昨今はリーダーシップの重要性が増していますが、リーダーになりたくない人もいます。経験と知識を積んだ中堅社員はリーダー役を任されることも多い一方で、リーダーになりたくない中堅社員は少なくありません。
この記事ではリーダーになりたくない中堅社員に向けて、どんなスキルや能力を磨くべきか解説します。
- この記事でわかること
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- 中堅社員とはどんな人材を指すか
- リーダーと管理職の違い
- リーダーになりたくない中堅社員が習得すべきスキル・能力
- 中堅社員が転職・独立を考えるときの注意点
中堅社員に求められる役割とは
中堅社員には次のような役割が求められることが多いです。
- 仕事で一人立ちしている
- 新入社員・若手社員のお手本となる
- 業務に関する専門知識を深めている
- スキルアップ・キャリアアップへのモチベーションが高い
新入社員や若手社員には、社会人としての教育コストがかかります。中堅社員はそうした基礎をすでに身に付けた人材であり、戦力として成長していることが期待されます。
仕事でも、中堅社員には成果を出すことが求められます。自発的に仕事を組立て、実行していく能力が必要です。
中堅社員と呼ばれるのは入社何年目から?
中堅社員と呼ばれるのは、一般的に入社から3年以上かつ役職についていない社員を指します。ベテラン社員は入社8~10年以上を指すことが多いため、中堅社員は入社3~7年くらいと考えるとよいでしょう。
中堅社員の定義や中堅社員の悩みに関する解決法は、下記の記事を参考にしてくださいね。
中堅社員に「リーダー」役が任せられるのはなぜ?
仕事におけるリーダーとは、プロジェクトなどの指揮・先導・統率などを担当し、チームメンバーをまとめる役割を指します。
- リーダーの役割
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- プロジェクトの目標設定
- チームメンバーの育成
- プロジェクトの進捗・タスク管理
- 自らもプレイヤーとして働きながら、周囲に目を配る
リーダーには、プロジェクトを円滑に進めるための、課題抽出能力や判断力・決断力、実行力などが求められます。チームメンバーと密に協力しなくてはいけませんので、高いコミュニケーション能力も必要です。
リーダーと混同されることもありますが、管理職(マネジメント職)は意味合いや役割が異なります。
- 管理職(マネジメント職)の役割
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- 仕事に必要な環境整備
- 仕事に関するコスト管理
- 部下に対する指導や助言
- 人事評価を行う
リーダーと比べると、管理職はプレイヤーとしての仕事が少なく、マネジメント業務が増えます。コスト管理や人材育成には専門知識が必要となることも多く、経験のほか知識の習得が求められるでしょう。経理部や総務部、営業部など他部署との連携も不可欠となりますので、高いコミュニケーション能力が必要です。
会社によっては管理職になるためには資格取得や試験受験を要件に定めていることもあります。
リーダーに適任となる経験や実力を備えた人材は、若手社員よりも中堅社員であることが多いです。ゆくゆくは管理職として成長することを期待して、会社が中堅社員にリーダーの経験を積ませる狙いもあるでしょう。
中堅社員からさらに経験を積み、スキルアップや信頼獲得に成功した人は、管理職として昇進することが一般的です。
このようにリーダーと管理職には違いがあります。ただし、会社にプロジェクトによってはこの2つの役割の線引きが曖昧になります。
リーダーになりたくない中堅社員の悩みって?
リーダーになるとそれまでとは異なる視点で仕事に取り組むことができるほか、管理職へのキャリアアップのための経験にもなります。リーダーや管理職になることを目指す人も多いでしょう。
しかし、リーダーになりたくないと思う人も少なくありません。中堅社員がリーダーになりたくないと思う理由には、以下などが挙げられます。
- 仕事のプレッシャーが大きい
- チームをまとめる際のコミュニケーションに疲れる
- 能力不足を感じる
- プレイヤーとして自分の仕事に専念したい
- リーダーの仕事は割りに合わないと感じる
リーダーは自分だけでなくチームメンバーの仕事やメンタル状態も気にかけなくてはいけません。もちろん会社や上司からは仕事の成果が求められます。管理職では昇給やキャリアアップが伴うことがありますが、リーダーはそうした見返りを期待し辛いこともあります。
リーダーになることへのプレッシャーや負担が、大きなデメリットとして感じられるのも無理はないかもしれません。
ただし、経験や知識を積み、成果を挙げてきた中堅社員はリーダーに選ばれる可能性も高いです。リーダーになりたくない中堅社員は、社内でどのようなポジションを作ると安心できるのでしょう。
リーダーじゃなくても活躍できる中堅社員とは
会社に所属しながら「現状維持」をし続けるのは、意外と簡単ではありません。特に成果主義への転換が積極的になっている昨今、スキルや経験値が低いと見なされることはリスクにもつながります。
一方で、リーダーや管理職に抜擢される人材には数の限りがあります。リーダーや管理職になりたくない中堅社員が、会社から必要とされる人材、社内で活躍できる人材でいるためには、どんな人物像を目指すといいのでしょう。
- 中堅社員がリーダーにならずに活躍するためのポイント
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- 業務に必要な高い専門知識・スキルを習得している
- 社内で良好な人間関係を構築している
- 社外から重要な人物・頼りになる人物として認識されている
- リーダーや管理職のサポート・アシストに長けている
- ロールモデルとしての役割を持っている
リーダーや管理職ではないものの、周囲から信頼と人望を集めている人材は、有能であったり人間性が素晴らしいことが多いです。社内外から頼りになる存在として信頼されているでしょう。
また、リーダーや管理職にも欠点や弱点はあります。リーダーや管理職が苦手なところをサポートしたり、手が回らないところをアシストできる人は重宝されます。
出産経験のある女性、育休を取得した男性、在職中にMBAを取得した社員など、ほかの社員にとってのロールモデルとなる人材も会社に必要とされるでしょう。
リーダーになりたくないなら転職や独立もあり?
リーダーになりたくないという場合、リーダー役を断ることもできます。ただし、会社の状況などによっては断るのは難しいこともあります。
もしもリーダーを断りたい場合、下記のような理由があると相談しやすくなるでしょう。
- 自分のスキルや経験が、プロジェクトにマッチしない
- リーダーの役割に強いストレスを感じる
- 体調面や家庭の都合でリーダーを全うするのが難しい など
ただし、リーダー役を打診されるということは会社からの信頼や期待をされているという証でもあります。リーダーだからといってすべて順風満帆に進めなくてはいけないというわけではありません。リーダーにチャレンジしてみてから、自分に適性があるかどうか考えてみるのもおすすめですよ。
どうしてもリーダー役が苦痛である場合、転職や独立を視野に入れてみてはいかがでしょう。会社や部署の規模、業種が変われば、リーダーに求められるスキルや能力も変わります。この場合、転職活動ではリーダーを求める求人に応募するのは避けましょう。
独立をすることで、リーダーや管理職の役割から離れられることもあります。しかし、独立したからといってマイペースに仕事できるとは限りません。むしろ、受注した仕事の内容によっては、リーダー業務やマネジメント業務のような仕事を求められることがあります。従業員を雇うようになれば、社長として人材・仕事・お金を管理しなくてはいけません。
リーダーになりたくない場合はいただいた打診を断るだけでなく、自身のキャリアプランを見つめ直すきっかけにしましょう。
おわりに:リーダーになりたくない中堅社員はスキルや人望が必須!
リーダーになりたくない中堅社員が会社で活躍するためには、高い専門知識や社内外の人望が必要です。リーダーになりたくないことを理由に転職や独立を検討するときは、しっかりとキャリアプランを描くようにしてくださいね。
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