子育てをしていくうえで、将来に対する経済的な不安はつきものですよね。子を持つ親の不安を軽減し、教育資金の確保を助ける仕組みのひとつとして「学資保険」があります。
今回は学資保険とは何か、主な2つのプランによる違い、利用のメリット・デメリットから加入が推奨される人の特徴まで、まとめて紹介します。
- この記事でわかること
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- 国立、公立、私立大学にかかる教育費用相場
- 学資保険が必要ではない人の特徴
- 返戻率を高める学資保険の継続方法
- 子どもが小さいうちからの契約がおすすめな理由
- 銀行などの預貯金と比較したときの学資保険の魅力
学資保険のメリットとは?子どもの学費などは年間いくらかかる?
貯蓄型保険の一種である学資保険は、子どもの教育費用を積み立てるために利用されます。契約者となるのは子どもの父親・母親のどちらかで、毎月一定の保険料を払い込むことにより教育資金を貯蓄し、将来的に子どもが受け取れる仕組みとなっています。
- 学資保険の概要
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- 子の教育費が必要になったときのため、無理のない範囲で貯蓄できる保険プラン
- 生命保険の一種に分類されるため、月々の保険料は所得控除の対象となる
- 将来的に子が受け取れる学費の名目は「進学祝い金」や「満期保険金」など
- 保険料の払込期間、毎月の支払金額、祝い金を受け取るタイミングは家庭の事情やライフスタイルに合わせて加入時に設定可能
- 契約者である親が死亡、高度障害者になるなど不測の事態に陥った場合には、保険は継続されたまま以降の支払いは免除となる
なお文部科学省の「平成30年度子供の学習費調査の結果について」によると、公立・私立の幼稚園から高校卒業までにかかる費用の目安は、以下の通りです。
- 公立・私立高校卒業までにかかる費用の目安
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- 公立の幼稚園、小学校、中学校、高校を卒業するまで…149万750円
- 私立の幼稚園、小学校、中学校、高校を卒業するまで…450万2,951円
ここからさらに大学へ進学するとなると、以下の費用も加算されることになります。
- 国立大学の年間授業料と入学料の平均
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- 入学料は28万2,000円
- 授業料は53万5,800円
- 公立大学の年間授業料と入学料の平均
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- 入学料は39万3,618円
- 授業料は53万8,633円
- 私立大学の年間授業料と入学料の平均
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- 入学料は24万9,985円
- 授業料は90万4,146円
上記から、4年制大学だけで国公立ならおよそ250万円、私立でおよそ450万円の費用が卒業までかかると推測できますね。仮に幼稚園から大学まで私立に通った場合、必要な備品の購入費用なども考慮すると子ども1人の教育に1,000万円以上のお金がかかることになります。子どもを大学卒業まで育てる20年前後の間、両親とも健全に働き続けられる保証はありません。親の健康状態や経済状況により子どもが教育を受ける機会を失わないために、また子育て中の親が抱える経済的な不安を軽減するために、学資保険は存在しているのです。
「貯蓄型」「保障型」の違いって?
学資保険には大きく「貯蓄型」「保障型」の2種類があります。保険の概要や加入のメリットがわかったところで、ここからは貯蓄型と保障型それぞれのプランの特徴・違いを理解していきましょう。
- 貯蓄型学資保険の特徴
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- 保険料を毎月支払うことで、無理なくたくさんの教育資金を貯蓄できるプラン
- 満期まで利用すると、実際に支払った保険料より多くのお金を受け取ることができる
- 「子どもの将来のために、とにかくたくさん教育資金を貯めたい」という人におすすめ
- ただし、満期になるタイミングがインフレと重なると、受け取り金額が少なくなることも
- 保障型学資保険の特徴
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- 単に教育資金を貯めるだけでなく、万が一の事態にも備え貯蓄していけるプラン
- 進学祝い金だけでなく、親や子に何かあったときは生活費や保険金の一部も受け取る
- ただし、支払いの機会が多くなるため保険料の合計よりも満期で受け取れる金額が少ない
- 「子どもの教育だけでなく、家族の生活や医療にかかる費用も貯めたい」人におすすめ
必要とは限らない?学資保険はこんな人におすすめ
子どもや家族の将来に役立つ学資保険ですが、すべての家庭に必要なわけではありません。以下に、学資保険への加入が推奨される人の特徴をまとめていますので、参考にしてくださいね。
- 現時点で貯蓄や収入額が低く、これから子どもの教育資金を準備していく人
- 計画的な家計の管理や貯金そのものが苦手で、子どもの教育資金確保に不安がある人
- 低リスク、かつシンプルな方法で、子どもと家族の将来のための資産運用をしたい人
対して現時点で十分な収入や預貯金があり、将来的な子どもの教育資金確保に対し不安を感じてない人は、学資保険に入らなくても良いでしょう。
学資保険の払込相場はいくら?いつから始めるのが一般的?
学資保険料として毎月支払う金額は、加入時に契約者自身が決めることができます。加入時の保険料は、必ず現在の家計から無理なく支払える金額に設定してください。具体的には貯蓄型の場合で月々の保険料が10,000~15,000円、受取金額が200~250万円になるよう設定するのが良いでしょう。
学資保険は子どもと家族の生活、として子どもの将来の教育機会を守るためのものです。無理して高額な保険料を設定し、そのためにいま現在の家計が圧迫されては、元も子もありません。
なお学資保険も他の保険商品と同様、加入者から受け取った保険料を運用することで利益を生み出す保険商品です。学資保険の多くは、子どもが大学入学を控える満18歳に満期を迎えます。保険会社にしてみれば最大18年間、子どもが幼いうちから入ってくれた方が長く保険料を運用することができるため、早期契約がありがたいというわけです。このため、strong<>学資保険には加入時期が早いほど保険料が安くなる学資保険のデメリットは低い返戻率や中途解約
保険商品を選ぶうえで重要視される基準のひとつに「返戻率(へんれいりつ)」があります。
- 返戻率とは
- 加入者が支払う保険料に対し、将来的に受け取れる・帰ってくる金額の割合のこと。
- 返礼率(%)の計算式=「給付金受取総額」÷「保険料支払い総額」×100
- 給付金受取総額とは
- 学資保険から支払われる進学祝い金や満期金の合計額のこと。
返戻率が高いほど加入者にとってお得な保険であり、100%以下になるようなら元本割れとなり、加入者にとってリスクの高い保険商品だと言えます。学資保険の場合、貯蓄型の方が返戻率が高く、保障型では返戻率が低い傾向が見られるため注意しましょう。
また満期前の中途解約も、学資保険の返戻率を著しく下げる原因となります。もちろん、中途解約した場合にも「解約返戻金」は受け取れるのですが、それまでに支払った保険料の合計額より少額になることがほとんどです。返戻率を高め、学資保険の貯蓄性を有効活用したいなら、以下のポイントを心がけていきましょう。
- できるだけ子どもが幼いうちから加入し、1か月あたりの保険料を抑える
- 医療保障や特約がついた保障型よりも、貯蓄性に特化したシンプルな貯蓄型を選ぶ
- 年払いや一時払いの制度と使い、保険料の払込期間を短くする
預貯金との違い
貯蓄性の高さが魅力の学資保険ですが、銀行などへの預貯金との違いはあるのでしょうか。預貯金の特徴とメリット、デメリットをまとめると以下のようになります。
- 預貯金のメリット
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- 元本割れするリスクがなく、契約者の意思でいつでも引き出せる
- 預貯金のデメリット
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- 税制面の優遇制度や、契約者に何かあったときのための補償制度はない
- 好きなときに引き出せるため、生活費や遊興費に流用すれば貯蓄できない
学資保険と比べてみると、元本割れのリスクがなく自由度が高いものの、貯蓄ができるかどうかが契約者本人の意思や健康状態によるところ大きいのが特徴と言えます。違いをよく理解したうえで、家庭の状況や契約者の性格に合った方法で教育費用の貯蓄を進めてくださいね。
おわりに:学資保険には、子どもが小さいうちから計画的に加入を!
幼稚園から大学まで私立に通わせた場合、子ども1人だけで1,000万円前後の教育費用がかかります。親の健康状態や経済状況を理由に子どもの教育機会を奪わないために、講じることのできる対策のひとつが学資保険なのです。学資保険は子どもが満18歳を迎えるまで、各家庭により無理のない金額を毎月支払い貯蓄していく保険商品です。月々の保険料や給付金受取総額、返戻率を確認のうえ、あなたの家庭に合うプランを選びましょう。
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