癖は恋愛・結婚にもトラブルを招きかねない考え方です。比較癖によって恋愛・結婚を楽しむ気持ちや幸福感が満たされないこともあります。
- 比較癖が引き起こす恋愛・結婚のトラブル
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- 収入や肩書きなどスペックで相手を選ぶ
- 他人のパートナーが良く見えてきて、略奪愛や不倫をしてしまう
- 他のカップルと比較し、自分のパートナーに対する不満が募る
- 自信がなく、「自分よりももっと良い人がいるはず」と身を引いてしまう
- 「今の相手よりもっと素敵な人がいい」と恋愛が長続きしない
恋愛や結婚は個人の自由ではありますが、他人に迷惑をかけてしまうと法的トラブルに発展することもあります。不倫や浮気で訴えられると慰謝料を請求されたり社会的信用が失われます。
比較癖の原因は子ども時代や挫折にある?
人と比べてしまう比較癖の原因は、子ども時代の家庭環境などが原因のこともあります。一方で、大人になってから人と比較することが習慣になる人もいます。たとえば次のようなことに当てはまる人は、比較癖が身についている可能性があるでしょう。
- 比較癖の原因【子ども時代】
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- 兄弟や姉妹がいて、親や教師に比較されていた
- 勉強や部活の成績を比較されていた
- 褒められるために頑張ることが習慣になっている
- 育った地域や環境が閉鎖的で、多様性はあまりなかった
- 比較癖の原因【成人以降】
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- 営業成績や実績を比較されている
- SNSを見る時間が長く、自分よりも他人の生活が中心になっている
- 学歴や就職先にコンプレックスを抱くようになった
- 自分と似た考え方や見た目の人とばかり付き合っている
上記に当てはまるからといって、比較癖がついているとは限りません。社会で生きていくには、人との比較を完全に避けることは難しいものです。比較の結果、劣等感や嫉妬を強く抱くようになると、余計に比較にこだわってしまうこともあります。
比較癖の直し方はあるの?
人と自分を比べてしまう比較癖は、精神面や人間関係に悪影響を及ぼします。それではどのようにして比較癖を直すのがよいのでしょう。
SNSをやめる
SNSを見ていると、他人の生活や成果を目にする機会が増えますよね。「自分より良い暮らしをしているのが羨ましい」「自分より能力が高い人がいて悔しい」など、インターネットの向こうの世界と自分を比べてしまいがちです。
インターネットは多くの人とつながることができるのがメリットですが、発信された情報だけを見て物事を判断するのはおすすめできません。自分よりも素敵に見える人は、その分努力をしているかもしれませんし、背伸びをして嘘をついているかもしれません。比較対象が多すぎるため、比較をしてもし切れません。
SNSを思い切ってやめることで、インターネット上で他人と自分を比較することを止められます。SNSを楽しみたい場合は、時間の区切りを設けたり、SNSで集める情報を絞っておくと安心です。たとえば好きなアイドルに関する情報を集める、仕事に関する情報だけを集めるなど、SNSの用途をしっかりと定めましょう。
デジタルデトックスで気持ちをすっきりさせる!
SNSをやめるというのは簡単ではありません。スマホを持つことが当たり前になり、家にいるときや電車での移動中などちょっとした時間にSNSをチェックできるからです。
SNSをやめたい人は、デジタルデトックスをしてみてはいかがでしょう。こちらの記事ではデジタルデトックスの効果やおすすめの方法を紹介しています。
自分と他人の違いをポジティブに受け入れる
比較することは悪いことではありません。人は一人ひとり違って当たり前です。比較によって、自分にはない他人の長所あるいは短所が見えてきます。そうして見えてきた違いで優劣を決めるのではなく、それぞれに個性があるという方向へ意識を変えていきましょう。
意外かもしれませんが、人は自分と同じくらいのレベルだとみなしている他人を比較対象にすることが多いです。つまり似たような人が集まるコミュニティにばかりいると、比較癖が直りにくくなります。さまざまな個性やバックグラウンドを持つ人と接し、人はみんな違って当たり前だということを再認識しましょう。
スキルアップをして自信を持つ
自分に自信がないことが原因で比較癖が身についてしまっている社会人は、スキルアップをして自信を付けましょう。仕事に関連するスキルでも良いでしょうし、趣味を楽しみながらスキルアップするのもおすすめです。
ただしスキルアップでも他人と自分を比較してしまうことがあります。そうならないためにも、他人ではなく自分自身と比較してください。たとえば英語のスキルアップであれば、定期的にTOEICを受験してスコアが伸びているかに注目しましょう。少しでもスコアが伸びているならば自分を褒めることを忘れずに!
同期と自分を比較して嫉妬しまうのを止めたい!
会社にいると、同期と自分を比較してしまうことがありますよね。同期はライバルでもあり仲間でもあります。こちらの記事では同期への嫉妬の気持ちを和らげてるためのポイントを紹介していますので、気になる人はチェックしてみれください。
自分を褒める
比較癖が染みついていると、自分を過小評価していたり自己肯定感が低くなったりします。こうしたメンタルを変えるには、自分を褒めるのが効果的です。
- 自分を褒めるポイント
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- 少なくとも一日のうちひとつは褒めるところを見つける
- 日記や記録をつけて、日々の成長を可視化する
- 小さな目標を設定し、クリアできたら褒める
- ネガティブに感じたことでも、ポジティブに変換できないか考えてみる
過去の自分と今の自分を比較する
本当に自分自身を成長させたい場合、過去の自分と今の自分を比較する必要があります。他人との優劣ばかり気にしていては、自分自身を変えることは難しくなります。成長のチャンスや伸びしろがあっても、「他人より自分の方がマシだ」と思って努力をやめてしまうことがあるからです。
長期的に成長を続けるためには、過去の自分と今の自分を比較して努力をすることが大切です。
比較をエネルギーに変える!ヒントにしたい人気番組
比較癖を直す方法を紹介してきましたが、癖はなかなかすぐにはなくなりませんよね。比較癖を直すときは、自分のメンタリティと上手に付き合っていくことも重要です。比較のメリットを活用し、自分の成長に役立てましょう。
- 比較癖をエネルギーにするポイント
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- 比較による発見を成長のための気付きにする
- 比較される環境で成長している人をお手本にする
上記のことを実践するためにおすすめなのが、リアリティショーの鑑賞です。優勝などの目的を目指して、さまざまな人が個性を武器に戦います。リアリティショーは賛否両論がありますが、戦いを通して友情や尊敬、自己肯定感のアップが見られる番組を紹介します。
料理コンテスト【ブリティッシュ・ベイクオフ】
「ブリティッシュ・ベイクオフ」は、イギリス発の料理コンテスト番組。英BBCの人気番組で、国内外に多くの視聴者がいます。この番組の特徴は、出場者がすべてアマチュアの料理好きであることです。出場者はケーキ、パン、タルト、パイ、クッキーなどの料理作りに挑戦し、数週間をかけてベイキングの腕を競います。
腕に自信がある出場者もいれば、他の出場者の料理を見て自信を失う人も。さらに辛口の審査員であるポールのコメントも番組の見どころのひとつとなっています。毎週、脱落者が出るという厳しいコンテストではありますが、出場者同士の間に尊敬の気持ちが芽生えていったり、刺激を受けてさらなるスキルアップを遂げる姿も魅力です。
「ブリティッシュ・ベイクオフ」は、複数の動画配信サイトで視聴可能ですので、料理が好きな人や食べることが好きな人は鑑賞してみてはいかがでしょう。
オーディション【ガールズプラネット999】
2021年に韓国で制作された「ガールズプラネット999」は、アイドルグループ「ケプラー」が誕生した番組です。韓国・中国・日本からそれぞれ33人の参加者が集まり、最終上位9名がアイドルグループとしてデビューできるというアイドルオーディションで、国境を越えた人気番組となりました。
生まれた国や個性が異なる10代〜20代が、夢を叶えるために共に練習していきます。オーディション番組ですので、順位がついたり審査員からの手厳しい評価を受けることも。
他の参加者のパフォーマンスに圧倒されたりプレッシャーを感じたりしながら、それぞれの魅力や特技を素直に尊敬する参加者の素直さも魅力です。厳しい環境の中でも頑張る若者の姿を応援したくなりますよ。
オーディション【アメリカズ・ゴット・タレント シリーズ】
米NBCネットワークの公開オーディション番組「アメリカズ・ゴッド・タレント」は、全世界で10億人以上の視聴者がいる人気番組。歌やダンスなどさまざまなジャンルの才能溢れる参加者が、自分の実力に磨きをかけて優勝賞金100万ドルを目指します。
手厳しいジャッジメントが話題のサイモン・コーウェルも唸らせるパフォーマンスは必見です。コンプレックスを抱えつつ番組にチャレンジする参加者の姿もあり、パフォーマンスのクオリティのみならずそのエピソードに感動を誘われるシーンも。
イギリス版「ブリテンズ・ゴット・タレント」では日本人マジシャン岩崎圭一氏が審査員から高評価を得ました。日本版「ジャパンズ・ゴット・タレント」が2023年に放映が決定されるなど、これからも注目が集まることが予想される番組ですよ。
恋愛サバイバル【バチェラージャパン・バディロレッテジャパン】
恋愛サバイバルとして人気の高い「バチェラージャパン・バチェロレッテジャパン」。恋愛リアリティショーながら、参加者同士の友情や人間としての成長もみどころです。
バチェラージャパンは、バチェラーと呼ばれる男性の運命の相手となるべく女性参加者が火花を散らします。バチェロレッテジャパンは男女が逆転し、バチェロレッテの愛を勝ち取るために男性参加者らがデートなどで工夫を凝らします。
恋愛で比較癖がある人こそバチェラー ・バチェロレッテシリーズはおすすめです。自分の個性や魅力を最大限アピールするために工夫する参加者の姿から何かを感じ取ることができますよ。
おわりに:比較癖は今からでも直せる!自分の成長に集中しよう
人と比較することをゼロにするのは簡単なことではありません。比較によって得られる気づきや成長もありますので、行き過ぎた比較癖がもたらすデメリットを小さくしていきましょう。
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