転職や家庭の事情など、退職するときに会社にその旨を伝えるのはとても重要です。退職を伝える時期や退職理由の伝え方を誤ると、トラブルやストレスが発生することも。
この記事では、円満退職のメリットや円満退職するための方法を紹介します。
- この記事でわかること
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- 円満退職を妨げる職場でのトラブル
- 上司が納得しやすい退職の理由
- 退職することを伝えるときの注意点
- 将来のためにも円満退職がおすすめされる理由
退職で会社とトラブルになる原因は?
退職には会社への報告や退社手続きなど、いくつかのステップが必要です。このステップを進めるうちに、会社との間でトラブルが発生することがあります。
退職するときに会社との間で発生しうるトラブルには下記があります。
人間関係が原因の退職トラブル
退職理由がそもそも職場の人間関係の場合、円満退職はなかなか難しくなります。パワハラやセクハラを受けていた場合、無理して円満退職が難しいのも当然です。
引き継ぎが原因の退職トラブル
退職では仕事の引き継ぎが必要です。退職までに引き継ぎのためのマニュアル作成などを進めますが、この引き継ぎが不十分でないと会社に迷惑をかけてしまいます。
また、退職することを伝える時期が遅すぎても引き継ぎが十分にできません。
会社からの引き留めが原因のトラブル
退職を希望していることを伝えたときに、会社からの引き留められることがあります。人員不足で辞められると困る、能力が高い人にもっと自社で活躍してほしい、など引き留めの理由はさまざまです。
引き留めにあったときの断り方が失礼に当たった場合、引き留めをしてくれた上司などから悪印象を抱かれるおそれがあります。
円満退職するための方法
円満退職を迎えるには、下記のポイントを抑えましょう。
- 退職することは、余裕を持って伝える
- 引き継ぎはマニュアル作成など、準備をしっかりとする
- 引き留めにあったら無下に断らず、丁寧に対応する
こうしたポイントを抑えないと、退職に伴うトラブルが起こりやすくなります。
円満退職できないとどんなデメリットがあるの?
退職するときに、円満退職できるのとできないのとでは大きな違いが生じることがあります。
- 円満退職のメリット
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- 退職後も、職場の人脈が続いていく
- 退職手続きがスムーズに進む
- 退職日までの心のストレスが軽くなる
- 転職活動で退職理由を聞かれたとき、正直に答えやすい
- 事情があって前の職場の人とまた働くことになったとき、仕事がしやすくなる
- 円満退職できないことのデメリット
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- 退職手続きが進みにくくなる
- 退職を伝えてから退職日まで、職場で過ごす時間が辛くなる
- 今の職場や業界で作った人脈を失うおそれがある
退職トラブルは転職後の仕事や人脈にも影響する?
円満退職できなかった場合、次の職場や仕事に悪影響を与えるおそれがあります。同じ業界に転職した場合だと、前の職場の人から悪い噂が広まることもあるからです。
退職後はフリーランスとして働く場合も、退職トラブルが人脈作りを阻む可能性もあります。円満退職できた場合、前の職場の紹介から新規の仕事を獲得するなどメリットがあります。
退職したいと伝えるなら遅くても2か月前が一般的?
退職するときは余裕をもってスケジュールを組みましょう。退職することが決まったら、退職する日の2か月前までには会社に伝えることが一般的なマナーです。
なぜ2か月前までに退職を伝えることがマナーなのかというと、会社としては人員が減った分、業務の引継ぎや新しい人材確保の時間が必要になるからです。
退職する日まで時間がないスケジュールで退職を告げられた場合、業務の引継ぎがスムーズに進まず、会社に迷惑をかけるおそれがあります。担当していた業務によっては、会社に損害が出るリスクもあります。
そのため退職の予定を伝えるのが遅すぎた場合、円満退職が難しくなってしまうのです。退職するときはいつまでにその旨を申告すべきか、会社が就業規則に定めていることもあります。
2週間前までに退職したいと伝えないと違法なの?
事情があって退職することを切り出しにくい場合でも、遅くとも2週間前までには退職することを伝えましょう。ただしこれは民法の規定に沿って考えた場合です。
- 民法627条
- 当事者が雇用の期間を定めなかったときは、各当事者は、いつでも解約の申入れをすることができる。この場合において、雇用は、解約の申入れの日から二週間を経過することによって終了する。
この条文によれば、2週間前に退職する意向を伝えれば民法上は問題なく退職できます。就業規則よりも民法が優先されますので、就業規則で「二か月前」などと定められていても退職可能です。
ただし年俸制契約の人など、雇用契約によっては民法627条が適用されないケースがあります。
また民法で規定されているとはいえ、会社員として就業規則を守ることは重要です。2週間前では引き継ぎには不十分であることが多いでしょう。上司や同僚からの印象が悪くなったり、仕事で迷惑をかける可能性が高いといえます。
会社に納得してもらいやすい退職理由は「個人的な理由」
退職理由の伝え方次第で、円満退職になるかトラブルに発展するか分かれることがあります。会社に不満があって退職するときでも、ネガティブなことを伝えるのは控えるのが安全です。
たとえば、下記のような退職理由は円満退職を目指す人におすすめです。
- 新しい環境で自分の力を試してみたい
- 今までの経験を活かしてフリーランスになることにした
- 親など家族の介護のために実家に戻ることにした
ただし、円満に退職したいからといってすぐにバレる嘘の理由を伝えると、上司や同僚が本当のことを知ったときに信頼を損ないます。
無事に円満退職したいときの退職日までの流れ
まず退職日が決まったら、その2か月前には上司に退職する意向を伝えましょう。2か月を過ぎていたとしても、退職日が決まり次第早めに伝えます。
- 退職日を決める
- 退職日の2か月前までには、上司に退職したいことを伝える
- 引継ぎや有給消化などを話し合い、退職日を確定させる
- 退職届を提出する
- 引継ぎのためマニュアル作成などを進める
- 会社の退社手続きをする
- 私物の片付けを進める
- 最終出社日
退職するときのお菓子など贈り物は必要?
最終出社日に、今までお世話になった気持ちを伝えるためにお菓子を用意する人は多いです。
お菓子を用意しなくてはいけないというルールがあるわけではありません。ただし退職時にお菓子を配ることを社会人のマナーのひとつとして考えている人は多いです。
同じ部署の同僚やお世話になった他部署の人にお菓子を配ると、いいコミュニケーションになります。
最後までいい関係性を保つためにも、お菓子を配るのはおすすめですよ。
おわりに:円満退職はこれからのキャリアプランにプラスになる
円満退職できると、仕事のための貴重な人脈維持につながるほか、メンタル面のストレスも軽くなります。退職後のキャリアプランのためにも、円満退職を目指すのがおすすめですよ。
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