地方出身の若手社員や新社会人にとって、ビジネスマナーや敬語は気になるポイントですよね。特に方言や訛り、アクセントがあると、コンプレックスを感じてしまうことも。この記事では「ビジネスシーンで方言は失礼なの?」といった疑問に答え、方言のメリット・デメリットや、ビジネス敬語を学ぶためのおすすめ書籍もご紹介します。
- この記事でわかること
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- ビジネスにおける方言の考え方
- 方言が失礼だとみなされる場面
- 方言が仕事の強みになる理由
- ビジネスマナーを学べるおすすめ書籍
ビジネスシーンで方言を話すことはマナー違反?
ビジネスマナーの本やレッスンでは、ほとんどが標準語が基本ですよね。ですが、ビジネスシーンで方言を話すこと自体は、必ずしもマナー違反ではありません。むしろ、方言を話すことで相手に親近感を与える効果もあります。ただし、場面や相手に応じて使い分けることが重要です。
方言は適切な場面で使い分ける
ビジネスシーンでは、基本的に相手に分かりやすく伝えることが重視されます。たとえば、社内の同僚や気心知れた相手であれば、方言を使うことでリラックスした雰囲気を作りやすくなります。しかし、初対面のクライアントや会議の場では、分かりやすく伝えるために標準語や敬語を意識する方が適切です。
方言は、その地域で生まれ育った人からすると当たり前の表現でも、ほかの地域の人からすると「何のことを指しているんだろう?」「あれ? 失礼なことを言われたのかな」と、わかりにくさや誤解を伴うおそれがあることに要注意。相手の理解度や場面に応じて、ビジネスパーソンとしての節度を持って方言と標準語を柔軟に使い分けることが大切なのです。
仕事中は標準語で話すべき?方言が効果的なシーンって?
東京など関東の都会で働くと、周囲の同僚や上司がほとんど標準語で話していることが多いものですよね。地方出身者からすると「標準語に合わせた方がいいのか?」と感じることもあるでしょう。標準語がビジネスシーンで無難とされる背景には、標準語は全国どこでも通じやすく、言語コミュニケーション上の誤解を生むリスクが少ないことが挙げられます。
しかし、いつでも標準語を使わなければならないわけではありません。自分のアイデンティティとして方言を大切にしながら活躍している人もいますし、方言を織り交ぜてコミュニケーションすることで個性として評価される場面もあります。
方言をいつ使うかはケースバイケース
取引先とのメールやプレゼンテーションなど、特に伝わりやすさが重視される場面では、標準語や丁寧な表現を意識するのが無難です。ビジネスマナーを重んじる人が相手の場合、方言はカジュアルな印象を与えるおそれもあります。
一方、仕事終わりの飲み会や気軽なコミュニケーションの場では、標準語を使うよりも自然な方言を交えて話すことで親しみを感じてもらいやすくなるでしょう。また、仕事中でも同郷出身ということがわかってからだと、お互い方言が出ることも。いずれも関係性がある程度構築できている、ということがポイントです。
仕事で方言を話すメリット
仕事で方言を話すことにはメリットもあることをお伝えしました。具体的にどのようなメリットがあるか紹介します。
メリット1:親近感を与えやすい
方言には独自の温かみや柔らかさがあるため、標準語よりも親しみを持たれやすいことが多いです。標準語は丁寧な印象やスマートな印象を与えることができるのがメリットですが、方言が持つ魅力も小さくありません。方言は「話しやすい」「信頼できる」と感じてもらえることもあります。
メリット2:印象に残りやすい
基本は標準語でも方言を少し交えることで、個性が際立って印象に残りやすくなります。仕事の成果に結びつくこともありますので、ここぞというときに方言が武器になることもあるでしょう。たとえば会議やプレゼンでアクセントとして方言を使うと、個性的な印象を与えることができます。
メリット3:コミュニケーションの円滑化
方言を使うことで、同じ地方出身者との共通点が生まれ、打ち解けやすくなる場合があります。また、地方出身の上司や同僚から親近感を持たれやすくなり、年齢や役職を超えた関係性が構築できます。
取引先とのコミュニケーションにおいても、「私も〇〇出身です」「大学生のとき△△に住んでいたことを思い出します」など、距離感が縮まるきっかけになることも。
仕事で方言を話すデメリット
方言を仕事に活かすメリットがある一方で、デメリットを引き起こすことも留意しておきましょう。
デメリット1:方言では伝わりにくい表現がある
方言の中には、他地域の人には意味が通じにくい言葉や表現が含まれることも多いです。特にミーティングやプレゼンテーションでは、伝わらない言葉を使用すると誤解を招く可能性があるため、注意が必要です。
たとえば新潟では「ばか」という方言は「すごい」という意味を持ちますが、その由来を知らない人に「ばか」という言葉を発するとトラブルのもとになることもあるでしょう。
デメリット2:プロフェッショナルな印象が薄れることがある
ビジネスシーンでは、場合によっては「標準語=丁寧でプロフェッショナル」という印象が持たれることも。方言に対しては、カジュアルでプライベートな印象を持っている人もいるのです。フォーマルな場面で方言を使っていると、常識知らずな印象を与える可能性があるため、適切な場面を見極めましょう。
デメリット3:偏見を持たれる
一部の人には「方言を使う人=地方出身で洗練されていない」という偏見を持つ人もいるかもしれません。これを避けるためにも、方言を使うときは場の雰囲気をしっかり把握し、少しずつ取り入れると安心でしょう。
ビジネス敬語を学べるおすすめ書籍
方言にはメリットもあり、その人が持つ個性を表現することもできます。ただし、ビジネスパーソンとして標準語も身に付けておきたい人もいるはず。「この言い方、伝わるかな?」「どう思われているんだろう」とドキドキしっぱなしだど、パフォーマンスも落ちてしまいます。
ビジネスの場で自信を持って話すためには、正しい敬語を身につけることも重要です。ここでは、敬語の基礎や使い方を学べるおすすめの書籍を紹介します。
おすすめ書籍1:『がんばらない敬語 相手をイラッとさせない話し方のコツ』(著:宮本ゆみ子、日経BP 日本経済新聞出版)
ビジネス敬語の基本を学びつつ、やってしまいがちな敬語のミスについて知ることもできます。分かりやすい解説とともに、敬語の落とし穴に気づくことができるはず。クッション言葉、聞き言葉と書き言葉における敬語など、改めて敬語について理解したい人におすすめの一冊です。
おすすめ書籍2:『改訂新版 入社1年目ビジネスマナーの教科書』(著:西出ひろ子、プレジデント社)
ビジネスで使える敬語の基本や話し方の基本はもちろん、入社一年目の社会人が抑えておきたいビジネスマナーを網羅しています。イラストや図表が豊富に入っており、服装や冠婚葬祭のマナーなど、一冊でたくさんのことを学びたい人におすすめです。
おすすめ書籍3:『新版 電話応対&敬語・話し方のビジネスマナー』(著:尾形圭子、西東社)
敬語の中でも、仕事の電話応対やアポ取りが苦手で悩んでいる人も多いですよね。この
『新版 電話応対&敬語・話し方のビジネスマナー』は、電話対応に特化したコミュニケーションを学べます。電話対応は新人が任せられることも多いので、ぜひ基本のスキルを磨いておきましょう。
まとめ:ビジネスパーソンはマナーを習得しつつ、方言を味方にしよう
方言が持つ魅力やメリット、注意したいデメリットを紹介しました。ビジネスではさまざまな人と関わりますので、基本的なマナーや敬語を身に付けることは大切です。その上で、方言は自身のルーツや個性に欠かせないものとして効果的に使っていくのがおすすめですよ。
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