妊娠・出産を経た女性は「産後うつ」に気をつけるべきことが広く知られるようになりました。しかし育児に挑戦するのはママだかではありません。パパもまた子育ての不安や悩みを抱え、産後うつや育児ノイローゼにかかるおそれがあるのです。
この記事では、産後うつや育児ノイローゼにかかりやすい男性の特徴や気をつけたいサインを紹介します。
- この記事でわかること
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- 子どもとの接し方や支出など育児ストレスを感じる原因
- 産後うつや育児ノイローゼに注意したいパパの特徴
- 共働き夫婦におすすめの育児ストレス解消法
- 育児の悩みを相談するのにぴったりな相手
パパだって育児に仕事に悩んでいる
世の中のパパは子育てに対してどんな悩みを感じているのでしょう。メディケア生命が2018年に行った「イマドキのパパ・ママのくらしと子育てに関する調査」を参考に、中学生以下の育児中のパパの認識を見ていきましょう。
「子育てが楽しい」という設問に対しては、「当てはまる」とした回答は男性が66.6%、女性が65.4%でした。
「自分は子育てが得意だと思う」という設問に対し、男性では、「あてはまる」が29.6%、「あてはまらない」が22.8%という結果となり、子育てが得意だと思っているパパが多めとなりました。一方、同じ設問に対するママの回答は、「あてはまる」が20.4%、「あてはまらない」が41.6%でした。ママの方が子育てに悩むことが多いのかもしれません。
こうしてみると、苦手意識を持たずに子育てを楽しんでいるパパが多いようにも見受けられます。
しかし、「仕事と子育てが両立できている」の設問に対して、「当てはまる」とした回答は男性42.1が%、女性が57.9%という結果が出ました。パパの方が仕事と子育ての両立をできていないと認識している人が多いようです。
パパが育児ストレスを感じるのはどんなとき?
上記の調査結果では育児を楽しんでいるパパが多いようでしたが、だからといってパパに悩みやストレスがないわけではありません。育児中の男性が感じるストレスには、以下のものが考えられます。
- 子どもが泣きやまない
- 子どもが親の言うことを聞かない
- 子どもが反抗的な態度や言動を向けてくる
- 子どもがパパにべったりで、離れてくれない
- 子どもが困ったことがあると、すぐパパを頼る
- 自分の時間を持てない
- 育児にお金がかかる
- パートナーとの育児の協力体制がうまくいかない
- 育児に悩んだときに頼れる人が身近にいない
子どもの行動などのほか、育児に追われて自分の時間がなくなっていくことへのストレスやパートナーとの関係など、パパもさまざまなことで育児ストレスを抱えます。
出産後のママがホルモンバランスの乱れなどから「産後うつ」を発症するおそれがあることは、近年広く知られるようになってきました。しかし、パパも産後うつや育児ノイローゼになる可能性があるのです。
パパも産後うつに?イクメンのプレッシャーで心と体に負担大
男性が産後うつや育児ノイローゼを発症する原因には、父親としてのプレッシャーがあります。育児がうまくいかないときに自分自身を責めてしまい、気持ちが落ち込んでしまします。
- 産後うつや育児ノイローゼを発症する男性の特徴
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- 育児が思うようにいかず、自責の念に駆られる
- 「父親としてこうしなければいけない」というプレッシャーを感じる
- 子どもを迎えた環境の変化に慣れない
- 育児で睡眠時間が減少している
- 育児の疲れが仕事にも影響している
- 育児に追われるなか、家事もしっかりこなそうとしている
出産は、パパの日常生活や精神状態にも大きな影響を与えます。真面目でやさしい性格をしている男性ほど、「父親らしくしなければ」「ちゃんと育児をこなさなければ」とプレッシャーを感じ、ストレスを抱える傾向にあります。
そのため、
- 真面目
- やさしい
- 完璧主義
- 人に頼るのが苦手
に当てはまる男性は、産後うつや育児ノイローゼに注意しましょう。
イライラや過食など育児ストレスが引き起こす症状
実際に産後うつまたは育児ノイローゼを発症した場合、どんな症状があらわれるのでしょう。参考として症状の例を紹介します。
- イライラすると気持ちを抑えられない
- 些細なことに対してでも怒鳴る
- 憂うつな気分を続き、悲観的になる
- ぼーっとする時間が増えた
- 家事が進まず、キッチンやリビング、自室が散らかっている
- 好きなものや趣味への関心が低下する
- 寝つきが悪い、眠りが浅い
- 食欲不振または食べ過ぎてしまう
- 子どもへの愛情表現が減った
共働きの時代だから..パパとママの育児ストレス解消法
産後うつや育児ノイローゼは、家庭だけではなく仕事にも悪影響を与えかねません。症状が重い場合は休職や退職をして治療に専念する必要がありますが、そうすると収入が減るという悪循環に陥ります。
そのため、出産後はパパもママも自分たちの心と体を気遣うようにしましょう。まず、育児ストレスを感じることは悪いことではありません。赤ちゃんはデリケートですので、育児中は神経をすり減らす人は多いものです。大切なのは育児ストレスを蓄積させず、解消することです。
育児の悩みを抱えたら誰に相談するのがいい?
育児ストレスを感じたときは、その内容や愚痴を誰かに聞いてもらうのがおすすめです。相談相手は、下記の人たちがおすすめです。
- パートナー
- 子育て中の友人や先輩
- 自分の親またはパートナーの親
- 保育園・幼稚園、学校の先生
パートナーに相談することで、現実的な解決方法が生まれることがあります。子どものわがままに悩んでいる場合、一方が叱り役に回ってみるなど協力の方法を検討できます。睡眠不足や仕事との両立に不安がある場合は、育児や家事の分担を見直すのもおすすめです。
また、子育て中の友人や先輩に相談すると、役立つアドバイスをもらえることができるでしょう。同様に、親に悩みを聞いてもらうと育児の協力を頼みやすくなりますよ。
そのほかでは、子どもが通っている保育園や幼稚園、学校の先生に相談してはいかがでしょう。家の外での子どもの様子を聞きつつ、子どもとの接し方のアドバイスを聞いてみてください。
育児ストレスのこまめな解消方法
人に悩みを聞いてもらっても、ストレスが解消されないこともあります。そのときは次のような方法で育児ストレス解消を試してみましょう。
- 1人になる時間を作り、自分の好きなことをして過ごす
- 家事で完璧を目指さず、手抜きをしてみる
- 自治体の子育て相談窓口を利用する
パートナーや親に協力してもらい、1日だけ、半日だけでも自分のための時間を作ってみてください。趣味を思い切り楽しんだりゆっくり過ごしたり、好きなように過ごしましょう。その後は協力してくれたパートナーなどに感謝の気持ちを伝えることを忘れずに!
また、子育て中は家の中が汚れやすいものです。いつも清潔で綺麗な部屋を保つのは思った以上に労力が求められます。外食やテイクアウト、スーパーの惣菜を活用したり、掃除の頻度を減らしてみたりして、程よく家事の手抜きをしてみてください。
また、自治体では子育てを支援するサポート制度が用意されています。まずは相談窓口でどんなことに悩んでいるか話を聞いてもらい、育児支援サービスを案内してもらうのもおすすめですよ。
おわりに:パパもママも子育てには悩みがつきもの!協力して乗り越えて
出産を機に、日常生活や家の環境はガラリと変わりますよね。産後うつや育児ノイローゼは夫婦どちらか一方にだけ起こるとは限りません。育児ストレスが積み重なると、男性も発症する可能性があります。パートナー同士で力を合わせたり周囲に相談したりして、育児ストレスをこまめに解消するようにしてみてくださいね。
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