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老後の健康は自分で守ろう!退職後の健康保険の加入要件や心と体の健康管理のポイントを紹介

老後の健康管理 からだの悩み
この記事は約14分で読めます。

人生100年と言われる現代、定年退職を迎えた後も人生はしばらく続きます。老後に健康を損なうと、若い世代よりも重症化したり長引いたりしやすく、したがって医療費の負担も大きくなりやすいものです。

そこで、今回は老後の健康を自ら保ち、医療費負担を少なくするために大切なポイントをご紹介します。いつまでも元気で活き活きと過ごすために、ぜひチェックしてください。

この記事でわかること
  • 後期高齢者医療制度の保険料の年額上限はいくら?
  • 骨が弱い人は注意!要介護になるきっかけとは
  • 日本人の平均寿命と平均健康寿命
  • 65歳以上なら週に〇分以上の有酸素運動をするのが理想的
  • 禁煙を始める人がおさえたい「STAR」とは
  • 脳と心の健康維持におすすめの趣味

人生100年時代の老後が心配!医療費の平均額はどのくらい?

厚生労働省の「平成29年度医療保険に関する基礎資料」によれば、1年間にかかる1人あたりの医療費平均は20代前半が最も少なく、59歳までは30万円を超えないものの、65歳で40万を超え、70代で60万を超え、85歳を超えると100万円を突破するというように高齢者ではどんどん膨れ上がっていきます。

もちろん、実際に支払う金額は自己負担額ですから、自己負担額が1割負担である多くの高齢者の場合、100万円の医療費がかかっても10万円を支払えば済むのですが、それでも年齢が上がるごとにどんどんかかる医療費が増えていっていることに変わりはありません。具体的には、60歳以降の年間自己負担額を見ていくと、以下のようになります。

  • 60〜64歳…76,000円
  • 65〜69歳…89,000円
  • 70〜74歳…72,000円
  • 75〜79歳…64,000円
  • 80〜84歳…75,000円
  • 85〜89歳…83,000円
  • 90〜94歳…86,000円
  • 95〜99歳…89,000円
  • 100歳〜…90,000円

これを12で割って平均月額を計算すると、だいたい1ヶ月あたり5,000円〜7,500円くらいの医療費が自己負担になっているとわかります。

退職後に加入する健康保険の種類や対象となる条件って?

退職後、転職など継続して働き続けなかった場合には、以下の4つの健康保険のいずれかに
加入することになります。

任意継続被保険者制度
「退職日までに継続して2ヶ月以上、被保険者期間がある」「資格喪失日から20日以内に申請」の2つの条件を満たせば、退職以降も2年間継続して被保険者となれる
保険料の会社負担分がなくなるのでそれまでよりは高くなるが、国民健康保険よりは割安な場合が多い
原則として、在職時と同様の保険給付が受けられる
※傷病手当金・出産手当金のみ、退職日時点で既に給付を受けている、または受ける条件を満たしている場合でないと給付されない
特例退職被保険者制度
厚生労働大臣の認可を受けた特定健康保険組合が、市区町村に代わって独自に運営する退職者医療制度
傷病手当金はないが、その他の給付内容は一般の被保険者と同じ
要件は「厚生老齢年金を受ける資格がある」「その健保組合に20年以上加入している、または40歳以降に10年以上加入している」「後期高齢者医療制度の適用を受けていない」の3つ
国民健康保険
上記の保険制度を利用しない、できない場合で、家族の扶養にも入らない場合
家族の健康保険の被扶養者
自分が健康保険に加入しなくても、家族の健康保険の被扶養者になるという選択肢がある
被保険者に生計を維持されている、年間の収入見込みが130万円以下かつ被保険者の年間収入の1/2未満、後期高齢者医療制度の適用を受けていない、被保険者の3親等以内の親族の4つの条件が必要

また、75歳以上になると「後期高齢者医療制度」という制度へ移行となります。これは他の健康保険とは異なる独立した医療制度で、対象となる高齢者はこれまで利用していた医療保険から脱退し、後期高齢者医療制度に加入して個人単位で保険料を支払うことになります。

ただし、65歳〜74歳であっても、寝たきりなど一定の障害があると認定された場合は後期高齢者医療制度の対象となります。75歳未満の場合は、対象者であっても本人の希望により、後期高齢者医療制度を利用するか、それまでの医療保険を利用するかを選ぶことができます。

後期高齢者医療制度の保険料は、所得に応じて負担する「所得割(応能分)」と、被保険者が均等に負担する「被保険者均等割(応益分)」の合計となり、具体的には広域連合ごとに決定されます。詳しくは広域連合または市区町村の窓口に確認しましょう。ただし、年額の上限は50万円となっていますので、それ以上にかかることはありません。

後期高齢者医療制度に加入する前に自分で保険料を支払っていた場合(健康保険組合の加入者、または国民健康保険の加入者)は保険料が切り替わるだけですが、被扶養者であり自分で保険料を支払っていなかった人も、後期高齢者医療制度に加入すると新たに自ら保険料を支払わなくてはなりません。

この負担を軽減するため、もともと被扶養者だった人に関しては、後期高齢者医療制度の加入者となった日が属する月から2年間、保険料のうち「所得割」の負担を免除、均等割は5割減となります。

老後のお金と健康は自分で守ろう!人生が充実する「健康寿命」とは

加齢によって、足腰や全身の筋力がある程度低下してしまうことは避けられません。例えば、今までは意識もせず簡単に超えられていた段差につまずいて転倒し、その衝撃で骨折して歩けない状態になり、そのまま寝たきりになってしまう人も多いのです。特に、高齢の女性には骨粗鬆症(骨がもろくなっている状態)の人が多く、転倒から寝たきりになってしまう例が後を断ちません。

要介護となるきっかけの約20%、すなわち5人に1人がこうした骨折・転倒のほか、関節疾患などを原因としています。次点は日本人の死因の第3位でもある脳卒中で、要介護となるきっかけの15%以上を占めています。脳卒中は一命を取り留めても身体に障害が残ったり、寝たきりになったりすることも少なくありませんので、非常に危険な疾患です。

このような身体能力の低下や生活習慣病を防ぐためには、日頃の食生活や運動習慣が重要です。介護につながるような病気を予防し、介護を必要とせずいつまでも元気に過ごせるような身体づくりを心がけましょう。生活習慣の見直しは早ければ早いほど良いですが、定年後の60歳からでも遅くはありません

特に、定年後はこれまでと大きく生活が変化するので、ライフスタイルを変える良いチャンスでもあります。時間に余裕ができる人も多く、ウォーキングなどの運動習慣をつくるにも、栄養バランスのとれた食事をゆっくり楽しむにも、積極的に趣味や社会参加といった楽しみや生きがいをつくるにも良いでしょう。ぜひ、心身に健康的な生活を上手につくっていきましょう。

そこでよく語られるのが「健康寿命」という概念です。日本人の平均寿命は伸び続けていますが、平均寿命とはあくまでも「生まれてから死ぬまで」の長さを表したもので、介護されながら過ごした期間は考慮されていません。一方、健康寿命とは介護を必要とせず、自立して日常生活を送れる状態である年齢を示しています。つまり、健康寿命には被介護者である時期は含まれません。

厚生労働省の「健康日本21(第2次)」によれば、日本人の平均寿命は男性が80.98歳、女性が87.14歳(2016年)です。しかし、健康寿命は男性が72.14歳、女性が74.79歳となっており、平均で8〜12年程度は寝たきりや要介護の状態になってしまう、ということが示唆されています。

ですから、元気で長生きするためには平均寿命ではなく、健康寿命を意識しなくてはなりません。健康寿命を伸ばすことができれば、本人の意思で老後の人生を楽しめる期間が長くなりますし、家族など周囲の人への負担が軽減されます。

また、高齢化による国の医療費負担が取り沙汰されて長いですが、高齢者が健康寿命を伸ばすことは介護費や医療費の削減につながりますので、現役世代からの税収確保にも役立ちます。そうすれば、他の社会保障を充実させられるでしょう。つまり、健康寿命を伸ばすことは本人や家族だけでなく、最終的には社会や国全体にも良い影響をもたらすのです。

老後の健康管理【健康的な体作りのポイント】

老後の健康管理のためには、まず運動・食事・睡眠の基本的な生活習慣の見直しから始めましょう。

定期的な運動習慣
長年にわたって運動など身体活動を積極的に行ってきた人は、そうでない人より認知機能低下のリスクが低い
特に、運動量が多いとその効果も高い
バランスのとれた食生活
野菜・肉・豆類・海藻類・乳製品などをバランスよく摂取し、生活習慣病のリスクを下げる
朝食を抜かない、早食い・大食いをしない、よく噛んで時間をかけて食べるなど、食べ方も重要
急激な血糖値の乱高下を防ぐため、野菜など食物繊維が多くGI値の低いものから順に食べるなど、摂取する順番も意識するとさらに効果的
良質な睡眠
毎日できるだけ同じ時間に起床・就寝するなど、睡眠のリズムや質を保つ
適度な運動による疲労でぐっすり深く眠れることも、良質な睡眠には効果的
睡眠は肉体的な疲労回復だけでなく、ストレス軽減にも有効
就寝時に部屋を暗くする、起床後にカーテンを開けて太陽光を浴びるなどもリズムを整えるために重要

シニアが目指したい運動習慣の目安

運動習慣にはさまざまな説がありますが、WHOが推奨している運動習慣は以下の通りです。

  • 65歳以上の成人は、「週に合計150分以上の中強度の有酸素運動」か、「週に合計75分以上の強度の高い活発な運動」をするのが望ましい
  • また、「中強度の有酸素運動を週300分に増やす」か、「150分の激しい強度の有酸素運動を週に1回」または同等の組み合わせで行うと、さらに効果的
  • 有酸素運動は、1回あたり少なくとも10分以上続ける必要がある
  • 筋トレを週に2日以上、主要な筋肉群を使って行う必要がある

もちろん、今まで運動習慣のなかった人が突然これらの運動を行うと、筋肉や関節を損傷してしまう可能性があります。そのため、運動を始めるときは決して無理をせず、ストレッチや5〜10分の散歩など、無理をしない程度の軽いものからスタートしましょう。有酸素運動を行う前に、しっかり準備運動をすることも重要です。

健康維持に欠かせない禁煙の始め方

また、健康維持のためには禁煙も大切です。禁煙はうつ病・不安・ストレスの軽減、気分や生活の質の改善にも関連するとされていて、逆にタバコ依存症は認知機能の低下、高齢者の虚弱や作業能力低下など、さまざまな障害や加齢に伴う状態を悪化させるリスクとも関連性があるとされています。

禁煙のためには、以下のような「STAR」という4つの要素が重要です。

  1. Set:禁煙開始日を決める
  2. Tell:友人、家族、同僚など周囲の人に禁煙すると伝える
  3. Anticipate:これから始める禁煙には、困難が待ち受けていることを予想しておく
  4. Remove:自分の周囲からタバコ製品をなくす

また、うつ病の治療などにも使われる心理療法「認知行動療法(物事の受け取り方や考え方に働きかけて、気持ちを楽にする)」や、薬物療法も禁煙に効果的だとされています。薬物療法では主に「ニコチン置換療法(NRT、ニコチンガムやパッチなど)」と「非ニコチン置換療法」の2種類の薬が使われます。

ロコモティブシンドロームとは?どんな予防法がおすすめ?

ロコモティブシンドロームとは日本語で「運動器症候群」と訳され、「ロコモ」と略されることもあります。近年注目され始めた用語で、「運動器の障害のために自立度が低下し、介護が必要となる危険性が高い状態」のことを指します。前章でご紹介した健康寿命を伸ばし、日常生活に制限なく自立して生活を続けられるようにするためには、ロコモ対策が非常に重要なのです。

ロコモ対策、ロコモ予防のためには、まず「ロコモティブシンドローム」の認知度を上げなくてはなりません。そのため、前述の健康寿命でもご紹介した厚生労働省による「健康日本21(第2次)」では、2022年度(令和4年度)に向けて認知度を80%にすることを目標としています。概念とともに予防の重要性が広く知られるようになることで、個々人の行動が変容し、要介護者の割合減少と健康寿命の延伸につながることが期待されています。

ロコモティブシンドロームは運動器の障害ですから、やはり対策として最も重要なのは適切な運動です。子どものころから運動習慣を確立しておけば、大人になってからも適度な運動を習慣化しやすくなりますから、若い頃から運動の習慣を持っておくことも重要です。とはいえ、前述のように定年後からでも決して遅くありませんので、ぜひ今日から少しずつ無理のない範囲で運動習慣を作っていきましょう。

ロコモ対策として特に重要な足腰の筋トレとして、ここでは「片足立ち」と「スクワット」の2つをご紹介します。ぜひ、毎日少しずつ始めてみましょう。

片足立ち:バランス能力を養う
※転倒しないよう、必ず机などつかまるものがある場所で
1、姿勢をまっすぐにし、床につかない程度に片足を上げ、片足で立つ
2、1分間行ったら、左右の足を変えて1分間行う。これを1セットとし、1日3セット行う
片足を上げたときにフラフラしてしまう人は、無理せず机に手や指をつきながら行う。だんだん筋力がついてきたら、徐々に指を離していく
スクワット:下半身の筋力をつける
1、足を肩幅に広げて立ち、腕を前に伸ばす
2、お尻を後ろに引くように2〜3秒かけてゆっくり膝を曲げ、ゆっくり元に戻す
5〜6回を1セットとし、1日3セット行う
※膝がつま先より前に出ないように注意する
※動作中は息を止めない、膝を曲げるのは90度くらいまで
※楽に行える人は、回数やセット数を増やしてもOK

スクワットができない場合は、椅子に腰かけた状態から机に手をつき、立ったり座ったりする動作を繰り返すことからスタートしましょう。机に手をつかずにできるようになったら、手をかざした状態で行います。それも楽にできるようになったら、机に手をついた状態でスクワットを行いましょう。

筋力を保つためには、上記の筋トレと同時に筋肉をつくるための栄養素も十分摂取しなくてはなりません。特に、鶏肉のささみや大豆などの良質なタンパク質を中心に、さまざまな食品からバランスよく栄養素を摂取しましょう。できれば、加齢によって筋量や骨密度が大幅に減少してしまう前から意識的に行えるのが理想です。

老後の健康管理【脳と心の健康を守るポイント】

老後の健康でもう一つ重要なのは、脳と心の健康です。具体的には、認知症など脳の疾患、うつ病などの精神疾患を予防する必要があります。まず、認知症のリスクを下げるためには、以下の4つのポイントに注意しましょう。

生活習慣病の予防・治療
糖尿病・脳血管障害などの生活習慣病は、アルツハイマー型認知症や脳血管性認知症のリスク要因
既に発症しているなら適切な治療を受け、そうでなければ定期健診と生活習慣の見直しで予防を
運動習慣をつくる
生活習慣病予防としても重要な運動は、脳の良い刺激にもなる
腰や関節などの運動器疾患で生活の幅が狭まると、認知症発症時に急激に悪化することも多い
運動習慣とともに、適切な栄養を摂取し筋肉づくりを心がけることが重要
適正な体重をキープする
肥満と認知障害は密接に関係しており、特に中年期に認知機能低下のリスクを高めるという研究も
肥満から適正体重に減らすことは、認知機能障害の要因に関わるさまざまな代謝因子(グルコース)を改善し、認知症リスクを減らす
逆に、過剰な減量や低体重も危険なので注意
栄養バランスのとれた食事、GI値の低い食品での糖質摂取、定期的な身体活動を心がける
高血圧を改善、またはリスクを下げる
中年期の高血圧は、高齢期の認知機能低下のリスク因子
予防:健康的な食生活、適正体重の維持、十分な運動など生活習慣の改善
治療:既に発症している場合は、降圧薬の利用など医師の治療や指導に従う

そして、うつ病などの精神疾患を予防するために、心の健康を保つことも重要です。特に、うつ病と認知機能低下や認知症を結びつけるエビデンスはたくさんあり、2014年に32の研究を組み合わせて行われたメタ分析によれば、うつ病を持つ人では持たない人に比べ、認知機能低下のリスクが2倍になったと報告されています。

さらに、うつ病は認知症の前触れである可能性が高いとされていますが、同時に高齢者のうつ病では認知障害が主な症状として出現するのではないかとも示唆されています。ですから、心の健康を保つことは認知症のリスクを下げるだけでなく、認知機能の低下を直接防ぐことにもつながる可能性があるのです。

シニア世代のうつ病になりにくいライフスタイル

心の健康を保つためには、ストレス要因への対処や心理教育も大切ですが、「社会的なネットワークを保つ」「趣味を持つ」という、根本的にうつ病を発症しにくいライフスタイルをつくっていくことも重要です。社会的動物である人間は、他人との交流が何よりも脳を刺激します。家族でも、同じ仕事や趣味・取り組みを行う仲間でも構いません。何かしら、社会の中でのネットワークを保ち、他者との交流を行いましょう。

同じく脳を刺激する方法として、手先や頭を使ったり、身体を動かしたりする趣味を持つというものがあります。特に以下のような趣味は心身の健康維持におすすめですので、興味があればぜひやってみてください。

登山
ハイキング感覚で登れるものから、本格的なものまでレベルに合わせて選べる
旅行がてら夫婦で楽しむなども、脳のよい刺激としておすすめ
マラソン、ジョギングなど
地域のマラソン大会なども多く、目標を設定しやすい
特別な道具や場所を必要としないので、手軽に始めやすい
サイクリング
一般的なシティサイクルでも十分で、始めやすく人気も高い
マラソンよりも景色が流れ、気分も乗りやすく「運動」を意識しすぎず楽しめる
合唱、カラオケなど
本格的に学べば腹筋力もつき、肺活量があがる
声を出す、リズムやメロディに合わせて歌うことはストレス解消にも役立つ

おわりに:老後は「健康寿命」を意識し、心身の健康を保とう

60〜65歳の定年退職を境に、かかる医療費はどんどん増えていきます。多くの高齢者の自己負担額は1割なのにかかる医療費が増えるということは、それだけ国や自治体の負担も大きいということです。

自分のためにも社会のためにも老後の医療費を少なくするためには、平均寿命ではなく健康寿命を意識し、心身の健康を保つことが必要です。できることから徐々に生活習慣を見直し、ぜひ健康的なライフスタイルをつくっていきましょう。

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