先輩や上司から「学生気分が抜けていない」と言われたことはありませんか? 新社会人や若手社員の中には、いつまでも学生ノリで社会人としてのスキルが未熟な人もいます。 この記事では学生気分・学生ノリが引き起こす仕事のトラブル、社会人として身に付けるべきマナーやスキルを解説します。
- この記事でわかること
-
- 学生気分・学生ノリの社会人のデメリット
- 社会人に求められる基本的知識やマナー
- 社会人として身に付けるべきSNSとの付き合い方
- 学生気分の人が注意したい職務怠慢の例
「学生気分が抜けていない」新社会人の特徴
新社会人や若手社員は、先輩や上司、取引先から「学生気分が抜けていない」と言われたことはありませんか? 学生気分が抜けていないと指摘された場合、下記の特徴が当てはまるでしょう。
- 学生気分が抜けていない人の特徴
-
- ビジネスマナーが身に付いていない
- 仕事の目的や成果を意識していない
- 自分のこと(プライベートやお金)のことばかり考えている
- 仕事にはたくさんの人が関わっていることを理解できていない
- 仕事のとプライベートのオン・オフが切り替えられない
- 他の誰かがやってくれると甘く考えている
- 謝れば何でも許してもらえると思っている
- 遅刻や欠勤が多い
- リスケすれば何とかなると思っている
- 締め切りや納期を守れない
- 守秘義務を軽く見ている
- 仕事のことを親や友達に何でも話している
- 会社のルールを守らない
- SNSに仕事の愚痴を書き込む
- 仕事の指導やミスの指摘をされたとき、ふてくされる
- 会社に友だちや恋人を探しに来ている
当てはまる項目が多い人は、先輩や上司から日頃の業務でも注意されることが多いかもしれません。学生気分が抜けていないということは、社会人としての自覚や責任感が足りない人、ビジネス的な考えができていない人という印象を抱かれやすくなります。
つまり、「一緒に働くには頼りない」「仕事を任せられない」「信頼できない」と思われる可能性があるというわけです。
いつまでも学生気分の社会人が陥る状況
学生気分が抜けていないと、仕事でピンチの状況に陥ることもあります。たとえば下記のような状況が考えられるでしょう。
先輩や上司からの印象がダウンする
社会人スキルが低いと、先輩や上司から仕事を任せてもらえないことがあります。「一人で仕事をできるか不安」「ミスやトラブルをしそう」「チームワークを乱しそうだ」と、信頼されないことも。敬語や基本的なマナーの欠如、報連相をしないなどが癖になっていると、取引先からの信頼ダウンも招きますので要注意です。
成長できず、キャリアアップ・収入アップが遠ざかる
先輩や上司、取引先からの信頼を得られないと、仕事のチャンスを逃しやすくなります。するとスキルがなかなか磨かれず、経験も積めません。能力が伸びないということは、キャリアアップや収入アップの可能性も下がるというわけです。
同期の間で差がつく
学生気分のまま仕事をしていると、気づいたときには同期から差を付けられていたということもありえます。「このままじゃ駄目だ!」と意識を変えた同期、自己投資やスキルアップに余念のない同期と比べると、入社直後からあまり変わっていない自分を発見してしまうかもしれません。
転職したくても実績などアピールできる要素がない
近年は転職してキャリアアップをしたり、収入アップを目指したりする人が多いですよね。転職成功のポイントは、「この人と一緒に仕事をしたい」「この人を採用したらうちの会社の戦力になる」と思ってもらうことです。
ですが、学生気分のままでいては実績を積むことが難しく、転職活動でアピールできる材料が少ないという状況に陥ることもあるでしょう。
会社の信頼に関わるミスを引き起こす
学生気分でいる人は、自分の何気ない行動や軽い気持ちで適当にこなした仕事が、大きなミスや損害に発展するかもしれないというリスクに気づいていないことが多いです。たとえば「契約書をどこに置いたか忘れた」というミスは、自社だけでなく取引先の情報の漏洩につながります。締め切りを守らないでいると、取引先から契約を打ち切られ、会社の業績が悪化するなどの事態を招くことも。
社会人として抑えておきたい基本って?
学生と社会人の間にはどんな違いがあるのでしょう。社会人にはさまざまな意味がありますが、一般的には何らかの仕事をして働いている人、何らかの立場で活動をしている人を指すことが多いです。
とはいえ、学生のうちから起業している人もいれば、社会人として働きながら大学院に通う人もいますよね。そのため、新社会人や若手社員に求められる「社会人スキル」というものは、ビジネスシーンにおいて下記のようなスキルといえます。
- 新社会人や若手社員に必要な社会人スキル
-
- 敬語
- 電話対応
- 一般常識・時事知識
- 報連相
- 自己管理能力
- 会社のお金・経理処理に関する理解力
- コミュニケーション力
- ステークホルダーに対するコンプライアンス
- ネットリテラシー・情報リテラシー
上記のポイントのいくつかについて、その必要性を解説します。
敬語はビジネスマナーの基本中の基本
敬語を使えないと、「常識がない人だ」と印象がダウンすることがあります。ビジネスでは信頼関係を構築できない場合、契約が成立しなかったり仕事がスムーズに進まなかったりします。
電話対応が不慣れでも逃げないで!
近年は一人一台スマホを持つことが一般的になり、LINEやSNSのメッセージで連絡を取り合うことがほとんどです。ただし仕事では急ぎの要件や直接話さないとわからないこともあり、まだまだ会社の電話の必要性が高い状況といえます。新人や若手は電話を取るのが仕事の場合が多いですが、慣れない電話対応に苦戦している人は多いでしょう。
苦手だからといって電話に出ない、「誰かが出てくれるだろう」と逃げていると、人に頼ってばかりで社会人としての自覚がないと思われてしまいます。
一般常識・時事知識を吸収しよう
会社では業務だけをしていればいいとも限りません。同僚が結婚したときに結婚式に招待されることがあったり、不幸があったときにお悔みの言葉をかけることがあったりします。そうしたときに一般常識が欠けていると、相手をに失礼な言葉や態度を取ってしまうおそれも。
ニュースなどをチェックして時事知識を得ることも大切です。自社や業界の動向を知らないでいると、取引先との会話についていけなかったり、仕事の判断ミスをすることもあるでしょう。
新人・社会人こそ報連相を忘れずに
会社の仕事は報連相が必要ですが、「後でいっか」「忘れてた!」など、報連相を怠っている人は要注意です。連絡漏れが重大なミスを引き起こすこともありますので、特に新人や若手のうちはこまめな報連相を心がけましょう。
自己管理能力が低いと評価に直結
「日曜日に遊び過ぎて、月曜日の仕事に寝坊した」などは、自己管理能力が低いとみなされる原因です。仕事のためだけに健康を気遣うというわけではありませんが、自己管理の甘さで遅刻や欠勤が続くと、勤務態度に問題ありとみなされることもあります。
会社のお金に関する知識は必須!
新人や若手に多いのが、会社のお金の仕組みを理解できていないことです。経費申請で承認されるためには、通勤費や消耗品費など業務上必要な支出でなければいけません。業務上必要性がない物まで会社のお金で買おうとしたり、経費申請書が不備だらけだったりすると、会社のお金を使っていることへの意識が低いと思われてしまいます。
会社のお金はしっかりとした法律やルールに基づいて使われます。間違った経費請求をしていると、横領など深刻な問題にもつながりかねません。
コミュ力は社内外の人間関係構築に必要
社会人に求められるコミュ力は、学生のコミュ力とはやや異なります。もちろん、大きな声で挨拶をしたり、誰とでも気さくに話すコミュ力は、社会人になってからも強みになります。
社会人に必要なコミュ力とは、相手のニーズをしっかりと把握するヒアリング力、自分ばかり話すのではなく人の話を聞く傾聴力、わかりやすく情報を説明するための伝える力などです。職場ではさまざま年代やバックグラウンドを持った人が一緒に働いていますので、多様性を受け入れることも必要でしょう。
コンプライアンス意識とステークホルダー
会社ではコンプライアンスを設けていることが少なくありません。コンプライアンスとは「法令順守」を指しますが、そのほかにも社会規範やステークホルダーからの期待に応えることも含まれます。
ステークホルダーとは「利害関係者」を指す言葉で、会社にとってのステークホルダーには、消費者、従業員、取引先、株主、社会などがあります。日々の仕事を行う上で、こうしたステークホルダーへの影響や貢献を考えなくてはなりません。
ネットリテラシー・情報リテラシーは必須スキル!
インターネットが発達し、多種多様な情報があふれる現代社会では、ネットリテラシーと情報リテラシーが必須スキルになりました。これらのスキルが低いと、情報漏洩や誤った情報に踊らされるリスクが高まります。
近年はSNSを介した炎上事件も多発していますので、こうしたリスクはとても身近な問題なのです。
新人や若手はSNSに要注意!情報漏洩してるかも…
新入社員や若手社員が特に注意したいのが、SNSとの付き合い方です。TwitterやInstagramなどにライフスタイルを投稿することは一般的ですよね。仕事であったことや悩みをシェアしたい人も多いでしょう。
しかし取引先の情報や業務内容、企画中のプロジェクトや関係者だから知っている情報は、機密情報扱いのことがほとんどです。こうした機密情報をSNSに投稿したり、社外・部署外の家族や友人に話してしまうと、守秘義務違反に該当することがあります。
アカウント名が実名か匿名かは関係ありません。SNSに会社や取引先、業務内容に関する情報は決して書き込まないと覚えておきましょう。
SNSが原因で解雇されることはあるの?
守秘義務違反をした場合、会社から解雇される可能性もあります。機密情報の漏洩によって、会社は損害を被ることもあります。解雇だけでなく、会社から損害賠償請求されるケースも考えられます。
職務怠慢や債務不履行に当たるのはどんなケース?
「このぐらいいいだろう」「友だちの会社では問題ないし」と考え、所属している会社のルールや先輩・上司からの注意を軽く見ている新入社員・若手社員がいるかもしれません。
ところが勤務中の態度が悪かったり、注意されても一向に改善しようとしない場合、職務怠慢に該当し、処分が下される可能性もあります。
- 職務怠慢の具体例
-
- 無断遅刻・無断欠勤
- 勤務中の私用メール・私用SNS
- 勤務成績が著しく悪い など
会社と労働者は勤務場所や勤務時間について契約を締結し、労働者は債務を履行しなくてはいけません。会社の債務は、労働環境を提供することや賃金を支払うことなどです。お互いに債務履行の義務がありますので、会社と交わした契約内容や会社が定めたルールはとても重要になります。
社会人としてしっかりと歩んでいくためにも、まずは自社と交わした契約書を見直したり、会社の規則・ルールを再確認してみましょう。
おわりに:学生気分を切り替えて、社会人スキルを伸ばそう
新社会人や若手社員に必要な社会人スキルのイメージは湧いてきましたか? 学生気分や学生ノリを引きずっていると、気づいたときには同期から遅れを取っていたり、成長のチャンスを逃していることも。手遅れにならないように、気分を切り替えてスキルアップやキャリアアップを目指しましょう。
コメント