結婚のかたちのひとつに「年の差婚」があります。ある程度年齢が離れた人と結婚した場合、同年代との結婚生活とどのような違いがあるのでしょう。
この記事では、女性が年上・男性が年下夫婦、女性が年下・男性が年上夫婦それぞれでの悩みや魅力について説明していきます。
- この記事でわかること
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- 年の差婚の年齢差別の割合
- 子どもが欲しい夫婦で話し合っておきたいこと
- 年の差婚夫婦のコミュニケーションのポイント
- 介護や老後に備えて考えておくべき事柄
何歳離れていると「歳の差婚」だと思う?
「年の差婚」とは、夫婦が同年齢ではなく年齢差がある結婚のかたちです。何歳差以上からが年の差婚であるというような明確な年齢差の定義はありません。
とはいえ、年齢差があればすべて年の差婚と呼ばれるわけではありません。年齢差の考え方の例を紹介しますので、ひとつの参考にしてみましょう。
- 同年代の結婚
- 1~2歳差程度であれば、同年代と捉える人が多いです。3~4歳差になると、同年代と捉える人もいれば、年の差があると捉える人もいます。
- 年の差婚
- 5~7歳以上の年の差があると、年の差婚と捉える人が増えてくるでしょう。10歳以上であれば、年の差婚と捉える人が多いです。
厚生労働省の人口動態調査によると、2019年度の年の差がある結婚のデータは下記の通りです。
- 妻年上(全体の24.2%)
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- 4歳以上:6.4%
- 3歳差:3.1%
- 2歳差:4.8%
- 1歳差:9.8%
- 夫妻同年齢
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- 21.0%
- 夫年上(全体の54.9%)
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- 1歳差:13.6%
- 2歳差:9.2%
- 3歳差:7.2%
- 4歳差:5.7%
- 5歳差:4.5%
- 6歳差:3.5%
- 7歳差以上:11.2%
4歳以上をひとつの区切りとして、女性が年上、男性が年上の割合を合わせると、約3割が年の差婚カップルといえますね。
芸能人の年の差婚カップル
年の差婚カップルは、芸能界でも多く誕生しています。
- 8歳差
- 新垣結衣さん、星野源さん
- 小雪さん、松山ケンイチさん
- 9歳差
- 乙葉さん、藤井隆さん
- 12歳差
- 堀北真希さん、山本耕史さん
- 菊地凛子さん、染谷将太さん
- 14歳差
- 上戸彩さん、HIROさん(EXILE)
- 22歳差
- 石田純一さん、東尾理子さん
- 24歳差
- 市村正親さん、篠原涼子さん
- 45歳差
- 加藤茶、綾菜さん
年の差婚は周囲から注目を浴びることもあります。ある程度年齢の離れた人と結婚生活をどのように維持するのか、年の差婚ならではの魅力や悩みはあるのか、下記で例を見ていきましょう。
【女性が年上・男性が年下】年の差婚夫婦のよかったこと・不安に感じること
まずは年上女性から見た、男性が年下の結婚のメリットとデメリットを紹介します。
- 男性が年下の場合のメリット
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- 自分も若い気分でいられる
- 定年までの期間が長いため、収入面で長期的に安定することが期待できる
- 体力があるため、抱っこやお風呂、遊び相手など、子育ての面で頼ることができる
- 男性が年下の場合のデメリット
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- 人生経験が自分より少ないことがあり、相談やアドバイスをしにくい
- 精神年齢が自分より低いことが多く、夫が子どもっぽく感じられることがある
- 夫に頼りなさを感じると、甘えにくい
- 夫に合わせようとし過ぎて、若作りになってしまうことがある
- 夫の友人と会ったときに、会話や趣味が合わないことが多い
- 夫の年収が、妻の同年代と比較して低いことがある
- 一緒に出かけていると姉弟や親子と間違えられるなど、夫婦に見えないことにショックを受ける
- 自分よりずっと年下の女性と夫が浮気しないか疑ってしまう
年下男性から見た、女性が年上の結婚のメリットとデメリットを紹介します。
- 女性が年上の場合のメリット
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- 妻に包容力や頼りがいがあり、甘えることができる
- 人生経験が豊富で、相談やアドバイスを受けられる
- 妻が精神的に余裕があるため、仕事の付き合いに理解してくれる
- 女性が年上の場合のデメリット
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- 妻の方が頼りがいがあったり収入が多かったりすると、夫は意見を言いにくい
- 精神年齢や収入など、妻の同世代の男性と比較され焦る
夫婦で相談しておきたいこと
女性が年上・男性が年下の夫婦は、出産に関して話し合っておくことをおすすめします。高齢出産では母子ともにリスクが高くなると考えられています。
夫婦で十分に話し合っていないと、子どもが欲しいタイミングに大きなズレが発生しかねません。
【女性が年下・男性が年上】年の差婚夫婦のよかったこと・不安に感じること
まずは年上男性から見た、男性が年上の結婚のメリットとデメリットを紹介します。
- 男性が年上の場合のメリット
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- 経済力や人生経験が夫の方が多い場合、主導権を握りやすい
- 妻が夫を尊敬し、素直に甘えてくれる場合が多い
- 男性が年上の場合のデメリット
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- 子育てをスタートする年齢が高いため、子どもとの遊びなど体力面でキツイと感じる
- 経済的にも精神的にも妻から頼られ、プレッシャーが強くなる
- 妻の人生経験が少ない場合、妻に困りごとの相談がしにくい
年下女性から見た、男性が年上の結婚のメリットとデメリットを紹介します。
- 女性が年下の場合のメリット
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- 妻の同年代と比較して、夫が精神的にも経済的にも余裕がある
- 自分よりも夫が人生経験豊富なため、相談やアドバイスを頼みやすい
- 女性が年下の場合のデメリット
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- 夫との間に上下関係ができやすい
- 年齢差によっては、比較的早く未亡人になる
- 夫が定年を迎えるタイミングによっては、育児や住宅購入にかかる費用の捻出が難しい
- 夫がリストラなどで失業した場合、年齢的な問題から再就職が不利になる
- まだ自分が若いうちに、夫の介護の必要性が出る可能性がある
- 妻の方が体力があり、夫婦の性生活で満足できない
夫婦で相談しておきたいこと
男性が年上の場合の年の差婚でも、出産については話し合っておきましょう。男性でも年齢が高くなるに伴い、不妊の可能性が高まると考えられています。子どもを望むならば、早めに計画を立てること、必要に応じて医療機関に相談することをおすすめします。
また、介護のことも忘れてはいけません。男性が10歳以上年上の場合、病気やケガのために治療や介護が必要になるタイミングが早い可能性があります。妻からしてみると、子育てがひと段落して間もなく夫の介護が始まったり、子育てと介度を両立しなくてはいけないこともありえます。
夫が働けない状態の場合は、世帯収入減というリスクがあります。もしものときのことを考えて、夫婦でマネープランを考えましょう。
長く幸せでいるための年の差夫婦の円満ルール
年の差婚には、年齢差があるからこその魅力と心配点があることがわかりました。それでは、年の差婚夫婦が良好な夫婦関係をキープするには、どんなことに気をつけるといいのかポイントを紹介していきます。
- ファッションや趣味は、無理して相手の年代に合わせない
- ジェネレーションギャップは当然のものとして受け止める
- ジェネレーションギャップを楽しみ、知らないことはお互い学び合う
- 自分の年齢、相手の年齢をネガティブに捉えない
- 同世代では常識とされることを、相手に当てはめない、強要しない
- お互いを尊重し、対等な関係を築く
- 相手の話に興味を持ち、耳を傾ける
- 感謝の言葉を忘れない
年齢差はなくなるものではありません。年齢差を気にしすぎるよりも、そのことを楽しみましょう。同年代での会話では知ることのできない話題や考え方に触れられますので、刺激を受けられます。
年齢差があると人間関係の上下が少なからずできてしまいますが、相手への感謝や思いやりは忘れないようにするのが大切です。また、女性が年上の場合は男性のプライドを立ててあげることも重要です。
夫が年下の場合、男性のプライドを傷つけないように
最近は妻の方が収入が多い夫婦も増えています。しかし家庭は男性が支えるもの、というイメージはまだ強く残っています。夫婦の2人は納得していても、職場や実家から「男はこうあるべき」というプレッシャーを受けている可能性があります。
そんな男性の気持ちを傷つけるような言葉は避けましょう。
- 年下夫へのNGワード
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- 「男なら私より稼いで当たり前」
- 「頼りない。しっかりして」
出産や介護、相続などはお互い相談しておくと安心
年の差夫婦は、同年代の夫婦と比べて一緒に過ごす時間が短いといえます。年の差が大きいと尚更で、どちらか一方が老後を迎えるタイミングが早くなります。
人生計画を早めに立てておかないと、定年などライフイベントがあっという間に来てしまうのです。
- 結婚した時点で、出産や子育てのための時間が限られることがある
- 子どもの成長に対して、夫婦どちらかの定年が早めに訪れる
- 年齢差によっては、結婚から十数年ほどでパートナーの介護が始まる
- 年齢が上がるにつれて病気のリスクも上がるため、死別の可能性も上がる
- 相続の問題が比較的早く発生する可能性がある
夫婦で楽しい時間を過ごすのはもちろんですが、将来設計や家族の問題を話し合っておくとお互い安心できますよ。ファイナンシャルプランナーや弁護士などに相談するのもおすすめです。
おわりに:年の差婚カップルはジェネレーションギャップを楽しもう
年の差婚には、ジェネレーションギャップがつきものです。時には年齢差がコンプレックスになることもありますが、同世代では得られない刺激や気づきを楽しんでください。また、加齢に伴う身体的な変化は、出産のリミットや病気、介護の問題に関わります。夫婦で一緒に将来設計をしてみましょう。
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