気分にムラがある上司と仕事をしていて「疲れる!」「イライラする」という人はいませんか?感情のコントロールができず、指示がコロコロ変わる上司との接し方にはコツがあります。この記事では、気分にムラがある上司への対処法やパワハラ行為の基礎知識を解説します。
- この記事でわかること
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- 気分にムラがある上司の見分け方
- 上司に嫌われる人がやっていること
- 気分にムラがある上司との上手な接し方
- パワハラの6つの類型
気分にムラがある上司の特徴
気分にムラがあったり、気分屋の上司によく見られる特徴にはどんなものがあるのでしょう。
- 気分にムラがある上司のあるある特徴
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- 言うことや指示がコロコロ変わる
- 喜怒哀楽がわかりやすく表情に出る
- 自分の出世や成果のことを優先している
- 役職にプレッシャーを感じている、自信がない
- 仕事のキャパシティーが小さく、余裕がない
- 部下や後輩を支配下におきたい気持ちが強い
- ストレスに弱い
- 想定外の出来事が起きると、パニックに陥りやすい
- 責任感が小さい
- 人によって態度を変える
- 仕事の成果や評価にムラがある
気分にムラがある上司は、感情だけでなく仕事の指示も変わりやすいのが特徴です。そのため仕事の指示や方向性に一貫性がなく、部下は困り果ててしまうことも。
性格の特徴としては、自信がなくプレッシャーに弱い人も気分にムラが出やすくなります。自分の判断に自信がないからこそ、指示がコロコロと変わりやすくなるのです。
人によって態度を変える人も、指示や行動に一貫性がありません。気分にムラがある上司は感情のコントロールが苦手なだけでなく、さまざまな原因があって気分にムラが出ていると言えます。
気分にムラがある上司に嫌われる行動
「気分にムラがある上司とうまく付き合えない」という人は、気分にムラがある人に嫌われる行動をしている可能性があります。
- 気分にムラがある上司が嫌がること
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- 上司の発言の矛盾点をみんなの前で指摘する
- 上司の指示に不満げな表情を見せる
- 上司の言うことを素直に聞かない
- 報・連・相をあまりせず、上司の想定外な行動をしてしまっている
- 「しっかりしてください」など上司を責める口調が目立つ
気分にムラがある上司と働くうちにストレスが溜まってしまい、イライラや不満があらわになっている場合、上司からの印象がダウンすることがあります。
部下といえど自分の意見を伝えることは大切ですが、表情や言葉選びは大切です。自分のEQを伸ばすつもりで、気分にムラがある上司との接し方を見直してみましょう。
社会人の必須スキル?「EQ」の伸ばし方
知能指数をあらわすIQがありますが、心の知能指数であるEQという指標への注目も高まっています。こちらの記事でEQについて解説していますので参考にしてみてはいかがでしょう。
上司に振り回されない仕事の進め方
気分にムラがある上司の下で働く場合、仕事のペースが乱されて困る人もいるでしょう。気分にムラがある上司に振り回されないためのポイントを紹介しますので、参考にしてみてくださいね。
スルースキルを磨く
まずは、上司の態度や発言のひとつひとつを重く取り過ぎないことです。もちろん、上司の指示を無視していいというわけではありません。ただし気分にムラがある上司の言うことを気にし過ぎているとストレスが溜まります。
気分にムラがある上司から指示があった場合、急ぎの件でなければ行動するまで時間を少し置くのもおすすめです。時間を置いている間に、上司の気が変わって指示が変更される可能性があるからです。
気分にムラがある上司の発言は、誉め言葉であってもダメ出しであっても気分次第で内容が変わることがあります。上司からの評価に一喜一憂するのではなく、自分自身が過去の自分より成長できているかを考えてみましょう。
自分が管理職になったときのシミュレーションをする
「反面教師」という言葉がありますが、「反省の材料となるような人や事例」という意味を持っています。いわば悪いお手本という意味です。気分にムラがある上司のことを反面教師として見てみると、意外と学ぶことが多いことに気が付きますよ。
特に将来的に出世したい・管理職になりたいと考えている人は、気分にムラがある上司を反面教師にしましょう。後輩や部下への接し方、指示の出し方、チームのまとめ方などにおいて、逆効果になる発言や行動がどんなものか分析することができます。
他部署と親睦を深め、味方を増やしておく
仕事というと、さまざまな部署の協力を得ながら進めるものが多いですよね。気分にムラがある上司に悩んでいる場合、他部署の人と親睦を深めて信頼関係を構築しておくのがおすすめです。
上司以外に頼れる存在を増やしておくことで、仕事で困ったときや上司の指示に納得がいかないときなどに、他部署の人にアドバイスや協力を頼めるようになります。
また、人は狭いコミュニティにい続けるとストレスが大きくなる傾向があります。そのため社内でもできるだけ広範囲の人とのネットワークを構築しておくと、心の余裕もできやすくなりますよ。
スキルアップをして、実力をつける
仕事の専門知識や専門技術のスキルアップをすると、上司から一目置かれるようになります。スキルアップに成功すれば、上司から相談されることもあるでしょう。気分にムラがある上司の指示に納得がいかずに意見する場合も、しっかりとしたスキルを持っていると説得力が増します。
スキルアップにはさまざまな方法がありますが、客観的に能力を証明できる資格取得は特におすすめです。会社によっては資格手当の支給があったり、昇進の要件として所定の資格取得が必要な場合がありますよ。
転職をしてキャリアアップする
気分にムラがある上司の下で仕事をするのが限界だと感じる場合、転職するという方法もあります。ただし転職するならば、ご自身の将来のためになるキャリアプランを描きましょう。
- 転職するときのポイント
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- キャリアアップを目指す
- 収入アップを目指す
- ワークライフバランスを重視する
- 異なる業種でキャリアチェンジを目指す
- 大学院や職業訓練校で学び直しをする など
たとえば上記のポイントのうち、特に優先したいのはどれか考えてみてください。どれかひとつにポイントを絞る人もいますし、複数の希望を叶えたいという人もいますよね。キャリアプランについて悩んだときは、キャリアアドバイザーや人材コンサルタントなど専門家に相談するのも安心ですよ。
気分にムラがある上司はパワハラにならないの?
気分にムラがある上司と仕事をしていると、心身ともにダメージが蓄積することもありますよね。気分屋な上司の発言や行動は、「パワハラ」になるのでしょうか(参考:厚生労働省『あかるい職場応援団』)?
- パワハラの定義とは
- 職場におけるパワハラは、以下の3つの要素を満たす言動や行動を指します。
- 優越的な関係を背景とした言動
- 業務上必要かつ相当な範囲を超えている
- 労働者の就業環境が害されるものであり、①から③までの3つの要素を全て満たす
さらに具体的には、パワハラは下記のように分類されています。
1.身体的な攻撃
叩く、殴る、蹴るなど、体に危害を与える行為は「身体的な攻撃」のパワハラに該当します。直接的に相手の体にふれていない行為でも、身体的な攻撃に該当することがあります。
- 書類で頭を叩かれた
- 胸ぐらをつかまれた
- 蹴られた
- 発言をするたび、デスクの足を蹴られて発言を邪魔された
2.精神的な攻撃
過度の叱責、脅し、暴言、侮辱、名誉を棄損する発言やメッセージなどは、精神的な攻撃のパワハラに該当します。
- 同僚がいる目の前で、強く叱責された
- 侮辱的な言葉で罵倒される
- 意見を言うと、小ばかにするような態度で耳を傾けてもらえない
- ささいなミスでも何時間も叱責が続く
3.人間関係からの切り離し
パワハラには、「人間関係の切り離し」という分類があります。仕事では会社や組織の人間関係が重要ですよね。ところが人間関係の切り離しが起きると、パワハラ被害者は孤立し、業務に支障をきたしたり心のダメージを受けたりします。
人間関係の切り離しには、隔離・無視・仲間外れといった手段があります。
- ひとりだけ別室に席を移動され、ひとりではできない仕事なのに周囲と協力できないようにされた
- 忘年会や送別会などにひとりだけ呼ばれない
- 職場の同僚に話しかけても、集団に無視される
- 業務のために共有すべき情報が共有されない(メールなどが送信されない)
4.過大な要求
キャパシティオーバーの仕事をさせられると、心身共に消耗してしまいますよね。1人では遂行不可能な仕事や長時間労働を強いる仕事などをさせる行為は「過大な要求」に当たります。
業務とはまったく関係ない、私的な要求をさせることも過大な要求に該当することがあります。
- 新入社員で仕事の仕方がわからないのに、先輩や上司の仕事を押し付けられた
- 業務時間内では終わらない量の仕事を指示され、「終わるまで帰るな」と言われた
- 過度なノルマを課され、残業や休日出勤を要求された
- 上司の家族のプライベートのために、お花見の場所取りをさせられた
5.過小な要求
適材適所という言葉がありますが、「過小な要求」とはその反対に当たるパワハラです。その人の能力や経験とかけ離れた仕事を命じたり、与えるべき仕事を与えない行為を指します。
- 営業職として採用されたのに、外回りに行かせてもらえず電話番をさせられた
- 仕事の指示や権限を与えられず、職場で行うことができる仕事がない
6.個の侵害
「個」とは、社員個人のプライバシーを指しますが、「個の侵害」をする行為はパワハラに該当します。
- 有給休暇の申請で、有給中の過ごし方を事細かに聞かれる
- 交際相手や結婚相手について執拗に聞かれる
- 就業時間外に業務と無関係なメールを何度も送ってこられる
【参考:厚生労働省『NO パワハラ』】
気分にムラがある上司からパワハラを受けたときの対処法
気分にムラがある上司も、その発言や行動によってはパワハラに該当するでしょう。たとえば気分次第でコロコロと指示が変わった結果、指示が「過大な要求」になっている可能性もあります。感情のコントロールが苦手ということは、精神的な攻撃や身体的な攻撃をする可能性も考えられます。
もしも気分にムラがある上司からパワハラを受けている場合、会社の人事部や相談窓口にすぐに相談してくださいね。
おわりに:スキルアップやキャリアアップで自分の力を磨こう
気分にムラがある上司と仕事をしていると、精神力や体力、プライベートな時間も削られることがあります。スルースキルを磨いたり、スキルアップやキャリアアップをして、上司に振り回されない働き方を見つけましょう。
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