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恋人・夫婦との性的同意ってどんなこと?キスやセックスするとき必要なの?

性的同意 こころの悩み
この記事は約6分で読めます。

「性的同意」という言葉を耳にしたことはありますか?あるいはパートナーから言われたことがあるかもしれません。この記事では、刑法改正に関する情報を紹介しつつ、恋人や夫婦も知っておきたい性のマナー「性的同意」について紹介します。

この記事でわかること
  • 「性的同意」の意味と必要性
  • 「不同意性交等罪」と「不同意わいせつ罪」の概要
  • パートナーを尊重する性的同意のポイント
  • 恋人・夫婦同士で性について話し合うべき理由

性的同意とは?

性的同意とは、セックスやキス、ハグなどのスキンシップをする前に、お互いの意思を確認することです。英語では「Sexual Concent」といいます。性的同意をふまえることで、一方的な行為でどちらかが傷つくことを予防できます。

セックスなど性的行為は、お互いの心と体を尊重した上で行うのが理想的ですよね。お互いを大切にするためにも、性的同意を確認することがひとつのステップとして重視され始めてきています。

性的同意がないまま行為をした場合、悪気はなくても無理やり相手にセックスを強いてしまう可能性があります。相手に我慢をさせたり不快な思いをさせることがないように、意思を尊重することが性的同意といえるでしょう。

性的同意は恋人や夫婦の間でも必要なの?

付き合っている恋人や結婚した夫婦なら、性的同意は必要ないだろうと思う人もいるかもしれません。しかし性的同意は恋人や夫婦の間でも意味を持ちます。実際に、パートナーからの一方的な性的行為によって心や体が傷ついてしまう、というケースは発生しているからです。

「恋人や夫婦なら、言葉にしなくても性的同意は得られている」と思い込むのは危険です。性的同意は関係性を問わず必要なものと考えましょう。また、性的同意と聞くと男性が女性に確認すべきものというイメージが湧くかもしれませんが、女性が男性の性的同意を尊重することも大切です。

「性的同意を得られない=嫌い」というわけではない!

性的行為をしたいと思う感情は、パートナー同士でいつもタイミングが合うとは限りません。つまり、性的同意が得られないことはごく自然なことなのです。性的同意を確認すると、相手から断られることもあるでしょう。だからといって、すぐに「相手から嫌われた」「避けられている」と落ち込まなくても大丈夫。まずは相手を尊重し、体調を気遣うなど大切に想っていることを伝えましょう。

同様に、「嫌だな」と思っていても相手から嫌われることが怖くて、自分からはなかなかセックスやキス、ハグを断ることができない人もいるのです。しかし自分の気持ちや体の調子を大切にすることを忘れてはいけません。

性的なことに「NO」を言いたい人の気持ち

下記のようなときには、「NO」を言いたいという人もいます。

性的行為に消極的な理由の例
  • 体調が悪いのでスキンシップすることも辛い
  • 明日は仕事が早いから、いつもより早く寝たい
  • パートナーとの性に関する価値観に悩んでいる
  • 喧嘩や行き違いで、パートナーと距離を取りたい
  • 自分の時間を大切にしたい など

体調不良や仕事の事情でセックスを断りたい人は少なくありません。また、相手のことは好きだけれど性の価値観に悩んでいるケースもあります。喧嘩したときや関係性に疑問を感じているとき、自分の時間を確保したいときもあるでしょう。

こうした気持ちは女性でも男性でも同様です。性別や年齢を問わず、お互いの気持ちを大切にすることを意識しましょう

性的同意を得ないと罪になるの?

性的同意は、相手の気持ちを尊重するためだけに必要なのではありません。性的同意を得ないままセックスやキスに及ぶと、犯罪が成立することもあります。これは恋人や夫婦間でも当てはまります。

性的同意なしの性行為とみなされた場合、次のような罪に問われるおそれがあるでしょう。

不同意性交等罪

「不同意性交等罪」とは、従来は強制性交等罪とされていた罪です。2023年7月13日に法改正が行われ、従来の強制性交等罪は不同意性交等罪へと名称が変わりました。

不同意性交等罪とは、13歳以上の者を暴行・脅迫して性交等を行うと成立します。不同意性交等罪における暴行や脅迫とは、相手を殴ったり蹴ったりする暴行、武器を使って脅して性行為に及ぶ行為が当たります。

2023年7月13日の法改正では、強制わいせつ罪と準強制わいせつ罪が「不同意わいせつ罪」に一本化されたことも理解しておきましょう。アルコールや薬物などを飲ませて心神過失・抗拒不能に陥らせたり、睡眠中など意識が明瞭でない状態で性的行為に及んだ場合も、不同意性交等罪が成立する可能性があります

わいせつな行為とは、被害者に対して性的な羞恥心を害する行為を指します。性的同意がないのに、キスをしたり体に触れたりすると不同意わいせつ罪が成立する可能性が生じます

不同意性交等罪、不同意わいせつ罪は、恋人同士・夫婦同士でも成立します。「気心知れた恋人だから」「長年連れ添った夫婦だから」「以前に性的行為をしたことがあるから」という理由で性的同意を得ないでいると、加害者になっているかもしれないのです。

恋人・夫婦への性的同意の確認の方法って?

恋人・夫婦の間で性的同意を得るために、どんな確認方法を取るのが良いのでしょう。基本的には言語コミュニケーションで同意を得るのが安心です。さらに、パートナー同士だから気をつけたいポイントについて確認していきましょう。

その都度相手の気持ちを確認しよう

恋人・夫婦だと「キスやハグはよくしているから、いちいち同意を取らなくてもいいだろう」と考える人も多いはず。ですが相手のことを思いやるならば、都度相手の気持ちを確認するのが安心です。

かといって毎回意思確認をするのも不自然な気がする場合、「〇〇がかわいいからキスしたい」「ハグしたいけど体調とか大丈夫?」など、相手を褒めたり愛情を伝える言葉を添えるのがおすすめですよ。

上下関係を作らない

相手の気持ちを尊重して性的同意を得る場合、注意したいのが上下関係を作らないことです。どちらか一方の言うことに従うのが当たり前という関係性ができてしまうと、本当は嫌だと思っていても正直な気持ちを言葉にするのが難しくなります

不当な上下関係によって強いられた性的同意は、本当の意味での同意とはいえませんので、不同意性交等罪が成立する可能性も出てくるでしょう。

相手が断れない状況や威圧的な態度を取らない

不機嫌な態度を取って見せたり、机やイスを蹴ったり壁を殴るなどをしていると、パートナーを委縮させてしまいます。こうした状況で性的同意を確認しても、パートナーは嫌とはなかなか言えません。

この場合も不同意性交等罪が成立するおそれがあります。自己中心的な振る舞いや相手を自分に従わせようとした雰囲気作りはしてはいけません

セックスやスキンシップについて話し合うことが大切

普段からセックスやスキンシップなどについて、恋人・夫婦間で話し合う時間を取りましょう。「実はあの行為が辛い」「もっと頻度を少なくしてくれると、体力的に楽」「人前でキスをするのはあまり嬉しくない」など、性の不一致の悩みや価値観をすり合わせることができます。

こうした話し合いをした上での性的同意は、本当の気持ちによってなされる同意といえる確立が高まります。お互いを信頼した上で愛情を確かめることもできますので、絆もより深まるはずです。

おわりに:性的同意でパートナーの心と体を大切にしよう

性的同意はこれからますます重要になることが予想されるキーワード。恋人・夫婦同士でもしっかりと気持ちを確認し合い、お互いを尊重していきましょう。

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