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【後編】幼児期に自立心を伸ばす方法は?過干渉がNGとされるのはなぜ?

子どもの成長と自立心 人間関係の悩み
この記事は約10分で読めます。

子どもの自立心は、乳幼児期には食事・着脱衣・清潔・排泄・睡眠の生活習慣の自立を通して育まれます。そんなとき、親など周囲の大人がどのように子どもと接するかも重要です。

この記事では、子どもの自立心を育むためのポイントや避けたい行動を紹介します。親が陥りがちな過干渉を予防するための方法も一緒に理解しましょう。

この記事でわかること
  • 早寝早起きと好き嫌いの矯正で注意したいこと
  • 子どもの自立のために親がしない方がいいこと
  • 子どもの考える力を伸ばすポジティブな言葉がけ
  • 子育てにおける過干渉とサポートの違い

早寝早起きと好き嫌いには神経質にならなくてもOK

子どもの生活習慣の自立を目指していると、なるべく子どもに良いとされている生活習慣を身につけさせたいと躍起になってしまうものです。しかし、その中でもやりすぎてしまうと逆効果になりやすいものが2つあります。

  • 早寝早起きを無理にさせる
  • 好き嫌いを直そうとする

これらの習慣が身につくかどうかは躾の程度に関わらず、子ども本人の心身の発達に左右されやすいため、厳しくしすぎないようにしましょう。

早寝早起きにこだわるのは良くない

子どもにとって、朝早く起きて夜早く寝るのが健康に良いのは言うまでもありません。しかし、中には昼間の遊びで興奮しすぎて寝つきが悪くなってしまったり、「まだ眠くない」と遊びたがったりしてしまう子どももいます。こんなとき、つい大人は「早く寝なさい!」と叱りつけてしまいがちですが、大切なのは「早く寝ること」ではなく、「決まった睡眠リズム」なのです。

新生児や乳児の頃に多層睡眠で寝たり起きたりを繰り返していた子どもは、「太陽が出て明るくなったら起こされる」「太陽が沈んで暗くなったら寝かされる」の繰り返しで体内時計を少しずつ調節していきます。さらに、子どもの体内時計は大人よりはるかに敏感なため、スマホやテレビの光はもちろん、お店の明るい照明などでも簡単にズレてしまいます。

子どもの体内時計は2歳ごろまでにだいたいできあがり、7歳を過ぎるとなかなか修正が難しいとされていますので、この期間に毎朝、決まった時間に起きてカーテンを開け、明るい太陽の光を浴びる習慣をつければ良いのです。もちろん、夜は明るいお店やスマホ・テレビを避け、室内を夜らしく暗くしましょう。

このように、体内時計をしっかりセットしていけば、早寝早起きそのものにこだわりすぎなくても、だんだんと子どもの睡眠リズムは整っていきます。ぜひ、子どもが眠りやすい環境や起きやすい環境を整えることを意識しましょう。

好き嫌いは必ずしも直さなくていい

好き嫌いは子どもの健康に関して大人が最も気になるポイントの一つですが、野菜を食べたくない、見たことのない食材を食べたがらない、そもそも食が細いなど、食に何らかの問題を抱える子どもは少なくありません。しかし、これも睡眠と同じく、現在ではこだわりすぎる必要はないとされています。

その理由の一つとして、子どもの好き嫌いの多くは単に「苦味・酸味」といった味を危険と感じて避けているだけだからです。これは本能的なものなので、成長とともにさまざまな味を経験していく上で好きになることも多く、小児期に食べられなくても気にしすぎなくて構いません。他のもので栄養が摂れれば良いのです。

もう一つの理由として、食事そのものが子どもにとって不快であると避けがちだということが挙げられます。食べたことのないものを食べないのは、その食材が安全なのか危険なのかわからないからです。一般的に、いろいろな食べ物を食卓に出されると食わず嫌いが少なくなりやすいとは言われていますが、毎回何十種類もの食材を使って料理をするのは大変です。

特に、大人の食事と子どもの食事を分けなくてはならない離乳食の段階で、そこまではなかなか手が回りません。そんなときは、子どもの信頼する大人が同じものを一緒に食べると、安全だと判断して食べられるようになることもあるようです。子ども自身が切る、盛り付けるなどで料理に参加することを通じて安全を理解し、食べられるケースもあります。

例えば、小松菜やほうれん草は苦味があって子どもにとっては食べにくい野菜の代表ですが、子ども自身にゴマをすってもらい、そのゴマをふりかけたりゴマ和えにしたりすると食べられるようになった子どももいるそうです。自分で栽培した野菜や、スーパーで自ら選んだ食材にも愛着が湧きやすいので、ぜひ一度やらせてみてはいかがでしょうか。

また、食事の空間で「早く食べなさい」「行儀が悪い」「いつまで食べているんだ」と叱責ばかりされていると、食事が子どもにとって苦痛となってしまうこともあります。ぜひ、楽しく色々な話をしながらポジティブな食事の空間を作ってあげましょう。子ども自身の脳が「食事は安全」だと理解する必要があります。

子どもの自立心を育む「見守り」のポイント3つ

子どもの自立心を育むためには、「見守り」がキーワードです。「宿題はやったの?」「明日の準備は?」と親がなんでもかんでも先回りして干渉し過ぎてしまうと、子どもの自立心はいつまで経っても育ちません。子どもより大人がやった方が早い、大変そうな子どもを見ているのが辛いと手を出してしまう人は多いのですが、ぐっとこらえて子どもの成長を見守りましょう。

①着替えや出かける準備を急かさない
  • 「自分のことは自分でする」を身につけさせる
  • 急かされると慌ててしまい、できない自分を責めたり、なんでやってくれないんだと怒ったりしてしまう
  • 時間がかかっても、子どものできることを増やし、それから徐々にスピードアップしていけば良い
②勉強がわからないときは、一緒に考える
  • 親が先導するのではなく、答えに辿り着くまでの道筋を子ども自身が考えることが重要
  • 勉強だけでなく、何かトラブルがあったときどうやって解決するか自力で考える練習になる
  • 完全に放置するのではなく、ヒントを小出しにしながら子ども主導で考えられるのが理想
③友人とのトラブルには、口を出さない
  • ある程度の年齢になったら、自分で解決できるよう見守ることが重要
  • 親が相手の親と話して解決する、をずっと続けていると、子どもは何かトラブルがあっても親が解決してくれると思ってしまったり、都合よく嘘をつくようになったりしてしまう
  • 理不尽ないじめなどでない限り、基本的には子ども同士で解決させるようにする

上記いずれの場合も、乳幼児の何もできない頃には親が手を貸してあげることが必要です。しかし、子どもが成長していくにつれ、だんだんと自分自身でできるようにならなくては、いつまでも集団生活や社会生活を送ることができません。急かしたり、先回りしたりせず、時間がかかっても子ども自身ができることは子どもの力でやらせることを心がけましょう。

子どもの自立心を伸ばすための言葉かけのポイント

子どもの生活習慣の自立のためには、声かけ・言葉かけも重要です。例えば、手を洗い終わった後「キレイキレイすると気持ちいいね」、遊ぶときには「順番を守ってお友達と仲良く楽しく遊ぼうね」など、習慣づけやルールづけのための言葉かけを行いましょう。小学校入学までにある程度の生活習慣の自立、やっていいことやいけないことの規範意識などを獲得しておくと就学後も楽しく過ごしやすいです。

そのためには、「ポジティブ」かつ「子どもが自己決定できる」ような言葉かけが重要です。それぞれのポイントについても詳しく見ておきましょう。

言葉かけのポイント①:ポジティブに

「〜しちゃダメ」という否定語・禁止語で注意されても、特に乳幼児はなにも理解できず、周囲の大人が何を求めているのかも想像できません。そんなときは「〜しようね」と、すべきことをポジティブな調子で具体的に伝えましょう。子ども自身も何をすれば良いのかがはっきりわかり、学びにつながります。

そもそも、ネガティブな言葉は子どもの脳を育ててくれないことも研究からわかってきています。もちろん「まったくもう」「あんたはこれだからダメ」「いい加減にして」など、親のネガティブな感情を子どもにぶつけてしまうのは論外です。言葉で子どもに関わるときは、まず「ポジティブに、具体的に」を心がけましょう。

  1. 「~しちゃダメ」ではなく、「〜しようね」を意識して使う
  2. 子どもへの声がけは、ポジティブな言葉を選ぶ

この2つのポイントを抑えるようにしてくださいね。

言葉かけのポイント②:子どもが自己決定できるように

子どもの生活習慣の自立のためには、子どもが自分で考え、自分で決めることが非常に重要です。かつて「指示待ち症候群」と揶揄されたように、子どもが自己決定できないと、家庭外での集団生活や社会生活に大きな問題が生じてしまいます。大人が「こうしなさい」「ああしなさい」と言うのではなく、「この場面ではどういう行動をとればいいのか」と子どもが自ら考えられるようにしましょう。

例えば、「ご飯だから玩具を片付けて」と言うのではなく、「もうすぐご飯だけど、どうする?」と声をかけます。子どもが自ら片付けを申し出たり、し始めたりすればもちろん良いですし、まだ遊びたいときには「じゃあ、終わったらおいで」と子どもが自分で終わりの時間を決められるようにしましょう。

とはいえ、その後何時間も子どもを遊ばせておくわけにはいきません。そんなときは、「あと何分遊びたい?」というように、子ども自身に決めさせながらもある程度、生活のリズムを守れるよう大人が舵取りしていくと良いでしょう。

自立心を育てるための子どもの接し方・見守り方

子どもの自立心を育てるということは、放置するということではありません。ときにはまだ子どもができないことを大人が教えたり、間違いを正したりする必要があります。そのためのポイントとして、以下の4つを意識しましょう。

  1. 社会でどのような行為が禁止されているか、好ましくない行為を我慢するためにどうしたら良いか考えさせる
  2. 禁止されている行為の理解を促すと共に、どのような行為が社会に好ましく受け入れられるのか伝える
  3. 善悪の基準とその理由について、できるだけわかりやすく子どもに伝える
  4. 禁止されていたり、良くないとされたりする行為をしたとき、相手がどのように感じるか理解させる

しつけの基本ルールは、「親がやってほしくないことをさせない」のではなく、「社会生活で禁止されていることを理解させる」ということです。ですから、「お友達とみんなで気持ちよく過ごすためには、どうしたらいいかな」「こういうことをしたら、された方はどう思うかな」というように、成長してからもケースによって自分で考えられるよう、子どもに考えさせなくてはなりません。

また、禁止されていることや良くないとされることをしたときには、自分自身が罰を受けたり、罪を償ったりしなくてはならないこと、そのことで家族がどう思うのかといった周囲への影響まで子どもがしっかり理解を深められるようにしていきましょう。

「手を貸す」のではなく、「やり方を教える」ことを意識する

中国の老子が残した名言に「ある人に魚を与えれば、その人は1日食べていける。魚の捕り方を教えれば、その人は一生食べていける」という言葉があります。子どもの自立や躾もこれと同じで、「そのとき、1回できるかどうか」ではなく、「子どもがこの先、一生できるようになれるかどうか」で考えなくてはなりません。

ここまで何度かご紹介してきたように、子どもが一人で何かをしようとしたときに時間がかかる、効率が悪いなどで大人がつい手を出してしまうのは、子どもの自立心を妨げたり大人への依存心を強めたりするためできるだけ避けたいものです。じれったいこともあるでしょうが、そんなときこそ「見守る」ことを忘れないようにしましょう。

  • 子どもが挑戦しているときはあまり口出しをしない
  • 子どもがとても困っているときは手助けをする

子ども自身が自ら何かに挑戦したいと思って行動したときには、多少うまくできなくても大人はまず黙って見守りましょう。そうすれば、どうすればうまくいくのか子ども自身で考える力がつきます。自分で考え、失敗を繰り返しながら試行錯誤していく過程こそが成長に重要なのです。

どうしても一人ではできなくて手助けが必要なときには、「こうすればできる」とやり方を勧めたり、時間があれば大人が目の前でやってみせ、子どもに真似してもらったりするのが良いでしょう。手を取って一緒に動かしながらゆっくり教えてあげたり、できないところを一緒にやってみたりするのもおすすめです。

このとき、大人から見て「できない」と判断するタイミングと、子どもが自ら「もうできないから手伝ってほしい」と思うタイミングは必ずしも一致しないことを念頭に置いておかなくてはなりません。大人のタイミングではなく、あくまでも子どもが「手伝ってほしい」と思うタイミングを見極めて手伝うようにしましょう。

【前編】はこちら

【前編】幼児期に自立心を伸ばす方法は?子どもの発達の段階とは
生まれたばかりの乳幼児は身の周りのことを自分でできません。身近な大人がお世話をすることになりますが、いつまでも手助けしていては甘やかしになる恐れも。子どもに生活の基礎を教えるときは、自立心を伸ばすような関わりが必要です。今回は子どもの自立心に焦点を当て、大人がどのように見守りどんな言葉かけをしていくのが良いか紹介します

おわりに:子どもの自立心を伸ばすためには、子ども主導の関わりを心がけよう

子どもが自分の力で行えるようになる自立心を育むためには、大人主導ではなく子ども主導の関わりをする必要があります。年齢に応じて徐々に見守りの姿勢に変え、ポジティブな言葉かけで子どもの理解を促しましょう。

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