靴やスカート、ズボンのウエストが苦しいとき「太った!」と感じるかもしれません。しかしその原因はむくみによる場合があり、脂肪が増えたのではなく、体内の水分量が増えている可能性があります。
今回はむくみによる体重の増加と体の変化の関係から、むくみを予防・改善するため方法まで、むくみトラブルとむくみ改善のポイントについて解説していきます。
- この記事でわかること
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- どんな症状があるとむくみ?セルフチェックをしよう
- むくみ予防には、ヒールとスニーカーどっちがいい?
- どんな食品がむくみ取りにおすすめ?
- 王道スクワット以外も実践!筋トレとストレッチの方法
- 顔やおなかのむくみをマッサージで解消するには?
- むくみは病気のサインかもしれないって本当?
むくみで体重が数キロ増えることがある?むくみレベルチェック
体内の脂肪量が増えることで起こる体重の増加を肥満、体内の水分量が増えることで起こる体重の増加をむくみと言います。
太ること以外にも、むくみによって1~3㎏ほど、重度なら3㎏以上も短期間で体重が増加することがあるのです。
以下に、むくんでいるかの判断に役立つセルフチェックリストを用意しましたので、肥満とむくみどちらによる体重増加なのかの判断に役立ててください。
【むくみセルフチェックリスト】
- トイレに行く回数は、1日に4回以下
- おでこの肉、皮をつまむことができる
- 夕方になると靴がきつくなってくる
- 靴下を脱ぐと、5分以上ゴムの跡が消えない
- むくんでいるところを10秒くらい押すと、しばらく跡が残る
- 一旦むくんだと思ったら、その状態が2~3日くらい続く
上記に当てはまる項目が多いほど、あなたのむくみが重度だと言えるでしょう。
むくみ改善方法-むくみにくい生活習慣を身につけよう
むくみは、日頃の生活習慣を変えることである程度予防できます。
以下に、むくみ予防のために実践すべきむくみにくい生活習慣のポイントを紹介しますので、実践してください。
- 【とにかく血行を阻害しない】
- 代表的なむくみの原因は、血液やリンパ液の流れの滞りです。締め付け感のない自分のサイズに合った下着や、ゆったりしたシルエットの洋服を身に付けるようにし、血液やリンパ液の流れを妨げないようにしてください。
- 【冷えを予防し血行を促進する】
- 体が冷えると血管が収縮し、血液の流れが悪くなります。首や脇、膝裏、足首には大量の血液・リンパ液が流れていて滞りやすいので、これらの部位を特に意識的に温めて血行を促進しましょう。普段はストールを巻くなどして保温し、入浴時にはぬるめのお湯に浸かって冷えを取る習慣をつけると、徐々に改善していきますよ。
- 【スニーカーを履く日をつくる】
- スニーカーでしっかり歩く習慣のある人は、足裏や足指の筋肉が発達していて、心臓の方へ血液やリンパ液を流す力も強くなっています。仕事中はヒールやパンプス、革靴を履いている人も、休日などはできるだけスニーカーを履いて足の筋肉をつけ、下半身の血流を促進しむくみを予防しましょう。
むくみ改善方法-塩分と水分に気をつけた食事をとろう
身に付けるものだけでなく、食事を変えることでもむくみは予防・改善できます。
むくみを起こさせない、悪化させないために知っておきたい食生活のポイントは、以下の通りです。
【塩分摂取は控えめにする】
私たちの体は、常に体内の塩分濃度を一定に保とうとします。
このため塩分をたくさん摂ると、塩分濃度を下げて一定値に戻すために、たくさんの水分を体内に蓄えようとするのです。
こうして体内にたくさん蓄えられた水分が、むくみと体重増加を引き起こすのです。
塩分が多く含まれる加工食品の摂取は控えめにし、自炊するときにもカリウム、マグネシウム含有の塩を選ぶなどして塩分摂取を控えましょう。
【お酒を飲むのも控えめに】
アルコール排出のため、飲んだ後に喉の渇きを引き起こすお酒も、むくみの一因となります。
また、おつまみとして塩分が多い味の濃いものを摂りがちなのも大問題です。
1日に飲むお酒の量と塩分の多いおつまみは意識的に少なくして、必ず1週間のうち1日以上の休肝日を設けましょう。
【むくみ解消に役立つ栄養を積極的に摂ろう】
塩分や老廃物、水分の体外への排出を促進してくれる以下のような栄養素・食品を積極的に摂ると、むくみ解消に役立ちます。覚えておきましょう。
- 「カリウム」を多く含む食品…バナナ、ほうれん草、アボカド、その他フルーツ類
- 「クエン酸」を多く含む食品…レモン、グレープフルーツ
- 「ビタミンE」を多く含む食品…アボカド、プルーン、モロヘイヤ
- 「ビタミンB6」を多く含む食品…かつお、まぐろ、牛レバー、大豆
- 「サポニン」を多く含む食品…ごぼう、にんにく、きゅうり、小豆
好みに合うもの、あなたにとって調理しやすい食材から、毎日の食事に取り入れてください。
むくみ改善方法-筋トレ・ストレッチで浮腫みにくい体をつくろう
むくみの解消には運動などで筋肉を動かし、体液の流れを促進するのが効果的です。
以下に、むくみ解消効果が期待できる筋トレ・ストレッチを計3つ紹介しますので、やってみてくださいね。
【1:スクワット】
- 足を肩幅に広げ、正面を向いて立つ
- 太ももの付け根に両手を当てて、上半身を少し前に傾ける
- 上半身の重さを手にかけて、下に向かってまっすぐ体重をかけるようにしながら膝を曲げていく
- ゆっくりと腰を落としていき、膝の角度が90度くらいになったら3秒キープ
- 膝をゆっくり伸ばし、もとの姿勢に戻る
- 1~5の動作を、1セット当たり5回繰り返して行う
【2:手足の上下運動】
- 両足を揃えてまっすぐに立ち、両手の平を軽くくっつけた状態で頭上へ上げる
- かかとを起点に、右足を真横に向けて上げていき、限界の位置まできたら元に戻す
- 2の動きを左足でも同様に行い、左右交互に数回繰り返す
【3:足上げ足首回し】
- 壁の近くで仰向けに寝転がる
- 寝転んだ姿勢のまま、壁に両足をかけて高く上げる
- 2の姿勢を作るとき、お尻とかかとが壁につくよう注意する
- 膝が曲がらないよう、足をまっすぐに伸ばす
- 4の姿勢のまま、左右両方の足首をゆっくり回す
- 足首を回す動作は時計回り・反時計回りに各5回ずつを1セットとし、3セット行う
むくみ改善方法-マッサージでむくみを改善しよう
筋トレやストレッチとあわせ、皮膚の上から血液・リンパ液の流れを促進するマッサージもむくみの解消に効果的です。
以下にむくみの気になる起床後、血行が良くなっている入浴後に行ってほしいむくみに効くマッサージ法を計5つ部位別に紹介していきます。
特にむくみの気になる箇所に施してみましょう。
【1:顔のむくみを取るマッサージ法】
- 両手で顔を包み込むようにして外側、こめかみの方へグッと引き上げる
- 引き上げた手を耳の後ろ側、リンパの流れが集中する耳下腺の方へすり下げる
- そのまま耳下腺から首筋、鎖骨の方へ指で流していく
【2:おなかのむくみを取るマッサージ法】
- おへその上に、手のひらを当てる
- 手のひらの下に力を入れるイメージで、円を描きながら手のひらを下腹部の方へゆっくり移動させていく
- 陰部近くまで行ったら、同じ動きを繰り返しながらまたおへその上まで手を戻す
【3:手のむくみを取るマッサージ法】
- 指の根元に親指を置き、くるくる円を描くようにして爪の方へ引き上げる
- 指先まで到達したら、指の根元までスーッと親指を戻す
- この動きを両手すべての指に順番に行う
【4:足のむくみを取るマッサージ法】
簡単バージョン
- 両手で包み込むようにして足首を掴み、そのままふくらはぎ、膝へと引き上げる
- 膝から上へも膝裏から太もも、股関節の順に、両手で包むようにして引き上げていく
贅沢バージョン
- 足指、足首から膝やももの方へ向けて、手の平全体で足をさする
- 足指の間に手の指を絡めて持ち、足首を左右に大きく回す
- 足首を持ったまま、足を体の外側に倒し足首を伸ばした状態で5秒キープ
- 3と同様に、足を胴体の方に引っ張り足首を曲げた状態にして5秒キープ
- こぶしを作り、足裏の土踏まずの部分をぐりぐり押す
- くるぶしの部分をつまむようにして、そのままふくらはぎ、ひざ下へリンパ液を流す
- 1~6の動きを、左右両方の足に行う
どのマッサージも「気持ちよい」と感じる力加減で行うこと、また摩擦により皮膚が傷つくのを防ぐため、ボディクリームや乳液を塗って実施してくださいね。
むくみの原因が病気のことも!受診の目安や診療科はどこ?
むくみには、生活習慣やそのときの体調によって起こる一時的なむくみと、病気や臓器のトラブルによる慢性的なむくみがあります。
以下の条件に当てはまる場合は、一時的なものではなく慢性的なむくみかもしれません。
【慢性的なむくみの特徴】
- 体重が少しずつ増えていて、1週間以上たってもむくみが解消されない
- 普段から体を動かす機会が少なく、毎日デスクワークで同じ姿勢を取り続けている
- 肝臓や腎臓、心臓の病気を経験したり、数値異常を指摘されたことがある
- むくみと一緒に疲れやすさ、貧血、夜間尿の多さなどの症状に悩まされている
- 皮膚にかゆみや、黄疸が現れているようだ
- 眠ろうと横になっても、なんだか苦しく眠れない
- むくみが見られるようになったのは、特定の治療や投薬を始めてからだ
体液の循環・排出がうまくいっていない証拠であるむくみは、体に何らかの異常が起こっているサインです。
むくみが長期間続くとなると、循環器と呼ばれる肝臓や腎臓、心臓、甲状腺などの機能に異常があるか、薬などの副作用が強く現れていると考えられます。
早期に重大疾患を発見し、重症化を防ぐためにも、慢性的なむくみ症状が見られた場合には内科、または内分泌内科の医療機関を速やかに受診してくださいね。
おわりに:体重増加の一因はむくみ!ストレッチやマッサージを習慣化して、むくみを予防・改善しよう
夕方になると服や靴がきつくなるという人は、太ったのではなくむくみが原因かもしれません。体内の脂肪量が増えることによる体重増加を肥満、水分量が増えることによる体重増加をむくみと呼びますが、むくみでも数㎏以上体重が増えることがあるのです。日頃からストレッチやマッサージを習慣化したり食生活を見直すことで、むくみは予防できます。ただ慢性的にむくみがあるときは、早めに内科または内分泌内科の医療機関で相談してくださいね。
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