今の時代は転職して収入アップやキャリアアップ、ワークライフバランスの向上を目指す人が多いですよね。ところが転職したことに後悔し「前の職場に戻りたい!」と未練が募ることも。前の職場に戻りたい人が受け入れてもらうためのポイント、出戻りが成功する人・しない人の違いなどを解説します。
- この記事でわかること
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- 転職の満足度を下げる転職活動のケース
- 転職に後悔した人が出戻りを成功させるためのコツ
- 入社してみないとわからない会社の問題
- 円満退職するためのポイントとNG行動
転職して後悔するのはどんなケース?
転職してから新しい環境でリスタートを切るつもりが、「転職しない方がよかった」「転職を早まってしまった」と後悔する人もいますよね。
転職してから後悔するケースには、こんな理由や状況が見られます。
- 転職して後悔するケースの例
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- 焦って転職活動していたため、内定が早く出た会社に転職したがイメージと違った
- 求人票に記載されていた内容と実際の仕事内容や待遇が異なる
- 実際に転職先で働いてみると、担当業務がイメージと違った
- 自分のスキルや経験が思っていたほど役に立たない
- 面接担当者の雰囲気は良かったが、直属の上司や社長とそりが合わない
- 人間関係のトラブルが多い職場だった
- ワンマンな社長や管理職がいて、方針がコロコロ変わっている
- 給与はたしかにアップしたが、想像以上に残業が多い
- 会社のルールや風土になじめない
- 前職に不満があって転職したが、比較すると前職が良い環境であったと気づいた
- 「なんとなく」で転職したため、モチベーションが上がらない
転職で解決できる問題・解決できない問題がある!
転職して後悔する人にありがちなのが、前の職場で抱えていた悩みが「転職すれば解決できる!」と思ってしまうケースです。たしかに転職をすると環境がガラッと変わります。
- 転職で解決を期待できる悩みや問題
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- 給与の上昇率が低い
- 福利厚生や休暇制度に満足できない
- 管理職のポジションにキャリアアップできる可能性が少ない
- 自分の実力や結果を評価してもらえない
- 会社の将来的な成長に不安がある
- 職場にどうしても苦手な人がいる
- 自分がチャレンジしたいことと仕事内容がマッチしない
上記の悩みや問題は、転職によって解決できることもあります。ただし必ずしも転職で解決できるとは限りません。
転職しても悩みを解決できない原因
転職直後の給与はアップしたものの、転職先では給与アップの条件が厳しく、長い目で見ると前職の方が給与が増える見込みが高いこともあります。
また、苦手な人がいたり人間関係のトラブルに悩んで転職したものの、新しい職場ではさらに苦手な人がいることも考えられるでしょう。モチベーションがアップする仕事を求めて転職する人もいますが、自分のビジョンや目標がしっかりしていないと、周囲に流されたり考えがブレてしまうものです。
転職のきっかけが悩みや問題であることは悪いことではありません。ただし、転職に過度の期待をしすぎていたり、オール・オア・ナッシングの考えに陥っていると、転職後の現実に不満が募ってしまうおそれがあることを理解しておきましょう。
後悔なし!転職を成功させるポイント
転職を成功させるためには、転職活動の始め方や進め方にポイントがあります。
- 転職を成功させるポイント
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- 焦りから早まった判断をしないように、余裕をもって転職活動を始める
- 「転職したい」という理由や原因、状況を分析する
- 転職するビフォーの自分とアフターの自分を具体的にイメージする
- 自分が仕事に求めることをリストアップし、優先順位をつける
- 自分が仕事に求めることと、転職先候補の企業の風土や文化がマッチするか照らし合わせる
- 複数の企業を比較し、「給与」「福利厚生」「仕事内容」「求める人物像」の項目ごとに整理整頓して比べてみる
- 転職エージェントに相談し、自分の市場価値やマッチしやすい企業についてアドバイスをもらう
- 転職候補の企業について、口コミサイトをチェックしてみる(正しい情報とは限らないため、参考として)
- 内定が出たら、労働条件通知書を作成してもらい、内容を確認する
- 可能であれば、会社見学をさせてもらう(インターネット上の情報収集のみでは不確かであるから)
- 信頼できる知り合いの紹介で転職する(リファラル採用で転職する)
- 転職後、「前の職場ではこうだった」など前職の方法や価値観を押し付けない
- 前の職場と新しい職場では、違いがあって当たり前という気持ちを持つ
せる
少しでも転職後に後悔するリスクを下げるためにも、上記の項目を実践するのがおすすめですよ。
いざ転職!入社してみないとわからないデメリットやトラブルも…
さまざまな予防や対策をしたのにも関わらず、「転職したのは間違いだった」と後悔することもあり得ます。職場の状況や空気感、人間関係の詳細は、入社してみないとわからないことも多いからです。
- 入社前にはわかりづらい転職先のデメリット・トラブル
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- 転職後に、業界や会社の業績が悪化した
- 人材不足に悩んでおり、求人票に嘘が混ざっていた
- 癖の強い人物は面接に同席していなかった
- 昇進や昇給の要件が厳しい・独特で複雑な制度になっている
- 転職先で社内組織の改編や異動が起き、選考時とは社風や雰囲気が変わってしまった
- 自分より後から入ってきた新人や転職組がトラブルメーカーだった
求人票に虚偽が混ざっていたり、入社後に労働契約の内容と異なる待遇や仕事内容になった場合、人事部や労働問題に詳しい相談窓口に相談してみてくださいね。
転職前の職場に戻りたいときはどうする?
転職前の職場の方が良かったと感じたとき、いわゆる出戻りをすることはできるのでしょうか。出戻りは、できる職場もあるしできない職場もあるというのが現実です。
会社としては、出戻りの人を受け入れることにはメリットがあります。業界未経験や新しい人材を育てるにはコストがかかります。そのため、すでに業務内容を知っている人、スキルや能力を把握できている人、信頼できる人を再び雇用することは人材育成費のコストカットにつながります。
転職前の職場に戻りたい場合、当時の上司や信頼できる同僚などに相談してみるのがおすすめです。関係性が良好であったり、重宝されるスキルや経験を持っている場合は歓迎されることがあるでしょう。
ただし、退職した人から職場に戻らせてほしいとお願いされた場合、相談相手や人事部は「また辞めるんじゃないだろうか」「うちの会社や職場に不満があるはず」と感じる可能性が高いものです。また、すでに新しいメンバーが入社していて人員が足りている場合は、出戻りの人を雇うための人件費に余裕がないかもしれません。出戻りが成功するか失敗するかは、タイミングにも左右されるのです。
出戻りのタイミングを逃さないためにも、前職の上司や同僚とは良好な関係を保ち、さりげなく情報共有しておくと安心ですよ。
前職に未練があっても新しい職場で頑張るメリット
転職後の職場や仕事内容に不満がある場合、すぐに次の転職を考えることにはメリットとデメリットがあります。
転職先で受けるストレス・ダメージを抑えられる
メリットとしては、求人票に虚偽があった場合などで労働環境が劣悪なことがわかったときに、心身のストレスやダメージを早めに抑えられることです。転職を我慢したことで心の病や体の不調を引き起こすよりは、自分自身を守ることの方が重要なケースもあります。
早めの判断で前の職場に出戻りしやすいことも
前職が出戻りを歓迎している場合、早めに戻る方が安心な場合があります。時間が空いてしまうと、あなたが辞めた後の人員補充が済んでいる可能性があるからです。
予想を超えたスキルアップやキャリアアップの道が拓ける
「思っていたよりも自分が未熟で活躍できない」「実際の業務とイメージが違う」という場合、新しい職場や業務に馴染むように努力するのもおすすめです。自分では思いもしなかったスキルを磨くことができたり、今までの人生では思い描くことのなかったキャリアプランが拓けてくることもあり得ます。
新しい職場は、人脈作りのチャンスと考える
職場が変われば、人間関係や取引先もガラッと変わります。転職先では上司や先輩社員はもちろんですが、自分よりも若い人ともコミュニケーションを取りましょう。新しい職場で上手くやっていくコツや仕事のつながりなどを共有してもらえます。
すぐに転職すると次の転職活動が難しくなることも
転職したことに後悔していると、すぐに転職したくなることもあります。ただし、在職期間が短い場合、次の転職では書類選考で落とされたり、退職理由についてしっかりとした答えを求められることが少なくありません。
出戻りするなら円満退職が欠かせない!
出戻りできるかどうかはその会社の採用活動の方針にもよりますが、なんといっても前の職場と良好な人間関係を築けていたか、円満退職できたか、という点がとても大切です。日頃から職場の人に対しては挨拶やマナーをきちんとする、仕事は協力しながら進める、報・連・相を怠らないなどに気をつけましょう。
さらに、退職するときに注意すべきことがあります。
退職する人がやってはいけないNG行動
職場の良好な人間関係は、退職時に壊れてしまうこともあります。下記のような行動をしていると、職場の人間関係がこじれる原因になるでしょう。
- 退職するときのNG行動
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- 上司や先輩、同僚などと喧嘩をしたり、後味の悪い状況を作る
- 引き止めがあったとき、無下に断る
- 送別会に出席しない・失礼な言い方や理由で断る
- お世話になったことへの感謝を言わない・お礼の菓子折りを用意しない
- 転職が決まったことを自慢したり、会社をバカにする発言をする
- 引継ぎをしない・引継ぎ資料が適当だったり不足している
- 退職・転職に必要な書類提出の期限を守らない
- 退職後に、前の職場の悪口を言いふらす
- 転職活動中や退職後に、前職で得た情報やノウハウを漏洩する
どれも当たり前のことのようにも思えますが、転職を考えているときは職場への不満やイライラが募っていることも多く、感情的になりやすい時期です。転職活動で内定が決まった後も、嬉しさのあまり感情のコントロールが効かなくなるおそれがあります。
退職したといっても、どこで人間関係がつながっているかはわかりません。今後のご自身のキャリアや人生の充実のためにも、どの職場でも人間関係やマナーには気をつけましょう。
おわりに:転職後に後悔しないためにも転職活動の準備はしっかりと!
転職後に後悔した場合、出戻りできる可能性は十分あります。ただし出戻りを成功させるかどうかは、それまでのご自身の振る舞いや仕事で培ってきたスキルや経験が重要。キャリアプランを充実させるためにも、転職をするときはしっかりと準備しましょう。
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