中学生のインターネットやSNS利用で、さまざまなトラブルが問題になっています。ネットいじめや子どもをターゲットとした事件に巻き込まれるほか、子ども自身が誹謗中傷などの加害者になってしまうこともありえます。
そこで、今回は中学生が陥りやすいスマホ・ゲーム依存のリスクをはじめ、事件に巻き込まれた事例、トラブルが起こらないようなルール決めなどをご紹介します。
- この記事でわかること
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- スマホに関連するネットいじめや金銭・犯罪のリスク
- スマホ依存による生活リズムの乱れや視力の影響
- うっかりやりがちな「情報の組み合わせ」とは
- 誹謗中傷や違反売買などネットトラブルの注意点
- ネット利用の悩みが発生したときの相談窓口や対処法
中学生が陥るスマホ・ゲーム依存のリスク
携帯電話が普及し始めたころは、さまざまな理由で多くの小学生・中学生は携帯の学校への持ち込みが禁じられていました。しかし、東日本大震災の後、予測できない大規模災害時の家族などとの連絡用として、中学校でもだんだん携帯電話やスマートフォンの持ち込みが許可されるようになるなど、学校側の環境が変化してきました。
ただしスマホに夢中になってしまう子どもが少なくありません。中にはいじめやトラブルを起こしてしまう子どももいますので、大人も無視ばかりしているわけにはいきませんよね。
とはいえ、学校側の指導だけではスマホの使用を止めることも、SNSやインターネットの使用を止めることも難しいのも事実です。学校側としても、複雑な思いを抱える先生方は多いことでしょう。では、インターネット依存は身体的・精神的・社会的にどんなリスクをもたらすと考えられるのでしょうか。大まかに分類すると、以下の6つが考えられます。
- 健康被害
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- スマホ近視やスマホ老眼など、視力障害
- スマホ巻き方やスマホ肘など、腕に関する障害
- テキストネック、ストレートネック、スマホ首など頚椎に関する障害
- 長時間使用による生活リズムの乱れ、集中力の低下など
- 長時間使用による睡眠障害
- スマホの荷重を支える骨の変形による指の変形、指の腱鞘炎
- 学習能力・運動能力の低下
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- 相対的な学習時間の減少、集中力低下による学習能力の低下
- 相対的な運動時間減少による運動能力の低下
- 言語能力の低下
- 注意力低下による事故・負傷など
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- 歩きスマホやながらスマホによる、ホーム転落事故など
- 運転中のスマホ操作による、自転車・自動車事故など
- コミュニケーションのトラブル
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- SNSや掲示板での誹謗中傷やいじめ
- 友達やクラスのSNSに参加しなければいけないという強迫観念
- 親子関係の希薄化、友人関係の希薄化
- 社会性・感受性の低下
- 抑うつ・攻撃性の出現
- 金銭トラブル
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- オンラインゲーム、アプリゲームの課金による高額請求
- 通販サイトの後払い利用などによる、支払い滞納など
- 架空請求サイトによる詐欺被害
- 犯罪加害・被害に関するトラブル
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- 意識の薄い犯罪予告、犯罪勧誘
- TwitterなどSNSでの犯罪・非常識行為の自慢(炎上・訴訟リスク)
- 有害サイトへのアクセス、援助交際、金銭授受
- 個人特定・ストーキング・リベンジポルノなど画像・動画配信被害
- 個人情報漏洩
インターネットは社会に不可欠なインフラとなっており、個人がインターネットに接している時間も徐々に長くなってきています。インターネット依存に関する研究や情報収集はさかんに行われていますが、幼児期からスマホやタブレットを使うことによるデメリットや影響などもまだ明確にはわかっていません。今後、さまざまな調査・研究が行われ、成果が発表されるでしょう。
スマホ・インターネット依存は健康リスクや学力低下を招く
スマホやインターネット依存に陥ると、ゲームや動画・無料アプリでの会話など、子どもの生活がスマホやインターネット中心になってしまいます。特に、TwitterやInstagramなどのSNSで複数のアカウントを持つ場合、常に投稿をチェックしたり、情報を発信しようとしたりしてスマホ依存症に陥りやすいとされています。
また、このようにスマホの利用時間が増えると常に「スマホを見ながら」「通知を気にしながら」という生活になり、勉強をしていても途中でスマホの通知が鳴ると集中力が途切れるなどの悪影響が生じるようになります。そもそもゲームや動画視聴などに時間を費やしてしまい、学習時間が減って学力低下をにつながるかもしれません。
さらに、視力の低下や睡眠障害などの直接的な身体への悪影響として現れることもあります。近年特に問題視されている「ブルーライト」は可視光線の中でも波長が高くエネルギーが高いことから、目にダメージを与えやすいとも言われています。ただし、ブルーライトが子どもの視力へどの程度影響を与えるかはまだはっきりと解明されていません。
とはいえスマホの画面を長時間見ることは、ピントを合わせようと目を酷使することになり、視力低下につながりやすいため注意が必要です。
夜遅くまで動画視聴やゲームをしていると、脳が興奮状態に陥ったままとなり、眠れなくなってしまいます。メッセージアプリやSNSでのやりとりが楽しくてついつい夜更かししてしまい、就寝時間が遅くなって生活リズムが崩れることもあります。こうした生活習慣の乱れは、子どものスマホ利用において最も問題視されるところです。
LINEやSNSで起こる「ネットいじめ」と予防・対処法
インターネットやSNSの発達によって、「ネットいじめ」という言葉も聞かれるようになってきました。
近年のメットいじめは
- SNSで特定の生徒になりすましたアカウントを作り、そこに同級生への誹謗中傷などを書き込んで、その生徒が学校で孤立するよう仕向けるもの
- LINEなどの無料通話アプリのグループ内で名前を出さずに特定の生徒の悪口を言う
- LINEのグループトークで特定の生徒が発言したときだけ無視したりする
など、より陰湿なものに変化しています。
さらに、
- SNSで特定の生徒の個人情報を拡散
- LINEなど無料通話アプリで特定の生徒をグループから外す
- 特定の生徒だけを除いたグループを作ってその生徒の悪口を言う
という行動もネットいじめに含まれます。学校だけで行われていた従来のいじめと異なり、場所・距離・時間帯を問わず行われるため、子どもは24時間いつでも気が抜けない状態を強いられます。
しかも、SNSやインターネットを介したいじめは外部からわかりづらいという特徴もあります。無料通話アプリでは、友達になったりグループに招待されたりしない限りやりとりの内容を見ることはできませんし、SNSでも外部から投稿が見られないよう設定することができますので、外部からいじめを把握することが非常に難しいのです。
ネットいじめはいつでもどこでもできるという悪い意味での手軽さがありますので、誰でも簡単に加害者にも被害者にもなりえます。子どもたちには、自分がいじめられた場合だけでなく、いじめが疑われる書き込みなどを見つけた場合にもすぐ周囲の大人に相談するよう指導しておきましょう。大人の方からも日頃から声かけを行い、子どもたちに変わったことがないか、様子を見守っておくことが必要です。
社会問題になった「学校裏サイト」とは?
学校裏サイトとは、学校が公式に用意しているホームページやウェブサイトとは別に、一部の生徒が非公式に開設したウェブサイトのことです。特に、特定の人だけしか利用できないように設定した上で、クラスメイトの悪口を書き込むために用意されたような悪質なものを学校裏サイトと呼ぶことが多いです。
サイトと言っても個人が立ち上げたものではなく、無料の掲示板サービスなどを利用してその中にスレッドと呼ばれる書き込みスペースを設け、そこに出入りするメンバーが発言し合う、という形式がほとんどです。学校名やターゲットとなる人物はイニシャルや伏せ字を使って表すため、発覚しにくいのが大きな問題です。
LINEなどのSNSいじめと同様に、スマホさえあれば簡単に書き込めるため、軽い気持ちでいじめや誹謗中傷に加担してしまう子どもも多く、エスカレートしやすいという特徴があります。掲示板はSNSよりもさらに匿名性が高く加害者を特定しにくいため、いじめの発覚や問題の解決が遅れやすいのも問題の一つです。
実名や個人情報などを書き込む「晒し」などの行為に発展した場合、ターゲットとなった人物の個人情報や写真などが投稿されてしまいます。拡散してしまうとなかったことにできませんので、変質者による犯罪を誘発するなど、その情報や写真を使った二次的かつ深刻な犯罪被害につながる可能性もあります。
子どもにもデジタルツールのリテラシー教育をしよう
上記のようないじめや悪質な犯罪に巻き込まれないためにも、携帯電話やスマホなどのデジタルツールは便利な反面、使い方を謝ると大きなリスクが生じることを子どもにしっかり理解してもらわなくてはなりません。例えば、以下のようなことを注意喚起していきましょう。
- 気軽に書き込んだ内容が、結果的に思わぬ形で大規模な被害に発展する可能性がある
- インターネット上に書き込むと、内容や真偽にかかわらず、実生活上の噂よりも早く拡散する可能性が高い
- インターネット上に漏れた情報は残り続け、その人の将来に大きな影響を与える可能性がある
- 匿名で誹謗中傷しても個人の特定は可能で、損害賠償などを求められるケースもある
- 肖像権・個人情報・著作権など、インターネットを利用するための法律と罰則を理解する必要がある
- ネット利用の作法、書き言葉は話し言葉よりも誤解を生みやすい
また、デジタルツールはあくまでもツールであり、その向こうには現実の人間がいることを忘れない意識も必要です。また、ネット上のつながりがどんなに快適で素晴らしく見えたとしても、人間同士が現実世界、リアルの世界で交わすコミュニケーションに勝る交流はないのだということもきちんと伝えていきましょう。
子どもが被害者となるネット犯罪に注意!どんな事例がある?
SNSやインターネット上での交流が脅迫被害やもっと大きな犯罪被害につながってしまう可能性もあります。優しい言葉で子どもを油断・信用させ、個人情報や写真を入手して「言うことをきかないとインターネットにばら撒く」「学校に知らせる」と脅迫してくるケースは後を断ちません。
好奇心を満たすために18歳未満の子どもの裸、下着写真などを持つのは違法です。インターネット上の情報だけでは、言葉巧みに近づいてくる人を善人か悪人か判別するのは難しいでしょう。しかし、少なくとも真っ当な人であれば違法な要求をすることは絶対にありません。「大切にするから」などと言われても、送ってしまわないよう注意しましょう。
顔写真だけならたいした情報ではないだろう、と思うかもしれませんが、フォロー相手や友人との会話から名前や学校名が知られてしまうといった「情報の組み合わせ」にも注意が必要です。インターネットだけの知り合いに秘密や内緒のことを打ち明けるのは非常に危険な行為である、としっかり理解しましょう。
SNSのやりとりでは、嘘を書き込んだり写真を偽装したりすることが簡単にできてしまいます。目に見える情報を全部信用してしまうのは、非常に危険だと言えるでしょう。一度送ってしまった写真や情報は、相手の手に渡ったら取り消せません。相手から何か言われて困ったら、すぐに大人に相談しましょう。
SNSから誘拐被害に!?言葉巧みな誘い出しに要注意
さらに危険なのが、子どもがネットで出会った相談相手に会いに行くというものです。辛いことをSNSに呟いたとき、DM(ダイレクトメッセージ)などを使って個人的なやりとりで親身に話を聞いてくれた人に心を許してしまい、話をしていくうちに会う約束をして実際に出かけたところ、誘拐などの事件に巻き込まれた、というのもよくあるケースです。
インターネットだけの交流の場合、顔も姿も気持ちもメッセージも、本物なのかどうかなどわかりません。本当に親身になってくれる人がいないわけではありませんが、それ以上に上辺だけの人も多く、中にはこうした犯罪を目的として近づいてくる人も多いのが現実です。どうしてもSNSに頼りたいなら、深入りしないこと、DMなどの個人的なメッセージのやりとりはしないことなど、危険につながらないようなルールを徹底しましょう。
まずは子どもが困ったときには身近な友人や家族、学校の先生などに助けを求められるよう、親自身が日頃から子どもに話しかけたり、働きかけたりしておくことも良いかもしれません。多くの子どもにとって、SNSを活用し始めるのは仲間との関係で一喜一憂し、悩みもモヤモヤも多い思春期の頃です。感情の行き違いは当たり前のことですし、つらさや苛立ち、大人にわかってもらえないというもどかしさなど、現実の生活で受けたストレスをインターネットで発散しようとする子どもも少なくありません。
しかも、そんな心理状態や判断の甘さを知って近づいてくる危険な大人も多いのです。何かとインターネットの向こう側に救いを求めがちな時期だからこそ、子ども自身の判断だけを過信せず、「ここまでが限界」というラインをしっかり保護者と話し合い、意識して使っていくことが重要です。
スマホに夢中で子どもが事件や事故の加害者になる可能性も!
子どもがネットトラブルの被害者になる事例を紹介しましたが、スマホやネットなどに夢中になるあまり加害者になるおそれもあります。
誹謗中傷で慰謝料請求される、加害者になってしまうことも
テレビやネットでの言動が気に食わない有名人に対して悪口を書き込むなど、誹謗中傷を行うと、発信者を特定されて慰謝料などを求める請求がなされる場合もあります。特に、悪口に同調する投稿が増えて根拠のない悪口や嫌がらせがインターネットに広まると、虚偽の投稿によって名誉毀損となり、高額の慰謝料を求める訴訟となるケースもあるでしょう。
多くのSNSサービスには、誹謗中傷禁止という利用規約があります。相手の人格を攻撃・否定するような言葉や言い回しは批判でなく、誹謗中傷です。正しく見極め、安易に投稿や再投稿(リツイート・リポストなど、そのまま再投稿して広めること)をしないようにしましょう。直接投稿していなくても、誹謗中傷を再投稿することは「広めることに加担した」とみなされます。
イライラしていたから、正義感が高じて、相手は有名人だから、目立つ存在だから悪口を言ってもいい、というような主張をする人もいますが、これらは全く通用しません。どんな場合でも加害行為は加害行為であり、人格を攻撃するような悪口や嫌がらせは相手の立場や自分の感情に関わらず、加害行為なのです。
このように簡単に加害行為を行ってしまえる背景として、対面や実名では言えないけれど、匿名では言える、攻撃性が増すという傾向があります。怒りを感じることは人の自然な感情ですし、ときにはイライラしてしまうこともあるでしょう。しかし、その矛先を他者を攻撃することに向けず、カッとなったときにはSNSから離れる習慣をつけるようにしましょう。
近年、芸能人やYouTuber、事件・事故の関係者、感染症の陽性者など、有名人と感じる相手なら誰でも攻撃していいと考える人も増えています。主体的に攻撃する人だけでなく、安易に再投稿・拡散する人も増えていて、多くの悪口が集まることで集団攻撃となり、人を酷く傷つけてしまうことを意識できない人も多いのです。
しかし、意識していないからといって、その投稿や再投稿に対する責任が消えるわけではありません。損害賠償請求・名誉毀損罪による懲役・侮辱罪による拘留など、民事上・刑事上の責任を問われる可能性もあります。法律はもちろん、各SNSの利用規約などのモラルやルールを意識し、正しい利用を心がけましょう。
フリマアプリやネットショッピングの利用に注意!
中高生はクレジットカードを持てないので、大人と比べるとオンラインで買い物をすることは少ないでしょう。しかし、親権者の承認があれば中高生でも利用できるフリマアプリが現れたことにより、中高生でも気軽に欲しいものを入手できるようになり、利用者が一気に増えました。
フリマアプリは購入だけでなく販売もできるため、使用済みのコスメやバッグなどを積極的に出品している中高生もいます。お小遣いを節約しながら生活している中高生にとっても、フリマアプリは魅力的な存在なのです。しかし、詐欺や不良品に遭遇するリスクに注意しなければいけません。
また、子ども自身が禁止されている売買をする可能性もあるのです。実際に、転売禁止のチケットを購入した子どもがイベントへの入場を拒否された、という事例もあります。また、ネットショッピングではサイト事態が偽物という可能性もありますので、URLなどの確認もしっかりしましょう。
ながらスマホで子どもが自転車事故の加害者に!
「ながらスマホ」とは、歩きながら、自転車に乗りながらスマホを操作することです。例えば、スマホを見ながら片手で自転車を運転していて、横断歩道を歩いていた高齢者に気づかず激しい勢いで衝突してしまい、その高齢者が意識不明の重体に陥ったため、重過失障害の疑いで書類送検されてしまったというようなものです。
高齢者に限らず、成人であっても打ちどころが悪ければ、生命を落とすこともありえます。単に自分が転ぶ危険性だけでなく、他人に怪我をさせてしまう可能性があることを忘れないようにしましょう。階段や段差に気づかなかった、赤信号に気づかなかったとなれば、その被害は大きなものになります。
日本盲人会連合の調査によれば、歩きスマホで何らかの被害を受けたことがある、と答えた視覚障害者は2人に1人と非常に高い確率で被害に遭っていることがわかります。点字ブロック上の衝突事故もなくはないのですが、ほとんどは健常者の前方不注意によるものです。スマホ操作や画面の注視は、人の邪魔にならない場所まで行って、立ち止まって行うようにしましょう。
子どもと一緒に取り組みたいスマホ・SNS使用のルール
これまでご紹介してきたように、スマホやSNSは便利なものですが、まだまだ子どもが一人で使うにはリスクが高すぎるものです。そのため、以下のような使用のルールを親子でしっかり話し合っておきましょう。
- 日頃よく使うSNSのプライバシー設定を確認する
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- アカウントの公開・非公開、自分がDMを受け取れる人の公開設定
- 自分の投稿を読んでいい人の範囲設定、自分の画像へのタグ付けに関する許可設定
- その他、プライバシーやセキュリティに関する設定を確認したり、アカウントが複数あるならそれぞれの用途に合う設定をしたりして、徹底して使い分ける
- SNS利用について、ここからはNG、ここまではOKという線引きを決めておく
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- いつも発信に使っているアカウントには、深刻なことやプライバシーに関することは書き込まない
- SNSで話をした人から急にDMが届いた場合、「ありがとう、あとはリプライ(公開返信)でね」など、個人間でのやりとりを避ける
- 時間が経過するほど断りにくくなるので、少しでもイヤだと思ったり不安なことがあったりして「どうしよう」と迷ったら、すぐ・はっきり断るのが重要
- しつこく誘われたり脅されたりしても決して応じず、一人で抱え込まず身近な大人に相談する
- 周囲に相談しづらいとき、相談できる人がいないときは、勇気を持って警察や専門の窓口に相談する
- 悩んているときもネットだけに頼らず、リアルな解決法も大切にする
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- イライラしたらスマホから離れて深呼吸したり、音楽を聴いたり、好きなことをしたりして気分転換する
- 溜まったモヤモヤやイライラはノートに書いたり声に出したりして、吐き出してみるのも効果的
- あらかじめ「悩む時間は◯分まで」と決めておき、その時間が過ぎたら悩むのをやめて寝る
- 家族や先生、心を許せる現実の友人などに相談することも重要
- 再投稿・拡散する前に
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- ネット検索して複数の情報を読み比べたり、本や新聞などネット以外の媒体で事実かごうか調べる
- 情報の発信元が明らかであっても、信頼できる人なのか、信頼できるWebサイトなのかを確認する
- 情報がいつ書かれたものか確認し、古いものは現在と状況が違う可能性に注意する
- 引用や伝聞形式の情報の場合、オリジナル(一次)情報を確認する
もし、困ったり傷ついたりしたときには、国が用意している以下のような相談窓口がありますので、利用してみるのも良いでしょう。
- インターネット違法・有害情報相談センター
- 専門の相談員が、誹謗中傷の書き込みを削除する方法などについて丁寧にアドバイスしてくれる。自分自身で削除依頼を行うための、迅速な対応ができる
- 法務省「インターネット人権相談窓口」
- 法務省の人権擁護機関(法務局)では、インターネットでも人権相談ができる。削除依頼の方法について相談者にアドバイスを受けたり、内容に応じて法務局からプロバイダに削除要請が可能
- 厚生労働省「まもろうよ こころ」
- 悩みや不安を抱えて困っていたら、気軽に相談してOK。電話・メール・チャット・SNSなど、さまざまな相談窓口がある
いずれの相談窓口も無料で相談できます。悩みや困りごとがあれば、まず一度相談してみましょう。
「ペアレンタルコントロール」はスマホやPC、ゲーム機でも可能
子どもが安全にスマホを利用できるよう、ペアレンタルコントロールや見守り機能を使うと便利です。ここでは子どもが使うことが多いiPhone、Windows、Nintendo Switchについてご紹介します。まず、iPhoneでは「設定」の「スクリーンタイム」から「コンテンツとプライバシーの制限」を使い、以下のような設定ができます。
- コンテンツとプライバシーについて、制限を設定する
- iTunes StoreやApple Storeで購入できないようにする
- 標準付属のアプリや機能の使用を認める
- 不適切な表現を用いたコンテンツや、特定のレートのコンテンツを阻止する
- Webコンテンツへのアクセスを制限する
- SiriによるWeb検索を制限する
- Game Centerの使用を制限する
- プライバシー設定の変更を認める
- その他、設定や機能の変更を認める
子どもには見せたくない不適切な表現を使ったコンテンツや、有料App・コンテンツの購入・ダウンロードを制限することができますので、是非活用しましょう。詳しい設定方法は、Appleのホームページを確認してください。
同じように、Windows 10に標準搭載された「ファミリー機能」を使えば、パソコンをプログラミング学習に使いたいときにも有効です。Web閲覧やアプリ・ゲームとメディア、使用時間、購入と支払いなどの制限機能の他、お子様を探す機能も設定できます。詳しくは、Microsoftのホームページを確認してください。
ゲーム機であるNintendo Switchにも、子どもが使いすぎないよう見守り設定を行うことができます。本体機能の「みまもり設定」でも、スマートフォンアプリの「Nintendo みまもり Switch」でも構いません。ただし、アプリの場合はあらかじめNintendo Switchとスマホを連携させておく必要がありますので、注意しましょう。
みまもり設定やアプリでは、1日に遊ぶ時間や寝るときにゲームを制限する「おやすみアラーム」の設定ができます。曜日ごとに遊ぶ時間を設定することもでき、曜日ごとの設定をする場合は遊ぶ時間を「0分」にすることができます。詳しくは、任天堂のホームページを確認してください。
おわりに:中学生のスマホやSNS利用には、リスクをしっかり理解することが重要
中学生は、身体が急激に成長する子どももいるものの、まだまだ精神的には成長途中の子どもが多い年代です。スマホやSNS、ゲームに簡単に依存してしまったり、いじめやトラブルに巻き込まれたりすることもあります。
できるだけ、身近な大人がリスクをしっかり説明したり、スマホやゲーム利用時のルールを話し合って決めたり、ペアレンタルコントロールを活用したりして、安全かつ健全にインターネットやSNSを使いましょう。
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